1971.10.11 別09 レーザー光線による核融合 M.J.ルビン/A.P.フラース レーザー光線を点火に用いると,特定の磁場なしに制御核融合反応をおこすことができる。 1971.10.24 別10 眼球運動と視覚のメカニズム D.ノートン/L.ストーク 眼がどのように像を認識するかを追跡することによって,視覚のメカニズムが解明できる。 1971.10.34 別79 ロス地震と耐震構造 武藤清 ロサンゼルス大地震に耐えた「カジマビル」の震動分析は,耐震構造の研究に新紀元を画す。 1971.10.54 別12 陽子と中性子をこわす H.W.ケンダル/W.パノフスキー 陽子と中性子もその内部構造は決して単純でなく,もっと小さな物質からなっているらしい。 1971.10.76 別13 記憶装置の革命的な新材料 A.H.ボベック/H.E.D.スコビル マグネティック・バブル(磁気のあわ)はコンピューターの記憶素子として脚光をあびてきた <磁気バブル>。 1971.10.92 ウイルス感染を防ぐインターフェロン M.R.ヒルマン/A.A.ティテル 組織細胞からつくられる不思議な物質インターフェロンはウイルスに対して抵抗性が強い。 1971.10.100 別03 超新星爆発と星の進化 P.ゴーレンシュタイン/W.タッカー 銀河系にみられる巨大な輝くガス星雲の観測から超新星の爆発にさかのぼることができる。 1971.10.114 脳のなかの神経回路 L.ハイマー 染色法や顕微鏡による新技術の開発は,脳細胞の結びつきや情報伝達回路を明らかにした。 1971.11.10 試験管の中のガン細胞 釜洞醇太郎 試験管での発ガン実験により,正常な細胞がガン化するプロセスと,その特性を追求する。 1971.11.22 別09,67 実用化をめざすダイオード・レーザー M.B.パニッシュ/I.ハヤシ(林厳雄) ダイオードという半導体を使うレーザーの出現は大容量通信システムの実現を可能にした。 1971.11.32 月に磁場は存在するか P.ダイアル/C.W.パーキン アポロ計画の宇宙飛行士が月面で観測した成果にもとづいて,月の磁場の存在を考察する。 1971.11.52 別30 生きている細胞の進化 L.マルグリス 高等生物の細胞には,クロロプラストやミトコンドリアのような特殊な細胞内器官がある<SA1971.08.48>。 1971.11.68 記憶をコントロールする機構 R.C.アトキンソン/R.M.シフリン 人間の脳の回路についての実験は,記憶のメカニズムを解明する手がかりを与えてくれる。 1971.11.78 別12 高エネルギー光子の性質 F.マーフィー/D.E.ヤント 可視光線の100億倍のエネルギーをもつレーザーの光子は,量子としての性質も備える。 1971.11.92 浮かび上がったビザンチン貿易 G.F.バス 7世紀ビザンチン時代に活躍した貨物船が,考古学者によってひきあげられ,再現された。 1971.11.108 蛋白質の豊富なとうもろこし D.D.ハープステッド 新しく生まれた高リジンとうもろこしは,生物に最も有用な蛋白質源を豊富に供給できる。 1971.12.10 別04 エネルギーと人間 C.スター 地球上での人間生活におけるエネルギーの役割について過去・現在そして未来を見通す。 1971.12.26 別06 宇宙のエネルギー F.J.ダイソン 地球上のエネルギーの流れは,すべて宇宙における巨大なエネルギーの流れの一部である。 1971.12.38 別04 地球のエネルギー資源 M.K.ハバート 地球のエネルギー資源には,太陽エネルギー・潮汐・地熱・核分裂および核融合がある。 1971.12.58 生命をささえるエネルギー D.M.ゲイツ 太陽からふりそそぐエネルギーのほんの一部を植物がとらえ地球の全生命をささえている。 1971.12.72 狩猟社会とエネルギー W.B.ケンプ 狩猟社会においてエネルギーの流通はどのようになっているか。エスキモーの部落にみる。 1971.12.86 農業社会とエネルギー R.A.ラパポート ニューギニアのツェンバガ族にみる原始的農業社会のエネルギー流通のみちすじをさぐる。 1971.12.104 別04 工業社会とエネルギー E.クック 世界総人口の6%をかかえる米国は,世界のエネルギー消費の35%を占める。 1971.12.116 別04 エネルギーの変換と効率 C.M.サマーズ 電球からガスタービンまでさまざまな装置の効率がエネルギー需要を限定する因子となる。 1971.12.132 エネルギーの経済地理 D.B.ルーテン エネルギーのさまざまな形の移動は,相互に連関をもつ複雑なネットワークをつくり出す。 1971.12.145 エネルギーと情報 M.トライバス/E.C.マッカービン 情報はエネルギーの流れをコントロールする。そして両者は相互に高い次元で関係をもつ。 1971.12.155 エネルギー生産と社会的責任 M.カッツ 無限ではない地球上のエネルギーとその需要の増加を人類はどのように調和させていくか。 1971.12.160 日本のエネルギー 向坂正男 経済の高度成長にともなって急激に増大した日本のエネルギー消費に今後どう対処するか。 1972.01.11 米国のインフレの解剖(1953〜75) W.H.フィッシャー 投入・産出分析で米国のインフレ過程,特にサービス部門のコスト・インフレを解明する。 1972.01.18 地球より古い月の岩石 B.メイソン アポロ宇宙船によって集められた月の岩石は月の性質について多くのことを教えてくれる。 1972.01.30 別37 プロスタグランディン J.E.パイク 最近分離されたプロスタグランディンは,生物のさまざまな器官にひろく影響をおよぼす。 1972.01.46 別08 サン・アンドレアス断層 D.L.アンダーソン サン・フェルナンド地震をひき起こしたこの断層系は巨大な動く岩板の境界の一部である。 1972.01.66 別79 50万トン・タンカーの建造システム 真藤恒 世界最大のタンカーを産み出した日本の造船技術は50万トンをめざして革新を続けている。 1972.01.80 別05,28 胎児の遺伝病を診断する T.フリードマン 羊水をとり出して検査するという新しい技術の進歩で胎児の遺伝病の診断方法が確立した。 1972.01.90 新しい超電導体 T.H.ジェボール 金属と有機物を結合させて作った超伝導体は,従来のどの物質よりも高温で超伝導を示す。 1972.01.106 ケーブルテレビと有線都市 W.T.ノックス ケーブルテレビ・ネットワークの急速な伸長は“有線都市”の実現を間近いものにしている。 1972.02.10 別03 ガム星雲と銀河系 S.P.メイラン 銀河系内の最大の星雲であるこのガム星雲の大きさや起源が,いま論争の的になっている。 1972.02.22 別07 生と死“クリプトビオシス” J.H.クラウエ/A.F.クーパー 原始的な動物に見られるクリプトビオシスの研究は,生と死の定義に新たな局面をひらく。 1972.02.30 別10 錯覚テストと知覚システム F.アトニーブ 見方によって異なる図形が見える錯覚は,知覚システムの物理的な構造によるものらしい。 1972.02.48 化学工業における触媒の役割 V.ヘンゼル/R.L.バーウェル 化学反応を促進する触媒は現代の化学工業に欠かせない。こうした触媒の機能を解明する。 1972.02.67 別05 生命活動を支える脳 時実利彦 人間の生命活動をささえている脳のしくみとそのはたらきについて最新の成果を提示する。 1972.02.86 不規則な地球の自転 D.E.スマイリー/L.マンシンハ 最近の測定の解析から地球自転の不均一さと大地震との間に強い相関関係が見出された。 1972.02.96 古代ユダヤ教と“死海の書” S.タルモン 古代ユダヤ人の残した“死海の書”の研究で旧約聖書と新約聖書の間の空白が埋められた。 1972.02.108 砂漠に孤立してすむ魚 J.H.ブラウン デスバレーの砂漠に孤立してすむパップフィッシュは進化についていろいろ教えてくれる。 1972.03.9 核実験全面禁止への新展開 H.R.マイヤー 地震学の進歩により地下核実験が問題化し,全面的核実験禁止条約の締結が急務となった。 1972.03.22 別44,90 健全な細胞はどうガン化するか H.M.テミン ある種のRNA動物ウイルスは寄生した健全な細胞のDNAを修正してガン化することがある。 1972.03.34 別04 地熱エネルギーの利用 J.バルネア エネルギー資源の窮迫から,“地熱”が注目され,その探査や利用技術の開発がすすんでいる。 1972.03.48 走査電子顕微鏡とその世界 T.E.エバーハルト/T.L.ヘイズ 走査電子顕微鏡は極微の世界をテレビジョンと同じように立体像で再現することができる。 1972.03.64 別05 血液型は何によってきまるか 井関尚栄 血液型をきめる物質の研究がすすみ人類学,遺伝学,血清学などの進歩に大きく貢献した。 1972.03.78 大気光のスペクトル M.F.インガム 高層大気中の原子や分子が太陽光線で解離された時に放つ大気光のスペクトルを分析する。 1972.03.88 別05 胃はなぜ自分を消化しないか H.W.デブンポート 胃は,金属を溶かすほどの胃酸から自分をまもるために,いろいろな機能をそなえている。 1972.03.96 集団遺伝学からみた人類の起源 R.B.エックハルト ホミノイドの化石群の示す遺伝的変異性を調べ人類の起源に関する“失われた環”を探る。 1972.04.9 マイクロ波技術とテクノロジー・アセスメント R.バウアーズ/J.フライ アイクロ波技術の進歩は,通信に画期的な変革をもたらし,社会に大きな影響をあたえる。 1972.04.20 別05 瞑想の生理学 R.K.ウォレス/H.ベンソン ヨガの行者についての研究によると,瞑想状態では人体に明白な生理的変化が起きている。 1972.04.28 地球の自転と地磁気 川井直人 岩石や土器の強磁性鉱物は昔の地球を記録した歴史書。これから地球磁場の変動が探れる。 1972.04.48 別20 会話のできるコンピューター J.L.フラナガン 記憶している単語から人間と同じように音声を合成するコンピューターが開発されている。 1972.04.62 別30 細胞膜の構造とはたらき C.F.フォックス 脂質,タンパク質からなる細胞膜は,細胞の保護ばかりでなく,その通過物質もチェックする。 1972.04.72 経験がひきおこす脳の変化 M.R.ローゼンツバイク/E.L.ベネット 豊かな環境で飼育したネヅミと貧しい環境で飼育したネズミとは脳に変化が認められる。 1972.04.82 別09 レーザー光線の圧力とその応用 A.アシュキン 小さな粒子を遠く運ぶ力をもつレーザー光線を光通信に応用することが,考えられている。 1972.04.94 電波星を探る大陸間電波天文学 K.I.ケラーマン 数千キロ離れた電波望遠鏡を干渉計として利用し,宇宙の電波源の研究が進められている。 1972.05.9 食品添加物は安全か G.O.カーモード 現在2500種余の食品添加物が使われているが,それらの安全性は,まだ確認されていない。 1972.05.18 縄文土器の起源 芹沢長介 カーボン・デイティングで,福井遺跡の土器年代は旧大陸のものより古いとの結果が出た。 1972.05.36 別07 眼によらない光の感覚 M.メナカー ある種の脊椎動物は眼で外界を認識するだけでなく,脳の中の光受容器でも明暗を識別する。 1972.05.46 静電気の作用とその応用 A.D.ムーア これまで余り注目されなかった静電現象が複写機や集塵装置など新しい応用分野を広げた。 1972.05.70 別05 赤ちゃんは考えるか? J.ケーガン 赤ちゃんがものを考え始めるのは生後9カ月からであることが,新しい実験で証明された。 1972.05.80 別02 造山運動と大陸移動 R.S.ディーツ 堆積によって大陸の縁にできる地向斜はしゅう曲して山脈をつくり,それが大陸を成長させる。 1972.05.92 筋肉運動のエネルギー源 R.マルガリア 適度な強さの筋肉労働や運動は,休息をとることによってその効率を高めることができる。 1972.05.102 ケプラーの法則はいかにして発見されたか C.ウィルソン ケプラーは,惑星の観測から楕円軌道を発見したのではなく,先に楕円軌道を思いついた。 1972.06.9 経済援助のあり方と政治 G.ミュルダール 富める国から貧しい国への経済援助は減少しつつあり,これは人間的モラルと関係がある。 1972.06.18 世界最古の農業革命 W.G.ソルハイム 最近の東南アジアの遺跡の発掘で,世界最古とされた中東より古い農業の遺物が出土した。 1972.06.28 言語と脳のはたらき N.ゲシュヴィント 脳の損傷による失語症を手がかりに,言語活動が脳で営まれるしくみを知ることができる。 1972.06.44 チトクロムと生物の進化 R.E.ディッカーソン 生命の呼吸に必要なチトクロム酵素を調べて12億年に及ぶ生物進化をたどることができる。 1972.06.62 潮の干満と地球-月システム P.ゴールドライヒ 潮汐の摩擦によって,1日の長さがしだいに長くなり,また月が地球から遠ざかっている。 1972.06.76 公害とたたかうミツバチ R.A.モース ミツバチは巧みに温度や湿度を保ち,汚ない空気や異物を捨てて巣を汚染から守っている。 1972.06.84 超電導による送電システム D.P.スノウデン 送電の際の損失を防ぐには低温で超伝導状態にした地下ケーブルが効果を発揮するだろう。 1972.06.94 昆虫の発音と聴覚 玉重三男 昆虫はさまざまな発音手段と聴覚を持つ。その声をオシロスコープで記録して特性を探る。 1972.07.10 ベトナム戦争の生態学的影響 A.H.ウエスチング/E.W.プファイファー ベトナム戦争で生じた無数のクレーターは,インドシナに永久に消えない傷跡をのこした。 1972.07.22 別03 宇宙の謎“ブラック・ホール” R.ペンローズ 巨大な星が崩壊すると,重力で光さえ閉じこめるブラック・ホールのできる可能性がある<ブラックホール>。 1972.07.32 森林のサルの生態と進化 河合雅雄 これまで未調査の森林性サルをウガンダに求め,テレメーターを使い生態を明らかにする。 1972.07.50 プレート・テクトニクス J.F.デューイ 地球の表面は互いに相対的な運動をするいくつかの剛体プレートのモザイクに分割される。 1972.07.73 大静脈からの栄養補給 S.J.デュードリック/J.E.ローズ 大静脈から栄養を補給する方法で,成長や病気の回復に必要な栄養をほぼ完全に供給できる。 1972.07.82 年齢と気候 H.C.フリッツ ある地域の木の年齢の型の変化を調べてその地域の過去の気候の変動を知ることができる。 1972.07.92 筋収縮を支配するしくみ P.A.マートン 随意筋には,自動車の操縦を支配するフィードバック系にも似たサーボメカニズムがある。 1972.07.102 パリ=ボルドー間“グレート・レース” J.イクス 1895年のパリ=ポルドー間往復1200kmの自動車レースで自動車の将来性が世に示された。 1972.08.9 別19 臓器移植と拒絶反応 R.A.ライスフェルド/B.D.カーン 生体の細胞はタンパク質からなる独自の認識標により,自己と異系の細胞を識別している。 1972.08.20 別33 ミサイル潜水艦競争 H.スコビル 戦略面から新ミサイル潜水艦の必要性が叫ばれているが,これは速断すべきことではない。 1972.08.34 別10 輪郭とコントラスト F.ラトリフ 輪郭線で区切ると,同じ輝度でも,外側は内側よりも暗くみえる。 1972.08.52 礁にみる地球の歴史 N.D.ニューウェル 最古の生態系である礁は環境変化に敏感で,その化石は地球の過去を正確に記録している。 1972.08.68 別79 微生物産業における技術革新 木下祝郎 アミノ酸発酵や核酸発酵など微生物産業の技術革新はめざましく,その将来が期待される。 1972.08.84 別07 ガの飛行と体温調節 B.ハインリッヒ/G.A.バーソロミュウ ある種のこん虫は,低温で飛び立つのに筋肉を暖めたり,過熱を防いだりする機能をもつ。 1972.08.94 地球外生物は存在するか C.E.フォルサム/K.A.クヴェンヴォルデン 最近地球に飛来した隕石中の有機物を分析して,地球外生物存在の可能性との関連を探る。 1972.08.106 別37 心理的ストレスと病気 J.M.ワイス ネズミによる研究から,心理的要因が胃潰瘍や種々の障害の主要因であることが判明した。 1972.09.22 トカマク方式による核融合 B.コピ/J.レム トカマク装置による超高温プラズマの閉じ込めが成功し,核融合炉実現の見通しがついた。 1972.09.34 “読む”ことの心理と生理 P.A.コラーズ 読むということは単に字を目で追うのではなく,仮説をつみ上げて意味をつかむことである。 1972.09.50 新しくわかった生命をささえる四元素 E.フリーデン 最近,フッ素,スズ,ケイ素,バナジウムの四元素が生命に不可欠であることがわかった。 1972.09.62 利根川水系の開発と水資源 金関義則 首都圏の水不足を解消するためには多摩川にかわって,利根川水系の果たす役割が大きい。 1972.09.74 別03 宇宙からのX線 H.W.シュノッパー/J.P.デルベイル 現在までに発見されている120以上のX線源は,中性子星や準星などであると考えられる。 1972.09.88 別05,L4 愛情遮断と発育不全 L.I.ガードナー 乱れた家庭環境で愛情から遮断されて育てられた子供は,発育不全におちいることがある。 1972.09.9 対潜水艦戦と米国の安全保障 R.L.ガーウィン ニクソン訪ソによって米ソ間で調印されたSALT協定は全面核戦争抑止への道を開いた。 1972.09.96 別07 海生動物の逃避行動 H.M.フィーダー カイやウニなど動作の鈍い海生動物もヒトデに襲われると驚くほど機敏に動いて身を守る。 1972.10.10 ロータリー・エンジン D.E.コール 自動車の排気ガス規制やコスト切り下げに,ロータリー・エンジンはきわめて有望である。 1972.10.104 カモにみる親子のきずな E.H.ヘス カモのような鳥では,卵のころからすでに母鳥のコミュニケーションが行なわれている。 1972.10.22 サイクリックAMP I.パスタン サイクリックAMPはあらゆる生細胞に含まれるホルモンの調節や化学合成に関係している。 1972.10.32 2進法の歴史とコンピュータ F.G.ヒース コンピューター・システムに不可欠な2進法の起源は,17世紀のベーコンにまでさかのぼる。 1972.10.46 別03 星の誕生と死 B.J.ボーク 星は死ぬがゆえに誕生する。星の誕生には銀河面に沿ったガスと塵の雲の中が最適である。 1972.10.66 大気汚染と気候の変化 山本義一 1940年前以降地球の気温は低下している。大気汚染は地球の気候を変えてしまうのだろうか。 1972.10.80 立体視のメカニズム J.D.ペティグルー 人は両眼で同じ方向を見,大部分重なった視野のわずかな差を利用して物を立体的に見る。 1972.10.94 医者と患者の人間関係 B.M.コーシュ/V.F.ネグリート 医者と患者の意思疎通が不十分だと,双方に不満が生じ,医療上の大きな問題につながる。 1972.11.102 別20 コミュニケーションのネットワーク 猪瀬博 コミュニケーションのネットワークは,データ通信や人工衛星などの開発で無限に広がる。 1972.11.116 別20 コミュニケーションの端末装置 E.R.クレッツマー 端末装置は,メッセージを伝達しやすい記号に変換し,それを再び使いやすい形にもどす。 1972.11.132 コミュニケーションとコミュニティ P.C.ゴールドマーク 電話やテレビの進歩は,有線都市の実現を可能にし,人間の生活に大きな恩恵をもたらす。 1972.11.14 別20 コミュニケーション J.R.ピアース コミュニケーションは人間の生活,とりわけ現代の社会にとって必要不可欠な要素である。 1972.11.144 コミュニケーションと社会環境 G.ガーブナー 人間の行動や生活様式は,マス・コミュニケーションによって,さまざまに形づくられる。 1972.11.157 コミュニケーションと表現の自由 T.I.エマーソン 表現の自由はコミュニケーションにとって基本的な条件であり,人間の基本的権利である。 1972.11.170 日本のコミュニケーション 緒方研二 データ通信網の整備などによって日本におけるコミュニケーションの発達はいちじるいしい。 1972.11.28 細胞間コミュニケーション G.S.ステント 細胞のコミュニケーションはホルモンや神経線維を通じて行なわれ,核酸分子が関与する。 1972.11.40 動物のコミュニケーション E.O.ウィルソン 動物はフェロモンのような化学物質や動作,音などによってコミュニケーションを行なう。 1972.11.56 音声によるコミュニケーション R.ヤコブソン 人間の言葉は無限のメッセージを伝えることができ,新しい概念を作る機能をもっている。 1972.11.66 視覚によるコミュニケーション E.H.ガンブリッチ 視覚のイメージは,単に映像をあらわすだけでなく,それ自身が象徴言語のひとつである。 1972.11.86 別20 コミュニケーションのチャンネル H.ブジニ 現代のコミュニケーション・チャンネルは,電線から光パイプまで多岐にわたっている。 1972.12.110 マイナス所得税の実験 D.N.カーショウ マイナスの所得税を課することによって,貧しい人々の勤労意欲減退をまねくであろうか。 1972.12.20 別05,28 ラクトースとラクターゼ N.クレッチマー 乳糖であるラクトースを消化する酵素はラクターゼだが,ほとんどの大人にはこれがない。 1972.12.30 別07 チンパンジーに言葉を教える A.J.プリマック/D.プリマック サラという子どものチンパンジーは130のことばといくつかの文法をまなぶことができた。 1972.12.48 新しい記憶素子“音響表面波” G.S.カイノー/J.ショウ レーリー波という固体の表面を伝わる音波を電子機器に利用しようとの研究が進んでいる。 1972.12.68 月の有機化合物を分析する G.エグリントン/J.R.マクスウェル アポロ宇宙船の持ち帰ったサンプルを分析した結果,種々の簡単な有機化合物がみつかった。 1972.12.82 機械による連想記憶へのアプローチ 南雲仁一 アソシアトロンという機械を製作して,機械に連想記憶が可能であるかどうかを実験する。 1972.12.9 別04 ガス化による無公害発電 A.M.スクワイヤーズ 有害な排気ガスの出ない無公害発電として重油や石炭をガス化する方式が期待されている。 1972.12.98 粘土に書かれたミュケナイ文明 J.チャドウィック 粘土に書かれた線状文字を解読したところ,先史時代のギリシャ人の生活が浮かび上がった。 1973.01.18 別13 電子ビームによる超小型回路 A.N.ブレース/M.ハツアキス 電子ビームを利用すると,トランジスタ回路や他の電子回路装置を飛躍的に小型化できる。<電子ビーム露光>。 1973.01.30 別08 地震の謎に挑戦する 竹内均 地震による断層や土地の隆起・沈降は,日本列島の地殻変動の実態について教えてくれる。 1973.01.48 化石と大陸移動 A.ハラム 各大陸の化石分布の記録が,プレート・テクトニクス説の裏付けに,大きく寄与している。 1973.01.62 別37 視床下部ホルモンのはたらき R.ギルマン/R.バーガス 下垂体前葉の働きを調整する視床下部ホルモンは,臨床的に多くの成果をもたらしている。 1973.01.74 ゴシック大会堂の構造解析 R.マーク 700年前に建てられた大会堂が,今なお安定を保っている秘密を光学的な応力解析で探る。 1973.01.86 軍隊アリの社会的行動 H.R.トポフ 動物界における社会的行動はよく知られているが,その1つの典型が軍隊アリにみられる。 1973.01.9 異粒子原子と原子核の構造 C.E.ウィーガンド 原子の中の電子を別の素粒子でおきかえた異粒子原子から,原子核の特徴や性質がわかる。 1973.01.98 核実験全面禁止への道 H.F.ヨーク 部分核実験禁止条約以後,着実な前進がみられ,全面的核実験禁止実現の機が熟してきた。 1973.02.18 中国の技術水準 R.ツー(朱兆祥) 現在の中国は,米国の水準に近い近代工業社会の基幹となる高度の科学技術をもっている。 1973.02.24 別03 X線星と高密度星 小田稔 光の1000倍以上もの強さでX線を放射する天体が発見されて10年。不思議な特質を分析する。 1973.02.48 紡績の新しい技術 S.バッカー 新しい繊維の開発にともない,糸をつくるために繊維をより合わせる技術も発達してきた。 1973.02.62 感覚をつかさどる脳の上丘 B.ゴードン 哺乳類の中脳にある上丘とよばれる部位が,視覚,聴覚など感覚をコントロールしている。 1973.02.74 液体のちぎれやすさ R.E.アプフェル 液体も引っ張られるとちぎれる。このちぎれやすさが自然界や技術面で重要な働きをしている。 1973.02.84 科学的発見と芸術的創造 G.S.ステント 科学的発見と芸術的創造とは一見異質であるようにみえるが,実際には多くの共通性をもつ。 1973.02.9 子ネコの学習と本能 J.S.ローゼンブラット まったく無力に見える生まれたての子ネコも,学習することが実験により明らかになった。 1973.02.96 中生動物(メソゾア) E.A.レイバン/H.モロビッツ 細胞数が20個ほどの中生動物の特性を調べると,生物学の根本問題を解くカギが得られる。 1973.03.10 野生チンパンジーの驚くべき食生活 G.テレキ 野生チンパンジーは植物だけでなく,他のけものを狩り,殺して食べることが観察された。 1973.03.100 眼のコントラスト調節機能 F.S.ウェーブリン 広範囲の光度条件で物を見るとき,瞳孔だけでなく網膜が主要な調節機能を果たしている。 1973.03.112 雪の結晶 C.ナイト/N.ナイト 雪の結晶は,多様で不規則な形が多く,よく知られた六角形のものはその一部にすぎない。 1973.03.22 別19 ウイルスと病気の免疫 A.L.ノトキンス/H.コプロフスキー 生体の免疫反応による防御機構は非常に複雑で,必ずしもそのすべてが有益とは限らない。 1973.03.34 エネルギー源としての水素燃料 D.P.グレゴリー 現在利用されている化石燃料にとってかわるエネルギー源として水素燃料の可能性を探る。 1973.03.52 マリナー9号が観測した火星 B.C.マーレイ マリナー9号から送られた豊富な情報により,従来とは異なった火星像が明らかになった。 1973.03.76 キリスト時代のユダヤ教 M.E.ストーン 最近の考古学上の発見により,これまで不明だったキリスト時代のユダヤ教の実態が判明した。 1973.03.86 レーザーによる超高速現象の測定 田中郁三 レーザー光線を応用した測定法の開発によりピコ秒領域の超高速現象の解析が可能になった。 1973.04.10 金属蒸発レーザー W.T.シルフバースト 金属蒸気とガスを用いたレーザーは,広い波長範囲にわたって強力なレーザーを発振する。 1973.04.106 査察と軍縮 T.グリーンウッド 軍備制限協定の順守・違反の検証において,偵察衛星システムは重要な役割を果たしている。 1973.04.22 体温の高い魚 F.G.カーレイ すべての魚が冷血とは限らない。マグロなど高速で泳ぐ魚は,体温を水温より高く保っている。 1973.04.32 自動車衝突の安全対策 P.M.ミラー 衝突による乗員の死傷事故を防ぐには,自動車そのもののデザインを変更する必要がある。 1973.04.48 集団遺伝学からみた分子進化 木村資生/太田朋子 集団遺伝学の数学的理論と分子生物学の発達が,生物進化の研究に新しい分野を開拓した。 1973.04.68 神経細胞の特異性の起源 M.ジェイコブソン/R.K.ハント 神経細胞は他の一般の細胞と異なり,その成立のときからそれぞれ個性的な役割をもつ。 1973.04.80 海洋の微細構造 M.グレッグ 海水の温度や塩分の分布を詳細に調べると,海洋中での物質の拡散や海水の動きがわかる。 1973.04.96 高エネルギー天体物理学と回転 F.パチーニ/M.J.リー パルサーやクエーサーなどは,大きな天体から収縮する際に,その回転エネルギーを生み出す。 1973.05.10 世界人口の長期予測 T.フレイカ 現在約36億人である世界の人口は,その傾向からみて2100年には84億〜300億人にもなる。 1973.05.109 子供の成長と数概念の学習 C.J.ブレイナード 子供はまず数は順にならんでいるものと思い,後に数の大きさについて考えるようになる。 1973.05.20 別22 電子顕微鏡で見る遺伝子の行動 O.L.ミラー これまで述べられてきた遺伝子の転写や翻訳の行動が,電子顕微鏡写真により確認された。 1973.05.30 地球内部の微細構造 B.A.ボルト 鋭敏な地震計を群列配置することによって得た地震波の分析から,地球の内部構造を探る。 1973.05.48 別03 星間分子 B.E.ターナー 現在26種の星間分子が確認されており,それらの分子が星の誕生した領域を教えてくれる。 1973.05.68 別04 水素によるクリーン・エネルギー・システム 太田時男 化石燃料の枯渇によるエネルギー危機を救うのは,水素によるクリーンなシステムである。 1973.05.82 人間の脳の左右非対称性 D.キムラ 人間の脳は左右2つの半球にわかれており,それぞれの半球が異なった機能をもっている。 1973.05.94 自転車の発達とテクノロジー S.S.ウイルソン 自転車は,構造的に非常にすぐれており,その技術は自動車や航空機に受け継がれている。 1973.06.102 マルハナバチの活動とエネルギー B.ハインリッヒ マルハナバチと花は相互に影響しあいながら進化し,巧妙に双方の間の調和を保っている。 1973.06.11 新生児の呼吸と肺の成熟 M.E.エイブリー/N.S.ワン/H.W.トーシュ 新生児が呼吸不全で死ぬ例が多いが,未熟時の肺の成熟を促進する予防方法がみつかった。 1973.06.22 別03 明るい赤外線天体 G.ノイゲバウアー/E.E.ベクリン 赤外線天体は塵とガスの雲と考えられ,太陽の数千倍のエネルギーを放射するものもある。 1973.06.36 別13 イオン・インプランテーション F.F.モアヘッド/B.L.クラウダ 加速器でイオンを注入する方法を採用すると,従来の拡散法より精密な電子機器を作れる。 1973.06.52 水資源の循環と開発 J.P.ペイホト/M.A.ケッタニ 水の循環に関する水文学的な研究結果から,自然を改造する遠大な計画が立てられている。 1973.06.72 エネルギー獲得代謝の進化 江上不二夫 発酵によりエネルギーを得ていた原始生物から,現在の酸素呼吸までの進化の経路を推定する。 1973.06.78 別22 感染する薬剤耐性 R.C.クロウス 細菌の薬剤耐性因子が分離されて感染性因子の研究が進み,その性質が解明されつつある。 1973.06.91 ジョルダーノ・ブルーノ L.S.レルナー/E.A.ゴスリン ブルーノが宗教裁判で処刑されたのは,科学的理由よりもむしろ神秘的理由によるらしい。 1973.07.10 別08 インド洋とヒマラヤの形成 D.P.マッケンジー/J.G.スクレイター インド洋の海底に残された磁気の記録から,インド洋やヒマラヤ山脈の成因が解明された。 1973.07.22 2次元物質 J.G.ダッシュ 気体をひとならびの層に吸着させてつくった薄い膜により,2次元物質系の性質をさぐる。 1973.07.34 別05,L4 母親と幼児の間の心音の役割 L.ソーク 成人の心臓拍動は,乳児の心をやすらかにする効果があり,その体重の増減にも関係する。 1973.07.52 根のはたらき E.エプスタイン 根は多くの生理的活動を行なっているが,特に無機養分はこの根を通って生物圏にはいる。 1973.07.64L5 ガリレイの自由落下法則の発見 S.ドレイク 自由落下の法則は,ガリレイの過誤,幸運,数学的創意により発見されたことがわかった。 1973.07.78 ロボットによる海洋計測システム 渡辺茂 ロボットを中心としたOSRシステムが,新しい海洋計測システムとして開発されている。 1973.07.90 別07 ヘビの赤外線感受器 R.I.ガモフ/J.F.ハリス 真暗な場所でもヘビは獲物を捕らえられる。獲物が出す熱放射を探知する器官があるためだ。 1973.07.99 コンピュータ・プライバシー H.フェイステル データを暗号化して解読しにくい形にし,プライバシーを保護する研究が進められている。 1973.08.10 危機に立つ世界最大の漁業 C.P.イディル 世界最大の漁業であったペルー近海のカタクチイワシ漁は,いまや絶滅の危機に瀕している。 1973.08.104 チェスをするコンピュータ A.L.ソブリスト/F.R.カルソン シャノンの提唱から24年,チェスをするコンピューターは大いに進歩し学習も可能になった。 1973.08.20 細胞はどのようにして分裂するか 平本幸男 細胞分裂は生物体のもつもっとも基本的な機能であり,分裂装置が重要な役割を演じている。 1973.08.32 別03 アンドロメダ星雲の運動 V.C.ルービン アンドロメダ大星雲を構成している星や微塵やガスは,複雑なパターンの運動をしている。 1973.08.50 液体と固体における超高速現象 R.R.アルファノ/S.L.シャピロ レーザーを使って,10億分の1秒以下という超高速の原子や分子の内部運動が測定できる。 1973.08.70 別17 実験動物としてのヒトのリンパ球 R.A.ラーナー/F.J.ディクソン 実験室で何代にもわたって培養されたリンパ球によって,免疫システムの研究がすすんだ。 1973.08.82 別13 電子式数学表示装置 A.ソベル 電子式数学表示装置は研究室や工業機器だけでなく,卓上計算機や時計にまで使われている。 1973.08.96 安全実施をめざすマスキー法 N.ド・ネバース 1970年にできた米国の大気浄化法は,75年までに大気汚染物質の大幅な減少を目指している。 1973.09.102 米国の受胎調節政策 F.S.ジャフィ 米国における受胎調節政策は,この10余年の社会的関心の高まりとともに大きく転換した。 1973.09.10,85.01再録 別17 免疫系の機能 N.K.イェルネ リンパ球と抗体分子からなる免疫系は,異分子を識別して排除し,身体の恒常性をたもつ。 1973.09.20 新しい複合材料 H.R.クローザー 2種の材料を組み合わせて,よりすぐれた性質をもつ複合材料を作る技術の進歩は著しい。 1973.09.30 運動と脳のメカニズム E.V.エバーツ 大脳皮質は運動コントロール系では低次のレベルの機能しかもっていないことがわかった。 1973.09.46 融雪の人工制御 樋口敬二 災害の原因だった雪を水資源として積極的に制御,利用しようとの動きが表面化している。 1973.09.64 別08 プレート・テクトニクスと地下資源 P.A.ロナ 大陸移動や海洋底拡大の考え方は,重要な地下資源の存在場所の手がかりを与えてくれる。 1973.09.76 別43 隕石と宇宙線 I.R.キャメロン 隕石に対する宇宙線の照射効果の分析により,隕石と太陽系の歴史をとくかぎが得られる。 1973.09.88L2 金管楽器の音響学 A.H.ベナード トランペットは,ボーン内に反射して生じた定在波と演奏者の唇の共鳴により楽音を出す。 1973.10.10 スターリング・エンジン G.ウォーカー この外燃機関は大気汚染度も騒音も低く,従来の内燃機関に代わるものとして注目される。 1973.10.18 別12 ニュートリノの素粒子実験 B.C.バリシュ 巨大加速器のつくるニュートリノ線は,今や素粒子の下部構造をさぐる最良の手段である。 1973.10.28 別08 アンデスの成立と進化 D.E.ジェームス アンデスの成立と進化の過程は,プレート・テクトニクスの理論によって完全に解明できる。 1973.10.48 別13 MOS-新しい半導体 W.C.ヒッティンガー 最新のMOS回路技術を使うと,高い部品密度の電子素子を低価格で作ることができる。 1973.10.62 プラズマの物理とその世界 池上英雄 核融合の実現をめざすプラズマの閉じ込めと加熱の研究は,多くの試練を越えて進歩した。 1973.10.72 別22 遺伝子を分離する D.D.ブラウン DNAの相補的性質によりRNAと対を組ませ,そのRNAに対応する遺伝子を分離する。 1973.10.84 遺伝性脂質代謝症 R.O.ブラディ 出生前に遺伝子の組成を診断する方法が確立され,脂質蓄積症を制御できるようになった。 1973.10.96 別59 二重唱する小鳥 W.H.ソープ 熱帯産のある種の鳥類は,コミュニケーション維持のため雌雄共同で正確にさえずり合う。 1973.11.104 別38 精神医学的療法 L.アイゼンバーグ 向精神薬の発達や社会療法プログラムの充実により,精神病院の患者数は著しく減少した。 1973.11.11 別38 生と死と医学 K.L.ホワイト 急性疾患や障害の治療面での成功により,いまや医学は健康の増進に大きく役立っている。 1973.11.118 別38 病院 J.H.ノウルス 医学と専門分化した医療技術の進歩にともない,病院はますますその規模を拡大している。 1973.11.132 別38 医学教育 R.H.エバート 医学教育は急速な変革をとげつつあり,今後,専門医の減少と一般医の増加が予想される。 1973.11.142 医療産業 J.L.ゴダード 医薬品や医療品の産業に対しては,適正で公正な統制が国によって強化される必要がある。 1973.11.152 医療のシステム化 大島正光 医療の近代化が叫ばれているが,システム化によりそれを実現できるのではないだろうか。 1973.11.24 別38 成長 J.M.タナー 小児の成長過程における環境の影響は,成人になってからの健康に重大なかかわりをもつ。 1973.11.34 別38 老化 A.リーフ 長寿村の人々は,老人達も含めてよく働き,しかも1日の平均摂取カロリーは非常に低い。 1973.11.54 別38 死 R.S.モリソン 医学は死を遠ざけることもできるが,逆に患者の苦痛を長引かせることにもなりかねない。 1973.11.66 別38 病気 J.H.ディングル 医学の進歩による寿命延長とともに,慢性疾患が死亡原因として目立つようになってきた。 1973.11.78 別38 外科的療法 C.G.チャイルドIII世 外科療法は他の療法に比べて最終手段となることが多く,質的管理がより重要である。 1973.11.92 別38 化学的療法 S.M.メリンコフ 医療用の化学物質には薬物だけでなく,ワクチン,ホルモン,食物など多様な種類がある。 1973.12.10 磁気浮上による超高速鉄道 H.H.コルム/R.D.ソーントン 次代の新しい陸上輸送機関として,電磁力を利用した超高速鉄道が最も有望視されている。 1973.12.108 別12 高エネルギーの電子・陽電子衝突 A.M.リトケ/R.ウイルソン 高速の電子線と陽電子線の正面衝突により素粒子を発生させる実験は現代の錬金術である。 1973.12.20 太陽コロナ J.M.パサコフ 地上だけではなく,宇宙空間からの観測により太陽コロナの性質が明らかになりつつある。 1973.12.32 立体音と脳のメカニズム G.オスター 両耳性のうなりが起こる機構の解明から,脳神経と音の方向認知過程との関係を追求する。 1973.12.50 酵素活性の制御 D.E.コシュランド 生体内のタンパク質分子が外界の刺激に対して適合するので生体は環境変化に応じられる。 1973.12.70 プラスチックの放射線処理 鍵谷勤 放射線を照射することにより,プラスチックの材料を強化,改質,崩壊させることができる。 1973.12.84 別14 古代の“ミサイル”-投石器 M.コルフマン ペルシャやギリシャ・ローマでは,投石器が弓矢と同じく重要な武器と考えられた。 1973.12.96 効率の高い光合成 O.ベルクマン/J.ベリー 光合成の際に二酸化炭素を固定する,普通より高収量の第2の経路があることがわかった。 1974.01.102 別12 高エネルギー陽子の相互作用 U.アマルディ 世界最初の陽子線・陽子線衝突実験は,陽子間の相互作用が次第に強まることを見出した。 1974.01.18 地震の予知とその制御 力武常次 日本の地震予知計画は,精密測地網の設定やリアルタイム観測処理により進められている。 1974.01.30 別08 太平洋の進化 B.C.ヒーゼン/I.D.マクレガー 深海底から系統的に採取したサンプルの調査により,太平洋の歴史が明らかになってきた。 1974.01.48 別17 免疫における補体系 M.M.メイヤー 人体に侵入する病原菌は抗体が識別し,その破壊と生体の防御とは補体タンパク系が行なう。 1974.01.66 別10 顔のパターン認識 L.D.ハーモン 人間の顔を識別するためには,どのような情報がどれだけ必要かが実験的に確かめられた。 1974.01.82 別65 ヒルベルト第10問題の解 M.デービス/R.ハーシュ ヒルベルトの23難問の1つであるディオファンタス方程式には,解がないことがわかった。 1974.01.9 別09 光ファイバーによる通信 J.S.クック レーザーを光源,光ファイバーを伝送路とする光による通信システムの研究が進んでいる。 1974.01.92 別07 ノミの跳躍力 M.ロスチャイルド ノミの驚くべき跳躍力は特殊な跳躍機構によるもので,自分の体長の100倍も跳び上がる。 1974.02.106 遺伝子と行動 S.ベンザー 染色体の上からある種の遺伝子をとり去ったハエは,その影響によって異常な行動を示す。 1974.02.18 航海術の4000年 茂在寅男 航海術の中心は位置測定法であるが,沿岸航法から電波航法の完成までに4000年を要した。 1974.02.32 別06 星雲間のはげしい潮汐 A.トゥームア/J.トゥームア 一部の奇妙な形をした特異星雲は,近接した複数の星雲の潮汐作用から生じたものらしい。 1974.02.55 熱帯降雨林 P.W.リチャーズ 生物進化の複雑さを温存する熱帯降雨林は,人間の進化によりやがて消えようとしている。 1974.02.67 フライホイールの新利用 R.F.ポスト/S.F.ポスト 最も古い発明の1つであるフライホイールが,新しい蓄電の道具として脚光をあびてきた。 1974.02.77 別09 レーザー分光学 M.S.フェルド/V.S.レトコフ レーザー光を利用すると、気体の発光・吸収スペクトル中に幅の狭い共鳴をつくりだせる。 1974.02.9 ハゲワシの滑空飛行 C.J.ペニクイック ハゲワシは体が重く自力ではわずかしか飛べないので,上昇気流を利用して滑空飛行する。 1974.02.90 コペルニクスとティコ・ブラーエ O.ギンガリッチ コペルニクスの本に書かれたティコの注釈は,彼の天動説の形成を示す貴重な資料である。 1974.03.104 アストロラーベ J.D.ノース アストロラーベは本来の観測器具としてだけでなく,時刻の補助計算器としても使われた。 1974.03.20 放射線とメダカの死 江上信雄 放射線の生体への影響は,照射量と照射の時期によって大きく変わることが確かめられた。 1974.03.34 電気化学加工法 J.P.ホアー/M.A.ラボダ この方法を用いると,これまでより簡単に硬質の合金を複雑な形に仕上げることができる。 1974.03.52 別30 細胞のライフ・サイクル D.メジア 生きている細胞のライフ・サイクルには,4つの段階のあることが新しい研究でわかった。 1974.03.68 別10 オリエンテーションと図形の知覚 I.ロック われわれが日常見なれているものでも,方向を変えて見るとまったく違ったものに見える。 1974.03.78 ヒルの神経系 J.G.ニコルズ/D.V.エッセン ヒルの神経系は単純な構造をもっているので,神経細胞の特性の研究に最適の素材である。 1974.03.9 別06 宇宙の年齢 D.N.シュラム 放射性物質崩壊のプロセスを研究することによって,宇宙の年齢を推定することができる。 1974.03.90 米国のエネルギー政策 D.J.ローズ これまでの米国のエネルギー政策は,将来への確固たる見通しを持っているとはいえない。 1974.04.100 脳と栄養 J.フェルンストロール/R.ワートマン 従来否定的であった,食物が脳の働きに影響を与えるという事実が,明らかになってきた。 1974.04.11 大豆-みなおされるタンパク源 F.ダブリング ダイズは有用なタンパク源であるばかりでなく,用途の広い経済的にも重要な穀物である。 1974.04.20 遅発性ウイルスと病気 F.F.ホランド ある種のウイルスは,感染の通常の症候を示さず,ヒトの慢性の変質性疾病の原因となる。 1974.04.30 別13 画期的な半導体“電荷結合素子” G.F.アメリオ “電荷結合”といわれる新しい概念に基づいた,画期的な素子が実用化されようとしている。<CCD>。 1974.04.48 別43 彗星の起源とその性質 F.L.ホイップル 一定の時期に飛来する彗星は,太陽や惑星の起源についても有効な情報を提供してくれる。 1974.04.62 筋タンパク質の協同作用 J.M.マレー/A.ウェーバー 筋収縮は,カルシウム・イオンに支配される4種のタンパク質間の相互作用によっている。 1974.04.72 超高層建築の耐風構造 C.W.コンデット 超高層建物が多数建てられるようになって,より安価で巧妙な耐風構造の発展が促された。 1974.04.86 稲作はいつ始まったか 江坂輝彌 わが国の稲作の起源はこれまで弥生時代とされてきたが,すでに縄文時代に始まっていた。 1974.05.10 石炭ガス化の新技術 H.ペリー 天然ガスや石油におされて姿を消していた石炭のガス化が見直され改めて検討されている。 1974.05.18 視覚と行動の神経生理 J.エバート 動物が感覚信号を判断し,最も適切な反応を選び出す神経機構を,実験によって解析する。 1974.05.28 別30 細胞膜のダイナミック・モデル R.A.キャパルディ 細胞自身や細胞内の小器官を包んでいる膜は,脂質とタンパク質分子の薄い集合体である。 1974.05.46 太陽系の化学 J.S.ルイス 太陽や惑星の起源は,その組成の研究から,塵の雲やガスの付着凝縮によると考えられる。 1974.05.62 別05 赤ちゃんのなき声 P.F.オストワルド/P.ペルツマン 赤ちゃんのなき声を音響スペクトログラフを用いてしらべると,異常な早期に発見できる。 1974.05.72 ジャンボ機と乱流 N.A.チャイギア ジャンボ・ジェット機の後流渦による乱流は,後続の小型機にとって重大な障害物となる。 1974.05.82 無機高分子 H.R.オールコック 炭素原子にかえてケイ素やリンを骨格とする高分子がつくられ,新材料の誕生が待たれる。 1974.05.92 海洋大循環の理論モデル 高野健三 海洋大循環とよばれる海水の大規模な運動は,地球の自転と海の広さによって生起される。 1974.06.104 タマコロガシの生態利用 D.F.ウォーターハウス オーストラリアでは,牧場での牛糞の害を防ぐために南アフリカ産のふん虫を利用している。 1974.06.11 別09 光の集積回路 P.K.ティエン 薄膜を利用したいろいろな光学素子を組み合わせて,光の集積回路をつくることができる。 1974.06.20 中国の医療システム V.W.サイデル/R.サイデル 地域への分散を基本とした医療システムにより,中国民衆の健康状態は大きく改善された。 1974.06.30 淀川水系の開発と水資源 金関義則 淀川水系の開発は,利水,治水の両面から考えられ,水資源の問題は転機を迎えつつある。 1974.06.50 木材パルプ F.K.ホール 木材パルプは製紙原料としてだけではなく,種々の化学製品の重要な原料ともなっている。 1974.06.66 別19 胎児と母体の免疫反応 A.E.ビヤー/R.E.ビリンガム 胎児に対しては,母体の免疫反応の影響が及ばないが,これは一見異常なことに思われる。 1974.06.80 別08 超大陸の分裂と海の生物 J.W.バレンタイン/E.M.ムアーズ 大陸と海洋の大規模な変化に伴って生物学的な環境も変化し,新しい生物圏が形成された。 1974.06.92 別06 爆発する銀河系の中心 R.H.サンダース/G.T.リクソン 銀河系中心核からの電磁波の観測で,そこでは周期的に大爆発が起きていることがわかった。 1974.07.10 噴火の予知と防災 諏訪彰 噴火の予知は,地球物理学や地質岩石学の有効な応用と微動地震計の開発にかかっている。 1974.07.104 アルビノの視覚異常 R.W.ギレリー アルビノ(白子)の動物に斜視が多いのは,視神系と脳を結ぶ伝導路が異常なためである。 1974.07.24 機械の疲労と摩耗粒子 D.スコット/W.W.シーフェル 機械の疲労は,潤滑油のなかにこぼれ落ちる摩耗粒子の種類によりその程度が判断できる。 1974.07.34 糖タンパク質 N.シャロン 糖とタンパク質が結合した糖タンパク質は,酵素やホルモンとして重要な働きをしている。 1974.07.50 海洋のミクロレイヤー F.マッキンタイヤ 海の表面近くで起きている微妙な現象が,地上の生物の生存に決定的役割を果たしている。 1974.07.68 建築とコンピュータ・グラフィックス D.P.グリーンバーグ コンピューターを利用すると,建築予定の建物の完成した姿を簡単に描き出すことができる。 1974.07.78 別06 宇宙の大爆発と重水素 J.M.パサコフ/W.A.ファウラー 宇宙空間に分布する重水素のひろがりは,宇宙の大爆発後15分で出来たものと考えられる。 1974.07.90 核戦略と核兵器 B.E.カーター 米国政府が提起した「改善された対兵力性能」は,核戦争を引き起こす危険性をはらむものである。 1974.08.10 CVS-都市交通の革命児 石井威望/井口雅一/越正毅 現在,実験の最終的段階にあり,次代の都市交通システムのエースとして注目されている。 1974.08.108 ワインとブドウと気候 P.ワグナー ワイン独特の味や風味は,原料となるブドウ生産地の自然の条件の違いから生まれてくる。 1974.08.24 齧歯類の数の周期的変動 J.H.マイヤーズ/C.J.クレブス 齧歯類の数が周期的に変動するのは,遺伝的な要因が大きく作用しているためと思われる。 1974.08.34 別09 レーザー爆縮による核融合発電 J.L.エメット/J.ナッコルス/L.ウッド レーザーによる核融合発電は,レーザー光線で燃料のペレットに点火することから始まる。 1974.08.56 カテコールアミンと刺激 J.アクセルロード カテコールアミンという化学物質が,刺激に反応してそれを器官に伝える働きをしている。 1974.08.70 地殻・大気・海洋の循環と平衡 R.シーベル 地球表面各部は巨大な化学的サイクルで結合されており,安定なシステムを形成している。 1974.08.80 渦巻く化学反応 A.T.ウィンフリー ある種の化学反応は,肉眼でも見える美しい色の渦巻き模様をつくりながら進行していく。 1974.08.96 氷河時代の狩人 R.G.クライン ウクライナ地方にいた初期の人類は,過酷な環境下で狩猟しマンモスの骨で住居を作った。 1974.09.110 化石人類の頭骨と脳 R.L.ハロウェイ 人類の脳は,およそ300万年前ごろから他の霊長類の脳とは異なる進化の道を歩み始めた。 1974.09.18 別22 雑種細胞とヒトの遺伝子 F.H.ラドル/R.S.クチュルラパティ マウスとヒトから作った雑種細胞の染色体を調べることは,遺伝病やガンの克服に役立つ。 1974.09.28 別07 ゴキブリの行動とフェロモン 石井象二郎 2億5000万年前に現れたゴキブリの行動は,フェロモンという化学物質に支配されている。 1974.09.50 別12 素粒子の相互作用に関する統一理論 S.ワインバーグ 素粒子間には4つの相互作用があるが,“弱い”相互作用と電磁相互作用は同じものらしい。 1974.09.62 別18 グローリー(光輪) H.C.ブライアント/N.ジャーミー 虹に似たこの現象は,霧か雲と太陽と見る人の三者間に特別な位置関係が生じると見える。 1974.09.74 タンパク質分解酵素 R.M.ストーラウト 食物の消化や血液の凝固といったタンパク質の分解はセリン・プロテアーゼの働きによる。 1974.09.9 火事のメカニズム H.W.エモンズ 不慮の火災による膨大な損失を防ぐには,火災のメカニズムを理解することが必要である。 1974.09.92 別10 エッシャーの絵の不思議な世界 M.L.トイバ エッシャーの絵の世界は,心理学上の錯視と幾何学の周到な理解と応用をもとに築かれた。 1974.10.106 産業革命をささえた石炭技術 J.R.ハリス 産業革命期のガラス製造,鉄,銅の精錬は石炭やコークスの加熱利用により可能となった。 1974.10.20 遺伝で決まるコオロギの歌 D.ベントレイ/R.R.ホイ コオロギの歌のパターンは,学習によって形成されるのではなく,遺伝的に決まっている。 1974.10.32 火星世界の地形と気象 宮本正太郎 極冠やクレーターの観測により火星には大気が存在し,それが大循環していることがわかった。 1974.10.59 若者を疎外するもの U.ブロンフェンブレンナー 共同生活の場が少なくなった現代社会では,家族は分裂し疎外された若者が多く見られる。 1974.10.70 超硬材料 F.P.バンディ 物質の硬さは,結晶の中で原子どうしを結びつける化学結合の強さと方向によって決まる。 1974.10.82 ライコムギ J.H.ハルズ/D.スパージョン ライコムギはコムギとライムギの交雑種で,コムギの高収量性とライムギの強健性をもつ。 1974.10.9 海洋における廃棄物処理 W.バスコム 注意深く管理され,制御された方法によれば,海は廃棄物処理の場として最も適している。 1974.10.92 別22 アクチノマイシンとDNA H.M.ソーベル アクチノマイシンDはDNAの二重らせんの窪みに入りこみ,タンパク質合成を阻害する。 1974.11.112 人口増加と食糧危機 R.レベル 世界の食糧事情は,米ソ2大穀物産出国の生産状況やその動向によって大きく左右される。 1974.11.12 爆発する人口 R.フリードマン/B.ベレルソン 人類の人口は,人類が歴史上いまだ経験したことのない最大の規模(約40億)に達している。 1974.11.126 発展途上国への技術伝播 G.ミュルダール 発展途上国の人口増加問題を解決するには,先進諸国の理解と永続的な援助が必要である。 1974.11.136 人口抑制と人間性 磯野直秀 人口抑制は必要であるが,個人の健康や個性をおかすような政策は排除されねばならない。 1974.11.148 日本の食糧事情 唯是康彦 米国に依存する日本の食糧事情は,1973年から窮迫の度を加え,将来の危機が心配される。 1974.11.158 日本の人口 安川正彬 日本の人口は純再生産率=1の水準近くで推移し,静止状態に近づいていくと予想される。 1974.11.24 人口の推移 A.J.コール 1750年ごろからの死亡率の低下に伴って人口転換が起こり,人口が急速に増加しはじめた。 1974.11.38 別37 生殖の生理学 S.J.シーガル 人口を適切なレベルに保つには,人道的で安全な受胎調節法を開発することが必要である。 1974.11.60 別28 遺伝学からみた人口 L.L.キャバリ・スフォルツァ 人類の分化は3万年くらい前に中近東で起こり,そこからヨーロッパやアジアへ広まった。 1974.11.72 先進国の人口 C.F.ウェストフ 世界総人口の1/4を占める先進国の人口は,いまや長期的な静止状態にはいっている。 1974.11.84 先進国の家族構成 N.B.ライダー 先進国においては,最近大家族が崩壊し親子中心の家族へという核家族化が多くみられる。 1974.11.98 発展途上国の人口 P.デュメーン 全世界の3/4の人口をもつ発展途上国では,現在もなお急速な人口増加が続いている。 1974.12.20 別30 繊毛はどのようにして動くか P.サター 繊毛は,そのなかの微細管がATPからエネルギーを得てスライドすることによって動く。 1974.12.30 別14 水没したギリシャ神殿の発掘 M.H.ジェームソン 地質学的な変動で水中に沈んだ浅海の遺跡の発掘調査により,貴重な資料が得られている。 1974.12.44 窒素固定 D.R.サフラニー 窒素固定の方法にはいろいろあるが,そのエネルギー源として核エネルギーが利用できる。 1974.12.64 眼と頭の動きの協応 E.ビッツィ 物の注視には眼と頭の運動の連係が重要であり,その過程がサルを用いて明らかにされた。 1974.12.76 階段の科学 J.M.フィッチ/J.テンプラー/P.コーコラン 従来の階段はほとんど経験則によって作られてきたため,なかには非合理的なものも多い。 1974.12.86 テンニンチョウのたくみな擬態 J.ニコライ ある種の鳥の卵やヒナは,さまざまな擬態によって他種の鳥の巣中でふ化し成育していく。 1974.12.9 輝線星雲の構造 J.S.ミラー 色分解した写真によって,星雲中に含まれている各種イオンの分布状態が明らかにされる。 1974.12.94 稲作の傾斜面利用 竹内常行 狭い国土の傾斜面に水平の田を段々状につくることで,日本農業は農地不足を補っている。 1975.01.18 太陽エネルギー利用の新システム 小林正次 限りある化石燃料にかえて,太陽エネルギーを一貫して利用する新システムが提案された。 1975.01.28 別07 ガの行動と性フェロモン D.シュナイダー ある種のガでは,雌の性フェロモンを雄が触覚にある感受器で感じとり配遇行動が始まる。 1975.01.42 別17 免疫系の発生と発達 M.D.クーパー/A.R.ロートン 外界からの異物に対し身体を保護する多様な細胞は,本来一種類の祖細胞から生じてくる。 1975.01.60 重力理論 C.M.ウィル 重力理論としては一般相対理論が有力であるが,その他にも多くの説が提唱されている。 1975.01.68 電力供給系のコンピュータ制御 H.グラビッチ 電力系統網を制御しその安定性と経済性確保のため,計算機は重要な役割を果たしている。 1975.01.72 キリンの生理学 J.V.バレン 心臓や肺から離れた頭部に新鮮な血液を供給するため,キリンは高い血圧をもっている。 1975.01.9 プラシーボ(偽薬)投与の倫理 S.ボック プラシーボの使用に際しては,その危険性を考慮し欺まんを含むものは制限すべきである。 1975.01.92 別80 ネコの眼はものをどう見るか F.W.キャンベル/L.マッフェイ 物の見え方には対象とその周囲の輝度の濃淡が関係していることが,ネコで確かめられた。 1975.02.104 別14 ローマ時代のにせ金づくり G.C.ブーン 極度のインフレーションに悩んだローマ時代には,にせ金づくりが社会的な役割を果たした。 1975.02.18 アポロ11病とエンテロウイルス 甲野礼作 ガーナとジャワを中心に流行したアポロ病は,エンテロウイルスを病原体とする眼病である。 1975.02.30 ヒドラにみる形態形成モデル A.ギーラー 淡水性のポリプであるヒドラの再生実験から生物の形態形成についてのヒントが得られる。 1975.02.44 別25 ブラック・ホールを探す<ブラックホール> K.S.ソーン 種々の観測の結果,X線を放射しているシグナスX-1はブラック・ホールの可能性がある<ブラックホール>。 1975.02.60 金属の凝固 M.C.フレミング 鋳物をつくっている金属の特性は,それがどのように凝固していくかによってほぼ決定する。 1975.02.72 別07,L7 ハトの帰巣性の秘密 W.T.キートン ハトは自らの巣へ帰る道すじを発見するために,いくつかの方法を組み合わせているらしい。 1975.02.8 目撃者の証言は信頼できるか R.バックホート 数々の実験の結果,目撃者による証言は必ずしも他の証言よりも信頼性が高いとはいえない。 1975.02.92 別12 素粒子の新しい相互作用 D.B.クライン/A.K.マン/C.ルビア 素粒子の電荷を変えない弱い相互作用が実験的に確認されて,素粒子論に新局面が開かれた。 1975.03.10 経済指標の分析 G.H.ムーア 経済予測には,生産,価格,収入,雇用,投資といった指標を分析することが必要である。 1975.03.18 別15,43 小惑星は隕石の母体か C.R.チャップマン 小惑星が反射する太陽光のスペクトルはその起源,進化などの謎を解くカギをにぎっている。 1975.03.30 炭素の高エネルギー反応 R.M.レモン/W.R.アービン 宇宙での炭素の反応の多くは高エネルギー状態で起こり,それは生命誕生に関係している。 1975.03.46 小脳皮質できまる運動神経系 R.R.リナス 神経細胞間の連結パターンはこの部分で決定されて,神経ネットワークの機能に関係する。 1975.03.62 自動車の燃費向上 J.R.ピアス 1980年までには少なくとも自動車の燃料消費の効率を40%高めることができよう。 1975.03.76 ガの黒化現象と大気汚染 J.A.ビショップ/L.M.クック 自然環境の変化に伴って,英国に生息するガの白いものと黒いものの生存比率が変化した。 1975.03.86 糞石が示す先史人類の生活 V.ブライアント/G.ウィリアムズ=ディーン 化石になったヒトのフンを分析することで,有史前の食事,環境,行動などがよくわかる。 1975.03.98 ビザンツを守ったギリシャの炎 和田廣 外敵の脅威に耐えながら1000年余も栄えたビザンツ帝国は,強力な戦闘火器をもっていた。 1975.04.18 海辺の生物の体内時計 J.D.パーマー カニなど磯にすむ生物は,太陽の動きと月の動きに合わせた2種の体内時計をもっている。 1975.04.28 別08 ウェゲナーと大陸移動説 A.ハラム 60年前に発表された大陸移動の考えは,50年後の1960年代になってはじめて日の目をみた。 1975.04.44 染色体タンパクと遺伝子調整 G.S.シュタイン/L.J.クラインスミス 染色体の核タンパク質はDNAの構造を維持するいっぽう,遺伝子の活性を調整している。 1975.04.60 別12 素粒子の二重共鳴モデル J.H.シュワルツ 強い相互作用をする素粒子は,質量がなく両端が光の速度で動く弦と数学的に同等である。 1975.04.68 別45 完全無人工場の実現 N.H.クック 機械部品の少量生産においても,コンピューターの使用により工場の無人化が可能になった。 1975.04.78 西部地中海を支配したカルタゴの砦 S.モスカティ ローマ帝国が興隆するまでの数世紀間,カルタゴの一連の砦は西部地中海を支配していた。 1975.04.8 別15 太陽系をつくった物質 L.グロスマン 隕石のひとつ炭素質コンドライトは,太陽系をつくった物質を知る有力な手がかりである。 1975.04.88 サイクロープスの眼と視方向 大野們 私たちは両眼の間の概念的な眼,つまりサイクロープスの眼で対象の方向を判断している。 1975.05.16 サナギの色彩適応とホルモン 日高敏隆 モンシロチョウとアゲハチョウがサナギになる時の色の違いは,ホルモンの働きで起きる。 1975.05.30L5 ガリレオの放物軌道の発見 S.ドレイク/J.マックラクラン 投げ出された物体が放物線軌道を描くという発見は,注意深い実験によってもたらされた。 1975.05.46 マントル P.J.ワイリー 高温の岩石の集まりであるマントルは,地球の全体積の83%,全質量の67%を占めている。 1975.05.62 人間相互のコミュニケーション A.チャパニス 会話型コンピューターを作るためには,人間相互のコミュニケーションの理解が基礎となる。 1975.05.70 別25 X線を放射する連星 H.ガースキィ/E.ファン・デン・ホイベル X線は,つぶれて密度の高くなった星が質量の大きな星の近くを回る連星から放射される。 1975.05.8 労働における満足感 L.E.ビョーク 流れ作業に対する不満が大きな問題となっているが,その解決のための実験が行なわれた。 1975.05.84 猛毒キノコ W.リテン テングタケ属がもっている猛毒は,アミノ酸が環状に結合した物質であることがわかった。 1975.05.98 食物連鎖とワックス A.A.ベンソン/R.F.リー 甲殻類はワックスの形でエネルギーをたくわえ,それが食物連鎖での原動力になっている。 1975.06.10 太陽の回転 R.ハワード 太陽は27日で1回転するが,低緯度の部分は高緯度の部分に比べてより速く回転している。 1975.06.105 セルフコントロールの医療への応用 池見酉次郎 心の健康度を高めて身体の健康を促す心身医学には,セルフコントロール法が有効である。 1975.06.20 別28 鎌状赤血球貧血症とシアン塩酸 A.セラミ/C.M.ピーターソン 悪性の貧血をおこす鎌状赤血球症は遺伝病であるが,シアン塩酸で治療することができる。 1975.06.28 別10 テクスチュアの視覚実験 B.ジュレツ 視的対象は,すべてそれらを“地”の部分と“図”の部分とに分けることによって知覚される。 1975.06.47L1 恐龍 R.T.バッカー 恐龍は温血動物であり,適応の過程でいくつかの変異をとげて哺乳類や鳥類へと進化した。 1975.06.68 緑藻と共生するオオシャコガイ C.M.ヨング 南海に生息する巨大なシャコガイは,殻の内部に緑藻をすまわせてタンパク質を得ている。 1975.06.80 別30 成長する植物の細胞壁の特性 P.アルバーシェイム 細胞壁は植物に一定の形と丈夫さを与えるかたさをもつが,内部の細胞は自由に成長する。 1975.06.94 高温における金属の変形 H.J.マックイーン/W.J.M.テガート 熱せられた金属が加工されやすいのは,内部の結晶が少ないひずみで変形するからである。 1975.07.11 地震予知 F.プレス 技術的な進歩によって,信頼できる地震の長期・短期予報を出すことが可能になるだろう。 1975.07.22 地球外生物をさぐる C.サガン/F.ドレイク 地球外の天体に生存している知的生物と,強力な電波によって交信する方法が開発された。 1975.07.34 森林の遷移 H.S.ホーン 草地がどのような森林になるかは,土壌の湿度と生育する木の葉の幾何学的配置で決まる。 1975.07.51 乱数のパラドックス G.J.チェイティン ランダム性に関する考察は,数学では何ができるかという本質にかかわる問題を提起する。 1975.07.60 別22 ポリオウイルスの増殖 D.H.スペクター/D.バルチモア ポリオウイルスは人体の細胞中に侵入し,その細胞質を利用してタンパク合成をおこなう。 1975.07.70 別13 マイクロコンピュータ A.G.バクロウ 種々の機能をもつマイクロコンピューターの出現で,コンピュータ利用の新領域が開かれた。 1975.07.82. 別59 ライオンの社会システム B.C.R.バートラム ライオンの社会は,雌はそのままで雄だけが数年ごとに入れ替わる母系社会となっている。 1975.07.90 別50 学習行動を支える脳の物質変化 塚田裕三 学習行動は脳内のアンモニア量の変化をひきおこし,その変化はまた,学習行動を左右する。 1975.08.18 別59 アリの進化と奴隷制 E.O.ウィルソン 約35種のアリが他種のアリをはたらきアリとして奴隷のように使役し,その集団を支える。 1975.08.24 肝臓は異物をいかに代謝するか A.カッパス/A.P.アルバレス 肝臓では化学組織変換反応が営まれており,薬剤は不活性化され汚染物質は無害化される。 1975.08.42 別12 プサイ粒子の発見と素粒子論 S.D.ドレル 電子・陽電子消滅反応により発見された新素粒子は,素粒子の構造に新しい見解をもたらす。 1975.08.60 脈動する星 J.R.パーシー 膨脹と収縮をくり返している星の内部の様子は,オルガン管の中の空気の振動に似ている。 1975.08.72 別10 人は動くものをどう見る G.ヨハンソン 外界の動く物がぶれて見えないのは,眼が数学的法則に基づいて機能しているからである。 1975.08.8 中国の食糧生産 S.ウォートマン 飢餓に悩まされてきた中国は,近代化農業技術と社会組織の変革で食糧自給をなしとげた。 1975.08.82 海洋汚染とタール塊 J.N.バトラー 海洋汚染の最大原因は石油タンカーの廃油に由来するタール塊で,生物を殺すもとになる。 1975.08.92 酵素モデル 戸倉清一 構造が複雑な高分子物質の酵素も,酵素模型を合成することでその作用機序が解明された。 1975.09.20 別22 遺伝子操作 S.N.コーエン DNAをなかだちとして,ある生物から他の生物へと遺伝子情報を移し変えることができる。 1975.09.32 人体に対する日光の影響 R.J.ブルトマン 日光はビタミンDをつくるだけでなく,生物リズムを決定したり,病気をなおしたりする。 1975.09.46 ジャーナル軸受 J.C.バイヤーレン 最新の複雑な機械においても,昔ながらの単純な軸受が依然として重要な働きをしている。 1975.09.62 固体を探る陽電子 W.ブラント 陽電子を固体に入射したときの反応から,固体の電子的構造や結晶の欠陥の様子がわかる。 1975.09.72 別18 雷鳴 A.A.フュー 複雑に鳴り響く雷鳴を分析することによって,稲光の位置,形,走向を知ることができる。 1975.09.84 大気汚染と都市の緑被 中島巌 開発によって都市の緑被率が30%以下になると,大気汚染の被害は増大してくる。 1975.09.9 別33 戦略用ミサイルの精度 K.ツィビス 現在の技術と装置は,核弾頭を誤差2〜3mの精度で目標に到達させられる。 1975.09.94 蚊よけのメカニズム R.H.ライト 蚊は人体の暖湿気に反応するので,その暖湿感受器の働きをさまたげれば蚊をよけられる。 1975.10.10 巨大な電波星雲 R.G.ストローム/G.E.マイレイ/J.オールト 世界最大の電波望遠鏡を用いて,いくつかの巨大な電波星雲の大きさや構造が調べられた。 1975.10.102 ミシシッピ流域のカホキア遺跡 M.L.フォウラー ミシシッピ川のほとりのカホキア遺跡の発掘で,紀元1000年前後の米国の文化が判明した。 1975.10.22 バクテリアはどのようにして泳ぐか H.C.バーグ バクテリアのべん毛は原生動物とは異なってらせん状をしており,そのまま回転する。 1975.10.32L7 星で定位をする渡り鳥 S.T.エムリン ルリノジコという渡り鳥は,北天の星や星座のパターンと体内時計によって移動していく。 1975.10.48 カタツムリにみる種内変異 B.クラーク 同一の種内にみられる多様性は,自然淘汰によって積極的に維持されていると考えられる。 1975.10.64 有機分子のステレオダイナミックス 竹内敬人 核磁気共鳴を使って双環ヒドラジンや双環ビウレタンの2つの窒素原子の動きがわかった。 1975.10.78 別80 表面色の知覚 J.ベック 物体の表面の色彩は,表面の構造と“きめ(テクスチュア)”によって微妙に変化して見える。 1975.10.88 大西洋中央海溝の底 J.R.ハイルツラー/W.B.ブリイアン 米仏の新型潜水艇によって大西洋中央海溝が観察され,海洋底拡大の様子が確かめられた。 1975.11.112 別15 木星 J.H.ウォルフ 木星は13個の衛星をもつ太陽系最大の惑星であり,液体水素と金属水素とからできている。 1975.11.122 別15 外側の5つの惑星 D.M.ハンテン 木星より外側にある5つの惑星の大気組成が,分光学測定によってかなり解明されてきた。 1975.11.130 別43 太陽系の小天体 W.K.ハートマン 太陽系には9個の惑星のほかに数多くの惑星状天体があり,水星よりも大きなものもある。 1975.11.14 別15 太陽系 C.サガン<セーガン> 宇宙船をはじめ種々の宇宙探査法の発達により,太陽系の性質は飛躍的に解明されている。 1975.11.144 惑星間の粒子磁場 J.A.バン・アレン 太陽からの荷電粒子の流れは太陽風と呼ばれ,地球の磁気圏に入りオーロラなどを起こす。 1975.11.26 別15 太陽系の起源と進化 A.G.W.キャメロン 太陽系はガスと微塵からなる星雲の収縮作用によって誕生し,それは現在なお続いている。 1975.11.38 太陽 E.N.パーカー 太陽のエネルギー源は水素のヘリウムへの転換と考えられているが,まだその確証はない。 1975.11.48 別15 水星 B.C.マーレイ 水星は,中心には地球のような鉄の核があり,表面には月のようなクレーターが存在する。 1975.11.60 別15 金星 A.ヤング/L.ヤング つねに金星を覆っている濃密な雲は,その表面の温度を摂氏500度もの高温に保っている。 1975.11.70 地球 R.シーバー 地球の著しい特徴は,大気と地殻のダイナミックな活動であり,水が存在することである。 1975.11.86 月 J.A.ウッド 月の表面の岩石を調べると,月が誕生してから現在までに6つの段階を経たことがわかる。 1975.11.98 別15 火星 J.B.ポラック 火星の表面の多様な地形は,過去の地質学的な活動によって形成されたものと考えられる。 1975.12.102 水爆論争とオッペンハイマー H.F.ヨーク 解禁された機密文書を検討すると,オッペンハイマーの水爆開発反対の主張は正しかった。 1975.12.22 別12 最新のクォーク理論 S.L.グラショウ 多くの理論を統合した最新の素粒子論では,色と香りをもつ12種のクォークが基本となる。 1975.12.38 分泌作用と細胞膜の増大 B.サター 細胞内から物質が分泌されるときには,細胞膜の増大と破裂という現象が関連して起こる。 1975.12.54 医療用X線像の立体的再生 R.ゴードン/S.A.ジョンソン X線で撮影した臓器の異常を,コンピューターによって立体的に再生する方法が開発された。 1975.12.68 細胞分化の転換は可能か 岡田節人/江口吾朗 イモリの水晶体再生実験から,細胞の分化の方向が転換する可能性のあることが判明した。 1975.12.80L3 マヤ文明と商人階級 J.A.サブロフ/W.L.ラチェ スペイン人が中米を征服する直前の数世紀間は,マヤの商人階級が台頭した時期であった。 1975.12.9 天然ウラン重水型原子炉 H.C.マッキンタイヤ カナダのCandu型原子炉は,米国式と異なり天然ウランと重水を用いる有望な形式である。 1975.12.94 深海の活動的な動物たち J.D.アイザックス/R.A.シュワルツローズ カメラをおろして調査したところ,深海にも活動的な動物が生息していることがわかった。 1976.01.22 高勾配磁気分離 H.コールム/J.オバートユーファー 高勾配磁場を発生させる最新の技術は,磁性の弱い粒子を含む混合物の分離を可能にした。 1976.01.32 別68 低圧でのダイヤモンド合成 B.V.デリヤギン/D.B.フェドセーエフ ふつう高圧下で合成されるダイヤモンドも,炭素に富むガスの中では低圧下で合成できる。 1976.01.46 別44 ガンは予防できるか J.ケーンズ ガンには多くの原因が考えられるが,食生活や喫煙といった環境因子がやはり主力である。 1976.01.62 ニンギョウヒドラの生態 山田真弓 北国に生息するヒトの形をしたヒドラは,付着場所が特殊なためにこんな形をとるらしい。 1976.01.74 別60,99 リソスフェアの移動と降下 M.ナフィ・トクセツ リソスフェアの降下によって海溝・島孤・山脈・火山が形成され,地震がひき起こされる。 1976.01.86 筋収縮とカルシウム・イオン C.コーエン 筋収縮はカルシウム・イオンが2種のタンパク質の結合状態を変えることによっておこる。 1976.01.9 別53 非核兵器地帯 W.エプスティーン 非核兵器地帯の創設により,核兵器の拡散を制限し,制御する可能性は十分に残されている。 1976.01.98 瞳孔の大きさとコミュニケーション E.H.ヘス 瞳孔の大きさは,人間同士のコミュニケーションに重要な意味をもつことが,実験でわかった。 1976.02.18 別25 X線を放射する超新星の残骸 P.A.チャールス/J.L.カルヘイン 超新星爆発でほうり出されたガスの殻が,星間物質のガスと出合う領域でX線が発生する。 1976.02.28 別30 コリシンと細胞膜 S.E.ルリア 細胞膜の能動輸送を停止させるコリシンの作用により細胞膜の機能を調べることができる。 1976.02.44 時間はなぜ逆行しないか D.レイザー 時間が逆行しないのは,宇宙のはじまりのころを支配していた条件によるものと思われる。 1976.02.62 水晶体の老化と白内障 R.ファン・ハイニンゲン 老人性白内障は,水晶体に起こる老化現象のほかに非生理的なストレスが加わって起こる。 1976.02.72 アフリカ原住民の姉妹交換婚 W.ジェイムズ アフリカのコマン語族では,結婚の際に花婿は自分の姉妹の1人を花嫁の実家に提供する。 1976.02.86 微細構造が決める高分子材料の性質 D.R.ウールマン/A.G.コルベック 合成高分子の今後の進歩は,製造過程で微細構造がどう変化するかの研究にかかっている。 1976.02.9 ストリップ採炭と環境問題 G.アトウッド ストリップ採炭は短時間に大量の石炭を採取できるが,跡地の再生面で大きな問題を残す。 1976.02.98 太陽光利用による水素の生成 太田時男 太陽光を熱から蒸気に変換し,その電力で水を電気分解して水素を得る研究が行われた。 1976.03.102 古代オリエントの科学 平田寛 古代オリエントのパピルスや粘土板には,暦,数学,医学をはじめ科学の萌芽がみられる。 1976.03.22 別15 火星の火山 M.H.カー その規模が異常に大きいのは,火星には大陸移動の現象が存在しないことと関係している。 1976.03.36 シャコの摂餌行動 R.L.カズウェル/H.ディングル シャコ類は餌の種類に応じた捕脚の適応型により,こだきジャコと刺しジャコにわかれる。 1976.03.52 別22 遺伝子をコントロールするしくみ T.マニアティス/M.プタシン ファージを使った研究で,遺伝子発現のスイッチを入れたり切ったりする機構が判明した。 1976.03.66 別12 新素粒子を探す D.B.クライン/A.K.マン/C.ルビア 高エネルギー・ニュートリノの衝突により,物質の未知の性質を示す新粒子の発生を認めた。 1976.03.8 核分裂エネルギーの必要性 H.A.ベーテ 今世紀最後の25年間に,有限な化石燃料に代わりうる唯一のエネルギー源は核分裂である。 1976.03.80 化石にみる知能の進化 H.J.ジェリソン 脳の重さと身体の大きさとの間の関係を調べると,知能の進化の跡をたどることができる。 1976.03.92 別18 蜃気楼 A.B.フレーザー/W.H.マック 気温や気圧の違いによって,そこを通る光が曲げられるため,いろいろな蜃気楼ができる。 1976.04.108 昆虫の発生と生物時計 D.S.ソーンダーズ 冬が近くなると昆虫は,日長に合わせて代謝の仕方を変化させて休眠状態にはいっていく。 1976.04.18 別45 ロボット・システム J.S.アルバス/J.M.エバンズ 人間に代わって簡単な作業を行えるロボット・システムが,広く産業界に普及している。 1976.04.30 飼料作物 H.J.ホジソン 飼料作物は他の作物には適さない土地で栽培できるので,土地の有効利用に役立っている。 1976.04.52 地球大気の起源 小嶋稔 大気中に含まれる希ガスの同位体比の測定によると,大気は突発的にできたと考えられる。 1976.04.66 旧石器時代終期のヨーロッパ平原 R.シルド 約1万年前のヨーロッパの気候は変わりやすく,人々の生活もそれにつれて変転していた。 1976.04.8 重力は弱くなっているか T.C.バン・フランダーン 精密な測定によると,重力は減少しているらしく,これは宇宙の膨張と関係があるらしい。 1976.04.80 別37 ステロイドホルモンの受容体 B.W.オマリー/W.T.シュレーダー ステロイドホルモンは,特定の細胞の受容体と結びついて核に入り染色体の性質をきめる。 1976.04.94 カルベン M.ジョーンズ このきわめて反応性に富んだ分子により,有機化学反応の基本的メカニズムが探求できる。 1976.05.100 別15 木星の気象 A.P.インガソル 木星の雲はアンモニアと水でできており,その雲の垂直方向の運動が帯と縞の原因らしい。 1976.05.11 肝臓をむしばむアルコール C.S.リーバー アルコールの飲みすぎは,肝硬変の原因になるばかりでなく,死をもたらすことにもなる。 1976.05.22 自然界の多環式芳香族化合物 M.ブルマー 複雑な立体構造をもつ多環式化合物は,有機物の熱分解や生体の反応によってつくられた。 1976.05.36 別59 社会生活をいとなむクモ J.W.バーゲス クモは単独で生活するものと考えられているが,共同して網を張り餌を捕えるものもいる。 1976.05.46 別72 宇宙は永遠に膨張し続けるか D.N.シュラム/B.M.ティンスレー 最新の観測結果を数学モデルを用いて検討したところ,宇宙は永遠に膨張を続けるらしい。 1976.05.66 ウナギの人口孵化 山本喜一郎 サケの脳下垂体とシナホリンによってウナギを催熟させ,採卵・孵化できるようになった。 1976.05.78 別13 卓上電子計算機 E.W.マックホーター 電卓は,わずか28本の端子をもったチップによって,入力されるすべての情報を処理する。 1976.05.90 別56 両眼はものをどう見る J.ロス 私たちの視覚系は,ものを見るとき左右の網膜像を1つの理想像をもとにして合成している。 1976.06.20 別56 存在しない輪郭がなぜ見える G.カニッツァ 図形を適当に組み合わせると,実際には存在しない輪郭線や形が視覚現象として現われる。 1976.06.26 別30 バクテリアの走化性 J.アドラー バクテリアはガラクトースのような糖にひきつけられ,べん毛を回転させて近づいていく。 1976.06.41 カタストロフィ理論 E.C.ジーマン 突然,何の前兆もなく変化を起こす事象も,7つの基本的破局モデルによって説明できる。 1976.06.62 レム睡眠とノンレム睡眠 大熊輝雄 睡眠にはレムとノンレムの2種類があり,レム睡眠時には夢を見ることがたしかめられた。 1976.06.74 別59 ナイルワニ A.C.プーリイ/C.ガンス ナイルワニのオスは卵を口にくわえてふ化させ,オスとメスが協同して仔ワニをそだてる。 1976.06.8 オパール P.J.ダラー/A.J.ガスキン/J.V.サンダース オパール独特の七色のきらめきは,規則正しく配列された二酸化珪素の小球によっている。 1976.06.86 X線吸収による物質の解析 E.A.スターン 固体中原子のX線吸収に基づく新しい方法により,非結晶物質の構造解析も可能になった。 1976.06.96L5 ガリレオの計算器 S.ドレイク ガリレオが発明した関数尺は,もともとは軍事的な特殊な問題を解くためのものであった。 1976.07.104 別15 木星のガリレオ衛星 D.P.クルークシャンク/D.モリソン ガリレオ衛星と総称される4個の天体は,太陽系の他の天体とは異なる様相を示している。 1976.07.16 ホタルの集団発光 J.バック/E.バック 東南アジアのある種のホタルは数千匹が同時に発光するが,これは求愛行動の一種である。 1976.07.28 光子に質量はあるか A.S.ゴールドハーバー/M.M.ニート 光子は質量のない粒子と仮定されているが,精密な測定結果は質量の存在を暗示している。 1976.07.50 別44,91 ガンを誘発するTAF J.フォークマン 腫瘍は宿主から血管を提供されると急激に増殖しガンになるが,TAFがこれを促進する。 1976.07.66 ハネゴケの分布と種分化 井上浩 コケ植物は一般の植物と異なり,有性生殖することなしに多数の種をつくり出している。 1976.07.78 機械的合金法 J.S.ベンジャミン 特殊ボールミルで金属を冷間圧接することにより,従来不可能とされた合金が製造できる。 1976.07.8 石炭の液化利用 N.P.コクラン 石炭利用の効率化をめざし,従来の方法を組み合わせた新しいシステムが考えられている。 1976.07.90 別17 細胞表面の免疫学 M.C.ラフ 免疫学的に調べてみると,細胞膜は単なる固体ではなく,流体としての機能も備えている。 1976.08.108 センターピボット農法 W.E.スプリンター 乾燥地域の不毛な土地が,この新しいシステムにより生産性の高い農地に変貌しつつある。 1976.08.18 コドモを食べるチンパンジー 鈴木晃 森林性チンパンジーが雑食になったことが,霊長類からヒトへの進化の大きな原因である。 1976.08.30 半導体のなかの量子液体 G.A.トーマス 半導体結晶の内部には,伝導電子と正孔だけからなる液滴の雲が輝きながら浮かんでいる。 1976.08.50 バイキングの追跡と軌道計算 W.G.メルボーン 追跡法と軌道計算の進歩により,バイキングの位置は50kmの精度で捕捉できる。 1976.08.70 有史以前のギリシャ T.W.ジャコブセン ギリシャ南部で石器時代の遺物が発見され,当時の人々の生活ぶりが明らかになってきた。 1976.08.8 別25 歴史に現れた超新星 F.R.スティーブンソン/D.H.クラーク ヨーロッパや中国の古記録に残る7つの超新星爆発が,残骸の観測結果により確認された。 1976.08.84 ロドプシンによる光合成 W.ステッケニウス 好塩性のバクテリアは,動物の視色素であるロドプシンにより光合成することがわかった。 1976.08.97 記録はどこまでのびるのか H.W.ライダー/H.J.カー/P.ハーゲット 人間の走るスピードはまだ限界には達しておらず,記録の伸長は競技者の意欲に依存する。 1976.09.10 中産階級の増加と資源消費 N.キーフィッツ 世界の資源消費量は,貧しい人々が中産階級に移入するのに伴って爆発的に増加している。 1976.09.110 昆虫は偏光をどう利用するか R.ヴェーナー ミツバチやアリは,個眼の紫外線受容体で天空の偏光を検知し,巣に戻る道筋を見つける。 1976.09.22 天然の原子炉 G.A.コーアン 20億年前,西アフリカのガボンで,高品位のウラン鉱床が核分裂原子炉として動き始めた。 1976.09.36 ホルモンと神経組織 B.S.マックイウェン 生後間もない動物で,性ホルモンはその後の行動を支配する脳の神経回路の発達を助ける。 1976.09.54 直接還元製鉄法 J.R.ミラー 従来の製鉄法にかわって,溶融過程を経ずに鉄を得る直接還元製鉄法が実用化されている。 1976.09.70 シャボン玉の幾何学 F.J.アルムグレン/J.E.テイラー シャボン玉やジャボン膜が示す種々の形は,よく知られている数学的な法則に従っている。 1976.09.84 アッペンディキュラリアン A.アルドレッジ 脊椎動物の幼生は自分の体外に分泌した粘液ですみ家をつくり,それで食物をこしわける。 1976.09.96 西之島新島の火山化学 小坂丈予 西之島新島を形成した溶岩は粘性の小さい安山岩であり,そのため爆発もおだやかだった。 1976.10.100 有限でゆがんだ宇宙 J.J.キャラハン 有限だが境界はないというアインシュタインの宇宙像が,カントの空間の背理を克服した。 1976.10.22 別37 睡眠をうながす物質 J.R.バッペンハイマー 断眠をさせたヤギから抽出した髄液をネズミやウサギに輸液するとその睡眠を促進する。 1976.10.28 写真レンズ W.H.プライス 希土類ガラスや表面被膜,コンピューター設計等の技術が高性能レンズの製造を可能にした。 1976.10.48 大陸移動とホットスポット K.C.バーク/J.T.ウィルソン 特異な活動をするホットスポットは,プレートの運動を記録し,大陸分裂の原因にもなる。 1976.10.66 カエルがつくるウサギのヘモグロビン C.レーン ウサギのmRNAをカエルの生卵細胞に注射し,ヘモグロビンを合成させた。 1976.10.8 別18 オーロラ 小口高 極地方の天空を彩るオーロラには,微細構造が変化して電波の発生をともなうものがある。 1976.10.80 ナイル川流域の石器時代人 P.E.L.スミス 当時ナイル川流域にすんでいた狩猟民や採集民が,後の農業と高度な文明の基礎を築いた。 1976.10.92 死骸を埋める甲虫 L.F.ミルン/M.ミルン シデムシのつがいは,ネズミや小鳥の死骸を土の中に埋め,それを餌にして幼虫を育てる。 1976.11.10 食糧と農業 S.ワートマン 開発途上諸国が工業よりも農業の開発に力を入れるならば,世界的食糧危機は回避できる。 1976.11.102 インドの農業 J.W.メラー インドの農業生産高が増大するためには農業と工業のバランスのとれた成長が必要だった。 1976.11.114 農業に利用される資源 R.レベル 農業には土地や水といった物理的資源だけでなく,生物的,社会的な資源も必要である。 1976.11.128 農業生産の拡大 P.R.ジェニングス 収穫を高めるための努力は“緑の革命”をはじめとして世界各地で着々と進められている。 1976.11.142 開発途上国の食糧増産 W.D.ホッパー 開発途上国の農業を近代化するには,先進国の技術および資本の援助が必要不可欠である。 1976.11.152 日本人の食生活 田村真八郎 日本の気候風土や伝統を考えると,私たちは米食をもう一度見直すべきではないだろうか。 1976.11.22 飢餓の状態 J.メイヤー 全人類の約1/8が必要な栄養もとれずに飢えており,それはAA諸国に集中している。 1976.11.32 人間の栄養必要量 N.S.スクリムショー/V.R.ヤング 一個人の栄養必要量の設定には,環境因子,食事因子,生理的因子の全てが関係してくる。 1976.11.54 植物と動物の栄養サイクル J.ジャニック/C.H.ノラー/C.L.ライガード 特定の作物を量産する近代農業は,自然界のエネルギーと栄養のサイクルの流れを変える。 1976.11.68 栽培植物と家畜 J.R.ハーラン 過去1万年余の間に,人類は比較的少数の植物や動物を選んで食糧源とするようになった。 1976.11.80 農業のシステム R.S.ルーミス その形態は多様だが,農業のシステムは生態的,経済的,文化的要因によって確立される。 1976.11.92 米国の農業 E.O.ヘディー 米国の農業を支える高い生産性は,2世紀におよぶ農業発展政策がもたらした成果である。 1976.12.102 ニホンザルの社会秩序 G.G.イートン ニホンザルの社会では,生物学的な力とともに社会的な力によりその秩序が保たれている。 1976.12.18 太陽電池の経済性 B.チャルマーズ 現在まだ高価な太陽電池も,その製法の効率化や使用法の改善により一般化が可能である。 1976.12.30 宇宙のガンマ線バースト I.B.ストロング/R.W.クレベサデル 宇宙から1カ月に1回程度の割合でガンマ線が送られてくるが,その原因はまだ謎である。 1976.12.50 地磁気で変わる気候と歴史 川井直人 地磁気は絶えず変動しており,その変化を追って,地球上では予想外の気候変動が起こる。 1976.12.68 リボソームを中性子でさぐる D.M.エンゲルマン/P.B.ムーア リボソームに中性子を照射する方法によって,構成タンパク質の3次元配列が調べられた。 1976.12.8 別19 天然痘の撲滅 D.A.ヘンダーソン 世界保健機関の10年間の努力により,今まさに天然痘が地球上から消え去ろうとしている。 1976.12.80 別34 白色光ホログラフィー E.N.リース コヒーレントでないふつうの白色光でも,鮮明なホログラフィーがつくれるようになった。 1976.12.94 ダスト・ストーム S.B.イドソー 世界の多くの地域では時おり大規模なダスト・ストームが起こり,大きな被害をもたらす。 1977.01.104 都市に適した樹木 T.S.エリアス/H.S.アーウィン 貧しい日照と水分,やせた土壌,大気汚染で代表される都市環境に耐える樹種は数少ない。 1977.01.22 幼児の発達と反復過程 T.G.R.ボワー 子どもは,一度身につけた新しい行動や技術を,その後失ったり再び得たりして成長する。 1977.01.34 海水の安定泡沫 阿部友三郎 洗剤の泡のように消えにくい海水安定泡沫の原因は,海の生物が出す表面活性物質である。 1977.01.52 別60 マントルの対流 D.P.マッケンジー/F.リヒター 実験によればマントル内には大規模な対流とともに小規模な対流が存在しているらしい。 1977.01.66 別55 クォークの閉じ込め Y.ナンブ<南部陽一郎> クォークはハドロンの中にかたく閉じ込められているようであり,まだ確認されていない。 1977.01.82 視覚情報を筋肉に伝える脳橋 M.グリックスタイン/A.R.ギブソン 脳の基底部にある脳橋の視覚性細胞は,視覚情報を小脳経由で大脳の運動皮質に伝達する。 1977.01.9 別53 限定核戦争 S.D.ドレル/F.フォン・ヒッペル 攻撃目標を軍事基地だけに限定した,一般市民に対する影響の少ない戦争は可能だろうか。 1977.01.92 金属板成形の新技術 S.S.ヘッカー/A.K.ゴーシュ プレス加工された金属板の材質の変化は,円形格子法により科学的に調べることができる。 1977.02.102 能管の音色をさぐる 安藤由典 能に使われる笛である能管は,歌穴と指穴の下が細くしぼられており独特の音色を奏でる。 1977.02.22 別56 視覚における残像と残効 O.E.ファブロー/M.C.コーバリス 残像は網膜でおこる現象だが,それに似た残効は大脳か大脳に近い所でおきているらしい。 1977.02.30 フィッション・トラック年代測定法 J.D.マクドガル 鉱物の中の微量なウランの自発核分裂によって残される飛跡は,その年齢を知るカギである。 1977.02.50 別58,67 超流動体ヘリウム3 N.D.マーミン/D.M.リー 絶対0度にごく近い温度でこのヘリウムの同位元素は,微小な穴を摩擦なしで通り抜ける。 1977.02.66 別25 超新星 R.P.カーシュナー 重い星の破局的爆発である超新星は,1つの星雲中では1世紀に2回程度しか現れない。 1977.02.78 歩行をつかさどる神経系 K.ピアーソン 歩行をつかさどる神経系は,昆虫でも哺乳類でも同じ仕組みであることが実験でわかった。 1977.02.8 核燃料の再処理 W.P.ベビングトン 使用済核燃料からウランを回収できるようになれば,原子炉の経済性は著しく改善される。 1977.02.90 別22 遺伝子の組み換えとウイルス A.M.キャンベル ある種のウイルスは,寄主の細胞の染色体にその遺伝子を入れ込み長時間寄主と共存する。 1977.03.16 別25 ブラックホールと量子力学 S.W.ホーキング トンネル効果によって素粒子はブラックホールから脱出し,最終的には大爆発をもたらす。 1977.03.24 黒部のホウ雪崩 清水弘 黒部峡谷に発生するホウ雪崩は,爆風や衝撃波を伴う強大な乾雪表層けむり型雪崩らしい。 1977.03.44 別17 抗体は抗原にどう結合するか J.D.キャプラ/A.B.エドムンドソン 抗体は,あたかも鍵が鍵穴にぴったり合うように,対応した抗原と結合する特異性をもつ。 1977.03.54 別56 動いている対象の知覚 R.ゼクシー/E.レビンソン 動く対象を見るとき,“何が”と“どの方向に”という知覚はまったく別の神経系で行われる。 1977.03.68 エキソエレクトロン E.ラビノビッツ 新しい金属表面から自然に跳び出すこの電子は,金属疲労や摩擦の機構を知る糸口となる。 1977.03.8 妊娠中絶の諸問題 C.ティエツ/S.レビット 妊娠中絶が合法化されている国では,中絶法や合併症の研究が進み死亡率が低下している。 1977.03.80 耕耘をしない農業 G.B.トリプレット/D.M.ファン・ドーレン 省力・省エネルギーを目的とする無耕耘の農法が,近年,米国で盛んになろうとしている。 1977.03.88 惑星のクレーター W.K.ハートマン クレーターの形態や数を調べることによって,その惑星の生成過程をたどることができる。 1977.04.104 ハドリアヌスの長城 R.バーリー 英国に築かれたローマ軍の駐屯地では,民間人も生活していたことが発掘により判明した。 1977.04.20 フォボスとダイモス J.ベバーカ 火星をまわる2つの小さな衛星が直接観測され,その起源や構造が明らかになりつつある。 1977.04.30 別67,79 半導体技術の展望 江崎玲於奈 半導体技術の発展を促したものは,理論と実用のデバイスとの間の緊密な結びつきである。 1977.04.50 別20 世界をおおう衛星通信網 B.I.イーデルソン インテルサットの8個の静止衛星が三大洋上にあり,大陸間通信の2/3を担っている。 1977.04.66 アテローム硬化症 E.P.ベンディット アテローム硬化板で増殖する細胞は,ひとつの突然変異細胞に由来するものと考えられる。 1977.04.78 別34 レーザーによるアイソトープ分離 R.N.ゼアー 同位体分離にレーザーを使えば、従来の方法に比べて一段と分離効率を高めることができる。 1977.04.8 別33 巡航ミサイル K.ツィピス この安上がりで,しかも精度のきわめて高い新兵器は,いま軍縮交渉の争点になっている。 1977.04.92 筋肉のアセチルコリン受容体 H.A.レスター 刺激を受けた運動神経末端からのアセチルコリン放出で筋肉が収縮し,運動が開始される。 1977.05.104L5 マヤ文明の起源 N.ハモンド ベリーズで出土した建造物や土器類は,紀元前2500年のマヤ形成期の繁栄を物語っている。 1977.05.20 別42 太陽風と惑星間磁場 J.T.ゴスリング/A.J.ハンドハウゼン 太陽コロナから飛び出す高エネルギー粒子は,地球に向かって吹きつけ地球磁場をみだす。 1977.05.30 別37 オピエート・レセプターと体内オピエート S.H.スナイダー モルヒネは,脳および脊髄にある神経細胞の特異的レセプターに結合して作用を発現する。 1977.05.52 生物の窒素固定 W.J.ブリル 空中の窒素を直接固定できない植物でも,遺伝子の移植でそれが可能になるかもしれない。 1977.05.66 細胞の形態変化と組織の成立 江口吾朗 平らな細胞層が器官や組織になるには,細胞内のアクチン様収縮線維が重要な働きをする。 1977.05.78 最古の岩石と大陸の成長 S.ムアバス 地質活動による大陸の成長を裏付ける37.5億年前の岩石が,グリーンランドで発見された。 1977.05.8 高速増殖炉“スーパーフェニックス” G.A.バンドリュ 欧州諸国の共同計画により,出力120万kwの実規模の増殖炉発電所が建設される。 1977.05.94L8 バクテリアで光る魚 J.E.マッコスカー ヒカリキンメやヒイラギなどの魚は,発光バクテリアの力を借りて発光し敵の攻撃を防ぐ。 1977.06.18 別17 インターフェロンのはたらき D.C.バーク インターフェロンを大量に精製して,抗ウイルス剤として利用する研究が進められている。 1977.06.30 太陽型恒星とその伴星 H.A.アプト 近距離にある太陽型恒星についての分光学的分析により,惑星系の存在頻度が調べられた。 1977.06.46 別65 アルゴリズム D.E.クヌース 特定入力から特定出力を得るための規則の集まりを意味する概念をアルゴリズムという。 1977.06.62 バンツー語族文化の拡大 D.W.フィリップソン タンザニアの一地方で話されていたバンツー語は,現在アフリカ南部に広く普及している。 1977.06.74 生体結晶 S.イノウエ/K.オカザキ ウニの幼生の精巧な骨格は,貝殻や背骨などがどうしてつくられるかを示すモデルである。 1977.06.8 抗生物質の大量消費と耐性菌 藤井良和 抗生物質の普及によって感染症の疾患は激減したが,一方では薬剤耐性菌が増加している。 1977.06.82 虹の理論 H.M.ナッセンツバイク 虹はなぜできるのかという難問を解くためには,数理物理学のあらゆる手段が必要である。 1977.06.96 別60,99 インドとユーラシアの衝突 P.モルナー/P.タポニエ インド・プレートの北に向けての運動は,地球上で最も変化に富んだ地形をつくり出した。 1977.07.100 接木で変わる遺伝形質 太田泰雄 トウガラシの接木実験により,台木の遺伝形質が接穂にも伝えられることがはっきりした。 1977.07.16 ラマピテクス E.L.サイモンズ この絶滅した霊長類は数多くのヒト的な特徴をもっており,最も古いヒト科と考えられる。 1977.07.26 別67 アモルファス半導体の理論 D.アドラー アモルファス半導体の電気的な動作が明らかになり,その応用範囲が大きく広がっている。 1977.07.46 別19,44,91 ガンの免疫学 L.J.オールド ガン細胞は免疫系による破壊をうけないが,この機構がガン治療に利用できないだろうか。 1977.07.66 太陽に黒点がなかったとき J.A.エディ 太陽活動の変動は激しく,1645〜1715年には太陽黒点が消えオーロラも観測されなかった。 1977.07.78 別59 ネズミの社会 R.ロアー/K.フラネリー ネズミはその社会組織によって人間との闘争に生き残り,人間生活にうまく寄生している。 1977.07.8 水資源としての地下貯水池 R.P.アンブロッジ 地下貯水池には地球上の淡水の約2/3が貯留されており,これは重要な水資源である。 1977.07.90 スタインのパラドックス B.エフロン/C.モリス 未来を予測したいとき,たんに算術平均から推定するよりもさらに信頼できる方法がある。 1977.08.102 空間記憶 D.S.オールトン 動物が自分のいた場所を記憶して行動するのは,大脳の海馬弓の働きによっているらしい。 1977.08.22 シンクロトロン放射の利用 E.M.ロウ/J.H.ウィーバー シンクロトロン放射は,物質構造の解明や集積回路技術など広範な分野で利用されている。 1977.08.34 別30 レクチン N.シャロン 主に植物にみられるこのタンパク質は,細胞表面や細胞行動の研究手段として重要である。 1977.08.50 ボックのグロビュール R.L.ディックマン これは星間の微塵とガスからなる不透明な球状の雲で,形成途上にある恒星かもしれない。 1977.08.66 深海の微生物 H.W.ヤナッシュ/C.O.ビールゼン 数千mの深海にすむ微生物の代謝活性は,高圧と低温のため非常に低くなっている。 1977.08.80 別42 成層圏オゾンの破壊 島崎達夫 超音速機の排気などで,人体に有害な紫外線を吸収しているオゾン層が破壊されてしまう。 1977.08.9 原子炉の廃棄物処理 B.L.コーエン 地下数百mの岩塩層の中ならば,高レベルの放射性廃棄物でも安全に保管できる。 1977.08.94 未熟児網膜症 W.A.シルバーマン 保育器内の塩素過多がひきおこす未熟時の網膜症は,医学の進歩に伴う矛盾の一例である。 1977.09.20 別18 台風 山岬正紀 台風モデルの研究が進み,いまや台風の諸特徴をコンピューターで再現できるようになった。 1977.09.30 別22 遺伝子組み換えと人間の未来 C.グロブスタイン 遺伝子組み換え技術の有効性と危険性を十分に考慮した,実施基準の設定が急がれている。 1977.09.46 動物の再生とパターン形成 P.J.ブライアン/V.フレンチ ゴキブリとイモリにみられる再生は,基本的に同じ原理で起こっていることがわかった。 1977.09.62 アルカリ金属の陰イオン J.L.ダイ ナトリウムのようなアルカリ金属は,電子1個を他から得て陰イオンとなることもできる。 1977.09.78 ウイルス性肝炎 G.R.ドリースマン/F.B.ホリンジャー ウイルス性肝炎の中でもB型肝炎は特に激症で,現在そのワクチン作りが進められている。 1977.09.8 火星の大気 C.B.レビ 火星の大気は,その化学組成に違いはあるが,地球の大気を希薄にしたようなものである。 1977.09.88 セメントはどのように固まるか D.D.ダブル/A.ヘラウェル セメントが固まるのは,その構成粒子から結晶が析出し網目構造の格子を作るからである。 1977.09.96 ガウスの業績 I.スチュワート ガウスは数学上の証明を数多く行なったが,そこに至る手順は可能な限り公表しなかった。 1977.10.18 とかげ座BL天体 M.J.ディズニー/P.ベロン とかげ座BL天体と称される一群の星は,宇宙で最も遠く,最も明るい物体だといわれる。 1977.10.28 別20 光通信の実用化 W.S.ボイル 高性能の光ファイバーとレーザーの開発で,光波通信はいよいよ実用化の段階をむかえた。 1977.10.46 地球内部からの熱の流れ H.N.ポラック/D.S.チャップマン 大陸や海洋底での数千の測定結果をもとに,全世界の熱流量分布図が描けるようになった。 1977.10.62 カンガルー T.J.ドースン この有袋類のユニークな緒特徴は,それらが草原にうまく適応してきたことの証拠である。 1977.10.74 エアフロー・カー H.S.アーウィン ボデーを流線形にした最初の自動車エアフローは,のちの自動車設計に大きな影響を与えた。 1977.10.8 SALTの展開 H.スコビル 米ソ間の戦略兵器制限交渉は兵器の量だけではなく,その質も問題にする新局面をむかえた。 1977.10.84 アトランティスをさぐる 竹内均 アトランティス物語の発生はサントリン火山の爆発とカルデラの生成に影響されたらしい。 1977.10.96 別37 脳内の第二情報伝達体 J.A.ナサンソン/P.グリーンガード 神経細胞間で情報のやりとりをするとき,最終的にはサイクリックAMPの役割が大きい。<セカンドメッセンジャー>。 1977.11.114 別27,61 計測・制御マイクロエレクトロニクス B.M.オリバー マイクロプロセッサは,計測器の性能を飛躍的に高め,生産工程の自動制御を可能にした。 1977.11.128 通信とマイクロエレクトロニクス J.S.メイヨー マイクロエレクトロニクス装置の高信頼性,安価という特性は通信にとっては理想的である。 1977.11.142 別27,61 コンピュータ・サイエンスの変貌 I.E.サザーランド/C.A.ミード マイクロエレクトロニクスは,コンピューターに対する従来の考え方を変えようとしている。 1977.11.160 パーソナルコンピュータ A.C.ケイ 1980年代には,現在の大型なみの能力をもつ小型コンピューターを各個人が所持すだろう。 1977.11.18 別27,61 マイクロエレクトロニクスの回路素子 J.D.マインドル トランジスタの出現で,ひとつの回路に多くの素子を組み込むことができるようになった。 1977.11.32 別27,61 LSI回路 W.C.ホートン 多くのLSI回路は,電気回路であると同時にブール代数の規則に従ってつくられる。 1977.11.46 別27,61 マイクロエレクトロニクス回路の製造技術 W.G.オルダム 集積回路のパターンは,まず大きな寸法で作成された写真技術によりチップ上に転写される。 1977.11.66 別27,61 マイクロエレクトロニクス・メモリー D.A.ホッジス トランジスタの記憶装置は,ふつう1チップで1万6000ビット以上記憶することができる。 1977.11.8 別20,27,61 マイクロエレクトロニクス R.N.ノイス この10年間のエレクトロニクス技術の進歩はきわめて著しく,しばしば“革命”と呼ばれる。 1977.11.80 別27,61 マイクロプロセッサ H.M.D.ツング マイクロプロセッサは,TVゲームから油田の遠隔監視まで,種々の用途に使われている。 1977.11.98 情報処理とマイクロエレクトロニクス L.M.ターマン 現代の大型コンピューターは,マイクロエレクトロニクスの構成要素なしには存在できない。 1977.12.104 いかにして鉄の時代が始まったか R.マディン/T.S.ウィーラー 紀元前1000年ごろ,青銅の材料であるスズの貿易が途絶したために鉄の時代が始まった。 1977.12.114 別19 組織適合性抗原 B.A.カニンガム この細胞表面にあるタンパク質は,組織の移植や疾病の感染で重要な役割を果たしている。 1977.12.18 別65 4色問題の解決 K.アペル/W.ハーケン 4色問題は,イリノイ大学の2人の数学者により計算機を使って,124年ぶりに解決された。 1977.12.30 別85 チャームをもつクォーク R.F.シュウィッターズ 電子・陽電子消滅により発生した粒子のなかでチャームをもつ中間子が何種か発見された。 1977.12.56 別34 サイドルッキング・レーダー H.ジェンセン/L.C.グラハム 航空機に積載したこのレーダーを使えば,悪天候時でも夜間でも地形を明瞭に映し出せる。 1977.12.74 別25 球状星団のX線星 G.W.クラーク 一部の球状星団の高密度な中心核は,X線を放射する連星系を形成するのに好都合である。 1977.12.8 マリファナと幻覚 R.K.シーゲル マリファナなどの作用で見える幻覚像は,神経生理的なものと記憶とに関係があるらしい。 1977.12.92 浅海性発光魚の発光器官 羽根田弥太 浅海性発光魚は,開孔式発光器をもち水中からそこへ取り入れた発光細菌を利用している。 1978.01.20 ドリップかんがい法 K.ジョージ プラスチック・パイプを使用したこのシステムは,水が節約でき塩水の利用も可能である。 1978.01.28 ネコと人間の歴史 N.B.トッド ネコと人間のかかわりは古く,その突然変異体の分布は人間の好みや移動を反映している。 1978.01.56 フリント製石器はどう使われたか L.H.キーリー 石器の刃の部分を詳細に調べることによって,それが何にどのように使われたかがわかる。 1978.01.62 集団をつくる銀河 E.J.グロス/P.J.E.ピーブルス 銀河は集まりやすく,それらが銀河団をつくり,そしてさらに大きい超銀河団を形成する。 1978.01.63 有機リンの慢性中毒 石川哲 低毒性といわれる有機リンでも,長時間それに接触すると,近視や精神障害をひき起こす。 1978.01.84 火星に生命を探る N.H.ホロビッツ 火星に生命が存在するかどうか,バイキング着陸船の実験では肯定も否定もされなかった。 1978.01.9 米国の雇用問題 E.ギンズバーグ 米国の雇用問題では,量的な側面ばかりでなくその質的な側面も考慮しなければならない。 1978.01.96 別30 受精のプログラム D.エペル 精子と卵の融合によって卵内のイオン濃度が一時的に変化し,胚発生の引き金が引かれる。 1978.02.108 別21,59 ツムギアリの高度の社会 B.K.ヘルドブラー/E.O.ウィルス ツムギアリは,折り曲げた木の葉を幼虫が吐き出す糸でつなぎ止め天幕上の巣をつくる。 1978.02.116 耐久消費財の標準化 G.F.モンゴメリー 米国では国立標準局が中心となり,家庭用器具の耐用性や効率のラベル表示を進めている。 1978.02.20 別22 ウイルスDNAのヌクレオチド配列 J.C.フィデス 新しい方法が開発され,ウイルスDNAの全ヌクレオチド配列が初めて明らかになった。 1978.02.36 地震と地振動 D.M.ブーア 地震の発生と地震時の地面の振動を予知するためには,震源の特徴を理解する必要がある。 1978.02.56 インフルエンザはなぜ流行するか M.M.カプラン/R.G.ウェブスター ヒトと動物のインフルエンザウイルス株間での遺伝的組み換えが大流行の原因らしい。 1978.02.72 網膜による色彩の識 別 E.H.ランド 網膜は物体表面の色に応じた光の反射を錐状体細胞と桿状体細胞で感受し,色を識別する。 1978.02.8 コロナ・ホールと太陽風 桜井邦明 膨脹するコロナ・ガスは,太陽風と呼ばれる高速プラズマ流となり地球にも影響を及ぼす。 1978.02.92 別67 結晶のディスクリネーション W.F.ハリス 液晶や指紋などにみられるディスクリネーションは,回転運動による結晶格子欠陥である。 1978.03.106 ローマ時代のカルタゴ J.H.ハンフリー/J.G.ペドリー 数年前から始まったカルタゴの総合的発掘により,当時の様子が徐々に明確になってきた。 1978.03.20 森林の減少と二酸化炭素の増加 G.M.ウッドウェル 森林や海洋は,人間活動により増加する大気中の二酸化炭素を十分に吸収できるだろうか。 1978.03.22 別22 転移RNAの3次元構造 A.リッチ/S.H.キム X線回折を利用して転移RNAの形を調べたところ,L字型になっていることがわかった。 1978.03.52 別25 星間物質の構造 C.ハイルズ 電波観測で得た水素原子分布図によれば,星間ガスは巨大な殻構造を形成しているらしい。 1978.03.68 病原菌はどのようにして付着するか J.W.コスタートン/K.J.チェン 病原菌はグリコカリックスという多糖類の繊維により不活性の表面や他の細胞に付着する。 1978.03.80 別70 実用的な人工膝関節の開発 D.A.サンステガード/L.S.マチウス 新しい材料が開発されデザインが改良されて,屈伸と回転が可能な人口膝関節が完成した。 1978.03.9 超微粒体の人工雲母 大門信利 人工的に合成できる雲母の中には,水を吸って膨潤し劈開して超微粒体になるものがある。 1978.03.90 別65 アルゴリズムの有効性 H.R.ルイス/C.H.パパディミトリュー 数学の計算を計算機で解く時,有効なアルゴリズムが作れるものと作れないものとがある。 1978.04.104 バクテリアの石灰化と歯石 高添一郎 口の中の細菌には,みずからの菌体内にリン酸カルシウム結晶を形成していくものがある。 1978.04.18 別28,44,90 ガンは遺伝する C.M.クロース/H.コプロウスキー ガン細胞の起源には,ヒトの場合,その染色体の欠損が特に関係していることがわかった。 1978.04.28 別55 超重力理論 D.フリードマン/P.バン・ニューベンホイゼン 自然界の4つの力のうち,最後まで統一できなかった重力をも統一できる理論が現われた。 1978.04.52 においを識 別するシナプス回路 G.M.シェファード 軸索ではなく樹状突起だけを含む神経回路が情報伝達に役割を演じていることがわかった。 1978.04.66 海洋性リソスフェアの金属鉱床 E.ボナッチ 海嶺付近には,金属を多く含んだ海水がわき出しているため,金属鉱床が形成されている。 1978.04.76 食虫植物 Y.ヘスロップ・ハリスン 食虫植物は種々の方法で虫をつかまえ,窒素やリンといった栄養分をうまく補給している。 1978.04.88 別45 コンピュータ制御による組み立て J.L.ネバンズ/D.E.ホイットニー コンピューターによって,生産量がさほど多くない組み立て作業自動化を採算に合わせうる。 1978.04.9 精神病患者の社会復帰 E.L.バスック/S.ガーソン 地域社会に復帰した慢性患者は,適切な治療を受けられぬまま,孤独な存在と化している。 1978.05.104 別65 スケジューリングの組合せ数学 R.L.グラハム 数学と計算機科学によって,仕事する時の最適なスケジュールの立て方がわかってきた。 1978.05.18 別85 重いレプトン M.L.パール/W.T.カーク ハドロンの一部のものより重いレプトン属の素粒子が発見され,タウ粒子と名づけられた。 1978.05.28 電子式電話機 P.P.ラフ 電気的原理をもとにした従来の電話機に代わり,電子式電話機が近く実用化されるだろう。 1978.05.44 火星の表面 R.E.アーヴィドソン/A.B.ビンダ- バイキング号が撮った写真によれば,火星の表面は地球上の岩だらけの火山原に似ている。 1978.05.60 森林生態系のエネルギーの流れ G.E.ライケンス/F.H.ボルマン 定量的研究の結果,多くの動植物がすむ森林の複雑なエネルギーの流れが詳しくわかった。 1978.05.74 複合ミラー型核融合実験装置 三好昭一 有望な複合ミラー方式を検討し実証する実験炉が完成し,核融合炉の実現に一歩近づいた。 1978.05.8 世界の石油供給動向 A.R.フラワー 石油の供給は2000年以前にピークに達し,増加する需要をまかないきれなくなってしまう。 1978.05.86 細胞はATPをどのようにつくるか P.C.ヒンクル/R.C.マッカーティ 光や酸化により水素イオンが駆動され,それが酵素系を経てもどる際にATPが生成される。 1978.06.102 別70 脳卒中を防ぐ微小血管手術 J.M.フェイン 脳内の血管にバイパスをつくる手術法が開発され,ある程度脳卒中を防げるようになった。 1978.06.24 別30 細胞はどのように移動するか G.アルブレヒト・ビューラー 同じ母細胞から分裂した2つの娘細胞は,互いに鏡像関係にある“食動力学”的軌跡を残す。 1978.06.34 フィブリノゲンのアミノ酸配列 稲田祐二 血液の凝固で重要な役割を果たすフィブリノゲンのアミノ酸配列が最近ほぼ決定された。 1978.06.52 人間化をすすめた食物分配行動 G.イサーク 200万年前の遺跡が発掘された結果,食物分配行動が人間化への鍵であることがわかった。 1978.06.70 ハロ現象 D.K.リンチ 太陽や月の周囲に環状に見えるハロやそれに関連した現象は,無数の氷晶によっておこる。 1978.06.80 ダイヤモンド鉱床と上部マントル K.G.コックス ダイヤモンドを産する特殊な岩体を調べると,上部マントルのようすや組成がよくわかる。 1978.06.9 別53 原子力・核兵器・国際関係 D.J.ローズ/R.K.レスター 米国の原子力エネルギー政策の変更は,かえって国際的不安定を招くことになりかねない。 1978.06.92 大質量星の誕生 M.ザイリク 太陽の何層倍も重い星は,ガスと微塵の星間雲中を伝播する衝撃波に誘起されて生まれる。 1978.07.100 ローマ時代の水利技術 N.スミス ローマ時代の水利技術は非常にすぐれており,現在でも当時のダムが実際に使われている。 1978.07.20 別59 セージライチョウのレック・システム R.H.ワイリー レックに集まる雌たちは1,2羽の特定の雄とだけ交尾し,残りの雄は配偶者を得られない。 1978.07.32 別30 細胞間の結合 L.A.シュテヘリン/B.E.ハル 動物のいくつかの組織を構成している重要な細胞は,特殊な構造で互いに結びついている。 1978.07.48 別70 超音波による医療診断 G.B.デビー/P.N.T.ウエルズ 超音波のエコーを利用して身体の内部を調べる方法は,痛みもなく安全で安上がりである。 1978.07.62 黒海が干上がったとき K.J.ズー 地中海と切り離されていたころ,川の流れが変わったため黒海はほぼ干上がってしまった。 1978.07.76 別72 宇宙の背景幅射とエーテル R.A.ミューラー 私たちは銀河系は3Kの宇宙背景幅射に向かって秒速600キロほどの速さで働いている。 1978.07.9 別33 中性子爆弾 F.M.カプラン 限定戦争を目的とした中性子爆弾も,いったん使用されれば全面的核戦争は避けられない。 1978.07.90 芸術創造と太陽体験 徳田良仁 太陽がどのように見えるかということから,芸術家の作品創造の一面を知ることができる。 1978.08.24 文字誕生以前の記録法 D.シュマン・ベセラ シュメール文字の発明よりかなり前に,西アジアでは粘土製証票を会計などに用いていた。 1978.08.36 カはどのように血を吸うか J.C.ジョーンズ ネッタイシマカは精巧な吸血器官をもち,約3分半ほどで2.8mgの人の血を吸う。 1978.08.48 別48 宇宙メーザー D.F.ディキンソン 星の大気や星雲中のある場所では,メーザー作用により強いマイクロ波が放射されている。 1978.08.62 別68,79 アモルファス金属 増本健 結晶構造をもたないアモルファス金属は,従来の金属にはないすぐれた性質をもっている。 1978.08.74 胚における組織の形成 R.ゴードン/A.G.ジャコブソン 胚の段階で組織を形成する力は細胞間の収縮と伸長の2力であることが実験的にわかった。 1978.08.84 石材の風化と防腐 K.L.ガウリ 都市では建築用石材の風化ははげしいが,ポリマー処理を施せばこれを防ぐことができる。 1978.08.9 軽い元素の特異核 J.チェルニイ/A.M.ポスカンザー 寿命の短い特異核を人工的につくって検出し,崩壊様式を調べる実験技術が進歩してきた。 1978.08.93 別65 複雑さの理論 N.ピッペンジャー 複雑さの理論は,電話交換機など複雑なシステムをより少ない部品でつくる目やすを示す。 1978.09.108 神経伝達物質はどのように選ばれるか P.H.パターソン/D.D.ポッター 神経細胞が放出する神経伝達物質の種類と働きは,神経細胞の発生初期に決まってしまう。 1978.09.22 別56 ひと目で何個のものが見えるか 大山正 対象が何であれ,私たちがひとめ見て見分けることができる物体の数はほぼ一定している。 1978.09.34 宇宙から見た夜の地球 T.A.クロフト 地球の夜側は,都市の照明,油田のガスの炎,焼き畑の火,漁火などで美しく輝いている。 1978.09.54 超高エネルギー宇宙線 J.リンズレイ 宇宙線には,人工の加速器でつくった粒子よりはるかに高いエネルギーをもつものがある。 1978.09.70 合成膜の技術 H.P.グレゴール/C.D.グレゴール 高分子の合成膜は分子を分離できるので,海水の淡水化をはじめ広く多方面に応用できる。 1978.09.8 新しいエンジンの開発は可能か D.G.ウイルソン 現在使用されているものより効率が良く排気ガスが清浄なエンジンの開発が望まれている。 1978.09.86 キーウィの生態と進化 W.A.カルダー この飛べない鳥がすんでいるニュージーランドには,8000万年もの間哺乳類がいなかった。 1978.09.98 ポーカーをするコンピュータ N.V.フィンドラー ポーカーをするとき,人間のように経験から学習をして戦略を考えるプログラムができた。 1978.10.16 トマト C.M.リック トマトが現在のように普及したのは,絶え間ない遺伝子レベルでの品種改良の結果である。 1978.10.28 別27 高速コンピュータ“ANMA” 森亮一/岡田義邦/田島裕昭 連結方法が特別なプロセッサを多数備えた,高速で効率のよいコンピューターが作られた。 1978.10.46 トゥルカナ湖東岸の古人類 A.ウォーカー/R.E.F.リーキー ケニア北東部にあるトゥルカナ湖の東岸は,150万年以上前の古人類の化石の宝庫である。 1978.10.64 恒星風 R.J.ウェイマン 太陽をはじめ多くの種類の星から,かなりの量の物質が定常的に宇宙空間へ流出している。 1978.10.78 別67 負の絶対温度 W.G.プロクター これは,0Kより冷たいというよりは,むしろ無限大の温度より熱い状態を表わしている。 1978.10.8 ウラン濃縮と遠心分離法 D.R.オランダー ガス拡散法にかわって,使用電力が少なくてすむ遠心分離法がウラン濃縮の主役になった。 1978.10.88 視床下部による体温調節 H.ヘラー/L.I.クローショー/H.T.ハンメル 脊椎動物の体温調節をつかさどるのは脳の視床下部であることが,実験でたしかめられた。 1978.10.98 テクタイトの起源 J.A.オキーフ この独特の組成をもつガラス質の小石は,月の火山活動によって形成され地球に飛来した。 1978.11.10 進化 E.マイヤー ダーウィン以来の進化論の目的は,生物の進化をうながす原動力を追究することであった。 1978.11.100 生態的システムの進化 R.M.メイ 総種数,各種の密度,食物連鎖の長さなどに関連して興味深い進化のパターンが見られる。 1978.11.112 行動の進化 J.M.スミス 個体の生存にとり有利とは思えない行動パターンに,なぜ自然選択が味方するのだろうか。 1978.11.124 ヒトの進化 S.L.ウォッシュバーン ヒトに似た生物は400万年前に進化していたが,ホモ・サピエンスは10万年前に出現した。 1978.11.136 適応と進化 R.C.ウォンティン 適応が進化の結果であることは明らかだが,自然選択が必ず適応をもたらすとは限らない。 1978.11.22 進化のメカニズム F.J.アヤラ 進化は,長年にわたって染色体上に蓄積された遺伝的変異と自然選択によって進められる。 1978.11.38 化学進化と生命の誕生 R.E.ディッカーソン 最初の生命が誕生するまでには,10数憶年におよぶ有機物の科学的な進化が必要であった。 1978.11.64 原始生物の進化 J.W.ショフ 真核生物は,原核生物が作り出した酸素の多い大気に適応し,他種類の生物を生み出した。 1978.11.86 多細胞生物の進化 J.W.バレンタイン 多細胞生物が存在するようになったのは,生命の歴史の最後の1/5ほどの期間である。 1978.12.106L3 ナスカの巨大な地上絵 W.H.イズベル この絵がいつ,誰によって,何のために描かれたのか,新しい調査結果をもとに証明する。 1978.12.18 別25 太陽系の生成と超新星 D.N.シュラム/R.N.クレイトン いくつかの隕石中の同位体は,超新星が太陽系生成の引き金になったことを示唆している。 1978.12.32 ウプシロン粒子 L.M.レーダーマン 非常に重い素粒子が発見され,大きな質量をもつ第5のクォークの存在が明らかになった。 1978.12.52 フェルマの最終定理 H.M.エドワーズ この有名な定理は,多くの数学者の努力にもかかわらず300年後の今日でも未解決である。 1978.12.66 別50 血流量で知る脳の働き N.A.ラッセン/D.H.イングバール 大脳皮質の血流量の増減から,大脳における神経細胞の活動のようすを知ることができる。 1978.12.78 動物のパターン形成 L.ウォルパート 動物の手足が正確に作られるのは,個々の細胞が自分自身の位置を知っているからである。 1978.12.8L7 海を渡る陸鳥 T.C.ウィリアムズ/J.M.ウィリアムズ 毎年秋になると,北米の東海岸からカリブ海や南米に向けて1億羽にものぼる鳥が旅立つ。 1978.12.92 日本の豪雪 二宮洸三 日本海側ではなぜ大雪が降るのか,その機構を解明し,数値実験で再現することができた。 1979.01.100 ライト兄弟の飛行機 F.J.フーベン ライト兄弟の飛行機の昇降舵が前方にあるのは,安定性より操縦性を重んじたからである。 1979.01.24 タバコモザイクウイルスの形態形成 P.J.G.バトラー/A.クルーグ タバコモザイクウイルスのタンパク質と核酸は,予想以上に複雑な方式により結合する。 1979.01.34 別50 脳の報償系と記憶 A.ラウテンバーグ 学習や記憶に関係する神経線維系“快楽中枢”の間に,つながりがあることが判明した。 1979.01.50 軟X線がひらく新技術 E.スピラー/R.フェダー 長波長の“軟らかい”X線が,顕微鏡,天体観測,超集積回路の作製に用いられはじめた。 1979.01.62 別25 銀河集団とブラックホール P.ゴーレンシュタイン/W.タッカー 銀河集団の中心近くには巨大な銀河があり,その中心の核はブラックホールかもしれない。 1979.01.76 研摩のメカニズム L.E.サミュエルズ 多くの金属部品の仕上げには砥粒加工が用いられるが,その効率は砥粒により左右される。 1979.01.86 別50 においと脳 高木貞敬 ニオイをかいで識別するのに脳内のどの神経が働いているのかが実験ではっきりわかった。 1979.01.9 粒子ビームによる核融合 G.ヨナス 燃料ペレットに電子やイオンのビームを照射して核融合をおこす方法が脚光をあびている。 1979.02.106 発掘されたアクナトン神殿 D.B.レッドフォード アクナトンの建造物は完全に破壊されてしまったが,現在それらの復元が進められている。 1979.02.16 ヘモグロビンの構造と酸素輸送 M.F.ベルーツ ヘモグロビンが効率よく酸素を捕えたり放したりするのは,その構造が変わるためである。 1979.02.32 海洋底の宇宙塵 山越和雄 海洋底の宇宙塵は,隕石や月の石とともに地上で手に入れることができる宇宙物質である。 1979.02.52 別58 原子核分子 D.A.ブロムリー 2個の原子核を高速で衝突させると,ごく短時間だか両者が結びついて分子のようになる。 1979.02.66 反射鏡をもつホタテ貝の眼 M.F.ランド 軟体動物のなかには眼に薄膜でできた反射鏡をそなえ,それを用いて物を見るものがいる。 1979.02.76 別48 ガス星雲 E.J.チェイソン 私たちの銀河系内に見られるガス星雲は,ガスと微塵からなるより大きな系の一部である。 1979.02.8 燃料電池による発電 A.P.フィケット 公害物質を出さない高効率の燃料電池発電システムの実用化が急ピッチで進められている。 1979.02.94 速く走れる競争トラック T.A.マクマホン/P.R.グリーン 人体の走るメカニズムを厳密に分析し,走り心地のよいトラックを設計することができた。 1979.03.102 別34 開発が進む光通信用デバイス A.ヤリフ 光通信用の薄膜光デバイスの研究が進み,微小で効率の良い部品がつくれるようになった。 1979.03.112 別79 環境を変える好アルカリ性細菌 掘越弘毅 今まで調べられていなかったアルカリ性土壌にも,多くの細菌が存在することがわかった。 1979.03.20 眼球の飛躍運動 A.T.バーヒル/L.スターク 眼球の断続的な動きを詳細に分析して,脳による眼球運動のコントロール機構を解明した。 1979.03.32L6 マッコウクジラの頭はなぜ大きい M.R.クラーク マッコウクジラの頭の中の大きな脳油器官は,潜水時の浮力の調節に役立っているらしい。 1979.03.52 別60 大陸の深部構造 T.H.ジョーダン 大陸の下部には,大陸とともに動く厚さ数百kmの巨大な根のような部分がある。 1979.03.72L2 ピアノの弦の物理学 G.ウェインリーチ 1つの鍵で作動する複数の弦のミスチューニングが,鳴音に思いがけない効果をもたらす。 1979.03.82 別30 細胞膜はどのようにつくられるか H.F.ロディッシュ/J.E.ロスマン 細胞膜の働きを支える膜内外の性質の差は,そこでのタンパク質と脂質の結合の差による。 1979.03.9 代替エネルギーとしての石炭 E.D.グリフィス/A.W.クラーク 近い将来その生産が下降しはじめると思われる石油に代わり,再び石炭が見直されている。 1979.04.100 別28 染色体の遺伝相談 前田徹 遺伝性疾患に悩む人々には,依願的知識とデータに基づく適切なアドバイスが必要である。 1979.04.18 聴診器の歴史 S.J.ライサー 医療診断に使われた最初の機械である聴診器は,医師と患者間の信頼関係の象徴である。 1979.04.26 鳥の卵はどのように呼吸するか H.ラーン/A.アー/C.V.パガネリ 鳥の胚は,卵殻にある無数の微小な穴を通して,単たる拡散により酸素をとり入れている。 1979.04.44 素粒子模型としてのソリトン C.レビ いつまでもその形と大きさを保つ波であるソリトンは,質量の大きな素粒子と考えられる。 1979.04.66 ごまかし遺伝子 J.F.クロー ある種の生物の進化では,正常な性質発現を妨げる“ごまかし遺伝子”が役割を果たしている。 1979.04.78 地球磁場をつくる重力エネルギー C.R.カリガン/D.ガビンズ 地球磁場の源は,重い物質が核の中心へ落ちたときに解放される重力エネルギーであろう。 1979.04.8 別33 SALTII協定 L.アスピン 米国の監視能力とソ連の技術水準からみて,ソ連にも極秘裏にはSALTU違反はできない。 1979.04.90 湖底考古学 A.ボッケ スイス国内や周辺の湖沼には先史時代の遺跡が多く,湖底考古学の研究対象となっている。 1979.05.100 別80 中枢神経系による色の知覚 A.L.ギルクライスト 人間は,中枢神経での対象物の表面と周囲との空間的の関係を判断し,その色を知覚する。 1979.05.112 古代の兵器“カタパルト” W.スウェデル/V.フォレイ 古代の兵器“カタパルト”には,種々の高度に発達した近代的機構の原型が採用されていた。 1979.05.22 神経細胞膜のイオンチャネル R.D.ケインズ フグ毒などの使用によって,神経細胞膜のイオンチャンネルの機序がくわしくわかってきた。 1979.05.32 赤外線で見た銀河の構造 早川幸男/松本敏雄 気球やロケットを使って近赤外線領域で銀河を観測した結果,その構造が明らかになった。 1979.05.52 別34 水素原子のスペクトル T.M.ヘンシュ/A.L.シャウロウ レーザー分光学の進歩によって,まず最も簡単な水素原子の構造の詳細が解明されてきた。 1979.05.74 別44,91 ガンの転移 G.L.ニコルソン ガン細胞は血液とリンパで全身に運ばれ,特定の臓器を選んで新しいガンをひきおこす。 1979.05.8 別43 アポロ天体 G.W.ウェザリル これは地球軌道を横切るような軌道をもつ小天体で,揮発性成分を失った彗星の核らしい。 1979.05.88 イルカ B.ビルジック この大きな脳をもつ海生哺乳類がどれくらい知的であるかは,いまだに謎に包まれている。 1979.06.102 古代中国の骨占い 周鴻翔 古代中国の貴族たちは,祖先の神託を得ようと獣骨や亀の腹甲を用いて骨占いを行なった。 1979.06.11 別33 粒子ビーム兵器 J.パーメントラ/K.ツィピス 高エネルギーをもつ荷電粒子ビームを兵器に使用すれば,強力な破壊力が得られるだろう。 1979.06.113 インクジェット印刷 L.クーン/R.A.マイヤーズ 無数の微小なインク滴を噴射して文字を描くこの方法は,コンピューターで制御しやすい。 1979.06.26 空手の物理学 M.S.フェルド/R.E.マクネア/S.R.ウィルク 何枚もの板やブロックをどうして素手で打ち割れるのか,種々のモデルを用いて解明した。 1979.06.36 稲の生育環境と品種改良 田中明 多様な気象・土壌条件で栽培されている稲の品種特性を追究し,“奇跡の稲”を作り出した。 1979.06.64 生物時計を支配する酵素 S.ビンクリー 脊椎動物の活動リズムを支配し調節するのは,松果体が分泌するNATという酵素である。 1979.06.74 円盤銀河の進化 S.E.ストローム/K.M.ストローム 私たちの銀河をはじめ渦巻き銀河は,渦巻き腕のないなめらかな円盤銀河に進化しやすい。 1979.06.88 別44,91 ガンとテラトーマ K.イルメンゼー/L.C.スティーブンス 奇妙な腫瘍“テラトーマ”は,ある種のガンが特別な環境下で正常に分化することを示した。 1979.07.108 ジオットが描いたハレー彗星 R.J.M.オルソン ジオットは,キリスト生誕時の星を,1301年に出現したハレー彗星をモデルにして描いた。 1979.07.118 別65 200億年かかっても解けない問題 L.J.ストックマイヤー/A.K.チャンドラー ある種の計算問題を解くには,宇宙大のコンピューターと200億年以上の長時間を要する。 1979.07.24 哺乳類の脳冷却システム M.A.ベイカー 一部の哺乳類の脳にある網目状の静脈は冷却装置として働き,脳の温度上昇を防いでいる。 1979.07.34 陽子の構造とスピン A.D.クリッシュ 工夫された陽子同士の衝突実験は,陽子の内部に高速で回転するものがあることを示す。 1979.07.62 別34 レーザー化学 A.M.ロン レーザーの単色光は、特定のエネルギー変化によって化学反応を誘起するのに最適である。 1979.07.76 別42 オーロラの電流を探る 上出洋介 美しいオーロラの中には,100万〜1000万アンペアもの強い東西方向の電流が流れている。 1979.07.9 別48 銀河系の一酸化炭素 M.A.ゴードマン/W.B.バードン 私たちの銀河系の一酸化炭素は,中心から1万7000光年あたりにリング状に分布している。 1979.07.92 別30 分子レベルでみた細胞運動 E.ラザリッズ/F.P.レベール 筋細胞以外の細胞も,アクチンやミオシンなどの少数のタンパク質に操られて運動を行なう。 1979.08.102 大西洋の誕生とその歴史 J.G.スクレーター/C.タプスコット 1億6500万年前にでき始めた大西洋の海底地形の変化が,探査と理論から明かになった。 1979.08.116 夏が消えた年 H.ストンメル/E.ストンメル 1816年の夏,インドネシアの火山の爆発の影響で,ニューイングランドは異常に寒かった。 1979.08.22 結び目の理論 L.ニューワース ひものいろいろな結び方を数学的に解析することが,難解な抽象数学へとつながっていく。 1979.08.34 別45 マイコンの分散配置による自動制御 S.カーン/I.レフコビッツ/C.ローズ 数多くの“チップ”を階層構造につなぐことにより,工場全体を制御し動かすことができる。 1979.08.54 別58 超冷中性子 J.M.ペンドルバリー/P.アジェロン 超低速の中性子は固体表面を通り抜けられないので,びんの中に閉じ込めることができる。 1979.08.74L7 島にすむ鳥の生態 樋口広芳 島にすむ鳥は,同じ種でもその形態,生態,行動が本土の鳥に比べていろいろ違っている。 1979.08.9 別37 試験管ベビーをめぐる問題 C.グロブスタイン 体外で受精させた卵を人間にまで育てあげることが可能になり,その是非が問われている。 1979.08.90 別37 神経成長因子 R.レビ・モンタルチニ/P.カリサーノ 神経成長因子と呼ばれるタンパク質の働きにより,神経細胞がのびて互いに結びつきあう。 1979.09.102 別56 奥行き運動の視知覚 D.リーガン/K.ベバリー/M.シネイダー 奥行き運動を視知覚するために,ヒトの脳に2つのチャンネルが存在することがわかった。 1979.09.118 動物の発生における区画 A.ガルシア・ベリード/G.モラータ 動物の形態はすでに胚の時期に決まっており,鍵遺伝子がその形態の発現を調節している。 1979.09.24 別48 銀河系の中心はブラックホールか T.R.ゲバール 赤外線と電波の観測によれば,銀河系の中心部には大質量のブラックホールがあるらしい。 1979.09.38 別55 クォーク閉じ込めのバッグ模型 K.A.ジョンソン クォークはバッグあるいは泡の中に閉じ込められているという説が支持を集めつつある。 1979.09.58 別44,90 ガンとEBウイルス W.ヘレン/G.ヘンレ/E.T.レネット これは伝染性単核症の起因ウイルスであるが,2種のヒトのガンとも関連しているらしい。 1979.09.76 ライト兄弟の飛行機はなぜ成功したか F.E.C.キューリック 彼らは今日なお通用する技術開発の手順に従い,飛行の諸問題を1つ1つ解決していった。 1979.09.9 別33 過小評価されている米国の核戦力 K.N.ルイス 核戦力評価の際には,即時効果だけでなく同程度に大きな非即時効果も考慮すべきである。 1979.09.90 植物工場 高辻正基 植物の生長を正確に計測し環境制御を行うことによって,植物工場の実現が可能となる。 1979.10.100 別65 新しい暗号体系 M.E.ヘルマン 新しい“公開鍵暗号”は,今まで秘密にしなければならなかった鍵さえも公開できる。 1979.10.114 サンゴ礁の科学 T.F.ゴロー/N.I.ゴロー/T.J.ゴロー 生物の豊富な巨大なサンゴ礁は,小さなサンゴのポリプの群体により築かれたものである。 1979.10.20 太陽ニュートリノ 桜井邦明 太陽ニュートリノの観測により,標準モデルに基づく従来の太陽像は書きかえられている。 1979.10.32 別37 トカゲの性行動とホルモン D.クルーズ ある種のトカゲでは,雄の性行動の活発化に応じて,雌の卵巣が発達することがわかった。 1979.10.46 別67 物理学の難問題に挑む“くりこみ群” K.G.ウィルソン くりこみ群の理論は,強磁性体や乱流など長さの尺度を同時に多数もつ難問題を解決する。 1979.10.74 トカマク型核融合炉の進歩 H.P.ファース プリンストン大学のPLT装置により,核融合炉に必要なプラズマ条件がほぼ達成された。 1979.10.8 別44,90 発ガン物質の新しい検出法 R.ドゥボレ 発ガン物質を速やかに,かつ安価に検出する3種のバクテリアテストが新しく開発された。 1979.10.90 超新星の星の誕生 W.ハープスト/G.E.アソウサ 星間のガスや微塵の拡散した雲が,超新星からの衝撃波で圧縮されて星が誕生するらしい。 1979.11.114 別50 運動の脳内機構 E.V.エバーツ 脳や脊髄から筋に向けて出される司令信号は,フィードバック信号により調和されている。 1979.11.126 別50 脳と精神活動 N.ゲシュヴィント 大脳の左右両半球の働きに見られる差は,左右両半球の解剖学的な相違とみごとに一致する。 1979.11.138 人間の脳の障害 S.S.ケティ 脳障害は,外傷や感染などのほか,遺伝と環境との相互作用によっても引き起こされる。 1979.11.148 脳を考える F.H.C.クリック 脳の働きがどうなっているかを理解するには,新しい検証法と新たな思考法が要求される。 1979.11.20 ニューロン C.F.スティーブンス 脳を構成するこれら神経細胞は,神経インパルスを軸索から伝達し樹状突起で受けとる。 1979.11.34 単純な神経系 E.R.カンデル アメフラシのような下等動物のごく簡単な神経系でも,ある種の記憶や学習が可能である。 1979.11.52 別50 脳の神経回路網 W.J.H.ナウタ/M.ファイアターク 中枢新経系にある無数のニューロン1個1個が,他の数千個のニューロンと結合している。 1979.11.68 脳の発生 W.M.コーワン 胎児の脳内では1分間に数十万個のニューロンが生まれ,それぞれ所定の位置に移動する。 1979.11.8 別50 脳 D.H.ヒューベル 人間の脳の働きを解明することは,神経生物学の中心課題であり現代化学の課題でもある。 1979.11.82 別50 脳内の化学伝達物質 L.L.アイバーセン およそ30種類の化学伝達物質が,あるニューロンから他のニューロンへ信号を伝えている。 1979.11.98 別50 視覚の脳内機構 D.H.ヒューベル/T.N.ウィーゼル 一次視覚野の研究によって,大脳皮質における知覚情報の処理過程が明らかになってきた。 1979.12.20 別68 直鎖状高分子導電体 A.J.エピシュタイン/J.S.ミラー 有機化合物や高分子化合物のなかには,単一軸の方向にだけ電気をよく伝えるものがある。 1979.12.32 構成的数学 A.コールダー 数学が発見されるものか発明されるものなのかについては,1世紀以上も論争されてきた。 1979.12.50 ワニの進化 E.ビューフトー ワニが出現したには2億年も前のことであり,過去には四肢がひれ状をした種も存在した。 1979.12.60 別63 超音波顕微鏡 C.F.クエート 超音波映像技術は,光学顕微鏡像の分解能に匹敵する画像を得る新しい装置を生みだした。 1979.12.74 別30 光合成をするチラコイド膜 K.R.ミラー 葉緑体中のチラコイド膜は,エネルギー変換が可能なように,非対称な構造をもっている。 1979.12.86 キラウエアの溶岩湖 T.L.ライト/R.W.デッカー 溶岩湖は,マントルから上昇してくるマグマの性質をはじめ貴重な情報を提供してくれる。 1979.12.9 酸性雨 G.E.ライケンズ/R.F.ライト 硫黄と窒素の酸化物の放出量増大にともなって,雨や雪の酸性度が急激に高くなってきた。 1979.12.98 別80 人間と動物の色覚 大山正/古坂哲巌/木藤恒夫 ニホンザルは人間と同じ色覚をもっていることが,いくつかの実験によってはっきりした。 1980.01.102 別58 量子論と実在 B.デスパニヤ 量子力学の最近の実験結果は,光より速く伝わる何かがあるかもしれないと示唆している。 1980.01.22 別68 形を記憶する合金 L.M.シェトキー この合金の特殊な性質を利用して,パイプ継ぎ手や人工関節など広範な応用が考えられる。 1980.01.32 分子進化の中立説 木村資生 進化の原動力は,生存に有利か不利かには中立の,突然変異遺伝子の偶然的浮動といえる。 1980.01.50 別63,79 垂直磁化による高密度記録方式 岩崎俊一 テープやディスクの厚さの方向に磁気を記録する方式の,新しいレコーダーが開発された。 1980.01.62 クソムシの婚姻ボール B.ハインリッヒ/G.K.バーソロミュー クソムシの雄は,丸めた哺乳動物のふんを雌への贈り物として雌との配遇行動をはじめる。 1980.01.74 別37 糖尿病はどうして起こるか A.L.ノトキンス 若年型糖尿病は,遺伝的素因と環境との複雑な相互作用により発症するものと考えられる。 1980.01.8 別33 地上基地ICBMの動向 B.T.フェルド/K.ツィピス 命中精度の高いMIRV化ミサイルが,地上基地ICBMの生き残り能力を弱めつつある。 1980.01.90 別72 初源銀河をさがす D.L.マイヤー/R.A.サニエフ ビッグバン直後にできた銀河は,私たちの銀河がどうしてできたかを解明する助けとなる。 1980.02.108 別58 真空の崩壊 L.P.ファルチャー/J.ラフェルシキー 原子量が173をこえる原子核の近くの“真空”では,電子・陽電子対が自発的に生成される。 1980.02.120 ネアンデルタール人 E.トリンカウス/W.W.ハウエルズ 彼らと現代人との違いは,かつて考えられたほどには大きくないがまだ疑問の点も多い。 1980.02.134 別52 遺伝子移植で発生をさぐる E.M.デ・ロバーティス/J.B.ガードン カエルの卵に他種の遺伝子を移植して,遺伝子の動きを調節する物質を探ることができる。 1980.02.22 別70 脳波利用の新しい分野 D.リーガン 脳幹部の脳波を記録して,脳の機能の研究や脳疾患の早期発見に応用できるようになった。 1980.02.32 プログラミング言語 J.A.フェルドマン コンピューターに何かを遂行させる指令は,詳細に設計された“高水準言語”で行なわれる。 1980.02.48 ブラックホールと膨張宇宙 佐藤文隆 宇宙内の種々の構造は,宇宙の膨張についていけない“落ちこぼれ”が形成したものである。 1980.02.9 エネルギー貯蔵システム F.R.カルハマー 電力の貯蔵方法として,地下式揚水発電,新型蓄電池,空気の圧縮などが研究されている。 1980.02.96 別70 体内に植え込む効果的投薬法 P.J.ブラックシェア ペレットやポンプを外科的に身体内に植え込むことによって,効果的な投薬が可能になる。 1980.03.106 トウモロコシの起源 G.W.ビードル 最近の調査研究から,トウモロコシの祖先は野生のテオシントであることが明白になった。 1980.03.11 世界のウラン資源 K.S.デフィーズ/I.D.マクレガー ウランの埋蔵量を地質学的かつ統計的に推算してみると,その量は決して不十分ではない。 1980.03.116 水タービンの発達 N.スミス 水タービンは,産業革命期にそれまでの素朴なものが大きく改良され現在の形態になった。 1980.03.24 ヒトにはなぜヒゲがないのか 養老孟司 サルや類人猿をはじめほとんどの哺乳類にある洞毛が,どうしてヒトにはないのだろうか。 1980.03.36 別76 ボイージャーのみたガリレオ衛星 L.A.ソーダブロム ガリレオ衛星に関するボイジャーの観測結果は,地球型天体の進化を解明する助けとなる。 1980.03.58 超大型粒子加速器 R.R.ウィルソン クォークの検出などをめざし,現在,より巨大な新しい世代の加速器が建設されつつある。 1980.03.80 老化の細胞生物学 L.ヘイフリック 人間の老化は,培養されたヒトの体細胞が無限には分裂・増殖できないことと関係がある。 1980.03.96 別56 幾何学的錯視 B.ギラム 幾何学的錯視は,対象図形と周囲との関係を遠近画法で空間的に見ることによっておこる。 1980.04.102 頭の形の変化でヒトの成長をみる J.T.トッド/J.B.ビッテンダー ヒトの頭は円形からハート形へと変化していくので,その変化からヒトの成長度がわかる。 1980.04.16 水素を貯える金属 J.J.レイリー/G.D.サンドロック 新しいエネルギー源として注目される水素は金属水素化物の形で安全,有効に利用できる。 1980.04.24 別52 自然界での“遺伝子操作” S.N.コーエン/J.A.シャピロ 無関係のDNA断片を,生細胞のプラスミドや染色体の間で移動させる要素が発見された。 1980.04.48 地球内部の窓イエローストン R.B.スミス/R.L.クリスチャンセン イエローストンで起こる火山活動や地殻変動は,地球深部での現象を知る手がかりとなる。 1980.04.60 別69 アインシュタイン衛星でみたX線宇宙 R.ジャコーニ 高感度・高分解能のX線望遠鏡が,宇宙の高エネルギー現象の劇的な新解釈をもたらした。 1980.04.78 カムフラージュするカニ M.K.ウィックステン クモガニ類の中にあるものは,甲や脚に海藻やコケムシをつけ巧みにカムフラージュする。 1980.04.86 睡眠中の体動と子供の病気 瀬川昌也 睡眠中の体の動きを観察し記録すれば,子供の病気の早期発見と適切な診断に応用できる。 1980.04.9 電波の周波数割り当て C.L.ジャクソン 限られた帯域内の電波をより効率よく利用するために,さまざまな方式が検討されている。 1980.05.100 宙返りとひねりの物理学 C.フローリヒ とんぼ返りや宙返りのときに人体に働く力は,やはり角運動量保存法則にしたがっている。 1980.05.24 甲虫にはなぜ角があるのか W.G.エバハード 甲虫は立派な角を,相手を殺傷するのでなく投げ飛ばしたりして排除するのに使っている。 1980.05.34 別55 陽子の内部構造を探る M.ジェイコブ/P.ランズホフ 高エネルギー陽子どうしの衝突により,陽子の中に小さな硬い実体があることがわかった。 1980.05.52 チトクロムcとエネルギー代謝の進化 R.E.ディッカーソン 種々の生物のチトロクロムcを比較すると,エネルギー代謝系の進化の道筋が明らかになる。 1980.05.68 別43 彗星の自転と公転周期の変化 F.L.ホイップル エンケ彗星の奇妙な公転周期の変動は,氷でできた核が自転軸の方向を変えるため起こる。 1980.05.78 八重山諸島のカンアオイ 前川文夫 八重山諸島のカンアオイ類は,尖閣列島のセンカクカンアオイが分化分布したものである。 1980.05.9 原子力発電の安全性 H.W.ルイス スリーマイルアイランド原発事故は,リスク評価方法の信頼性を高める必要性を認識させた。 1980.05.90 別37 細胞間情報伝達の異常と病気 E.ルーベンスタイン コレラ,甲状腺機能高進症,重症筋無力症,ある種の糖尿病は,情報伝達の異常で起こる。 1980.06.108 コンピューター・イメージ 端山貢明 コンピューターによる映像技術は,従来の記録技術とは異なる全く新しいメディアである。 1980.06.20 金属ガラス P.チャウダリー/B.C.ギーセル/D.ターンブル これはアモルファス金属ともいい,メモリーや超伝導磁石の材料として有望視されている。 1980.06.34 赤ちゃんの突然の死 R.L.ナイエ 睡眠中の乳児を襲う突然死症候群の大部分は,呼吸支配中枢の異常によって起こるらしい。 1980.06.54 神経細胞での物質輸送 J.H.シュワルツ 伝達物質や軸索質などのタンパク質は,神経繊維の中を2つのシステムによって運ばれる。 1980.06.70 別72 初期の宇宙を探る J.D.バロー/J.シルク 宇宙は大局的にみて,ビックバンの直後からすでに一様な等方的な構造をしていたらしい。 1980.06.8 別33 化学兵器は禁止できるか M.メセルソン/J.P.ロビンソン その使用はジュネーブ議定書で禁じられているが,多くの国々が化学兵器を保有している。 1980.06.82 別37,52 遺伝子組み換えでインシュリンをつくる W.ギルバート/L.ヴィラ・コマロフ 遺伝子工学の著しい進歩により,インシュリンやインターフェロンの合成が可能になった。 1980.06.94 コヨーテの社会行動 M.ベコフ/M.C.ウェルズ コヨーテが単独で暮らすか,群れをなすかは,どんな食べ物が手に入るかによって決まる。 1980.07.104 米国若年層の失業問題 E.ギンズバーク 1950年代以降,米国の若年層の失業状況は悪化する一方であり,深刻な問題となっている。 1980.07.22 別58 量子論における重力の役割 D.グリーンバーガー/A.オーバーハウザー 中性子干渉計を使った実験で,量子力学と一般相対論を結びつける現象が初めて現われた。 1980.07.34 ミエリン P.モレル/W.T.ノートン 神経線維の効率よいシグナル伝達において,ミエリンは非常に重要な役割をはたしている。 1980.07.52 別83 超伝導コンピューター J.マチソ ジョセフソン接合を用いた超伝導コンピューターは,毎秒10億もの基本演算を実行できる。 1980.07.74 別37 ホルモンによる寒冷適応 伊藤眞次 北方系日本人は独特の代謝系をもっているので,寒さに適応し,寒冷地でも生きていける。 1980.07.88 ヨーロッパ最古の銅鉱山 B.ヨバノビッチ 金属の時代は自然銅の利用で始まったが,入手がしだいに困難となったため鉱山が開かれた。 1980.07.9 別60 マントルの化学進化 R.K.オニオンズ/P.J.ハミルトン マントル分化の性質と時期を知る手がかりは,微量元素の精密な同位体比測定で得られる。 1980.07.96 N線騒動記 I.M.クロッツ 先入観と不正確な実験が結びつき,想像の産物である放射線の存在が信じられてしまった。 1980.08.08. 別70 羊水穿刺と遺伝病 F.フックス 羊水穿刺技術の進歩により,赤ちゃんの遺伝病を出生前に安全に診断できるようになった。 1980.08.108 地震と地球深部のガス T.ゴールド/S.ソーター 地球の深部に膨大な量のガスが存在することが,いろいろな証拠によって示唆されている。 1980.08.16 別43 玄武岩質隕石 H.Y.マックスウィーン/E.M.ストルパー 一部の隕石は地球や月の火山岩によく似ているが,太陽系の他の天体からきたものらしい。 1980.08.28 コンピューター・バックギャモン H.バーリナー かけ金5000ドルの試合で,コンピューター(人工知能)が世界チャンピオンを初めて破った。 1980.08.48 血小板のはたらき M.B.ツッカー 血小板は血液を凝固させるが,それが遺伝的に欠けていると時には致命的な障害をまねく。 1980.08.62 別55 ゲージ理論 G.トフーフト ゲージ理論は,自然界の基本的な4つの力を統一する可能性があるとして注目されている。 1980.08.86 別59 ガガンボモドキの性行動 R.ソーンヒル ガガンボモドキという昆虫は,メスが交尾相手のオスを選ぶなど,興味深い性行動を示す。 1980.08.96 銀河はなぜ渦巻くか 松田卓也 恒星間の重力で発生した密度波と,星間ガスとの相互作用により,銀河の渦巻きができる。 1980.09.102 全身性エリテマトーデス D.コフラー 全身性エリテマトーデスという難病の主要な障害は,免疫複合体によってひき起こされる。 1980.09.11 別33 兵器用核分裂性物質の生産禁止 W.エプスタイン 兵器用核分裂性物質の生産禁止は,各国の合意も得られやすく核拡散防止に有効であろう。 1980.09.114 コアラ R.デガブリエル この愛らしい有袋類は,他の動物には有害なユーカリの葉を食べ,水はほとんど飲まない。 1980.09.22 別71 スーパーコイルDNA W.R.バウアー/F.クリック/J.H.ホワイト 二重らせん構造をしているDNA分子が,さらに高次のらせん構造を形成することがある。 1980.09.36 別69 ガンマ線分光天文学 M.レーベンタール/C.J.マッカラム X線より高エネルギーのガンマ線を,気球や人工衛星から観測する新しい方法が確立した。 1980.09.56 対流の理論 M.G.ベラールデ/C.ノルマン 対流はありふれた現象であるが,これを正確に記述できる理論は現在でも存在しない。 1980.09.74 生物集団における弱有害突然変異 向井輝美 マイナス方向に働く弱有害遺伝子が,生物の適応進化において大きな役割を果たしている。 1980.09.88 ヨーロッパの巨石遺構 G.ダニエル ヨーロッパには数多くの巨石遺構があるが,それらの起源は新石器時代と考えられている。 1980.10.106 ニュートンのリンゴとガリレオの天文対話 S.ドレイク 『天文対話』の中の1枚の図が,ニュートンに万有引力の法則を発見させたのかもしれない。 1980.10.11 レーダーで見た金星の表面 G.H.ペッテンギル/D.B.キャンベル 地上と金星探査機からのレーダー観測によって,金星表面の地質特性がはっきりしてきた。 1980.10.24 胎盤の生理学 G.バードウッド/R.ビーコンスフィールド 胎児と母体を結ぶ胎盤は,ガンや免疫を研究するための“実験動物”としても優れている。 1980.10.34 微小管 P.ダスティン すべての真核細胞に存在する微小管は,細胞の分裂や運動,形態保持などに関与している。 1980.10.54 単一電子で測定したg因子 P.エクストローム/D.ワインランド 電子についてのある基本的な数値が,人工的な原子を使って非常に高い精度で測定された。 1980.10.70 農業革命に始まったインダス文明 J.F.ジヤリッジュ/R.H.メドウ インダス文明誕生のきっかけになったのは,パキスタン西方域に始まった農業革命である。 1980.10.82 別34 レーザー核融合システム 山中千代衛 強力なガラスレーザーと複雑な構造をもつ燃料小球が開発され,研究は飛躍的に前進した。 1980.10.94 ディスク記録技術の進歩 R.M.ホワイト 今や,大辞典の全内容を,急速回転する1枚のディスクに磁化パターンとして記録できる。 1980.11.10 経済開発 K.K.S.ダッジー 先進諸国との関係を是正するために,開発途上諸国は新しい経済秩序の実現を迫っている。 1980.11.102 タンザニアの経済発展 R.B.マベレ/S.M.ワングェ 家族関係を基盤とした社会“ウジャマア”の実現を通して,着々と近代化が進められている。 1980.11.112 メキシコの経済発展 P.G.カサノバ 経済発展に成功しつつあるこの国での最大の問題は,貧富の差が非常に大きいことである。 1980.11.122 日本の経済発展 林雄二郎 工業国として成熟段階に入った日本は,今後あらゆる意味でその仕上げをしていくだろう。 1980.11.128 2000年の世界経済 W.W.レオンチェフ 投入産出表による世界経済の分析は,富んだ国と貧しい国との格差縮小の道を示している。 1980.11.20 人間 H.マーラー 経済発展の最終目標は人々の幸福の増進であり,その基礎となるものは人々の健康である。 1980.11.34 食糧 N.S.スクリムショウ/L.テイラー 世界から飢餓をなくすかぎは,当該地域に適した食糧増産方式と適性な所得の分配である。 1980.11.52 水 R.P.アンブロッジ 人類の膨大な水需要を満たすためには,人の水循環への介入つまり資本投下が必要である。 1980.11.66 エネルギー W.サッシン 将来のエネルギー需要をまかなうためには,先進諸国からの技術移転が必要不可欠である。 1980.11.82 中国の経済発展 丁忱 社会主義建設の途上にある中国では,10億に近い人々が飢饉や疫病からまもられている。 1980.11.93 インドの経済発展 R.クリシュナ 貧困と失業にあえぐ多数の民衆を抱えたこの国に欠落しているのは,良き経済運営である。 1980.12.104 新しい石油採掘技術 R.A.ディック/S.P.ウィンペン 価格の高騰にともない,石油を石炭や鉱石と同様な方法で採掘する技術が注目されている。 1980.12.112 オウムガイの浮力調節 P.ウォード/L.グリンウォルド 重い貝殻をもつオウムガイは,独特の浮力調節法によって水中を自由に動くことができる。 1980.12.20 分子を認識する環状化合物 田伏岩夫 ある種の環状化合物は,中央にある穴で特定の分子やイオンを認識して捕える能力をもつ。 1980.12.30 別69 SS433の奇妙なスペクトル B.マーゴン SS433という異常なスペクトルを発する天体が,脚光をあび観測されている。 1980.12.56 別67 物質と色 K.ナッソー 色の原因はきわめて多様だが,光波と電子の相互作用によって生じるという共通性がある。 1980.12.74 アパラチア南部にみる大陸の成長 F.A.クック/L.ブラウン/J.E.オリバー 反射法による地震探査により,大陸がどのようにして成長してきたかがはっきりしてきた。 1980.12.88 別70 病気の早期発見に役立つPET M.M.テル・ポゴシアン/B.E.ソーベル ポジトロン放射線同位体で人体の断層像を作るPETは,医学や生物学の強力な武器になる。 1980.12.8,85.01.再録 別52 単一クローン性抗体 C.ミルシュタイン 抗体産生細胞と腫瘍細胞を融合してクローン化し,単一の抗体を多量に得ることができる。 1981.01.106 毛はどのように発生するか 稲葉益巳 ヒトの毛は,毛球が完成する以前に,毛穴の峡部毛鞘という部分からまず形成されてくる。 1981.01.20 太平洋諸島の人々はどこから来たか P.S.ベルウッド 言語学や遺伝学,考古学の研究から人々の太平洋諸島への移住の様子がはっきりしてきた。 1981.01.32 重力レンズとクエーサー F.H.チャフィー 銀河がレンズの役割を果たすため,1つのクエーサーの像が2つに見えることがわかった。 1981.01.52 超電導技術の進歩 T.H.ジェボール/J.K.ハルム 新しいタイプの超電導体が数多く発見され,超伝導電力システムの夢が現実化しつつある。 1981.01.70 糖質の生化学 N.シャロン 糖質や糖脂質,糖タンパク質は,生合成反応や細胞間認識などで重要な役割を演じている。 1981.01.84 平衡感覚をつかさどる器官 D.E.パーカー 身体の平衡と方位づけは,内耳にある器官や他の感覚器官からの情報によって調節される。 1981.01.9 遺伝子増幅と薬剤耐性 R.T.シムケ 哺乳類の培養細胞が薬剤耐性を得る過程で見せる遺伝子増幅は,進化の実験モデルとなる。 1981.01.96 溶媒のない化学反応 R.T.マッカイバー 新しい質量分析計を用いることによって,裸の化学反応物質の挙動がわかるようになった。 1981.02.110 ヘロイン中毒に有効なメサドン維持療法 V.P.ドール この療法の成功は,嗜癖に対する考え方や対処の仕方について多くの示唆を与えてくれる。 1981.02.22 別50 大脳前頭前野のニューロン活動 久保田競 行動するサルのニューロン活動の解析から,前頭前野の高度な働きが明らかになってきた。 1981.02.34 別58,72 宇宙における物質と反物質の非対称性 F.ウィルシェク ビッグバン直後,物質が反物質より少しだけ多かったため,物質だらけの宇宙が生まれた。 1981.02.54L5 ガリレオは海王星をみていた S.ドレイク/C.T.コワル ガリレオが観測した海王星の位置は,現在認められている海王星軌道に疑問を投げかけた。 1981.02.64 別71 プラスミド R.P.ノビック 郊外のDNA有機体であるプラスミドの主な働きは,細菌に薬剤耐性を与えることである。 1981.02.8 別53 NATOの中距離核ミサイル K.N.ルイス 戦術兵器とも戦略兵器ともいえる中距離核兵器の出現は,軍縮問題をいっそう複雑にした。 1981.02.82 ゴキブリの逃避システム J.M.キャムハイ 14本の巨大介在ニューロンを含む比較的単純な神経回路がゴキブリの逃避行動を発現する。 1981.02.94 鏡と像 D.E.トーマス いろいろな曲面鏡を幾何光学的に解析することによって,鏡の不思議な世界の謎が解ける。 1981.03.108 もう一人の電話発明者 D.A.ハウンシェル 電話はベルが発明したものと思われているが,グレーの方が早くその考えに到達していた。 1981.03.11 石油開発の合理的戦略 H.W.メナード アラスカや大陸棚での今後の石油開発では,系統的な埋蔵量一覧表を作成する必要がある。 1981.03.26 昆虫の休眠 茅野春雄 昆虫は休眠によって厳しい冬を生きのびるが,それはすぐれたエネルギー保存法でもある。 1981.03.38 別45,70 完全人工心臓をめざして R.K.ジャービック 人工心臓の研究開発は着実に進歩しており,人間に適用できるまであと一歩に迫っている。 1981.03.56 別48 アンドロメダ星雲 P.W.ホッジ 銀河系に最も近いこの大きな渦巻き銀河は,恒星や銀河の進化を探る絶好の実験室である。 1981.03.70 ウイロイド T.O.ディーナー ウイロイドはウイルスよりもはるかに小さい感染病原体であり,高等植物でみつかった。 1981.03.80 ゲル 田中豊一 網目重合体と液体媒質からなるゲルは,外部の微小な変化に応じて急激に膨脹・収縮する。 1981.03.96 心とはなにか J.A.フォダー 精神と身体の関係は,二元論や唯物論とは違う機能主義の立場からみるとよく説明できる。 1981.04.10 別53 米国の対潜水艦戦力 J.S.ウィット 米国の対潜水艦戦力はソ連のそれを上回っており,SALTにも大きな影響を及ぼしている。 1981.04.114 ソーラーエンジン 藤井岩根 太陽熱だけで動くソーラーエンジンが完成し,レンズで集められた太陽熱により始動した。 1981.04.24L1 翼竜 W.ラングストン 中生代末期に絶滅した翼竜は,化石の研究から恐竜と鳥類の間の移行型と考えられている。 1981.04.36 別69 深海のニュートリノ望遠鏡 J.G.ラーニド/D.アイクラー ハワイ沖の水深5kmの海底に建設する観測器で,超新星からのニュートリノを検出する。 1981.04.54 自己免疫病とはなにか N.R.ローズ 自己免疫のメカニズムの解明が進み,難治病に対する治療法に新しい道が開かれつつある。 1981.04.70 恒星の活動周期 O.C.ウィルソン/A.H.ボーン/D.ミハラス 太陽に近い恒星にも太陽と同じ11年周期の活動がみられ,その機構が説き明かされてきた。 1981.04.84 カリフォルニアの稲作 J.N.ラトガー/D.M.ブランドン カリフォルニアの稲作農家は,高度の機械化によって世界平均の3倍の収穫をあげている。 1981.04.96 別71 ヌクレオソーム R.D.コーンバーグ/A.クラッグ 染色体の下部構造は,タンパク質でできた糸巻きに巻きとられたDNA高次らせんである。 1981.05.106 別56 スリットを横切る図形の知覚 I.ロック 図形が一部分ずつ,スリットを次々に通る場合でも,全体像を知覚できることがある。 1981.05.118 海草の受粉 J.ペティット/S.ダッカ/B.ノックス 海草は水中で受粉するため,花粉が柱頭につくと陸上植物とは異なる生理的変化が起きる。 1981.05.128 ニュートンの重力の発見 I.B.コーエン 彼は,現実の世界とそれを単純化した数学的モデルとを綿密に比較して,重力を発見した。 1981.05.23 セントヘレンズの大噴火 R.デッカー/B.デッカー 今回の大噴火もこれまでの活動パターンの一部であり,火山学者によって予知されていた。 1981.05.38 鎌状赤血球はなぜマラリアに強いか N.J.フリードマン/W.トレジャー 鎌状赤血球症などの遺伝病では変異赤血球の生化学的なしくみでマラリア原虫を排除する。 1981.05.48 別48 銀河系宇宙 B.J.ボック 最近の研究から,銀河系の半径や質量が今まで考えられていたより大きいことがわかった。 1981.05.78 チャネリングによる強力なX線放射 大槻義彦 シンクロトロン放射など従来のものより桁違いに強力なX線を出す新しい光源が登場した。 1981.05.92 細胞質の微細構造 K.R.ポーター/J.B.タッカー 超高圧電子顕微鏡によって,細胞の中に微細な格子構造が存在することが明らかになった。 1981.06.104 食物をこしとる水生昆虫 R.W.メリット/J.B.ウォーレス ブユやカ,トビケラ,カゲロウの幼虫は水中でふ化し,網やブラシを使って食物を集める。 1981.06.116 躁病を抑えるリチウム D.C.トステソン 細胞膜のイオン輸送機構の研究を通じて,躁病に対する分子レベルの理解が深まってきた。 1981.06.24 別53 放射性物質の破壊的放出 S.A.フェッター/K.ツィピス 放射性物質による環境汚染の中で,最も恐ろしいのは熱核兵器の原子炉への命中である。 1981.06.32 直立歩行を支える左足 平沢彌一郎 1万数千人の歩行を独自の方法で観察した結果,直立歩行を支える左足の役割がわかった。 1981.06.52 別55 素粒子と力の統一理論 H.ジオルジ SU(5)統一理論によれば,世界はただ1つの粒子と1つの力,それに重力でできている。 1981.06.74 新星 R.E.ウィリアムズ 新星は,近接連星系の白色矮星が,表面物質を熱核反応で爆発的に吹き飛ばす過程である。 1981.06.85 遺伝情報の起源 R.ウィンクラー・オズワティッシュ 最初の遺伝物質は,グリシンなど4種のアミノ酸が書かれたRNAであった可能性が高い。 1981.06.9 別61 コンピューターによる音声認識 S.E.レビンソン/M.Y.リバーマン 人間の声を聴き分ける機械を設計するのは,話す機械を作ることよりもずっとむずかしい。 1981.07.105 別58 高励起原子 D.クレップナー/M.G.リットマン 高励起原子のなかには,直径が1/100mmにも達する大きなものが見られる。 1981.07.120 別52,79 難病研究への道をひらく細胞工学 内田驍/岡田善雄 HVJというウイルスを使って高分子物質を細胞内に注入し,難病を治す試みが進んでいる。 1981.07.130 宋代の建築基準書 E.グラーン 中国古来の建築は,李誡の『直営法式』によって,風土によく適合した様式に統一された。 1981.07.19 小型車に挑戦する米国 C.L.グレイ/F.フォン・ヒッペル 技術革新がなくても,1995年までには,燃費を25km/リットル以上にできるはずである。 1981.07.34 別52 分割された遺伝子 R.シャンボン 高等動物の場合,タンパク質をつくる遺伝暗号は分割された形でDNAに配列されている。 1981.07.50 別69 宇宙のX線バースト W.H.G.レーヴィン 連星系を構成する中性子星の表面に蓄積したガスが爆発して,X線バーストをひき起こす。 1981.07.78 別60 東太平洋海膨の熱水噴出 K.C.マクドナルド/B.P.ルーウェンダイク 熱水が噴き出し風変わりな生物が生息している現場を,東太平洋海膨で潜水艇が目撃した。 1981.07.96 動物の対向流交換システム K.シュミット・ニールセン 互いに反対向きに動く流体間で起きる水分や熱の交換を,動物たちは巧みに利用している。 1981.08.100 リニア・プログラミングによる資源の最適配分 R.G.ブランド この手法は,アルゴリズムが簡単で,計画自体の評価も可能というすぐれた特徴をもつ。 1981.08.116 分蜂群の温度を調節するミツバチ B.ハインリッヒ ミツバチの分蜂群は,野営中にも群れの温度を調節し,すぐ飛び立てるよう準備している。 1981.08.20 精神を正常に保つ脳のホルモン 伊藤眞次 大脳皮質に多量に存在するホルモンの類似物質が抗精神病薬として有望なことがわかった。 1981.08.30 地球は微惑星の集合体か G.W.ウェザリル 太陽系形成の初期に,微惑星は衝突・合体をくり返しながら成長して地球型惑星になった。 1981.08.52 別55 陽子の崩壊を探る S.ワインバーグ 理論的には,陽子の寿命は10の30乗年以上,おそらく10の32乗年のオーダーであろうと考えられる。 1981.08.68 β-ラクタム抗生物質 E.P.アブラハム ペニシリンやセファロスポリンの分子構造を変えて,耐性菌にも有効な医薬がつくられた。 1981.08.84 第三の生物“古細菌” C.R.ウーズ 生物界は真核生物と真正細菌と古細菌の3つに大別すべきだ,という主張がなされている。 1981.08.9 高温ガス冷却原子炉 H.M.アグニュー 炉心で発生した熱を気体ヘリウムで冷やすこの原子炉は,安全性にすぐれ,熱効率もよい。 1981.09.100 ニセ信号で雄を食べる雌ホタル J.E.ロイド ある種のホタルの雌は,異種のホタルの明滅光をまねしてその雄をひき寄せ食べてしまう。 1981.09.110 別56 両眼視での奥行逆転 J.I.イエロット 人間の視覚系には奥行調節の機構があり,へこんだものでも出っぱっているように見える。 1981.09.20 金星の大気 G.シューバート/C.コーベイ 惑星探査機の観測から,硫酸でできた雲は4日間で金星を一回りしていることが判明した。 1981.09.30 カリフォルニアの広域水利用と土壌改良 A.F.ピルスベリー 土壌に集積した塩分を取り除き,土壌を改良する大規模な水利用計画がすすめられている。 1981.09.54 別58 ファイバー・バンドルと量子論 H.J.バーンスタイン/A.V.フィリップス メビウスの帯で代表されるトポロジーの考え方で,中性子や電子の振る舞いを解明する。 1981.09.76 別63,84 DNAの原子をみる超伝導電子顕微鏡 堀内繁雄 超高分解能電子顕微鏡技術の進歩により,DNAの原子を直接観察できる見通しが立った。 1981.09.88 別52 哺乳類細胞の遺伝子工学 W.F.アンダーソン/E.G.ディアクマコス マウスの細胞に特定の遺伝子を注入して,細胞の遺伝的な欠損を治すことが可能になった。 1981.09.9 ポーランド人の価値観と行動 S.ノワク 1980年以来のポーランド情勢は,戦後30余年の間に熟成した国民の価値観を反映している。 1981.10.104 サジ・カルノー S.S.ウィルソン 理想的熱機関の解析で有名なカルノーの本当の関心は,蒸気機関の実用的な応用にあった。 1981.10.11 別69 “はくちょう”のみた中性子星 小田稔/田中靖郎 日本のX線天文衛星“はくちょう”は,X線星を次々に観測し新しい事実を発見している。 1981.10.24 別53 対戦車用スマート・ミサイル P.F.ウォーカー 精密な誘導ミサイルは機動性・破壊力がすぐれており,戦車は過去の遺物となりつつある。 1981.10.36 モンスーン P.J.ウェブスター モンスーンは,海洋に注いだ太陽エネルギーを陸地に集め,世界中の人々に水を供給する。 1981.10.52 別71 リボゾーム J.A.レイク 電子顕微鏡写真に基づく3次元モデルにより,タンパク質合成の詳細がはっきりしてきた。 1981.10.68 別45 コンピューター・デザインによる鍛造 S.L.セミアチン/G.D.ラホティ 古くからの技術である鍛治も,コンピューターの導入で,経験にたよる作業から脱皮した。 1981.10.78 ニレ立ち枯れ病とその防除 G.A.ストローベル/G.N.ラニヤ ある種のキクイムシが媒介するニレ立ち枯れ病は,そのフェロモンを利用して防除できる。 1981.10.92 別48 オリオンの最も若い星 G.ウィン-ウィリアムズ オリオン座の星間雲の内部では,生まれたての星が周囲のガスを高速で吹き飛ばしている。 1981.11.106 微生物工業における生産方法 E.L.ゲイトン 従来この分野では回分操作が多く用いられてきたが,新しく連続操作も開発されつつある。 1981.11.116 別71 農業への微生物利用 W.J.ブリル 微生物を適性に利用することによって,農作物の生長を促し,収量を高めることができる。 1981.11.20 日本の微生物産業 斎藤日向 日本には清酒やみそ・しょうゆの醸造で培われた伝統的な技術があり,将来が期待される。 1981.11.24 産業に使われる微生物 H.J.ファッフ 人類に有益な物質の生産に,酵母やカビ,細菌に加え,哺乳動物の細胞も利用され始めた。 1981.11.40 別71 微生物の遺伝子操作 D.A.ホブウッド 突然変異やかけ合わせ,組み換えDNA技術によって有用な微生物をつくることができる。 1981.11.62 食料品生産への微生物利用 A.H.ローズ 古くからあるパンやチーズ,酒類に加えて,単細胞のタンパク質という新顔も登場してきた。 1981.11.76 医薬品生産への微生物利用 Y.アーノロビッツ/G.コーエン 微生物は,抗生物質だけでなく,ホルモンやインターフェロンをつくり出す主人公である。 1981.11.8 別71 遺伝子工学と微生物産業 A.L.デメイン/N.A.ソロモン 食品,医薬品,化学製品などをつくる微生物産業は遺伝子工学という強力な武器を得た。 1981.11.94 化学製品生産への微生物利用 D.E.エベリー 微生物による発酵工業は,石油を原料としないさまざまな化学製品を続々うみ出している。 1981.12.102 別61 コンピューターによるデジタル画像処理 T.M.キャノン/B.R.ハント 画像の情報でデジタル化すれば,数学的操作で,ピンぼけ写真を鮮明にすることもできる。 1981.12.116 メーヨー・クリニックの患者記録 L.T.カーランド/C.A.モルガード メーヨー・クリニックの膨大な患者記録は,疫学的研究において貴重な資料となっている。 1981.12.20 35億年前に生命は存在したか D.グルーブス/J.ダンロップ/R.ビュイック オーストラリア西部の古い岩石の調査で,35億年前に生物が存在した可能性が示唆された。 1981.12.32 別58 量子理論 R.I.G.ヒューズ 量子理論を使えば,量子力学の世界で生じる理論上の矛盾をうまく説明することができる。 1981.12.62 神経ペプチド F.E.ブルーム 神経細胞が合成・放出するペプチドは,細胞間情報伝達物質として動物の行動を調節する。 1981.12.78 別68 新しい炭化ケイ素耐熱材料 矢島聖使/岡村清人 有機ケイ素重合体を焼いて無機物に転換すると,1000度以上の高温に耐える材料ができる。 1981.12.9 連星系パルサーからの重力波 J.テイラー/J.ワイズバーグ/L.ファウラー 連星系パルサーの公転軌道が縮小していることから,重力波の存在が間接的に証明された。 1981.12.90L2 バイオリンの音響学 C.M.ハッチンス 表板と裏板の振動特性を測定することによって,より良いバイオリンを作ることができる。 1982.01.106 米国の人口動向 P.M.ハウザー 1980年のセンサスでは,史上初めて非大都市圏の人口増加率が大都市圏のそれを上回った。 1982.01.26 別53 新しい暗視装置マイクロチャンネル・プレート M.ランプトン 個々の画素の明るさを1万倍も高め,暗闇でも鮮明な画像をうつしだせる装置が誕生した。 1982.01.38 別71 DNA修復のしくみ P.ハワード・フランダース 傷害を受けたDNAは,大きく分けて2つあるいずれかの方法で修復され,生物は生き続ける。 1982.01.60 チョウの斑紋はどのように形成されるか H.F.ナイハウト 変化に富むチョウやガの美しい色彩斑紋は,ごく少数の単純な規制に基づいて形成される。 1982.01.74 アンモナイト 小畠郁生/棚部一成/福田芳生 アンモナイトの化石をオウムガイやイカ,タコと比べると,進化の過程が明らかになる。 1982.01.86 流体相のシミュレーション J.A.バーカー/D.ヘンダーソン 分子が不活性の剛体球であるというモデルを考えると,気体や液体の構造は理解しやすい。 1982.01.9 別76 ボイジャーのみた惑星の環 J.B.ポラック/J.N.クッチ 木星,土星,天王星の環ができた過程を,ボイジャーの観測で得たデータに基づいて探る。 1982.01.96 カナダに残されたバスク人の捕鯨基地 J.A.タック/R.グレニア 古文書に基づく発掘調査により,16世紀バスク人の捕鯨基地跡がラブラドルで見つかった。 1982.02.16 磁石をもつ細菌 R.P.ブレイクモア/R.B.フランケル ある種の水生細菌は,マグネトソームと呼ばれる磁石をもっており,磁極に向かって泳ぐ。 1982.02.26 石炭液化の化学 真田雄三 液化プロセスを合理的に設計・操作するためには,液化反応のしくみの解明が先決である。 1982.02.44 別76 木星と土星の縞模様 A.P.インガソル この大気循環は,日光が差し込む表面層に限られるのか,数万kmの深部まで達するのか。 1982.02.58 フクロウの鋭い感覚 E.I.クヌードセン 暗闇で獲物の垂直方向の位置を識別するために,フクロウの左右の耳は上下にずれている。 1982.02.70 フィブリノーゲンとフィブリン R.F.ドゥーリトル どのようにしてフィブリノーゲンが重合し,フィブリンになって血を止めるかがわかった。 1982.02.8 別53 レーザー兵器 K.ツィピス 人工衛星にレーザー兵器を積み込んで,敵の大陸間弾道弾を撃墜する計画は可能だろうか。 1982.02.82 計算機による代数処理 R.パベル/M.ロススタイン/J.フィッチ 新しい汎用の算法を用いれば,これまで手に負えなかったような問題も解けるようになる。 1982.03.100 アフガニスタンの古代ギリシャ都市 P.ベルナール 紀元前2~3世紀ごろ中央アジアに栄えた,ギリシャ植民地の幻の古代都市が発掘された。 1982.03.112 選択の心理学 D.カーネマン/A.ツベルスキー 損を承知で宝くじを買うというような不合理な心理も,数学的に説明できるようになった。 1982.03.24L1 恐竜はなぜ絶滅したか D.A.ラッセル 6300万年ほど前に恐竜をはじめ多くの動植物が絶滅したのは,小惑星の落下が原因らしい。 1982.03.34 ヒルの神経系の発生 G.S.ステント/D.A.ワイズブラット 新しい細胞追跡の手法によって,ヒルが神経系を形成していく発生のしくみが解明された。 1982.03.54 別63 スーパーコンピューター R.D.レビン 世界中に30台余りしかない強力なコンピューターは,毎秒1億回もの演算を実行できる。 1982.03.74 ビタミンAを貯蔵する細胞 山田英智 人体に不可欠なビタミンAは,肝臓だけでなく肺や消化管の特殊な細胞にも蓄えられる。 1982.03.8 別76 土星の月 L.A.ソーダブロム/T.V.ジョンソン ボイジャー1号と2号の観測によれば,17個の衛星は岩石ではなくおもに氷でできている。 1982.03.88 別67 安定な原子状水素をつくる I.F.シルベラ/J.ワルラーベン 水素を原子状態のまま安定させる技術が開発され,量子気体の性質を理解する道が開かれた。 1982.04.104 低レベル放射線の影響 A.C.アプトン 自然環境や人工線源からの低レベル放射線は,人間にどのくらいの障害を与えているか。 1982.04.22 別76 大気をもつタイタン T.オーエン 土星の最大の月タイタンには大気が存在し,生命誕生直前の地球に近い状態にあるらしい。 1982.04.34 350万年前の人類の足跡 R.L.ヘイ/M.D.リーキー アフリカの一部には,すでに350万年前に直立歩行する人類がすんでいたことがわかった。 1982.04.54 別72 クエーサーが示す初期の宇宙 P.S.オズマー 150億年前の夜空は現在よりずっと明るく,肉眼でも4つのクエーサーが見えただろう。 1982.04.70 魚は色をどう見るか J.S.レビン/E.F.マックニコル 魚はそれぞれ,自分たちがすんでいる環境に適した色覚を得るような視物質をもっている。 1982.04.8 tRNAの完全合成 池原森男 RNAの合成はDNAに比べて格段に困難だが,世界に先駆けてtRNAが完全合成された。 1982.04.82 炎の化学 W.C.ガーディナー 燃焼の化学においては,燃焼が燃える途上でどんな反応中間体が生成するかが問題となる。 1982.04.94 トガウイルスの細胞への侵入と脱出 K.シモンズ/H.ガロフ/A.ヘレニウス ある種のウイルスは,ウイルスの膜と細胞膜が融合することによって細胞の中に入り込む。 1982.05.102 別63 製造業でのレーザー利用 A.V.ラロッカ レーザー工具は、材料の孔あけ、切断、溶接、熱処理、合金化に広く利用され始めている。 1982.05.20 コカイン C.バン・ダイク/R.ビック コカインは長い歴史をもった薬物だが,その依存性は化学的に特異な構造に由来している。 1982.05.30 メキシコ湾流からの巨大な渦 P.H.ウィーベ メキシコ湾流など流れの強い海流は,直径が300kmにも達する渦をつくりだす。 1982.05.48 別90 ガンをひき起こす遺伝子 J.M.ビショップ 細胞タンパク質のリン酸化を起こすレトロウイルス遺伝子が,ガン化で大きな役割をする。 1982.05.62 別68 新しい薄帯磁性材料 津屋昇/荒井賢一 硬くてもろいとされていた材料が,融体超急冷法でまったく新しい材料に生まれ変わった。 1982.05.76 別55 中間ベクトル・ボソンを創る D.B.クライン/C.ルビア/S.バン・デル・メール 弱い相互作用を媒介する素粒子を検出しようと,これまでで最大規模の実験が行なわれる。 1982.05.9 別72 超銀河集団と宇宙の空洞 S.A.グレゴリー/L.A.トンプソン 赤方偏移の観測から,少なくとも3個の超銀河集団と銀河のない巨大な空洞がみつかった。 1982.05.90 ヘビは赤外線像をどう“見る”か E.A.ニューマン/P.H.ハートライン 孔器官をもつヘビは,中脳で赤外線と可視光の情報を統合して独特の“視覚”を構成する。 1982.06.22 脳の働きを修正する栄養素 R.J.ワートマン 神経伝達物質の原料となるアミノ酸などは,食物にまぜて使うと新しい型の薬となりうる。 1982.06.34 ミシシッピ川の大地震帯 A.C.ジョンストン 170年前の大地震など米国ミシシッピ川流域の地震は,古い地溝帯の再活動が原因らしい。 1982.06.50 銀河の巨大分子雲 L.ブリッツ ほとんどが水素分子からなる巨大分子雲は,私たちの銀河で最も質量の大きい天体である。 1982.06.61 別55 超重量磁気単極子 R.A.カリガン/W.P.トラウアー 磁気単極子が存在すれば,それはゾウリムシほどの重さをもつなど,異例の素粒子だろう。 1982.06.72 ダイオウイカ C.F.E.ローパー/K.J.ボス ダイオウイカ類には,長さ18mで重さ450kgにも達する巨大なものがある。 1982.06.8 新しい海洋石油プラットホーム F.S.エラーズ 水深180mの海で30mの波に耐える構造物を造るには大胆な技術が必要だ。 1982.06.80 松果体と生物時計 出口武夫 生物の種々の活動には規則正しいリズムがあり,その調節をになっているのが松果体である。 1982.06.92 ガロアの短い生涯 T.ロスマン この天才は決闘前夜に群論を書いたとされているが,実は完成の域には達していなかった。 1982.07.106 ジャガイモのクローン栽培 J.F.シェパード 葉の細胞1個から,クローン法で高品質・高収量のジャガイモの新種を作ることができた。 1982.07.20 別63,70,84 医療用NMRスキャナー I.L.ピケット この診断装置は,原子の分布状態をもとに画像を合成するので,病巣の早期発見に役立つ。 1982.07.32 別69 宇宙ジェット M.ビーゲルマン/M.リース/R.ブランドフォード 銀河の中心の激しい活動によって生じる電離ガスの噴流は,長さが数百万光年にも達する。 1982.07.54 別77 遺伝子レベルでみた抗体の多様性 P.レーダー わずかな数百個の遺伝子断片の組み合わせによって,100億種類以上の抗体が生み出される。 1982.07.72 別85 クォーコニウム E.D.ブルーム/G.J.フェルトマン 重いクォークとその反粒子からなる“原子”を調べれば,クォークの間に働く力がわかる。 1982.07.8 生命操作とDNA学 渡辺格 生命操作が可能になった現在,分子生物学に代わるより広範なDNAの確立が望まれる。 1982.07.88 ヒラメの眼はなぜ左にあるか D.ポリカンスキー 日本産ヌマガレイは両眼が左にあるが,カリフォルニア産のものは半数が右に両眼をもつ。 1982.07.96 グレゴリオ暦400年 G.モイヤー 1582年,教皇グレゴリウス13世は暦と季節との狂いを食い止めるため,改暦に踏みきった。 1982.08.104 バーミンガムのルナ協会 L.リッチ・コールダー 18世紀の英国の科学と技術は,満月の夜に集う“変人”たちの自由な討論で大きく進展した。 1982.08.16 秩序構造の形成 妹尾学 非平衡の散逸構造を考えると,なぜ生命が地上に発生したかについてのヒントが得られる。 1982.08.26L8 魚はどのように群れを維持するか B.L.パートリッジ 群れの中の魚は,視覚と水の動きの変化をとらえる側線によって,その位置を保っている。 1982.08.50 別72 VLBIでみた電波宇宙 A.C.S.リードヘッド 遠隔地の望遠鏡を連結し大型電波干渉計(VLBI)を作ると,高分解能の天体像が得られる。 1982.08.62 視覚的注意の脳内機構 R.ワーツ/M.ゴールドバーグ/D.ロビンソン 物を見るときに起きる脳細胞の活動変化の研究から,注意の仕組みが明らかになってきた。 1982.08.74 物質の量子力学 M.L.コーエン/V.ハイネ/J.C.フィリップス 擬ポテンシャル理論によって,数多くの材料の性質を正確に理解できるようになった。 1982.08.8 リン鉱床 R.P.シェルダン 食料の安定供給のためには,化学肥料の原料となるリン資源を有効に活用する必要がある。 1982.08.92 カルモジュリン 張槐輝 この普遍的なタンパク質はカルシウムイオンと結合して活性化し,酵素の働きを調節する。 1982.09.100 別59 協同繁殖をする鳥モリヤツガシラ J.D.リゴン/S.H.リゴン この鳥は,群れの中の1つがいだけが繁殖し,残りの成鳥はそのヒナの養育を手助けする。 1982.09.110 生痕化石でみる古生物の生活 福田芳生 古生物の捕食のあとや排せつ物など生活の様子をとどめた化石から,当時の生態がわかる。 1982.09.120 別70 動脈瘤の原因と治療 K.ヨハンセン 診断装置や外科の技術の進歩によって,恐ろしい動脈瘤の早期発見や治療が可能になった。 1982.09.23 別68,84 有機化合物の超伝導体 K.ベチガード/D.ジェローム 金属だけで確認されていた超伝導現象が,有機化合物の結晶でも起こることが発見された。 1982.09.34 スペーステレスコープ J.N.バーコール/L.スピッツァー 1985年,大型天体望遠鏡がスペースシャトルで大気圏外に運ばれ,宇宙を鮮明に映しだす。 1982.09.48 ハンググライダーから超軽量飛行機へ M.A.マルコフスキー ハンググライダーに小型エンジンを取り付け,手軽に空中散歩を楽しめる乗り物ができた。 1982.09.74 若い星からの高エネルギー・ガス流出 C.J.ラダ 星が誕生しつつある暗黒星雲からは,分子ガスが二極流となって超音速で流れ出している。 1982.09.86 別71 DNAトポイソメラーゼ J.C.ワン 環状DNA分子の立体構造を調節する酵素トポイソメラーゼは,遺伝情報の複製を左右する。 1982.10.106 別60 オフィオライト I.G.ガス 陸上でみつかる海洋地殻の断片から,海洋地殻のでき方や海洋底拡大のプロセスがわかる。 1982.10.118L5 ガリレオ事件 O.ギンガリッチ 地球の公転を論じたガリレオの推論は,教会の反対に抗して,新しい方法論をうち立てた。 1982.10.13 二酸化炭素の増加と気候変動 R.レベル 大気中の二酸化炭素の量が増え続けているため,地球の平均気温がしだいに上昇している。 1982.10.24 アレルギー P.D.ビサレット 花粉などによって起きるアレルギーの仕組みが,細胞・分子レベルで明らかになってきた。 1982.10.36 古気候が決めた植物の進化 浅間一男 植物は夏冬の気温較差の漸増を原動力にして,小葉系,大葉系,有節系の三系統で進化した。 1982.10.66 微生物による採鉱 C.L.ブライアリー 細菌を使って,低品位の鉱石から銅やウランを溶かし出し回収する方法が普及しつつある。 1982.10.82 銀河コロナ K.S.デボール/B.D.サベージ 人工衛星からの観測により,私たちの銀河系が高温ガスでおおわれていることがわかった。 1982.10.94 金属表面の物理学 R.ゴーマー 金属結晶の表面では,吸着した原子や分子が活発に動き回るため,複雑な現象が見られる。 1982.11.102 オフィスの機械化 V.E.ジュリアーノ オフィスでの情報処理は,主役が従来の紙からエレクトロニクスへと急速に移行している。 1982.11.116 婦人労働と機械化 J.W.スコット 機械を使う作業に女性が参加してから2世紀たつ今日でも,低賃金と職業差別は存在する。 1982.11.13 労働の機械化 E.ギンズバーグ 労働の機械化は,生産性を飛躍的に向上させるとともに社会の構造も大きく変えてしまう。 1982.11.130 労働と所得の分配 W.W.レオンチェフ 労働の機械化は労働者の購買力の低下をまねき,経済政策上の不利に結びつくことがある。 1982.11.26 農業の機械化 W.D.ラスムッセン 150年前に全労働人口の70%を占めていた農業従事者は,機械化により3%まで減少した。 1982.11.42 鉱業の機械化 R.L.マロベリ/J.M.カーナク 機械化によって,米国で必要な鉱物の80%以上が,わずか1%の労働力で採掘されている。 1982.11.62 設計の機械化と製造の自動化 T.G.ガン 工場の機械化は,製品の生産現場だけにとどまらず製品の設計部門にまで進出している。 1982.11.86 金融と流通の機械化 M.L.アーンスト 小切手の処理や商品流通などのサービス分野は,商品の生産分野より機械化が進んでいる。 1982.12.108 別68 磁性流体 R.E.ローゼンワイク 現在注目されているこの新素材は,真空シールや資源の再利用技術などに広く使えそうだ。 1982.12.120 河をさかのぼる水の壁 D.K.リンチ 潮の干満の差が非常に大きな所では,高さ数mもの波が河をさかのぼることがある。 1982.12.13 核実験の全面禁止は可能か L.R.サイクス/J.F.エバーンデン 地震学の発展で,地下核実験など小規模な秘密の核実験も地震と識別できるようになった。 1982.12.24 シナプス伝達とカルシウムイオン R.R.リナス 神経細胞の連鎖を信号が伝わっていくには,カルシウムイオンの存在が必要不可欠である。 1982.12.36 ミツバチの家捜し行動 T.E.シーレイ 分蜂したミツバチの群れが新しい造巣場所を見つけるとき,“熟年”の働きバチが活躍する。 1982.12.54 別63 人工知能 D.L.ウォルツ 人間の知的な能力を探る人工知能の研究により,視覚情報処理や自然言語の解析が進んだ。 1982.12.84 別63 情報処理技術が支える石油探査 石井吉徳 地震反射法は,地中の様子をはっきり再現できるので,海底油田の探査も正確に行える。 1982.12.96 別61 宇宙を探るCCD撮像装置 J.クリスチャン/M.ブラウク データ精度の高いCCD撮像装置が開発され,遠くて暗い銀河も観測できるようになった。 1983.01.109 ガーターヘビの性行動と生理 D.クルーズ/W.R.ガーストカ アカスジガーターヘビの奇妙な性行動と生理は,カナダ西部の寒冷な環境への適応を示す。 1983.01.119L2 ティンパニーの物理学 T.D.ロッシング ティンパニーは周波数が倍数関係にある振動モードにより,音名でいえる高さの音がでる。 1983.01.12 別75 核兵器の全面凍結 R.フォースバーグ 米ソ両国が核兵器とその運搬システムの生産を停止することが,核兵器の廃棄につながる。 1983.01.24 南氷洋の生態系とクジラ資源 J.R.ベディントン/R.M.メイ 南氷洋の生態系を調べると,クジラを絶滅から守るための最適捕獲量がはっきりしてくる。 1983.01.34 別71,95 細菌ウイルスの遺伝子スイッチ M.プタシン/A.D.ジョンソン/C.O.パボ ラムダ・ウイルスの遺伝子発現を調節する,タンパク質とDNAの相互作用が解明された。 1983.01.54 別60 広がる北アメリカ西海岸 D.L.ジョーンズ/A.コックス/P.コーニー 過去2憶年ほどの間に地塊がつぎつぎに衝突したため,北アメリカ大陸は西方へ成長した。 1983.01.82 現代日本人の成立 埴原和郎 日本人は縄文人の子孫であり,地域的混血や隔離を経験しながら小進化し現代人となった。 1983.01.96 グルーボール 石川健三 グルーボールは,クォークを結びつけているカラー力を伝達するグルーオンが結合した状態である。 1983.02.102 別65 素数を求めて C.ポメランス 大型コンピューターを使うと,100桁の数でもわずか10秒で素数かどうかの判定ができる。 1983.02.20 別63 宇宙からみた地球のレーダー画像 C.エラチ スペースシャトルに搭載されたレーダーシステムによって,地表の鮮明な画像が得られる。 1983.02.30 別63,79 静電誘導トランジスタ 西澤潤一 筆者が発明したこのトランジスタは,次世代のLSI素子として世界の注目を集めている。 1983.02.52 パーソナル・コンピューターとその周辺 H.D.トゥーン/A.グプタ ハードウエア・ソフトウエア双方の充実で,パソコンは新しい局面を迎えようとしている。 1983.02.68 脳の縞構造はどのようにしてできるか M.コンスタンチン/M.I.ロウ 三つ目ガエルをつくる研究から,縞構造の形成に2つの機構が働いていることが判明した。 1983.02.8 新しい人口移動現象 D.R.バイニング 先進諸国では,1970年代に工業と人口の集中していた核心地域からの人口流出が始まった。 1983.02.80 宇宙線のメッセージ E.ストーン/R.メバルト/M.ウィデンベック 宇宙線の同位体組成を調べた結果,太陽系の同位体組成とはかなり異なることがわかった。 1983.02.92 海の固着生物と水流 M.A.R.ケール 海で固着生活を送るイソギンチャクや海藻類は,水流に対してみごとな適応を見せている。 1983.03.106L2 パイプオルガンの物理学 N.H.フレッチャー/S.トウェイテス パイプオルガンの荘厳な響きの秘密が,最新技術を駆使した実験から明らかになってきた。 1983.03.20 哺乳動物細胞の大量培養法 J.フェダー/W.R.トルバート インターフェロンなど重要な物質を大量に生産するための新しい細胞培養技術が完成した。 1983.03.30 NMRでとらえた生体の代謝機能 R.G.シュルマン 生きた生物の中でどのような化学反応が起こっているかを探る,画期的な手段が現れた。 1983.03.44 別98 新星・T型超新星誕生のプロセス 杉本大一郎 白色矮星に隣の星からガスが流入するというモデルで,新星とT型超新星が説明できる。 1983.03.58L1 足跡化石が語る恐竜の生態 D.J.モスマン/W.A.S.サージャント 足跡の化石を調べるだけでも,絶滅してしまった動物の生活ぶりや行動のようすがわかる。 1983.03.73 別69,72 宇宙X線バックグラウンドの起源 B.ゴーマン X線天文衛星の観測によると,X線バックグラウンドの起源は,遠くにあるクエーサーらしい。 1983.03.88 内耳の有毛細胞 A.J.ハッドスペス 繊毛束をもつこの受容細胞は,振動を電気信号に変える生きたトランスデューサーである。 1983.03.9 別63 歩く機械 M.H.レイバート/I.E.サザーランド コンピューター技術と動物の歩行パターンの研究が結合,歩行機械の実現が間近になった。 1983.04.10 活動する太陽コロナ R.ウォルフソン 太陽コロナの活動から,そこで起こっている物質と磁場の複雑な相互作用の様子がわかる。 1983.04.102 別80 隠れた視覚システム J.M.ウォルフ 視覚は,ふつう単一の感覚のように思われているが実は複数の働きの組み合わせである。 1983.04.22 別77 合成ワクチン R.A.ラーナー ウイルスの表面タンパク質の一部を合成し,安全なワクチンを製造できる見通しがついた。 1983.04.32 矢毒ガエル C.W.マイヤーズ/J.W.デイリー 猛毒のアルカロイドをもつこのカエルは,体色や体長の違いが顕著で進化の面で興味深い。 1983.04.48 光コンピューター E.アブラハム/C.T.シートン/S.D.スミス このコンピューターは毎秒1兆回,従来のものの1000倍もの高速で演算することができる。 1983.04.58 クォークの閉じ込めと格子理論 C.レビ 格子理論という数学的な手法で,クォークの閉じ込めが理論的に証明されようとしている。 1983.04.74 陸上植物の初期進化 西田誠 最近の細胞学的研究や化石の発見から,緑藻からコケ植物への進化が詳しくわかってきた。 1983.04.86 英国中世の扇形ボールト天井 W.C.リーディー 扇形ボールト天井は美しさの追求から生まれたものだが,技術的にも合理的なものだった。 1983.05.108 隠した食物を探しだす鳥 S.J.シェトルワース シジュウカラやカラスの仲間には,何千もの貯食場所を数ヵ月間も記憶している鳥がいる。 1983.05.20 別71 ミトコンドリアのDNA L.A.グリベル 細胞のエネルギー発生源であるこの小器官は,細胞の核とは異なった遺伝系をもっている。 1983.05.34 別89 宇宙の未来 D.A.ダイカス/J.R.リトー/V.L.テブリッツ 最新の理論物理学と宇宙論により,遠く10の100乗年後の宇宙の姿まで描き出せるようになった。 1983.05.58 周期変動する化学反応 I.R.エプスタイン/K.クスティン/M.オーバン 物質の濃度が周期的に変化する現象の解明は,生物時計など生命の謎を解くカギにつながる。 1983.05.72 別69 “ひのとり”がみた太陽フレア 田中捷雄 太陽観測衛星“ひのとり”は,太陽フレアをはじめ太陽活動の諸側面を明らかにしている。 1983.05.86 古代インダス文字の解読 W.A.フェアサービス インダス文明の文字は資料が少なく長い間謎に包まれていたが,解読の糸口がつかめた。 1983.05.9 マイクロプログラミング D.A.パターソン このプログラムによりコンピューターを制御する方法は,ソフトウエアの互換性を高める。 1983.05.98 医療に貢献する病理解剖 S.A.ゲラー 医療の向上はもちろん適切な保健計画を立案する上でも,病理解剖は不可欠の手段である。 1983.06.102 細胞性粘菌の信号物質 J.T.ボナー 細胞性粘菌のアメーバは,種に特有な化学物質を分泌して,種ごとの独自性を保っている。 1983.06.112 直観と物理学 M.マックロスキー 物体の運動を直観的にとらえたとき,多くの人はニュートンの法則に反した考え方をする。 1983.06.18 別63 シリコン基板に組み込んだマイクロセンサー J.B.エンジェル/S.C.テリー/P.W.バース マイクロエレクトロニクスとまったく同じ技術を使って,バルブやセンサーが製造できる。 1983.06.32 海底の熱水噴出 J.M.エドモンド/K.V.ダム 2600mの海底の熱水噴出は奇妙な生態系をはぐくみ,大きな鉱床を生み出している。 1983.06.58 別77 抑制T細胞因子の構造と機能 谷口克 免疫調節で中心的役割を果たす抑制T細胞因子の分子構成と各部の機能が明らかになった。 1983.06.70 別85 クォークは内部構造をもつか H.ハラリ 物質の最小単位と考えられるクォークは,さらに小さな単位からできているかもれない。 1983.06.9 別75 ヨーロッパの非戦場核地帯 B.M.ブレッチマン/M.R.ムーア パルメ委員会の新しい提案は,核戦争の危険性を減少させるための実行可能な方策である。 1983.06.90 レム睡眠中の脳のはたらき A.R.モリソン レム睡眠時の筋弛緩を実験的に取り除くことによって,睡眠中の脳の働きが明らかになる。 1983.07.100 ミクロボディー G.ドデュープ 1枚の膜に包まれたこの細胞内小器官の正体が,形態学と生化学の両面からわかってきた。 1983.07.114 原子核の振動 G.F.バーチ 原子核はつねに振動しており,その振動には6つの型があることが実験により確認された。 1983.07.17 スマート・ミサイルの発達と海戦の変貌 P.F.ウォーカー スマート・ミサイルの威力の前では,膨大な費用がかかる海軍艦船の増強は疑問視される。 1983.07.28 別80 先天盲の開眼手術と視知覚の形成 鳥居修晃 誕生時や幼児期に失明した人が手術で開眼しても,直後はものを知覚することができない。 1983.07.40 別68 低温でできる無機材料 J.D.バーチェル/A.ケリー 今までの有機化合物に代わって,セメントのバネや無機発泡体などができるようになった。 1983.07.58 コンピューターがひらく新しい統計学 P.ダイアコニス/B.エフロン ブートストラップ法による統計は,その正確さにより従来の統計にとって代わりつつある。 1983.07.76 突発性心臓死を解析するトポロジー A.T.ウインフリー トポロジーの理論を応用すると,突発的におこる心臓死の原因をつきとめることができる。 1983.07.90 現代の養豚システム W.G.ポンド 経済性の追求と生物学の進歩が結びつき,一貫経営による新しい養豚システムが生まれた。 1983.08.106 カントールと超限集合論 J.W.ドーベン カントールは,1890年代に,無限どうしの間にも,大小の階層構造があることを証明した。 1983.08.119 ファスナーの歴史と製法 L.ワイナー 1851年にミシンの発明者ハウが発明したファスナーは,たび重なる改良で急速に普及した。 1983.08.20 北京原人 呉汝康/林聖竜 過去5年間の発掘で,周口店洞くつに住んでいた北京原人の生活の様子が明らかになった。 1983.08.30 別89 渦状銀河の“見えない物質” V.C.レビン 渦状銀河の中の大部分の物質は,光を放射しない暗黒の物質であることが観測で判明した。 1983.08.44 別71 植物に新しい遺伝子を導入するベクター M.D.チルトン ある種の細菌がもつプラスミドを利用することで,植物の遺伝子の改良も夢でなくなった。 1983.08.62 巨大なカルデラ P.フランシス 想像を絶する大噴火によって,直径が数十kmにも達する巨大カルデラができる。 1983.08.82 別67,83 素励起の物理“ポーラロン” 眞隅泰三 イオン性結晶内にある伝導電子は,そのまわりに誘電分極を伴いながら結晶中を移動する。 1983.08.96L6 クジラとイルカの潜水能力をさぐる J.W.カンウィッシャー/S.H.リッジウェイ 水中という特殊な環境に適応した海産の哺乳類は,独特の方法で生体機構を維持している。 1983.09.108 クレオル諸語 D.ビッカートン 世界中に散在するこの言語の文法構造は,幼児の覚えたての言葉の構造に非常に似ている。 1983.09.13 大型コンピューターのパッケージング技術 A.J.プロジェット IBM3081は,100個以上のチップを搭載できる多層セラミック配線板を組み込んでいる。 1983.09.26 ウミウシの学習 D.L.アルコン 単純な神経系をもつ軟体動物が,ヒトの記憶や学習のなぞを解く手がかりを与えてくれる。 1983.09.38 別85 “裸の美女”の検出 N.ミストリー/R.ポーリング/E.ソーンダイク 第5のフレーバー,つまりビューティーが隠されていないB中間子が実験的に確認された。 1983.09.60 別68 アモルファス材料 S.オブシンスキー/D.アドラー 理論的研究が進とともに,この未開拓分野から,続々とユニークな材料が誕生している。 1983.09.74L8 サケは海の家畜になるか L.R.ドナルドソン/T.ジョイナー サケ科魚類がもっている生来の性質を利用し,サケを海の家畜として扱えるようになった。 1983.09.89 ヤシの葉の生長 D.R.カブラン ヤシ科植物の葉は,不均等生長と特定部分の細胞の死との組み合わせによって形成される。 1983.09.98 大陸はどのように分裂するか V.コーティロット/G.E.ビンク 新しいプレートの生成に伴って,大陸は徐々に変形しながら数百万年かかって分裂する。 1983.10.104 デジタル・タイポグラフィ C.ビゲロウ/D.デイ 活字や写植文字に代わって,コンピューターを駆使したデジタル文字が広く使われ始めた。 1983.10.12 インターフェロンの量産と精製 S.ペスカ 発見後25年,つねに期待が先行してきたこのタンパク質も,ついに臨床試験段階を迎えた。 1983.10.22 高エネルギー光でみた原子核 本間三郎 高エネルギーγ線を使った実験で,原子核内に2つの核子が対になっているのが判明した。 1983.10.32 宇宙の磁場 E.N.パーカー 惑星,太陽,恒星,銀河と宇宙のあちこちにある磁場は,ダイナモ機構によって発生する。 1983.10.52 隕石の中の太陽系外物質 R.S.ルイス/E.アンダース 隕石には,太陽系内の物質以外に,超新星や赤色巨星でつくられた物質が紛れこんでいる。 1983.10.66 化学物質で防衛するシロアリ G.D.プレストウィッチ 体が柔らかく捕食されやすいシロアリは,刺激性や粘着性のある化学物質で敵に対処する。 1983.10.78 集団の合理的選択 D.H.ブレア/R.A.ポラック 合理的な投票法のあり方を詳しく解析することは,よりよい選択法を見つけるのに役立つ。 1983.10.92 ノルウェーに現存する800年前の木造建築 P.アウネ/R.L.サック/A.セルベルグ 建築家の細心の設計によって,800年前の木造教会堂がノルウェーに現在でも残っている。 1983.11.102 大気圏 A.P.インガソル 大気の運動モデルをつくることによって,過去の気候を説明し,未来の気候が予測できる。 1983.11.116 生物圏 P.クラウド 地球上の微生物,動植物のすべてが,岩石圏,水圏,気圏の進化を強力に押し進めている。 1983.11.12 ダイナミックな地球 R.シーバー 地球は,生命体を含むさまざまな流体が相互作用しながら定常状態を保つ1つの系である。 1983.11.24 別99 地球の核 R.ジンローズ 地球の中心には固体の内核と液体の外核があり,鉄でできた外核が地球磁場を作っている。 1983.11.36 別99 マントル D.P.マッケンジー 地表から700kmの岩石層は,核からの熱によって大規模な対流を起こしている。 1983.11.56 別99 海洋地殻 J.フランシュトー 中央海嶺で生まれ成長していく海洋地殻の様子が,最新の観測により詳細にわかってきた。 1983.11.72 別99 大陸地殻 B.C.バーチフィール 大陸地殻は,絶えず起こる造山作用,火成作用,浸食作用,堆積作用で,改造されてきた。 1983.11.88 海洋 W.S.ブロッカー 海水に含まれる化学成分は,大気との相互作用により供給と除去のバランスを保っている。 1983.12.100 アンモナイトの絶滅 P.ウォード アンモナイト類の歴史の終わりに見られる殻形の多様な変異から,絶滅の原因が判明した。 1983.12.112 別75 米ソ軍備管理交渉の歴史 H.F.ヨーク 米ソ間の軍備管理交渉はつねに両国がもつ固有の問題点のため暗礁に乗り上げてしまう。 1983.12.12 実用化にせまる磁気核融合 R.W.コン 磁気核融合は基礎研究の段階を終えて,実用化に向けて技術的な問題のつめに入っている。 1983.12.28 新しい遺伝標識“唾液型” 池本卯典 ABO式血液型のように,唾液中にもいろいろな遺伝性物質が含まれていることがわかった。 1983.12.40 別72 宇宙の構造とパンケーキ理論 J.シルク/A.S.ソロイ/Y.B.ゼルドビッチ ビッグバン直後にあった密度のゆらぎが,現在の超銀河団と空洞を生み出すもとになった。 1983.12.56 別71 RNAのプロセッシング J.E.ダーネル 有核細胞のRNAは,転写やタンパク質への翻訳のあいだにさまざな加工処理を受ける。 1983.12.70 6000年前のバッファロー狩り B.O.K.リーブス 北アメリカのインディアンは,バッファローの群れを断崖から追い落とし狩りをしていた。 1983.12.84 死海 I.スタインホール/J.R.ガット 5年前,上下2つの層にわかれていた死海の湖水は突然まざり合い均一になってしまった。 1984.01.102 有害な種子を食べて育つマメゾウムシ G.A.ローゼンタール マメ科の植物が合成する猛毒なアミノ酸が,マメゾウムシでは重要な窒素源となっている。 1984.01.112 クラカタウの大噴火 P.フランシス/S.セルフ クラカタウ島は100年前に大噴火を起こしたが,その噴火活動の全容がはっきりしてきた。 1984.01.12 別75 誇張されすぎているソ連の先制核攻撃力 M.バン/K.ツィピス 先制核攻撃の効果を評価する場合,攻撃側からみた不確定性を明確に考慮する必要がある。 1984.01.24 別94 未来の半導体“超格子” G.H.デーラー 2種類の半導体材料を交互に積み重ねることにより,優れた性質をもつ半導体が生まれた。 1984.01.34 激しく活動する銀河ケンタウルス座A J.O.バーンズ/R.M.プライス ケンタウルス座Aなどの活動銀河は,通常の銀河の100万倍ものエネルギーを放射している。 1984.01.58 別90 遺伝子レベルの解明が進む発ガン機構 R.A.ワインバーグ 正常な遺伝子を狂暴な腫瘍遺伝子へと変身させるいくつかの仕組みが明らかになってきた。 1984.01.82 別70 画期的なX線写真システム 山田達哉/高野正雄/加藤久豊/宮原諄二 新型の感光材とデジタル画像処理を用いると従来の数十分の1の線量でX線写真がとれる。 1984.01.92 長距離大量輸送に有望な石炭パイプライン E.J.ワスプ 遠く離れた炭鉱と発電所をパイプラインで結ぶ大規模な石炭輸送計画が米国で進んでいる。 1984.02.101 錯視図形と視覚のしくみ D.D.ホフマン 網膜像から推論を組み立てるとき,視覚系はある種の“規則性”を利用することが判明した。 1984.02.110 最新鋭の砕氷船 J.D.ハーブロン 砕氷船は高緯度地域での海上輸送の主役であり,氷と闘うための数々の装備をもっている。 1984.02.20 未来の“空気力学的”自転車 A.C.グロス/C.R.カイル/D.J.マレウィッキ 空気力学に十分な配慮をして設計した自転車は,時速100kmの高速を記録した。 1984.02.30 別76 木星の月イオの火山 T.V.ジョンソン/L.A.ソーダブロム 木星のガリレオ衛星の1つであるイオは,惑星系の中で最も火山活動の活発な天体である。 1984.02.56 別71 DNA二重らせんの立体構造 R.E.ディッカーソン 人工合成したDNAの単結晶X線回析により,らせん構造の細部の様子が明らかになった。 1984.02.74 量子重力理論 B.S.デウィット 重力を量子力学的にとらえると,空間と時間の幾何学が連続的にゆらぐことになってくる。 1984.02.8 別90 ヒト白血病をひき起こすウイルス 日沼頼夫 日本の南西地方に多い成人T細胞白血病の原因は,レトロウイルスであることがわかった。 1984.02.90 オオヤマネコの生態にみる獲物の転換 A.T.バージェラッド 人為的に持ち込まれたウサギのために,ニューファンドランド島の生態系は大きく乱れた。 1984.03.104 単為生殖をするトカゲ C.J.コール 米国南西部や中南米にすむムチオトカゲは,脊椎動物では珍しい単為生殖を行なっている。 1984.03.112 イネ M.S.スワミナサン イネには約12万の品種があり,現在も病虫害に強く収量の多い新品種の開発が進んでいる。 1984.03.18 エルチチョンの噴火とその影響 M.R.ランビノ/S.セルフ このメキシコの火山の噴火は,北半球の気温低下などさまざまな異常気象を引き起こした。 1984.03.30 別71,94 リボソーム合成の調節機構 野村真康 大腸菌のリボソームの構成成分は,2つの調節機構の働きによって過不足なく合成される。 1984.03.46 重い原子核の高エネルギー衝突 W.C.マクハリス/J.O.ラスムッセン クォーク理論や宇宙論と深い関係をもつ“アノマロン”の奇妙な実体がはっきりしてきた。 1984.03.64 別72 幻の物質と宇宙論 佐藤文隆 光や電波では見えない“幻の物質”が,宇宙の構造や進化を明らかにするカギをにぎっている。 1984.03.78 気球から始まった近代化学 A.F.スコット 近代化学は,約200年前に人間が気球で空を自由に飛ぼうとしたことから大きく発展した。 1984.03.90 球の充填問題 N.J.A.スローン 球をできるだけ多く詰め込む純粋に数学的な問題が,群論や情報科学で重要な役を果たす。 1984.04.122 古代メソポタミアの数と計量体系 J.フリーベリ 最古の粘土板刻文の解読が進み,当時の数や計量体系がどのようなものだったか判明した。 1984.04.132 細胞核をもつ最古の生物 G.ビダル 真核生物の始まりと見られる単細胞の浮遊生物の化石が,14億年前の地層から発見された。 1984.04.144 氷河期はなぜ起こるか C.コーベイ 氷河期は,地軸の傾きと公転軌道の小さな変動により周期的に起こることがわかってきた。 1984.04.156 タイプ速度の秘密 T.A.ソルトハウス タイピストは,同時にいくつかの過程を重複して処理しているのでタイプを速く打てる。 1984.04.164 単独生活をするハナバチ S.W.T.バトラ 社会組織を形成しない単独性のハナバチ類は,さまざまな植物の花粉媒介に役立っている。 1984.04.20 焼き畑農業の生態学 久馬一剛 タイの試験地での研究から,焼き畑は熱帯の環境に適した面をもっていることがわかった。 1984.04.32 極低温気体の分子スペクトル D.H.レビ 液化温度よりもはるかに低温でスペクトルを調べると,分子の詳しい性質がわかってくる。 1984.04.42 膜タンパク質の立体構造 N.アンウィン/R.ヘンダーソン 最新の電子顕微鏡技術によって,生体膜にあるタンパク質の立体構造が解明されつつある。 1984.05.112 別75 核兵器の“非・先制使用”政策を検討する K.ゴットフリード/H.W.ケンドール/J.M.リー “非・先制使用”政策をとれば,ヨーロッパの安全保障を実質的に強化することができる。 1984.05.18 筋肉が出す音 G.オスター 筋肉の音の研究は,動物のコミュニケーションの解明や,心臓病の診断にも役立っている。 1984.05.26 別98 X線パルサー 早川幸男/長瀬文昭 この天体のX線パルスの周期変動を観測すると,中性子星で何が起こっているかがわかる。 1984.05.38 生得的行動を支配する遺伝子 R.H.シェラー/R.アクセル アメフラシの産卵行動を支配する遺伝子が,組み換えDNAの手法により明らかになった。 1984.05.56 ハウスマウスの驚くべき適応力 F.H.ブロンソン この小さな哺乳類は,人家をはじめ砂漠や炭鉱,冷凍食品庫にまで住みつくことができる。 1984.05.66 材料科学の夢“励起子物質” J.P.ウォルフ/A.ミスロビッツ 光によって半導体の中につくられるこの物質は,基礎科学や応用分野で広い可能性をもつ。 1984.05.80 ヒトはどのように進化したか D.ピルビーム この5年間に,旧世界ザルから類人猿,さらにヒトへの進化の過程が詳しくわかってきた。 1984.05.98 激しい動きをみせる深海流 C.D.ホリスター/A.R.M.ノウェル/P.A.ジャマース これまで静かな場所と考えられてきた深海で,激しい嵐が吹き荒れていることがわかった。 1984.06.08. 別78 動物体の形成に働く細胞接着分子 G.M.エーデルマン 細胞接着分子は,1個の受精卵から動物の体がつくられていく過程で重要な役割を演じる。 1984.06.112L1 恐竜の巣造りと子育て J.R.ホーナー 米国北西部で出土した多数の卵や幼体の化石から,恐竜の営巣行動が明らかになってきた。 1984.06.122L4 母乳保育と避妊効果 R.V.ショート 母乳保育は,乳児の健全な発育はもちろん,避妊効果によって人口問題にも役立つ。 1984.06.22 分子雲からの星の誕生と銀河の構造 N.スコビル/J.S.ヤング 星を生み出す分子雲の分布を電波で観測し,銀河の多様性を説明する手がかりが得られた。 1984.06.36 人間の視覚と機械の視覚 T.ポッジオ 両眼立体視という人間の視覚能力が,コンピューターのソフトウエアで初めて実現された。 1984.06.70 ダイヤモンド・アンビル型超高圧装置 A.ジャヤラマン 片手で持ち運び可能なこの装置は170万気圧まで発生でき,物性研究に革命をもたらした。 1984.06.84 トルネード J.T.スノー 破壊的な力をもつ強大な竜巻のしくみが,ドップラーレーダーなどによってわかってきた。 1984.06.98 ガンのレーザー光化学治療 加藤大典 腫瘍親和性の高い化学物質を投与し,アルゴンレーザー光を照射するとガンを破壊できる。 1984.07.108 別78 細胞はどうやって特定の物質を取り込むか A.ドートリー・バルサ/H.F.ローディッシュ レセプター(受容体)を介して,細胞が高分子物質を取り込む仕組みが明らかになってきた。 1984.07.18 電荷移動錯体 井口洋夫 電子を出しやすい分子と受け取りやすい分子の間の特殊な結合は,新しい材料を生み出す。 1984.07.30 大洋の誕生と海洋断裂帯 E.ボナッティ/K.クレーン 大洋の底を長々と横切る何本もの谷と高まりは,海洋底拡大に伴う壮大なドラマを物語る。 1984.07.54 チューリング機械 J.E.ホップクロフト 英国の数学者チューリングが考案したこの想像上の機械は,計算可能性の限界を明示する。 1984.07.67 寄生虫が動物の行動を変える J.ムーア ダンゴムシに寄生する鉤(こう)頭虫は,宿主の行動を変化させて鳥に食われやすくする。 1984.07.78 別89 インフレーション宇宙 A.H.グース/P.J.スタインハート 私たちが観測できる宇宙は,ビッグバンの直後に爆発的に膨張した宇宙の一部にすぎない。 1984.07.8 経済性の高いミニミル製鉄所 J.R.ミラー 鉄鋼大手が不況に悩む一方で,スクラップを原料とする小規模製鉄所は活況を呈している。 1984.07.98 “はしか”はどのように広がるか A.クリフ/P.ハゲット 離島でのはしかの流行の記録は,伝染病の広がり方を分析する上で貴重な手がかりとなる。 1984.08.102 寒冷化が海洋生物を絶滅させた S.M.スタンリー 限られた温度環境だけに適応していた海洋生物が,過去7億年間にたびたび一斉絶滅した。 1984.08.114 原子の左右非対称性を検出する M-A.ブーシア/L.ポティエ 原子を使ったきわめて高精度の実験により,弱い力が及ぼすパリティの破れが検出された。 1984.08.12 別75 対衛星兵器の開発は禁止すべきか R.L.ガーウイン/K.ゴットフリード/D.L.ハフナー 人工衛星を破壊する対衛星兵器は世界平和を脅かすので,その開発は条約で禁止すべきだ。 1984.08.26 キクイムシの音響信号と化学信号 L.C.ライカー 北米産の松の害虫の行動に,化学物質と虫の鳴き声が重要な役割を果たすことがわかった。 1984.08.36L3 古代アンデスの金めっき技術 H.レヒトマン アンデスの金細工師は,銅に金や銀をめっきして卑金属を貴金属に見せる技をもっていた。 1984.08.54 多面体を折りたたむ 梶川泰司 辺と自由自在に動くジョイントで多面体模型を作ると,不思議な幾何学の世界が現われる。 1984.08.66 トウモロコシの“動く遺伝子” N.R.フェドロフ マクリントックによって発見された動く遺伝子は,遺伝子発現に大きな影響を与えている。 1984.08.82 星間塵のライフサイクル J.M.グリーンバーグ 星間空間中の微粒子は2重,3重の複雑な内部構造をもち,太ったりやせたりを繰り返す。 1984.09.100 特異な連星“共生星” M.カファトス/A.G.ミカリチアノス この天体の奇妙なスペクトルは,特定の連星で起こっている物質移動や加熱などを物語る。 1984.09.114 魚のデザインと泳ぎ方 P.W.ウェップ 魚の泳ぎ方を回析したところ,魚の体形と泳ぎ方の間に密接の関連のあることがわかった。 1984.09.12 精神障害に悩む米国の浮浪者たち E.L.バサック 路頭にまよい,緊急保護施設に群がる浮浪者の多くは,精神障害者であることがわかった。 1984.09.20 3次元多様体と宇宙の構造 W.P.サーストン/J.R.ウィークス 位相幾何学の研究が進み,宇宙の構造と関連した3次元多様体を解明する糸口がつかめた。 1984.09.34 多言語ワードプロセッサーの開発 J.D.ベッカー 1台のワードプロセッサーで,アラビア語などの複雑な言語も同時に扱えるようになった。 1984.09.64 別91 ガンの“ミサイル療法”をめざして R.J.コリアー/D.A.カプラン 正常細胞を傷つけずに,ガン細胞だけを効率よく殺してしまう治療法の研究が進んでいる。 1984.09.78 海底火山 R.ヘキニアン 潜水艇などで見た地殻生成の現場は,溶岩と海水とが作り上げた異様な地形だらけだった。 1984.09.90 菌類に感染するウイルス 牛山六男 キノコやカビなどの菌類に感染するウイルスの多くは,二本鎖RNAを遺伝物質としてもつ。 1984.10.102 視覚をもつロボット B.K.P.ホーン/池内克史 容器の中の一番上の部品を“見て”,それだけをつかむことのできるシステムが開発された。 1984.10.114 ドングリキツツキの共同繁殖 P.B.ステイシー/W.D.ケーニッグ ドングリキツツキは繁殖するブリーダーが産んだ卵を繁殖しないヘルパーと共同で育てる。 1984.10.12 別75 核戦争は気候をどう変えるか R.P.ターコ/O.B.ツーン/T.P.アッカーマン 戦争が起こると地上に厳しい“核の冬”が訪れ,多くの生物が絶滅の危機にひんすることがわかった。 1984.10.26 超高圧に挑む“二段式軽ガス銃” 澤岡昭 超高圧を再現するために開発した装置“二段式軽ガス銃”を使って,新物質を合成する研究が進んでいる。 1984.10.38 植物の光ファイバー伝送 D.F.マンドリ/W.R.ブリッグス 植物の芽生えの組織は,光ファイバーのケーブルのように,4~5Bも離れた部分まで光を伝送できる。 1984.10.62 大マゼラン星雲の異常に明るい天体 J.S.マチス/B.D.サベイジ/J.P.カシネリ 小銀河である大マゼラン星雲中には,太陽より5000万倍も明るい天体が存在する。 1984.10.78 別90 ガンタンパク質の働き T.ハンター ガン遺伝子は,正常な遺伝子の一部が変化したもので,通常は,生体に重要なタンパク質を暗号化している。 1984.10.92 微生物が化石燃料をつくった G.オリソン/P.アルブレヒト/M.ローマー 石炭や石油などに含まれる有機物質の大部分は,細菌や菌類といった微生物の脂質であることがわかった。 1984.11.100 別74 情報管理ソフトウェア M.レスク メモリー内の膨大な情報を利用するには,データを体系化し,効率良く検索するソフトウエアが不可欠である。 1984.11.112 別74 プロセス制御ソフトウェア A.Z.スペクター 列車の運行,電力の配分,室温の管理など,コンピューターはプロセスの制御にも広く使われている。 1984.11.124 別74 科学と数学のソフトウェア S.ウォルフラム コンピューターを使った“計算”は,物理や数学のシステム(系)を探る新しい手段になった。 1984.11.138 別74 人工知能システム D.B.レナート 人間がそなえている創造のための知的な道具を,コンピューターの中に実現する試みが続けられている。 1984.11.14 別74 コンピューター・ソフトウェア A.ケイ 利用者の頭の中に思い描く“幻想”を利用した新しい対話型ソフトウエアが生まれた。 1984.11.24 別74 データ構造とアルゴリズム N.ビルト データ構造とアルゴリズムは,プログラムが意図した通りに働くかどうかを確かめる重要なカギを握っている。 1984.11.36 別74 プログラミング言語 L.G.テスラー 非手続き的言語やオブジェクト指向言語,並列処理言語といった言語が,人工知能との関連で注目を集めている。 1984.11.54 別74 オペレーティング・システム P.J.デニング/R.L.ブラウン このシステムは,関係する概念を抽象化のレベルごとに分けた階層構造に基づいて組み立てられる。 1984.11.66 別74 自然言語処理 T.ウィノグラード 私たちが日常的に使っている自然言語を,コンピューターに処理されることは,きわめて難しい。 1984.11.82 別74 コンピューター・グラフィックス A.バン・ダム CADや数学モデルなど,対話型コンピューター・グラフィックスが普及してきた。 1984.12.100 ソ連の金属連続製造システム A.I.ツェリコフ 原料の鉱石から最終製品まで,途切れることなく製造していくシステムが開発された。 1984.12.110 軟骨 A.I.カブラン 軟骨は,骨形成の足場となったり,骨同士の動きを滑らかにするなど,生体で重要な役割を果たしている。 1984.12.12 別75 “スターウォーズ”計画は核の脅威を減らすか H.A.ベーテ/R.L.ガーウィン/K.ゴットフリード ソ連の弾道ミサイルを宇宙から撃ち落とそうという米国の計画は,効果がないうえ,軍備拡大をまねく。 1984.12.28 アジアの栽培稲の起源と伝播 渡部忠世 遺跡のれんがに含まれる籾(もみ)殻を手掛かりに,雲南とアッサムを結ぶ帯を起源地とする新説が生まれた。 1984.12.40 地震波トモグラフィーでマントルを探る D.L.アンダーソン/A.M.ジュオンスキー 多数の地震波データを解析することによって,マントル内の密度や温度の分布を3次元的に描き出せる。 1984.12.60 ぎょしゃ座イプシロン星 M.ハック この天体は“食連星”であり,主星を隠す伴星は,塵やガスの雲の中にある高温の若い星である。 1984.12.70 別78 核酸をもたない生命体“プリオン” S.B.ブルシナー 中枢神経系を浸す難病の原因となるこの感染症の物質は単一のタンパク質からなり,DNAやRNAを含まない。 1984.12.86 水晶宮 F.T.キールステット 1851年,第1回万国博覧会のために,水晶宮はプレハブ工法でわずか17週間で建てられた。 1985.01.110 タンパク質の自動合成 R.B.メリフィールド アミノ酸をプラスチックのビーズに固定し,ペプチド鎖をつくっていく新しい自動合成法が開発された。 1985.01.12 基礎科学の価値 L.M.レーダーマン 基礎科学は人類文化を向上させ,有能な人材を育て,はかりしれないほどの利益を社会にもたらす。 1985.01.124 熱帯多雨林の地上30メートルの生態学 D.R.ペリー 熱帯雨林の中でもこずえに近い林冠の部分には,地球上で最も多様な植物と動物の社会がある。 1985.01.136 ゴシック建築の構造“実験” R.マーク/W.W.クラーク ゴシック建築の設計者たちは,大聖堂そのものを実験モデルに使って構造上の問題を知り,設計を変えた。 1985.01.146 現代のパン製造システム S.A.マーツ さまざまな販売形態の普及にともなって,パン工場では,工程をオートメーション化し,大量生産している。 1985.01.158 マンモスの骨で造った旧石器時代の住居 M.I.グラッドキフ/N.L.コルニエッツ/O.ソッフェル 約1万5000年前,ロシア平原で生活していた狩猟・採集者の集団は複雑な住居を造った。 1985.01.22 別79,94 電子線ホログラフィー 外村彰 干渉性の非常によい“電界放射電子線”が登場し,電子の波でホログラフィーがつくられるようになった。 1985.01.34 赤外線でみた宇宙 H.J.ハービング/G.ノイゲバウアー 1983年に打ち上げられた赤外線天文衛星IRASは,初めて,宇宙全体を赤外線でくまなく観測した。 1985.01.58 別78 LDLレセプターとコレステロール代謝 M.S.ブラウン/J.L.ゴールドスタイン コレステロールは,血中では低密度リポタンパク質(LDL)の球状の粒子となって存在している。 1985.01.96 中間ベクトル・ボソンを創る D.B.クライン/C.ルビア/S.バン・デル・メール 電弱統一理論の決定的な検証となるこの粒子の観測をめざして,大規模な実験計画が練り上げられた。 1985.02.13 デジタルオーディオ技術 J.モンフォート 従来のアナログ録音方式にない優れた音を再現するデジタルオーディオシステムが登場した。 1985.02.22 昆虫の免疫システム 和合治久 カイコを使った研究などから,脊椎動物の免疫系とはかなり異なる昆虫の生体防御機構が明らかになった。 1985.02.34 別80 イメージ上の物体の回転 L.A.クーパー/R.N.シェパード イメージ上で物体を回転させる場合,心は現実の世界でそれが回転するのと似た過程を追っている。 1985.02.48 別78 神経細胞の相互認識 C.S.グッドマン/M.J.バスティアーニ バッタの神経節中にある識別可能な神経細胞の軸索は特異的な分子で標識された道をたどって伸びていく。 1985.02.62 原子の記憶現象 R.G.ブルーワー/E.L.ハーン 秩序を失った原子の系に電磁波を照射して,もとの秩序ある状態を回復させることができる。 1985.02.72 振動でエサを見つけるサソリ P.H.ブラウネル サソリは砂を伝わるP波とレイリー波とを脚の感覚器で感知して,エサの方向や距離を判別する。 1985.02.82 世界最深の井戸で地殻をさぐる Ye.A.コズロフスキー ソ連がコラ半島で行った深さ12kmのボーリングで,大陸地殻深部の岩石の種類や状態がわかった。 1985.02.92 18世紀の巨大戦艦サンティシマ・トリニダード号 J.D.ハーブロン 1805年,英国のネルソン提督は,スペインの戦艦を捕獲し,その大きさと設計の綿密さに驚嘆した。 1985.03.104 イカのジェット推進泳法 J.M.ゴスリン/M.E.デモント 彼らは水を勢いよく吹き出す独特な泳ぎ方で,外敵から素早く逃げたり遠くまで移動することができる。 1985.03.13 別75 核戦争の指揮・管制・通信・情報システム A.B.カーター 指揮・管制・通信と情報(C3I)の充実の必要性がようやく認識されるようになってきた。 1985.03.24 高温核物質 W.グライナー/H.シュテッカー 原子核を高速で衝突させると,クォークとグルーオンからなる“クォーグマ”に変わる可能性がある。 1985.03.36 ツヤハナバチにみる社会性の芽ばえ 坂上昭一/前田泰生 単独生活をするハチに共存生活を強要したところ,体の大小に基づく役割分担が起こることが観察された。 1985.03.58 別98 シミュレーションで星の形成過程をさぐる A.P.ボス 星間雲が星を形成していく過程が,コンピューター・シミュレーションで明らかになってきた。 1985.03.70L4 赤ちゃんはどのように言葉を聞きとるか P.D.アイマス 赤ちゃんを対象にした研究から,音声を認識するメカニズムが,生得的なものだとわかった。 1985.03.80 痴呆をひきおこすアルツハイマー病 R.J.ワートマン 中高年を襲うこの脳の病気には,今のところ治療法がない。その病因の解明をめざす研究が進んできた。 1985.03.92 コンピューター・メモリーの信頼性 R.J.マッケリース 信頼性の低下の問題は,誤動作を避けるのではなく訂正するという方法で解決されている。 1985.04.108 アカシカの繁殖戦略 T.H.クラットンブロック 12年間にわたる英国での追跡調査から,雄では闘争力が,雌では社会的順位が重要なことがわかった。 1985.04.22 フェーズドアレー・レーダー E.ブルックナー このレーダーは,同時に多数の目標を追尾できるという優れた能力をもっている。 1985.04.34 別77 睡眠病病原体の巧妙な免疫回避機構 J.E.ドネルソン/M.J.ターナー この病原体は,宿主の抗体によってほとんどが死ぬが,わずかな個体が新しいコートを羽織って生き残る。 1985.04.44 ガンマ線バースト源の正体をさぐる B.E.シェーファー 正体不明のガンマ線バースト源は,大部分が私たちの銀河系内にあって,中性子星を含んでいるらしい。 1985.04.60 ブラウン運動 B.H.ラベンダ 原子の質量は基本的な物理定数の1つで,ブラウン運動を通して初めて測定された。 1985.04.74 カリフォルニアの地震予知 R.L.ウエッソン/R.E.ウォーレス サンアンドレアス断層南部では,30年以内に50%の確率でM8.3の大地震が起こると考えられている。 1985.04.86 人工内耳の開発 G.E.ロウブ 内耳の有毛細胞を通さずに,聴覚神経に電気刺激を直接伝える“植え込み式聴覚機能代行装置”ができた。 1985.04.96 進化論の日本への導入とモース 磯野直秀 大森貝塚の発見者として有名なモースは,日本に初めてダーウィンの進化論を紹介した人物でもある。 1985.05.10 別75 米国の対ソ軍事監視技術 D.ヘイフミースター/J.J.ロム/K.ツィピス どんな軍縮条約でも,その取り決めを相手国が守っていることを確認できなくては意味がない。 1985.05.20 イオン・インプランテーションによる新材料の開発 S.T.ピクロー/P.S.ピアシー 材料の表面に別のイオンを打ち込むと,もとの材料にはない新しい性質が,表面に現われてくる。 1985.05.30 別85 時空の隠れた次元 D.Z.フリードマン/P.バン・ニューベンホイゼン 自然の4つの力を統一する,11次元の超重力理論があるが,このうち7次元は,私たちには見えない。 1985.05.46 別90 ヒトのガンをひき起こす染色体の転座 C.M.クローチェ/G.クライン ある種のガンでは染色体の転座によって眠っていたガン遺伝子が活性化することがわかった。 1985.05.54 金星に活火山はあるか R.G.プリン 金星は厚い硫酸の雲に覆われ,その地表面は見えないが,ごく最近大噴火した活火山があるらしい。 1985.05.66 ニカメイガ第3性フェロモンの発見 深見順一/田付貞洋 稲の害虫であるニカメイガの性フェロモンのうち,未知の成分だった物質が解明された。 1985.05.80L6 クジラはなぜ跳躍するか H.ホワイトヘッド クジラの仲間は,着水時に出る大きな音を利用して,個体間のコミュニケーションをはかっている。 1985.05.88 ニンニクとタマネギの化学 E.ブロック ニンニクの強いにおいやタマネギの催涙物質の中には,抗菌性や抗凝血作用のあるものがある。 1985.06.11 人口集中に悩む第3世界の大都市地域 D.R.バイニング 発展途上国では,他の地域からの流入による大都市の人口増大が大きな問題となっている。 1985.06.20 別99 ホットスポットとプレート・テクトニクス G.E.ビンク/W.J.モーガン/P.R.フォクト マントルの深部から,細長い円柱の形をした高温の岩石の塊が上昇し,地殻をもち上げて火山をつくる。 1985.06.30 別79 ゾル-ゲル法によるガラスの低温合成 作花済夫 1500℃〜2300℃という高温が必要だったガラスの製造が,1000℃以下でできるようになった。 1985.06.46 別85 素粒子と自然界の4つの力 C.クイッグ 次世代の加速器によって,基本的な粒子とそれを支配する4つの力を統一的に理解するカギが得られる。 1985.06.62 樹木はどうやって腐敗から身を守るか A.L.シーゴ 動物と違って,樹木は,傷ついたり微生物が感染した組織を区画化し,他の部分から隔離する。 1985.06.72 アセチルコリンの放出機構 Y.デュナン/M.イスラエル この神経伝達物質が神経終末の小胞から放出されるとする旧説を否定する新しい仮説が生まれた。 1985.06.84 マゼラン雲の激しい過去 D.マシューソン 大小マゼラン雲には水素ガスの長いしっぽができ小マゼラン雲は分裂している。 1985.06.96 麻酔のメカニズム P.M.ウインター/J.N.ミラー 今では麻酔薬が神経細胞の脂質膜に溶解し,効果を示すと考えられている。 1985.07.10 別98 超新星爆発のメカニズム H.A.ベーテ/G.ブラウン 星の内部の重力崩壊によって生じた衝撃波は,星の大きさにより異なるしくみで伝わっていく。 1985.07.22 オランウータンとチンパンジーの社会構造 鈴木晃 ボルネオ島での長期観察により,オランウータンを単独生活者とする旧説が否定された。 1985.07.32 アオガニの脱皮 J.N.キャメロン 脱皮したアオガニの柔らかい甲らが短時間で硬くなるのは炭酸カルシウムの急速な沈着による。 1985.07.50 チーズ F.V.コシコフスキー 2000種類もあるチーズは,原料の乳や製造工程とくに熟成工程によって違ってくる。 1985.07.62 中世ステンドグラスの修復と保存 G.フレンツェル 過去に試されてきた修復・保存の方法は,かえってステンドグラスを傷めてきた。 1985.07.72 別80 頭を動かしても外界はなぜ静止して見えるか H.ワラッハ 私たちが動いても,知覚システムの補整作用が働いて,まわりの世界は動いていないと知覚させる。 1985.07.80 別77 マラリアの分子生物学 G.N.ゴッドソン マラリア原虫は外被コートによって宿主の免疫系による攻撃を巧妙に回避している。 1985.07.92 高圧下の結晶 R.M.ヘイゼン/L.W.フィンガー 高圧下の構造変化は,結晶を小さな多面体がつながったものと考えるとわかりやすい。 1985.08.11 新技術の導入と投入産出分析 W.レオンチェフ 近未来の産業界の姿を明らかにする投入産出分析を使えば,新技術の導入に正しい判断を下せる。 1985.08.22 別77 皮膚の免疫機能 R.L.エーデルソン/J.M.フィンク 生体中で最大の器官である皮膚は,外来異物から生体を守る活発で複雑な免疫機能を備えている。 1985.08.32 陽子は崩壊するか J.M.ロゼッコ/F.ライネス/D.シンクレア 8000tの水で満たした測定器を地下600mに設置したが,陽子が崩壊した証拠は得られていない。 1985.08.50 球状星団と宇宙の謎 I.R.キング 球状星団の研究から,天の川銀河系の中心の位置がわかった。 1985.08.64 生命起源の粘土鉱物説 A.G.ケーンズ-スミス 進化,遺伝,生命の起源が,ふつう考えられているように有機物質だったとはかぎらない。 1985.08.76 チンパンジーの社会生態学 M.P.ギグリエリ チンパンジーの社会は,離合集散性,なわばり制,雌の外婚制という特徴をもつ。 1985.08.86 蜃気楼のトポロジー W.テープ 蜃気楼を位相幾何学と結びつけることによって,蜃気楼の性質を理解できるようになった。 1985.08.94 脳のスイッチ機構 角田忠信 正常なヒトの脳の研究から,視覚情報を左右の脳に振り分けるスイッチ機構の存在が明らかになった。 1985.09.104 計算の物理的な限界はあるか C.H.ベネット/R.ランダウアー 理論モデルによると,“最低限必要なエネルギー量”に関しては,計算の限界はないらしい。 1985.09.18 シンクロトロン放射光でみた超高圧・高温下の物質 秋本俊一/下村理 超高圧・高温の状態をつくり,グラファイトからダイヤモンドへの相転移の様子などを克明に追えた。 1985.09.30 ネズミは遺伝子の違いをかぎわける G.K.ボウチャンプ/山崎邦郎/E.A.ボイズ 免疫と関係の深いH-2という遺伝子が異なるネズミはにおいも異なる。ネズミは,その違いをかぎわける。 1985.09.48 ダーウィニズムの進化 G.L.ステビンス/F.J.アヤラ 分子生物学の成果や,化石に対する新しい解釈によって,自然選択説はその姿を変えつつある。 1985.09.62 シナイ半島の化石水 A.イザール シナイ半島の砂漠の地下は氷河期の水をためた巨大なタンクになっていることがわかった。 1985.09.74 別76 天王星,海王星,冥王星の衛星 R.H.ブラウン/D.P.クルクシャンク ボイジャー2号は1986年1月,天王星を探査し,1989年8月に海王星の衛星トリトンに接近する。 1985.09.88 ミルクウィードを訪れる虫たち D.H.モース 茎を折ると白い汁の出るこの雑草は,何種類かの昆虫やクモたちとミニ生態系をかたちづくっている。 1985.09.9 低下率が鈍った米国の乳児死亡 C.A.ミラー 乳児死亡率が,最近,あまり低下しなくなったのは,レーガン政権が福祉予算を削減したかららしい。 1985.10.10 別94 走査型トンネル電子顕微鏡 G.ビーニッヒ/H.ローラー 原子レベルの解像度をもち,しかも試料に対してまったく損傷を与えない量子力学的顕微鏡が開発された。 1985.10.18 南極大陸の氷床 U.ラドック 平均2200mの厚さの氷におおわれたこの大陸の基盤の形と過去の気候が,かなり解明されてきた。 1985.10.28 別98 若い超新星の残骸 F.D.スワード/P.ゴーレンシュタイン アインシュタイン衛星のX線観測データを利用して,6つの超新星の残骸の詳しい解析が行われた。 1985.10.46 クロム親和性細胞の生合成・分泌機構 S.W.カーマイケル/H.ウィンクラー この細胞は副腎髄質にあり,アドレナリン,タンパク質,ペプチドの複合混合物を合成し,分泌する。 1985.10.60 真空の構造 T.H.ボイヤー 真空にはあらゆる方法を駆使しても消え去ることのでいない複雑な構造が存在する。 1985.10.72 記憶をつかさどる脳ホルモン 伊藤眞次 コレシストキニンという脳ホルモンが,記憶した情報の想起の過程に不可欠であることがわかった。 1985.10.86 チョウの工学 J.G.キングソルバー 日光浴をして体を暖め,飛び,蜜(みつ)を吸うといった行動を,工学的に分析する。 1985.10.97 核拡散防止体制をめぐる非同盟・中立国の反発 W.エプスタイン 核軍縮の努力を真剣に行わない核兵器保有国の態度に,非核兵器保有国は強い不満をもっており,この条約の将来が懸念されている。 1985.11.10 兵器用核分裂性物質の生産停止 F.フォン・ヒッペル/D.H.アルブライト 核兵器に不可欠な原料物質の生産停止協定は実現可能である。 1985.11.20 太陽の内部構造を探る陽震学 J.W.ライバッカー/R.W.ノイズ/J.ツームル 太陽の内部を伝わる音波は表面上の振動として観測でき,内部の物理的構造や化学組成などがわかる。 1985.11.32 オリゴサッカリン P.アルバーシャイム/A.G.ダービル 植物の細胞壁の多糖類が短く切れてできるこの分子は,分化や生体防御の調節物質である。 1985.11.50 別78 ゴルジ装置のコンパートメント構造と機能 J.E.ロスマン 細胞内のタンパク質の加工・選別・発送工場であるゴルジ装置は,機能の異なる3つの部分からなる。 1985.11.66 別79 携帯型人工すい臓の開発 七里元亮 患者の血糖を健常人のそれと等しくなるように制御できる携帯型の人工すい臓が開発された。 1985.11.76 クモを狩るクモの捕獲戦術 R.R.ジャクソン ポルティアというクモは,網を張る行動と歩き回って狩りをする行動の両方を使って他のクモを襲う。 1985.11.88 バイメタリック触媒 J.H.シンフェルト 2種類の金属でクラスターという微細な構造をつくって,望みの化学反応だけを起こす触媒ができる。 1985.11.98 イエロー・レインの真相 T.D.シーリー/J.W.ノーウィック インドシナで化学兵器が使用されたという指摘は,ミツバチのふんを見誤ったものらしい。 1985.12.106 別78 細胞間の情報伝達物質 S.H.スナイダー ホルモン系と神経系によって行なわれる情報伝達をになう分子には両方の系に共通なものもある。 1985.12.118 別78 細胞内の情報伝達物質 M.J.バーリッジ 細胞外からの情報は,細胞内に入ると“セカンド・メッセンジャー”という物質に受け継がれる。 1985.12.130 別78 発生をつかさどる分子 W.J.ゲーリング “ホメオボックス”というDNAの塩基配列は動物界に広く存在し,発生の過程で重要な役割を演じる。 1985.12.144 分子レベルでみた進化 A.C.ウイルソン 分子生物学の発展によって,進化を分子の言葉で説明することが可能になった。 1985.12.20 別78 DNA G.フェルセンフェルド この分子は,さまざまな形をとることができ,生体内の分子と多様な仕方で反応する。 1985.12.32 別78 RNA J.E.ダーネル 真核細胞では,遺伝情報をタンパク質へと伝達するRNAはプロセッシングを受ける。 1985.12.54 別78 タンパク質 R.F.ドゥーリトル タンパク質はアミノ酸の直鎖状高分子であるが,さまざまな立体構造をとり,多彩な働きをする。 1985.12.68 別78 細胞膜の分子群 M.S.プレッチャー 形質膜にはらせん状や球状のタンパク質があり,高分子物質の受容体や低分子物質の通路となっている。 1985.12.80 別78 細胞骨格の分子群 K.ウェーバー/M.オズボーン 細胞中には3種類のフィラメント系があり,骨格として働く一方,細胞小器官の輸送に関与している。 1985.12.9 別78 分子生物学の過去・現在・未来 R.A.ワインバーグ 過去10年間に,分子生物学は大きく様変わりし生命を操作する科学となっている。 1985.12.96 別77.81 免疫系分子群 利根川進 抗体やT細胞受容体の種類数が膨大なのは,遺伝子断片の組み合わせがつくられるためである。 1986.01.104 磁場によって変わる化学反応 長倉三郎/林久治 ある種の化学反応が磁場の影響を受けることが実験と理論から明らかになった。 1986.01.11 別91 ガンの治療と予防の効果 J.ケーンズ 私たちを脅かすこの病魔との戦いに勝つためには,有効な予防法の開発を急がねばならない。 1986.01.22 はくちょう座X-3からの宇宙線 P.K.マキオン/T.C.ウイークス 空のあらゆる方向からやってくる宇宙線の源の1つは,はくちょう座X-3だと考えられる。 1986.01.34 人力飛行機 M.ドレラ/J.S.ランフォード 人力飛行機は,従来の飛行機とは空気力学上まったく異なる領域を飛ぶ。 1986.01.54 別99 大陸を構成するテレーン D.G.ハウエル 周囲と異なる歴史をもつ地殻ブロック“テレーン”の集合体である大陸は,ダイナミックに姿を変える。 1986.01.72 別78 カルシウム信号の調節機構 E.カラフォリ/J.T.ペニストン 筋収縮やホルモン分泌に欠かせないカルシウムイオンの濃度調節や輸送,放出のしくみがわかってきた。 1986.01.84 ICカード R.マキーバ 誤用や悪用に対して安全性を確保できるICカードが実用化段階を迎えた。 1986.01.91 脊椎動物の皮膚呼吸 M.E.フェーダ/W.W.バーグレン 皮膚呼吸をする動物は,毛細血管の血流量を増したり,皮膚に突起を作って表面積を増やしている。 1986.02.20 光の位相共役 V.V.シュクノフ/B.YS.ゼルドビッチ 光や電磁波では時間反転が可能なことを利用して,鋭い指向性をもつレーザー・ビームがつくれる。 1986.02.28 中国の食糧事情 V.スミル 中国の食糧不足は一応解決しているが,自然破壊など数々の問題にうまく対処する必要がある。 1986.02.46 別77,81 エイズの免疫機構 J.ローレンス エイズウイルスは,免疫系で重要な役割を演じるT4リンパ球に感染し,免疫系は混乱に陥る。 1986.02.60 移動する火星の極 P.H.シュルツ 火星の赤道付近にある極地方に特有の地形は,火星の極がかつて移動したと考えれば説明できる。 1986.02.74 雄の鳴き声を聞きわけるコオロギの神経系 F.フーバ/J.トーソン コオロギの脳内のニューロン群は,雄の鳴き声に含まれる1/30秒のリズムを識別できる。 1986.02.86 コンピューターによる逆転写酵素遺伝子の探査 宮田隆/藤博幸/林田秀宜 逆転写酵素の遺伝子は,昆虫のトランスポゾンや菌類のミトコンドリアDNAにも存在していた。 1986.02.9 SDIのソフトウェアは開発可能か H.リン 戦略防衛構想で,防衛システム全体を支える膨大なソフトウエアの開発は実現不可能である。 1986.02.98 有限単純群の分類定理 D.ゴーレンシュタイン 単純群という群の最小単位は,18個の無限系列と26個の散在形単純群しかない。 1986.03.10 宇宙基地計画と科学技術 J.A.バン・アレン 米国は“有人”飛行計画をやめ,ボイジャーのような無人ロボット衛星の計画を推進すべきである。 1986.03.20 高血圧を引き起こすレニンの立体モデル 村上和雄 遺伝子工学的手法やコンピューターを使うことによって,レニンの立体モデルを作ることができた。 1986.03.34 別88 光位相共役の応用 D.M.ペッパー 光の位相共役は,大容量光ファイバー通信,連想記憶,衛星通信など,新しい応用分野をひらく。 1986.03.54 別91 白血病細胞の脱ガン化 L.サックス 正常な白血球の分化と成熟についての理解が深まり,血液のガンである“白血病”を治療する研究が進んでいる。 1986.03.66 加速器質量分析による放射性炭素年代測定 R.E.M.ヘッジス/J.A.J.ゴウレット 新しい炭素年代測定法によると,試料は従来法の1/1000ですみ,高精度で年代を決定できる。 1986.03.76 彗星の尾の構造 J.C.ブラント/M.B.ニードナー 彗星のブラズマの尾は,複雑な構造を示す。探査機による彗星観測は,その生成の謎の解明に役立つ。 1986.03.87 海底の熱水鉱床 P.A.ロナ 熱源上の玄武岩の割れ目を循環している海水は,岩石中の金属成分を濃縮して金属鉱床を形成する。 1986.03.98 高等植物の化学的防御 G.A.ローゼンタール 植物は,昆虫などに食べられないように,種々の化学物質を作りだしている。 1986.04.110 別77 T細胞レセプター P.マラック/J.カプラー 免疫系のネットワークで中心的な役割を演じているT細胞のレセプター構造が解明されてきた。 1986.04.19 ヘリオトロン方式による核融合 宇尾光治 ヘリオトロン方式は,定常運転ができ,炉の構造が簡単で,しかも優れた閉じ込め磁場をもつ。 1986.04.32 中世イスラムの天文学 O.ギンガリッチ 8〜14世紀の間,広大なイスラム教圏で花開いた天文学は,西欧近代科学に重大な影響を与えた。 1986.04.44 DNAでさぐる鳥類の系統進化 C.H.シブリー/J.E.アールキスト 異種間のDNA塩基配列の類似度を定量的に調べると,コンドルはワシよりコウノトリに近かった。 1986.04.68 別99 音波でみるプレート境界の構造 J.C.ムッター 海底やその下部の岩石層で反射した音波に基づく断面図で,プレート・テクトニクス理論を検証する。 1986.04.81 極低温での量子化学反応 V.I.ゴルダンスキー 絶対零度付近では,量子力学的過程によって化学反応が進むことがわかった。 1986.04.90 内分泌器官としての心臓 M.カンティン/J.ジュネ 心臓は単なるポンプではなく,ホルモンも分泌する。このホルモンは,血圧や血液流量を調整する。 1986.04.98L3 インカの石造技術 J.-P.プロッツェン インカの遺跡には石を積んだ壁がある。その石の整形に,3種の石がハンマーがわりに使われたらしい。 1986.05.102 別80 心的イメージと視覚システム R.A.フィンケ 視覚的なイメージを思い浮かべるとき,脳内では実際にものを見るときと同じ神経プロセスが働く。 1986.05.12 見直しを迫られる米国の原子力発電 R.K.レスター 米国では原子力発電の発注が停滞しており,安全性をもつ新しい炉の開発が必要である。 1986.05.22 地球磁気圏の尾 E.W.ホーンズ 地球の磁場圏は太陽風と相互作用して長い尾を伸ばし,ときどき,巨大なプラズマ塊を放出している。 1986.05.32 別78 血友病の分子遺伝学 R.M.ローン/G.A.ベハー 血友病の治療に必要なタンパク質の遺伝子は長さが18万6000塩基もあるが,その単離に成功した。 1986.05.50 別84,85 次世代の超大型加速器SSC J.D.ジャクソン/M.ティグナー/S.ボイジッキー 20TeVに加速した陽子と陽子を正面衝突させる,一周80Hの超大型加速器が検討されている。 1986.05.66 植物進化のコンピューター・シミュレーション K.J.ニクラス この方法は,植物の進化の関する仮説を検証する有効な道具の1つとなる。 1986.05.76 別94 量子ホール効果 K.フォン・クリッツィング ある種の半導体では,低温・強磁場でホール抵抗が量子化されるという事実が明らかになった。 1986.05.92 スポーツウエアと用具の科学 C.R.カイル 滑らかでピッタリしたウエアは,今までのウエアに比べて風の抵抗が6〜10%減る。 1986.06.10 軍備管理協定の順守をめぐる米ソのかけひき M.ニンチッチ 米国はソ連が協定に違反していると何度も非難してきたが,それは必ずしも当たっていない。 1986.06.22L4 誕生時のストレスとカテコールアミン H.ラゲルクランツ/T.A.ストロキン 誕生時には大量のアドレナリンとノルアドレナリンが放出され,生命の危機から赤ちゃんを守る。 1986.06.32 別94 第2の量子ホール効果 B.I.ハルペリン 半導体材料の研究から生まれたこの発見は,物理学の基本定数と密接な関係をもつ。 1986.06.50 タンパク質分子の動的なシミュレーション M.カープラス/J.A.マッキャモン タンパク質のダイナミックな動きを知る最良の方法が,コンピューター・シミュレーションである。 1986.06.66 哺乳類に及ぼす磁場の影響 中川正祥 強磁場に何日もさらされたウサギやネズミは,血中のコレステロール値が変化し,体重が減少する。 1986.06.76 別88 光ジャイロスコープ D.Z.アンダーソン 光を使ったジャイロスコープは可動部分がほとんどないので,機能維持に手間がかからない。 1986.06.84L7 渡り鳥の内在性リズム E.グウィナー 毎年,同じ時期に渡りを始め,同じ地域で渡りを終えるのは,体内に存在する約1年周期のリズムによる。 1986.06.96 現代天文学の先駆者ハーシェル M.ホスキン 天王星発見で知られるハーシェルは,太陽系外の天体を本格的に研究した最初の人であった。 1986.07.18 国際観測網がとらえたハレー彗星 清水幹夫 ハレー彗星は黒くて熱い核をもっていた。また,細かい塵が多数あって,それらは有機物に富んでいた。 1986.07.30 地質学者ダーウィン S.ハーバート 進化論で有名なダーウィンは,地質学の専門家としてビーグル号の航海に参加した。 1986.07.46 火星の気候 R.M.ハバール 火星は,冬に極で二酸化炭素が凍るほど寒い惑星である。しかし初期には地球の気候に似ていた。 1986.07.60 絶滅の危機にひんするチーター S.J.オブライエン/D.E.ウィルト チーターの繁殖率は異常なほど低い。これは遺伝子が均一化しているためと思われる。 1986.07.71 細胞表面の機能高分子スフィンゴ糖脂質 箱守仙一郎 細胞が分化したりガン化するとき,生体膜を構成するこの分子の構成が劇的に変化する。 1986.07.84 別84 超伝導検出器がひらく電波天文学の新領域 T.G.フィリップス/D.B.ラトレッジ トンネル接合を利用した高感度検出器により,ミリ波やサブミリ波領域の観測精度が飛躍的に向上した。 1986.07.9 突然の心臓死を救う救急体制 M.S.アイゼンバーグ/L.バーグナー 突然の心臓死も,救急医やトレーニングを受けた人が直ちに処置をすれば救命できる。 1986.07.92 泡の物理学 J.H.オーバート/A.M.クレイニック 泡が集まって塊として存在するためには,種々の力のバランスが必要である。 1986.08.10 素材の時代を超えて E.D.ラーソン/M.H.ロス/R.H.ウイリアムズ 先進工業国では,鉄などの素材が産業に占める重要度が低下し,社会の発展の指標ではなくなっている。 1986.08.20 細胞接着をつかさどるフィブロネクチン R.O.ハインズ フィブロネクチンは発生中の細胞移動や傷の修復の過程でも重要な役割を演じる。 1986.08.32 エル・ニーニョは予測できるか C.S.ラメージ この現象は,太平洋赤道上での強い熱帯低気圧の発生が引き金になっている可能性がある。 1986.08.48 別85 自然は“超対称”か H.E.ハーバー/G.L.ケイン フェルミ粒子とボーズ粒子との間の対称性をも考察に入れた“超対称理論”が登場してきた。 1986.08.60 吸引ポンプとしての心臓 T.F.ロビンソン/S.M.ファクター 心臓への血液は,静脈圧によって自然に流れ込むのではない。心臓は,能動的に血液を吸い込んでいる。 1986.08.72 農作物を枯らす宿主特異的毒素の解明 上野民夫 ナシやリンゴの病原菌が感染時に分泌する微量の毒素を単離し,その化学構造を解明することに成功した。 1986.08.84 現代の風車 P.M.モレッティ/L.V.ディボーン 風車の技術改良が飛躍的に進展し,カリフォルニア州では発電量の1%を風力発電が担うまでになった。 1986.08.94 別80 人は見かけの運動をどう知覚するか V.S.ラマチャンドラン/S.M.アンスティス 映画などの連続静止画像を動いていると知覚するために,視覚系はある種のトリックを使っている。 1986.09.10 5回対称を示す秩序構造モデル 小川泰 電子線回折で“5回対称”を示す写真が得られ,結晶学にセンセーションが起こっている中で,筆者はその構造モデルを構築した。 1986.09.102 節足動物のクチクラ N.F.ハドレー 防水性のよいクチクラのおかげで節足動物は陸上で繁栄している。その微細構造が,電子顕微鏡により解明された。 1986.09.24 抗イディオタイプ抗体と免疫反応 R.C.ケネディ/J.L.メルニック/G.R.ドリーズマン 抗体の可変部を認識して結合する抗イディオタイプ抗体には,抗原の“内的イメージ”をもつものがあり,ワクチンとして利用できる。 1986.09.36 フライト・シミュレーター R.N.ハーバー コンピューターを駆使した最新のフライト・シミュレーターは,安全性と訓練コストの面で,めざましい貢献をしている。 1986.09.54 別99 山はなぜ高くそびえていられるのか P.モルナー 高い山を支えているのは,厚く丈夫なリソスフェアか,マントルに突き出た地殻の大きな根が受ける浮力である。 1986.09.69 別89 宇宙の巨大構造 J.O.バーンズ 銀河や銀河団,超銀河団は,ビッグバン直後に存在した小さな揺らぎが進化したものである。 1986.09.82 奇妙な原子核 J.H.ハミルトン/J.A.マルーン 原子核は,実際にはフットボールや円盤や,西洋ナシのような形が多く,球形をしているものはまれである。 1986.09.94 触覚の跳躍現象を探る F.A.ゲルダード/C.E.シェリック 近接した皮膚の2点を,短い時間差で刺激すると,第1の刺激の位置が第2の刺激の位置の近くに移動したように感じる。 1986.10.100 冷たい水を求めて移動するストライプトバス C.C.クータント 夏になるとストライプトバスが大量に死ぬが,これは,成魚が稚魚より冷たい水を好むからである。 1986.10.110 先カンブリア時代の太陽活動周期 G.E.ウイリアムズ 南オーストラリアの先カンブリア時代の地層を解析すると,現在の太陽活動周期と驚くほど対応する。 1986.10.122 栽培トウモロコシの起源 P.C.マンゲルスドルフ 現在のトウモロコシは,原始的な栽培トウモロコシと多年生テオシントとの雑種の子孫だ。 1986.10.19 英国とフランスの戦略核戦力 J.プラドス/J.S.ウイット/M.J.ザグーレク 軍備管理条約の対象外であった英仏両国を軍備管理交渉に参加させることが望ましい。 1986.10.30 中枢神経系での移植 A.ファイン 脳や脊椎の損傷が胎仔(たいし)組織の移植で回復することが,ラットの実験でわかった。 1986.10.42 別84 超電導磁気浮上鉄道 京谷好泰 低温,超伝導,光情報伝送など新技術,新材料を結集したこの鉄道は,実用化目前である。 1986.10.62 5回対称を示す準結晶 D.R.ネルソン 5回対称を示す“準結晶”は,結晶とアモルファスの中間にある新しい秩序状態と考えられる。 1986.10.86 別88 短波長化で進むレーザー核融合 R.S.クラックストン/R.L.マクローリー/J.M.ソアーズ 赤外レーザービームの短波長化により,レーザー核融合は科学的実証段階に追っている。 1986.11.10 別93 低レベル・マイクロ波の規制問題 K.R.フォスター/A.W.ガイ マイクロ波は,どの程度のレベルまでなら,人体に悪影響を与えないのだろうか。 1986.11.20 太陽と星間ガスの相互作用 F.パレス/S.ボイヤー 水素とヘリウムを主成分とする星間ガスは太陽の影響で,宇宙空間に複雑な構造を形成する。 1986.11.28 血液脳関門 G.W.ゴールドスタイン/A.L.ベッツ 血液脳関門の実体は血液と脳組織を隔てる毛細血管の内皮細胞で,物質を選択的に通過させる。 1986.11.48 別85 超弦理論 M.B.グリーン 素粒子を弦として取り扱うと,重力を含めた4つの基本的な力を矛盾なく統一的に説明できる。 1986.11.66 トポロジーで分子の化学的性質を予言する D.H.ルーブレイ 原子の相互連結パターンを求めると,化学物質を合成する前にあらかじめその性質がわかる。 1986.11.76 イメージトレーニング 勝部篤美 うまくプレーするイメージを繰り返し描く訓練をすると,スポーツの技能は大幅に向上する。 1986.11.87 周囲の色に影響される色知覚 P.ブロー/T.R.シャーシャー/L.リンデン/J.Y.レトビン 色の知覚は,対象からの光だけでなく,周囲の色や,網膜を照らしていた光の色などの影響を受ける。 1986.11.98 腕足類 J.R.リチャードソン 二枚貝に似たこの動物は,海岸の岩場から深海底の泥の中まで,さまざまな環境に生息している。 1986.12.112 先端金属材料 B.H.キーア 金属の結晶構造と性質との関係が詳しくわかってきたので,熱や腐食に強い合金を作れる。 1986.12.124 新しいセラミック材料 H.K.ボーエン セラミックスの硬くて熱や薬品にも強いが,割れやすいという最大の欠点も改善されつつある。 1986.12.134 高性能ポリマー材料 E.ベイヤー 高温で強い力に耐える構造材料や,エレクトロニクス分野の機能材料などが登場してきた。 1986.12.146 複合材料 T.チョウ/R.L.マッカラフ/R.B.パイプス 微粉末や繊維などを母材に埋め込んだ複合材料は,材料単独で実現できない優れた性質をもつ。 1986.12.18 情報・通信分野の新材料 J.S.メイヨー エレクトロニクスからフォトニクスへ,情報・通信システムを支えるのは材料科学である。 1986.12.28 航空宇宙分野の新材料 M.A.スタインバーグ 亜音速機,大気圏と宇宙を往復する極超音速機の開発には,各種の新材料が必要である。 1986.12.44 自動車用の新材料 W.D.コンプトン/N.A.ジョスタイン 軟鋼や鋳鉄に代わってアルミニウム,プラスチック,高張力鋼の利用が増大している。 1986.12.54 エネルギーの有効利用と新材料 R.S.クラーセン/L.A.ギリファルコ エネルギーの変換効率を上げる新材料や,従来の材料を安く作る製造法の開発が重要である。 1986.12.64 医療分野の新材料 R.A.フラー/J.J.ローゼン 新しいポリマーやセラミックス,複合材料は人工心臓など人工臓器の強度と生体適合性を高める。 1986.12.74 新材料の科学 G.L.リードル 優れた性質をもつ新材料の開発には,物性物理学や化学に関する知識が必要不可欠である。 1986.12.84 エレクトロニクス材料 P.チャウダリー 半導体デバイスの微小化は極限に近づき,より高密度で高速のデバイスの追究は多様化している。 1986.12.98 新材料開発と経済 J.P.クラーク/M.C.フレミングス 先端技術の発展にとって新素材の開発は不可欠であり,最終的には経済発展のカギとなる。 1986.12.98 別88 フォトニクス材料 J.M.ローウェル 光通信から光コンピューターまでフォトニクスの将来は新しい材料開発にかかっている。 1987.01.100 L8 南極海の魚はなぜ凍らない J.T.イーストマン/A.L.ド・フリース 南極海の魚類が氷点下の水中でも凍らないのは,体液に不凍糖タンパク質が含まれているからである。 1987.01.18 別95 酵素機能をもつRNA T.R.チェック ある種のRNAは,自分の一部を切り出して残った部分をつなぐ反応を酵素なしで行なえる。 1987.01.30 地球の精密測定を可能にしたVLBI W.E.カーター/D.S.ロバートソン 複数の電波望遠鏡によるクエーサーの同時観測で地球上の2点間の距離などを精密に測定できる。 1987.01.50 別97 天王星探査を成功させたボイジャーの技術 R.P.レーサー/W.I.マクローリン/D.M.ウォルフ ボイジャーチームは,たび重なる故障を克服し,宇宙探査史上最大の成果を手に入れた。 1987.01.64 別99 水惑星「地球」の起源と進化 松井孝典 なぜ地球にだけ海があるのか。原始大気の保温効果に注目することから,地球進化の謎が解明された。 1987.01.76 別85 ヒッグス・ボソンは実在するか M.J.G.ベルトマン ヒッグス・ボソンは,数学的整合性を与えるために導入された仮説粒子だが,実在の証拠はない。 1987.01.86 特徴と対象の視覚情報処理 A.トリーズマン 目に映った場面から,意味のある対象を知覚するには,対象を再構成する過程が必要である。 1987.01.9 米国の影の住宅市場 W.C.ベイアー 州や市町村が,既存の住宅の修理や非居住用建築物の改造を進めれば安い住宅は増える。 1987.02.108 人力水中翼艇 A.N.ブルックス/A.V.アボット/D.G.ウイルソン ペダルをこいでスクリューを回す人力水中翼艇は,1人こぎレース用ボートより速く走る。 1987.02.20 別89 宇宙の暗黒物質 L.M.クラウス 最新の知識によると,宇宙に存在する暗黒物質の最も可能性の高い候補はアクシオンである。 1987.02.34L8 托卵するナマズ 佐藤哲 タンガニーカ湖にすむナマズの一種は,鳥類でしか知られていなかった托卵で繁殖している。 1987.02.52 別81 ヒト・レトロウイルスの発見 R.C.ギャロ このウイルスは,逆転写酵素の発見とT細胞の培養法の確立により,1978年に発見された。 1987.02.68 カオス J.P.クラッチフィールド/J.D.ファーマー 無秩序性を生じるカオスの発見は,従来の科学のやり方に多くの問題を投げかけている。 1987.02.84 網膜の構造と機能 R.H.マスランド 特定の神経細胞を選択的に染色する新しい技術で,網膜内の神経細胞の分布が解明されてきた。 1987.02.9 米国の病院ビジネス D.W.ライト 営利を目的とした病院チェーンの登場は,米国の医療制度の欠陥を白日の下にさらした。 1987.02.98 根はなぜ下に伸びるのか M.L.エバンス/R.ムーア/K.H.ハーゼンスタイン アミロプラストという細胞小器官とカルモジェリンやカルシウム,オーキシンの働きによる。 1987.03.10 過大評価されてきたソ連の戦略核 L.R.サイクス/D.M.デービス 地下核爆発の威力推定法によると,ソ連は軍備管理条約に違反していないことがわかった。 1987.03.102 リポソーム投薬法 M.J.オストロ リポソームという脂質膜の微小な球に薬剤を封入して投与すれば,副作用の心配がない。 1987.03.22 海洋温度差発電 T.R.ペニー/D.バラタン この発電システムの成否は,海水の淡水化や深層水を利用した養殖など,副産物にかかっている。 1987.03.30 物理現象とフラクタル成長 L.M.サンダー フラクタル成長モデルを使うと,自然界にある無秩序なパターンなどがうまく説明できる。 1987.03.50 別81 エイズウイルス R.C.ギャロ この病原体は第3のヒト・レトロウイルスとして発見されたが,ワクチンの開発はまだ先だ。 1987.03.66 集雪冷房システム 梅村晃由 冬に市街地で除雪した雪を山に貯蔵し,夏にその雪で冷房するシステムが研究されている。 1987.03.78 本能に導かれた学習 J.L.グールド/P.マーラー 現在では,学習と本能の両者を明確に区別することは誤りであることがわかっている。 1987.03.92 別97 ボイジャーのみた天王星 A.P.インガソル 天王星が厚くて濃い大気をもち,その大気循環パターンが地球に似ていることがわかった。 1987.04.20 別87 バリスティック電子デバイス M.ハイブラム/L.F.イーストマン 電子が移動するチャンネルをごく短距離にしてやると,超高速電子デバイスが実現できる。 1987.04.32 別98 よみがえったパルサー J.シャハム 1982年以降発見されたパルサーは,“死んだ”ものが,よみがえったものらしい。 1987.04.50 臨界に迫るトカマク核融合 田中裕二 日本のJT-60,米国のTFTR,ECのJETは間もなく臨界プラズマ条件を達成するだろう。 1987.04.64 遺伝的組み換えのメカニズム F.W.スタール 人為的な遺伝子操作ではなく,増殖の過程で自然に起きる遺伝子再編の仕組みがわかった。 1987.04.78 細胞内のベルトコンベヤー「微小管」 R.D.アレン 微小管は,細胞の保持だけでなく,小胞やミトコンドリアなどの運搬も行っている。 1987.04.88 シンセサイザーの楽音合成技術 M.V.マシューズ/J.R.ピアース コンピューターを使えば従来の楽器の音はもちろん,まったく新しい音も“創造”できる。 1987.04.9 結婚・母親業と研究活動は両立するか J.R.コール/H.ズッカーマン 子持ちの女性科学者は子育てや家事の負担を克服し,独身女性に劣らぬ研究成果を上げている。 1987.04.98 L6 海底を耕すコククジラとセイウチ C.H.ネルソン/K.R.ジョンソン ベーリング海北東部海域の海底の無数の穴はコククジラとセイウチが餌を取るときに作った。 1987.05.20 大陸を分裂させる原動力 E.ボナッティ 大陸の分裂は,マントルの中の異常に熱い部分が上昇して地殻の底部を割ることから始まる。 1987.05.30 レーザー冷却による原子の精密測定 W.D.フィリップス/H.J.メトカーフ レーザー冷却という新技術は,物理学の基本である基礎定数の精密測定にたいへん役立つ。 1987.05.48 ポリオウイルスの立体構造 J.M.ホーグル/M.チョウ/D.J.フィルマン ウイルスの3次元構造が,X線回折と新しいコンピューター・プログラムにより解明された。 1987.05.62 6500m潜水調査船 高川真一 1989年の完成を目指し建造中の日本の新しい潜水調査船は,世界最高の性能をもっている。 1987.05.74 別87,88 光ニューラルコンピューター Y.S.アブ-モスタファ/D.プサルティス 脳の構造をもとにコンピューターを構成すれば,パターン認識などの問題を効率よく解ける。 1987.05.84 冬のガはどのようにして寒さに耐えるのか B.ハインリッヒ 冬を成虫ですごすガはエネルギーの浪費を極力避け,枯葉の下で寒さに耐えて生きている。 1987.05.9 見直しを迫られる米国の単作農業 J.F.パワー/R.F.フォレット トウモロコシや小麦などの単作は,その経済的なメリットが減少し,問題視されている。 1987.05.94 デンマークの中石器時代人の生活 T.D.プライス/E.B.ピーターセン 今から7000年前デンマークに住んでいた狩猟採集生活者は,季節的な定住生活もしていた。 1987.06.10 第3世代の核兵器 T.B.テイラー 次世代の核兵器は,マイクロ波など特定エネルギーを増強,指向性をもたせたものになる。 1987.06.104 古代中国の鐘の音響学 沈星揚 3500〜2200年前に中国で使われていた編鐘の研究から高度な科学・技術がよみがえった。 1987.06.22 抗ウイルス療法 M.S.ヒルシュ/J.C.カブラン ヒトの細胞とウイルスとの分子レベルにおける違いに基づいて,薬剤の開発が進んでいる。 1987.06.34 太陽光発電 浜川圭弘 量産化技術が急速に進歩して,太陽光発電が大規模発電法の仲間入りをする日が近づいた。 1987.06.51 別97 ボイジャーのみた天王星の月 T.V.ジョンソン/R.H.ブラウン/L.A.ソーダブロム 天王星の5つの主衛星はすべて氷の表面をもち,土星の衛星よりも暗く,岩に富んでいた。 1987.06.72 脾蔵への肝細胞の移植 水戸廸郎/草野満夫 脾蔵に肝臓の細胞を移植し,そこに“第2の肝臓”を作り上げるという研究が進んでいる。 1987.06.82 視細胞は光にどのように応答するか J.L.シュナップ/D.A.ベイラー 視細胞が光の刺激をどんな仕組みで電器信号へ変換するかが,分子レベルで解明されてきた。 1987.06.92 動物の爆発的台頭 M.A.S.マクメナミン 動物の種類と数が,今から5億7000万年前のカンブリア紀初期に,突如爆発的に増加した。 1987.07.10 米国における所得分布の不平等化 L.C.サロー 労働力の移動と賃金の低い女性労働者の急増で,所得分布の不平等化が著しくなっている。 1987.07.20 宇宙でのリチウム,ベリリウム,ホウ素の生成 V.E.バイオラ/G.J.マシューズ リチウム,ベリリウム,ホウ素の3つの元素は,星間物質と宇宙線の相互作用でつくられた。 1987.07.30 ブドウ糖と老化 A.セラミ/H.ブラッサラ/M.ブラウンリー ブドウ糖がタンパク質と結合して糖尿病や動脈硬化症などの障害を起こすことがわかった。 1987.07.52 相の再現とエントロピー J.S.ウォーカー/C.A.バウセ ある種の混合液体では,温度によって混合した状態と分離した状態の2つの相が現われる。 1987.07.65 動きの方向を判断する網膜のシナプス T.ポッジョ/C.コッホ 網膜の神経筋細胞は単一のトランジスタのようにではなく,ICチップのように機能する。 1987.07.74 世界最古のコンクリート 李最雄 中国で発見された5000年前の住居跡の床は,立派なコンクリートでできていた。 1987.07.86 爆轟のメカニズム W.C.デービス 爆薬は,多方面に使われるようになったが,爆発の仕組みはまだ完全にはわかっていない。 1987.07.96 熱水噴出孔の動物と細菌の共生 J.J.チルドレス/H.フェルベック/G.N.ソメロ 暗黒の深海底で生命を支えているのは硫化水素を酸化する細菌と動物の共生関係である。 1987.08.10 アフリカの干ばつ M.H.グランツ 干ばつは反復して出現するが,明確な周期はなく,人為的な要因をはらむので対処が難しい。 1987.08.20 別87 高速並列処理装置「コネクション・マシン」 W.D.ヒリス 約6万個のプロセッサをもった高速並列処理装置が開発され,その応用が進められている。 1987.08.30 光合成の分子機構 D.C.ユーバン/B.L.マース 生物が太陽光を生命のエネルギーに変えていく仕組みを分子レベルで描けるようになった。 1987.08.48 記憶の解剖学 M.ミシュキン/T.アッペンゼラー サルの学習試験と神経回路の解剖学的な知識を総合し,記憶の謎が解明されてきた。 1987.08.63 重力波天文台 A.D.ジェフリーズ/P.R.ソールソン/R.E.スペロ/M.E.ズッカー 重力波天文台は,光や電波やX線と異なったまったく新しい宇宙像を見せてくれるだろう。 1987.08.74 変化に富むカニの交尾器 武田正倫 カニの雄の交尾器には多種多様なものがあり,種を分類する重要な手掛かりとなっている。 1987.08.84 崩壊する火山 P.フランシス/S.セルフ 火山は溶岩や火山灰で大きくなるが,時おり起きる大規模な山体崩壊で小さくなっている。 1987.08.94 第2次世界大戦中の米国の生物兵器開発 B.J.バーンスタイン 1942年から生物戦の研究を始めた米国は,44年には細菌爆弾を製造できるまでになっていた。 1987.09.10 先端技術は米国鉄鋼業を救えるか J.ツェクリー 新しい製鋼技術を導入し,生産性の向上,省力化,品質向上を図ることがまず必要である。 1987.09.20 別97 ボイジャーのみた天王星の環 J.N.カジ/L.W.エスポジト 天王星の環がなぜ狭くて黒いのか,環や半欠けの環はどうしてできたのかがわかってきた。 1987.09.28 変化するバリアー島と海浜 R.ドラン/H.リンス 米国の大西洋沿岸とメキシコ湾沿岸にある島々は暴風や海流によって形を変え続けている。 1987.09.48 分子レベルで解明された視細胞の興奮機構 L.ストライヤー 光子が当たったことをどのように形質膜の電位差に変えるかが,分子レベルでわかった。 1987.09.62 並列ディジタル光コンピューター 一岡芳樹/谷田純 電子から光へ,まったく新しい考えによる並列ディジタル光コンピューターが注目されている。 1987.09.74 ライム病 G.S.ハビクト/G.ベック/J.L.ベナック ある種のスピロヘータが起こすこの病気にはインターロイキン-1が関係しているらしい。 1987.09.82 冷たい核融合 J.ラフェルスキー/S.E.ジョーンズ レーザーや高温のプラズマを用いず,ミューオンを触媒として低温で核融合反応を起こせる。 1987.09.90 古代近東のアーチと丸天井 G.W.バン・ビーク 近東地域では,約5000年前に,日干しレンガを用いて,アーチや丸天井がつくられていた。 1987.10.18 回転する陽子と陽子の衝突 A.D.クリッシュ 陽子と陽子の衝突実験において,量子色力学理論に変更を迫るような実験事実が現われた。 1987.10.30 ダウン症を引き起こす遺伝子 D.パターソン ダウン症を起こす遺伝子のあるものは,アルツハイマー病や白血病とも関係があるらしい。 1987.10.49 岩塩テクトニクス C.J.タルボット/M.P.A.ジャクソン 岩塩は,大きなシート状の盛り上がりや指のような形を作り出したり,奇妙な挙動を示す。 1987.10.64 別106 クローン選択説の成立 G.L.エイダ/G.ノッサル 現代の免疫学の根幹をなすクローン選択説が実証されるまでにはおよそ100年を要した。 1987.10.74 エゾヤチネズミの社会構造と繁殖抑制 河田雅圭/斉藤隆 雌がなわばりをもてないと繁殖が抑制されるが,これは一生涯に残せる子の数を増やすためらしい。 1987.10.86 別87 ガリウムヒ素トランジスタ W.R.フレンズリー ガリウムヒ素トランジスタの高速性の秘密は,電子のエネルギーと運動量の関係にある。 1987.10.9 アメリカズカップを奪回した最新鋭艇 J.S.レッチャー/J.K.マーシャル/J.C.オリバー/N.サルベセン コンピューターを駆使して作りあげたヨットは1987年に,アメリカズカップを奪い返した。 1987.10.96 酸性粒子による大気汚染 R.W.ショウ 酸性雨のほかにも,化石燃料の燃焼による酸性の微粒子が,土壌や湖沼を酸性化している。 1987.11.18 富士山の活動周期と噴火 浜野一彦 鳴りをひそめている富士山の噴火は起こるのだろうか。過去の活動を分析し可能性を探る。 1987.11.30 生物界に広く見られる逆転写 H.バーマス レトロウイルスに特有の現象だと思われていた「逆転写」は,いろいろな生物に存在する。 1987.11.48 別89 銀河の大規模な「特異運動」 A.ドレスラー 私たちの銀河系は近くの銀河とともに遠くの巨大な物質塊に引かれて特異運動をしている。 1987.11.60 新しいイオン性結晶エレクトライド J.L.ダイ 新しいイオン性結晶「エレクトライド」は,変わった光学的性質や磁気的性質をもっている。 1987.11.72 子どもはどのようにことばを覚えるか G.A.ミラー/P.M.ギルディア 子どもはわかりやすい文脈の中でことばの意味を理解しながら新しいことばを覚えていく。 1987.11.80 植物も擬態する S.C.H.バレット 腐った肉のような色・形をした植物や,動物に食べられないように,石に似た植物がある。 1987.11.9 レーザー兵器はSDIに使えるか C.K.N.パーテル/N.ブルームバーゲン 戦略防衛構想に不可欠な指向性エネルギー兵器の開発には,多くの難問が残されている。 1987.11.90 高効率でクリーンな石炭火力発電所 R.E.バルチザー/K.E.イエーガー 石炭を,より効率よくきれいに燃やすには,流動層燃焼と石炭ガス化の方法が有望である。 1987.12.108 別87 医療のためのコンピューター・システム G.D.レネルズ/E.H.ショートリフ 医師の診断や治療に対して助言できるようなコンピューター・システムが実用化されている。 1987.12.118 別87 製造業のためのコンピューター A.M.エリスマン/K.W.ネビス コンピューターは,空気力学特性の研究には有用だが,製造業の他分野での利用はまだ難しい。 1987.12.20 別87 並列コンピューターのアーキテクチャ G.C.フォックス/P.C.メシナ 逐次型に代わって,問題を分割して同時に解く並列型コンピューターが実用化されてきた。 1987.12.32 別87 近未来コンピューターのチップ J.D.マインドル 現在,1つのチップに100万個だが,2000年には10億個のトランジスタをのせた集積回路ができる。 1987.12.52 別87 並列コンピューターのプログラミング D.ゲラーンター 並列コンピューターには,その活動を系統だったものにできるソフトウエアが必要である。 1987.12.64 別87 近未来のファイル記憶装置 M.H.クライダー 磁気ディスク装置は,これから5年以内に今日のものの5倍の記憶容量をもつようになる。 1987.12.76 別87 近未来のインターフェース J.D.フォーレイ コンピューターと利用者のインターフェースを円滑にする「人工現実感」の試みが始まった。 1987.12.86 別87 近未来のネットワーク R.E.カーン プログラム,データ,ハードウェアを共用するには,コンピューターの相互理解が必要だ。 1987.12.9 次のコンピューター革命 A.ペレド コンピューターはこの先10年の間に進歩して今よりもずっと強力で使いやすいものになる。 1987.12.96 別87 科学技術のためのコンピューター P.ハット/G.J.サスマン 計算機実験は重要な役割を果たしているが,将来は高度の数式処理や定性計算もするだろう。 1988.01.16 別88 応用分野が広がるシンクロトロン放射光 H.ビニック この放射はパルス光で,指向性がよく,部分的にはコヒーレントという特性をもっている。 1988.01.28 人工染色体 A.W.マレー/J.W.ショスターク プラスミドに動原体などを挿入することにより,人工的に染色体をつくり出すことができる。 1988.01.46 ハイブリッド型人工肝臓 中村敏一 培養したイヌの肝細胞を組み込んだハイブリッド型人工肝臓を用いて,肝臓を摘出したイヌを48〜72時間,生存させることに成功した。 1988.01.60 別98 新しいタイプの超新星 J.C.ウィーラー/R.P.ハークネス 大質量星が水素の多い外層をはぎとられ,残されたコアが重力崩壊してできたものだろう。 1988.01.72 悪魔とエンジンと第二法則 C.H.ベネット 熱力学の第二法則を破るかにみえる“マクスウェルの悪魔”の問題が,ようやく解決した。 1988.01.8 ガンを減らす食事 L.A.コーエン 脂肪や単純炭水化物の摂取量を減らし,繊維などをふやせば,ある種のガン発生は減らせる。 1988.01.84 ジャイアントパンダの祖先 S.J.オブライエン 類縁関係を調べた結果,ジャイアントパンダはクマ科ジャイアントパンダ亜科が適切らしい。 1988.01.92 潮汐発電所と環境 D.A.グリーンバーグ すぐれたモデルを構築すれば,潮汐発電ダムを作った場合の環境への影響を正確に評価できる。 1988.02.20 月の古磁場 S.K.ランコーン 月もかつては磁場をもっており,しかも,その磁極の位置が最低でも3回変化したらしい。 1988.02.30 ガラスはなぜ壊れやすいのか T.A.ミカールスケ/B.C.バンカー ガラスは真空中では合金の10倍の強さであるが,水があるところで力がかかると壊れやすい。 1988.02.48 別87 脳をモデルにした集団並列計算機 D.W.タンク/J.J.ホップフィールド 生物の神経をモデルにして電子回路を構成すると,ある種の複雑な問題をすばやく解ける。 1988.02.60 動物細胞はどのようにして移動するか M.S.ブレッチャー 白血球やガンなどの細胞は,表面の膜をキャタピラのように動かすことによって移動する。 1988.02.70 「インファントサイド」を抑える行動原理 関口茂久 生まれたばかりの子供を殺す“子殺し”の行動を調節している原理を実験で明らかにする。 1988.02.78 別89 コスミック・ストリング A.ビレンキン 星の分布が一様でなく銀河や銀河団をつくるのは,膨大な質量のストリングが存在するからだ。 1988.02.8 サービス産業を変える技術革新 J.B.クイン/J.J.バルッチ/P.C.パケット 農業と製造業を発展させてきた技術は,いまやサービス産業の成長の原動力となっている。 1988.02.88 トカゲの擬似交尾行動 D.クルーズ ムチオトカゲのある種は雌しかいないが,時期によって雄のように求愛行動をしたりする。 1988.03.18 新しい巨大電波望遠鏡VLBA K.I.ケラー/A.R.トンプソン 直径25mの電波望遠鏡10台で構成されるもので,地球の大きさの電波望遠鏡に相当する。 1988.03.28 希土類は豊富に存在する G.K.メッケ/P.メーラー 名前とは逆に希土類は地球に豊富に存在するが,低品位の鉱物の形でしか産出しない。 1988.03.44 実験が光をあてる量子力学の奇妙な世界 A.シモニー 最近の実験結果をみると,常識的な解釈では理解しにくい量子世界はやはり正しいらしい。 1988.03.56 別106 キラー細胞はいかにして細胞を殺すか J.D-E.ヤング/Z.A.コーン キラー細胞は標的細胞にしっかり結合し,パーフォリンというタンパク質を放出して殺す。 1988.03.66 名前を呼び合うクモザル 正高信男 クモザルの音声コミュニケーションの研究で,彼らが命名体系をもっていることがわかった。 1988.03.74 美術と錯覚の視覚系 M.S.リビングストン 視覚情報は3つに独立した経路で処理されるため,錯覚などいろいろな視覚効果が生まれる。 1988.03.84 変圧器の歴史 J.W.コルトマン 電力技術のなかでも,約1世紀前に実用化された変圧器が最も重要な役割を果たしてきた。 1988.03.9 南極のオゾンホール R.S.ストラルスキー オゾンホールの生成の主な原因はフロンガスのようだが,気象条件も関係があるようだ。 1988.04.18 金星・地球・火星の気候の進化 J.F.カスティング/O.B.ツーン/J.B.ポラック 惑星のうちなぜ地球にだけ生命が存在し,他の惑星には存在しないような環境になったのだろう。 1988.04.28 宇宙をつくった対称性の破れ R.K.アデア 物質が存在するのはCP対称性の破れのためで,その基本力を特定する実験が進行中である。 1988.04.50 興奮を抑制するGABA作動性ニューロン D.I.ゴットリーブ GABAを分泌する抑制性ニューロンは,情報を整理し解析する働きに関係しているらしい。 1988.04.60 火山現象としての岩屑流 宇井忠英 成層火山や溶岩円頂丘では,大規模な高速の地滑り運動「岩屑流」を発生することがある。 1988.04.72 電気を通すプラスチック R.B.カナー/A.G.マクダイアミッド 導電性プラスチックの研究開発が進展して,銅の電気伝導度まであと1桁に追っている。 1988.04.8 DNAマーカーによる染色体地図の作成 R.ホワイト/J.M.ラルエ 制限酵素を使うことによって,人間の染色体の地図を描くことができるようになってきた。 1988.04.80 キタオポッサムの驚異的な適応力 S.N.オースタッド キタオポッサムが生息域を急速に拡大できたのは,非常に適応力に富んでいるからである。 1988.04.88 天才数学者ラマヌジャンとπ J.M.ボールウェイン/P.B.ボールウェイン 32歳の短い生涯を駆け抜けたインドの天才数学者は,πの計算アルゴリズムを残していた。 1988.05.16 別87,94 量子効果デバイスの可能性 R.T.ベイト 集積回路素子の小型化は限界に近づいており量子効果を用いたデバイスが研究されている。 1988.05.22 触媒活性をもつ抗体 R.A.ラーナー/A.トラモンタノ 触媒としての働きをする抗体は,新しいワクチンの製造をはじめ広い分野で役立つだろう。 1988.05.50 重力と反物質 T.ゴールドマン/R.J.ヒューズ/M.M.ニード 最新の重力理論によると,ガリレオが示したという「等価理論」が破れている可能性がある。 1988.05.64 ヒョウの斑点はどのように決まるか J.D.マレー ヒョウやシマウマなどの毛皮模様は,胎児時代の形と大きさによって決まっているらしい。 1988.05.74 建設用クレーン L.K.シャピロ/H.I.シャピロ 誕生して約2000年,その機能や種類は驚くほど進歩したが,安全対策はまだ不十分である。 1988.05.8 ソナーを使わない潜水艦探知技術 T.ステファニック 従来の音響的な方法とは別に,レーザー光線や生物発光などによる方法が検討されている。 1988.05.84 骨細胞が語る恐竜の生理 福田芳生 走査電子顕微鏡による観察で発見された骨細胞は,恐竜の骨の高い代謝機能を示している。 1988.05.95 肥満と生殖機能 R.E.フリッシュ 女性が,ダイエットや過激な運動によって脂肪を限度以上に減らしてしまうと不妊になる。 1988.06.16L6 ヒゲクジラ類の行動 B.ビルジッマ 海の哺乳類クジラは,摂餌行動やコミュニケーション,母子関係などを通して,陸生動物と同じように,ひとつの社会を形成している。 1988.06.26 別106 自己免疫が果たす役割 I.R.コーエン 自己免疫疾患は免疫系が自己の組織を攻撃する疾患であるが,免疫系が自己を認識すること自体は健康体にとっても重要な働きである。 1988.06.46 ブラックホールの“膜パラダイム” R.H.プライス/K.S.ソーン ブラックホールを扁平な球状で,導電体の薄い膜につつまれたものと考えると,電磁波の影響などを,直観的に理解できるようになる。 1988.06.60 芳香族化合物はなぜ安定か 相原惇一 ベンゼンに代表される芳香族化合物はきわめて安定であるが,この理由が,グラフ理論共鳴エネルギーによってついに明かになった。 1988.06.72 別95 植物遺伝子の光による発現制御 P.B.モーゼス/N.H.チュア 日光は遺伝子に作用して,光合成を起こしたり植物の成長に影響を及ぼすが,最近,光に反応する遺伝子のDNA配列が明かになった。 1988.06.8 自然楽器とコンピューターによる新しい演奏 P.ブーレーズ/A.ゲルソー 自然楽器が奏でる音楽を,コンピューターが高速で演算処理して新しい音をつくり出す。これにより,新しい音楽分野が開かれ始めた。 1988.06.80 気体中のスピンが引き起こす量子力学効果 F.ラロエ/J.H.フリード 低濃度の水素やヘリウム3などの気体を絶対零度近くまで冷却すると,通常の気体では観測されないような量子力学効果が現れる。 1988.06.90 実験動物学の父トランブレー H.M.レンホフ/S.G.レンホフ トランブレーは1740年代にヒドラに興味をもちその体を2つに切断して再生現象を調べたが,このことが実験動物学の始まりとなった。 1988.07.18 別91 ガン壊死因子TNFの働き L.I.オールド マクロファージから分泌され,ガンを壊死させるものとして発見されたTNFは,実際には,炎症や免疫反応に広範にかかわっている。 1988.07.28 地球磁場はなぜ逆転するか K.A.ホフマン 逆転を繰り返している地球磁場だが,その仕組みはいぜん謎のままである。そこで,磁気ベクトルを使った新しい方法で謎に挑戦する。 1988.07.48 別94 量子雑音を克服する「スクイーズド光」 R.E.スラッシャー/B.ユーケ 光を使った精密測定の限界は,量子力学的ゆらぎによって決まってしまうが,この「量子雑音」を解決する画期的な手法が発見された。 1988.07.59 大マゼラン雲に現れた超新星1987A 野本憲一 1987年2月に発見されたこの超新星は,16万光年という至近距離にあり,ニュートリノの観測をはじめ数多くの成果がもたらされている。 1988.07.70 カモノハシ M.グリフィス この一見原始的な動物は,餌を探すために電場を感知する受容器があるとか体温調節がうまいなど,水辺での生活によく適応している。 1988.07.80 エアロゲル J.フリッケ ゲル状の物質を収縮させないように乾燥してつくるエアロゲルは軽くてユニークな特性をもっているので,その応用が期待されている。 1988.07.88 宇宙定数の謎 L.アボット 宇宙の構造を解くカギになる宇宙定数は,理論値と観測値とで46桁も違う。これは,研究方法の根本的見直しを迫っているようである。 1988.07.9 別93 屋外より汚染されている室内の空気 A.V.ニーロ 室内の空気は,放射性物質や有機物などで屋外の空気よりも汚れている。今後,健康リスクを考えた対応策が必要になってくるだろう。 1988.08.18 別95 mRNAのスプライシングを担う“スナープス” J.A.スタイツ mRNA前駆体からイントロンを除去する作業で,核内低分子RNA-タンパク質複合体粒子(“スナープス”)が重要な役割を演じている。 1988.08.26 南極氷原に出現する“湖”ポリニヤ A.L.ゴードン/J.C.コミソ 南極大陸を囲む海氷原中には,ポリニヤという海水面ができる。これが“地球熱機関”を動かし世界の機構変化に影響を与えている。 1988.08.48 ペロブスカイト R.M.ハーゼン 高温超伝導で注目されたこの結晶構造は,多種多様の変形が可能であり,絶縁体から超伝導体まで,さまざまな電気的性質が現れる。 1988.08.60 多細胞生物のように活動する細菌 J.A.シャピロ 細菌は,多数が集まって高度に組織化されたコロニーをつくるので,単細胞生物ではあるが,多細胞生物の個々の細胞のように見える。 1988.08.70 米国経済再生のシナリオ R.ランダウ 米国の実質経済成長率は,日本や西ドイツよりも低い。米国が,かつての勢いを取り戻すには,技術革新と投資の活性化が必要である。 1988.08.82 ヒルの摂食行動を制御するセロトニン C.M.レント/M.H.ディキンソン セロトニンという神経伝達物質が,ヒルの摂食行動を制御していることがわかった。これは,神経と行動の関係を解明するカギになる。 1988.08.9 別89 粒子加速器が検証する宇宙論の予言 D.N.シュラム/G.スティーグマン 現代宇宙論は「素粒子の族は,現在の3つのほかに,あってもあと1つ」と予言しておりこれは巨大加速器の実験で確認されるだろう。 1988.08.90 働きバチの行動の起源 大谷剛 個々の個体を追跡する方法により働きバチの行動を詳細に観察,分析すると,その行動型は狩りバチ時代に培われたものと考えられる。 1988.09.16 別99 分裂と結合を繰り返す超大陸 R.D.ナンス/T.R.ワースリー/J.B.ムーディー 地球上の大陸は約4億4000万年の周期で,分裂と結合を繰り返している。これは地殻や気候の変動にまで影響を与えているようである。 1988.09.24 血液細胞の成長を刺激するホルモン D.W.ゴルデ/J.C.ガッソン 血液細胞には赤血球のほかに多くの種類の白血球があるが,それらはただ1種類の細胞から,造血ホルモンによって分化・増殖される。 1988.09.56 汎用コンピューターでの実時間“ごみ集め” 湯浅太一 リスト処理で不可欠の“ごみ集め”はプログラムの実行を中断させるが,これを克服して汎用機で実時間処理できる方法が考案された。 1988.09.72 別89 重力レンズで宇宙を探る E.L.ターナー 宇宙の偶然によって生じる重力レンズを詳しく研究すれば,宇宙の大規模特性や不均一性の存在といった謎を解く手掛かりが得られる。 1988.09.8 年をとるとなぜ老眼になるのか J.F.コレツ/G.H.ハンデルマン 近くが見えにくくなるのは,眼の構造の幾何学的変化により水晶体の調節がしにくくなる上に,水晶体の屈折率が減少するためである。 1988.09.82 コンデンサー D.M.トロッター 電気的な緩衝装置であるコンデンサーは,集積回路の発展に対応して材料と設計の両面で進歩を遂げ,小型で大容量のものが登場した。 1988.09.90 数学に潜むランダム性 G.J.チェイティン 数学の原理は,考えられているほど確実なものではない。アルゴリズム情報理論から,数学にも,ランダム性があることが証明された。 1988.09.98 米国大統領選を左右する3つの地域 J.C.アーチャー/F.M.シェリー/P.J.テイラー/E.R.ホワイト 米国は,経済的・文化的な亀裂のため,3つの地域に分断されている。大統領選に勝つには,亀裂を越えた連合を形成する必要がある。 1988.10.20 別95 DNAの複製はなぜ正確なのか M.ラドマン/R.ワグナー DNAの複製が正確に進んでいるかどうかは3つの段階でチェックされ,その結果,遺伝情報の誤りは100億文字にわずか1個となる。 1988.10.30 コンピューターの真の発明者アタナソフ A.R.マッキントッシュ 世界最初のディジタル・コンピューターはエニアックではなく,アタナソフ博士によるマシンが第1号であることが明らかになった。 1988.10.54 新しいX線回折法による表面構造回析 高橋敏男 X線の回折強度が入射X線の波長に依存して変化する性質を利用して,結晶表面の構造を立体的に決定する新しい解析法が開発された。 1988.10.65 白血病の光化学治療 R.L.エーデルソン 8-MOPを含んだ血液を紫外線で照射することにより,皮膚T細胞リンパ腫という白血病の治療に画期的な効果をあげることができた。 1988.10.74 第4世代の素粒子 D.B.クライン 素粒子物理の「標準模型」に残された疑問や最近の実験結果を検討すると,クォークとレプトンは,あと2個ずつあるのかもしれない。 1988.10.8 別93 酸性雨の脅威 V.A.モーネン 大気汚染物質が引き起こす酸性雨は,自然環境を破壊しており,大きな社会問題になっている。いま,酸性雨の抑制が求められている。 1988.10.84 符号化マスクを使ったX線源撮像装置 G.K.スキナー X線源の像を撮るには,複数の穴をもつ“変形ピンホールカメラ”を使うとよい。これを天文学の分野で用いると,観測範囲が広がる。 1988.10.92 宇宙測地学でみた米国西部の地殻変動 T.H.ジョルダン/J.B.ミンスター 米国西部は,太平洋・北アメリカの2大プレートの相対運動のため,激しい地殻変動が続いている。その詳細を,宇宙測地学で調べた。 1988.11.20 別90 ガン抑制遺伝子 R.A.ワインバーグ 細胞中のガン抑制遺伝子の欠失がガンを引き起こすという,新しいガン発生機構が,網膜芽細胞腫の研究により,明らかになってきた。 1988.11.32 レーザーによる原子・分子の個別検出 V.S.レトコフ レーザー分光法と質量分析器を結合した「共鳴イオン化分光法」によると,これまでにない感度で原子や分子を検出することができる。 1988.11.52 インシュリンはどのように作られるか L.オルチ/J.D.バサリ/A.ペレレ インシュリンは,DNAから作られた前駆体が,細胞内の粗面小胞体,ゴルジ装置,分泌顆粒を経るにしたがって,でき上がっていく。 1988.11.64 別94 アモルファス半導体超格子 広瀬全孝 不規則な原子配列をもつアモルファス半導体を規則正しく積層して超格子構造を作ると,まったく新しい特性を引き出すことができる。 1988.11.75 探査機ジオットが観測したハレー彗星 H.バルジガー/H.フェヒティヒ/J.ガイス 『ジオット』を初めとした,6機のハレー彗星探査機団が2年前に収集したデータの解析が進み,彗星の詳しい正体が解明され始めた。 1988.11.84 プラズマによる材料のコーティング H.ハーマン セラミックスや金属の粉末を高温プラズマで溶融して吹きつけると,耐食性,耐熱性,耐摩耗性に優れた被膜を形成することができる。 1988.11.9 視覚野の発見と井上達二の業績 N.グリックステイン 第一次視覚野が後頭葉にあることは,19世紀末に発見された。そこへの投射パターンの解明には,日本人の眼科医が大きな貢献をした。 1988.11.92 一般市民をも巻きこむ軍事施設への核攻撃 F.N.フォン・ヒッペル/B.G.レビ/T.A.ポストーン/W.H.ドハティ 米ソのどちらかが,軍事施設だけを狙った核攻撃を行った場合,約3000万人の一般市民が巻き添えを食って死亡することがわかった。 1988.12.110 エイズワクチンの開発 T.J.マシューズ/D.P.ボロネシー ワクチンの開発には,このウイルスがきわめて変異しやすいことなど,数々の問題点があるが,世界中で不断の努力が続けられている。 1988.12.120 社会問題としてのエイズ H.V.ファインバーグ 20世紀後半になって突然大流行しはじめたエイズは,私たち人類の隠された弱点を暴き出し,社会の多くの分野に影響を及ぼしている。 1988.12.129 日本のエイズの実情 西岡久壽彌 日本はエイズ患者・感染症の数こそ少ないがB型肝炎対策などの経験をいかした,個人と社会を防衛する積極的対策をとるべきである。 1988.12.20 エイズウイルスの分子生物学 W.A.ヘイゼルチン/F.ウォン=スタール エイズウイルスは体内で激しく増殖するが,潜伏したり穏やかに複製する時期もある。この違いは3つの調節遺伝子の相互作用による。 1988.12.32 エイズウイルスの起源 M.エセックス/P.J.カンキ ヒトとサルのエイズウイルスは共通の祖先から進化してきたようであり,両者の起源に関する知識は治療法やワクチンの開発に役立つ。 1988.12.54 米国のエイズの実情 W.L.ヘイワード/J.W.カラン 米国のエイズ患者は1992年には,約37万人になると見られている。しかし,エイズ対策はその感染経験を把握し,避けることしかない。 1988.12.64 世界のエイズの実情 J.M.マン/J.チン/P.ピオト/T.クイン 全世界に,エイズがどの程度広まっているかは,正確にはわからない。WHOでは,これまでの患者数は25万人を超えると推定している。 1988.12.74 HIV感染症の臨床医学 R.R.レッドフィールド/D.S.バーク エイズはHIV感染症として全体的にとらえるべきで,できるだけ早期にウイルスを検出することが,患者に延命をもたらすカギになる。 1988.12.88 HIVの細胞への感染 J.N.ウェーバー/R.A.ワイス HIVの細胞への感染については,エンベロープ・タンパク質gp120が細胞表面のCD4分子と結合する第1段階だけしかわかっていない。 1988.12.9 エイズ研究の現状1988年 R.C.ギャロ/L.モンタニエ ウイルス発見者2人のはじめての共同執筆でエイズの出現から,ウイルスの発見過程,治療薬やワクチン開発の可能性までを解説する。 1988.12.96 エイズ治療薬の開発 R.ヤーショアン/満屋裕明/S.ブローダー エイズの原因であるHIVの,増殖サイクルの仕組みがわかってきた。その中の弱点を集中的に攻撃する薬剤の開発が進められている。 1989.01.16 二足歩行をしていた猿人ルーシー C.O.ラブジョイ 300万年前の猿人女性ルーシーの骨盤を完全な形に復元して特徴を調べてみると,すでに直立して二足歩行をしていたことがわかった。 1989.01.26 別91 ガンは何によって転移するのか M.フェルドマン/L.アイゼンバック マウスでの研究によれば,転移しやすいガン細胞とそうでないガン細胞は,2種の主要組織適合抗原の発現している割合が違っている。 1989.01.50 雷の発生メカニズム E.R.ウイリアムス 壮大な自然現象である雷が発生するメカニズムには,依然として不明な点が多い。これは微小体物理学の進展が遅れているためである。 1989.01.62 別106 新しい免疫抑制剤FK506 落合武徳 茨城県筑波山山麓で見つかった放射菌が作り出すFK506は,現在最も有効な免疫抑制剤であるサイクロスポリンの100倍の効果がある。 1989.01.7 別98 準周期的変動をするX線天体 M.ファン・デル・クリス 銀河系中心部の非常に明るい天体が,X線パルス波を準周期的に放射することが確認された。そしてこの天体の正体解明が進んでいる。 1989.01.73 赤外領域の光ファイバー M.G.ドレクセージ/C.T.モイハニン 赤外線を通す光ファイバーは,理論的には現在の石英系ファイバーより透明度の高いものができ,数百kmの無中継伝送も可能になる。 1989.01.80 超流動の中の乱流 R.J.ドネリー 絶対温度2.17度以下の超流動ヘリウムで見られる「量子力学的な乱流」が,物理の難問である乱流現象を解明する糸口になりつつある。 1989.01.90 第三世界へのワクチン供給を阻むもの A.ロビンス/P.フリーマン 結核などの6大疾患のため,第三世界では毎年2000万人もの子供が死亡している。ワクチン供給が,うまく機能していないためである。 1989.02.18 軟X線レーザー D.L.マシューズ/M.D.ローゼン 可視領域レーザーに比べて,波長が1/100ほどに短い軟X線レーザーが,実験段階ではあるが,現実にビームを発生し始めている。 1989.02.26 地表に現れる幾何学模様 W.B.クランツ/K.J.グリーソン/N.カイン 極地や亜極地では,六角形や円などの規則的な幾何学模様が地表に見られる。これは地中の水分が凍結と融解を繰り返すためにできる。 1989.02.50 哺乳類の受精をつかさどる糖タンパク質 P.M.ワッサーマン 卵細胞周囲の透明帯に存在する糖タンパク質ZP3は,精子の結合や先体反応,多受精の防止など受精の際の多くの反応に関係している。 1989.02.58 幾何学的位相と量子力学 M.ベリー 幾何学的性質だけから生じる非ホロノーム性は,量子力学の波動関数が示す不思議な変化を説明し,古典力学に新しい見方を提供する。 1989.02.67 重力に適応したヘビの血液循環系 H.B.リリーホワイト 樹上性のヘビが木に登るときに貧血を起こさないのは,心臓が頭の近くにある上,体がピッチリとした皮膚で覆われているからである。 1989.02.7 脳の加塑性を担うMAP2 C.アオキ/P.シーケビッツ 出生後に脳のごく一部の構造や機能が変化する可塑的な性質には,MAP2と呼ばれるタンパク質が分子レベルでかかわっているらしい。 1989.02.76 有機強磁性体をめざす分子設計 岩村秀 従来の金属磁性体より多くの平行スピンをもつ「高スピン分子」が合成され,高分子材料で磁石を作るという目標にあと一歩と迫った。 1989.02.89 前インカ時代のかんがい用水 C.R.オートロフ インカ時代以前にあったチムー王国では,用水路に関する土木技術が発達していた。この有効性は,現在の水力学でも認められている。 1989.03.18 深発地震 C.フローリッヒ 地表下650H付近で起こる深発地震の発生メカニズムは不明な部分が多い。しかし最近になり,相転移が関係あることがわかってきた。 1989.03.26 化石類人猿プロコンスル A.ウォーカー/M.ティーフォード 60年余の間に発見された多くのプロコンスルの化石骨は,大型類人猿と人類の最も現在に近い時期の共通祖先であることを示している。 1989.03.50 液体はどのように混ざり合うか J.M.オッティーノ 2次元の容器に入れた2種類の粘性流体の混合パターンを調べると,カオスが生じることで両者が効果的に混ざり合うことがわかった。 1989.03.64 別94 ハイパー・コヒーレント光の実現 大津元一 量子力学的効果のため,レーザー光にも周波数揺らぎがある。しかし,レーザーの動作状態を制御すると,揺らぎの影響を除去できる。 1989.03.74 冬季うつ病はなぜ起こるのか R.J.ワートマン/J.J.ワートマン 日照時間が減少すると現れ,炭水化物を多量に食べたくなる冬期うつ病の原因は,メラトニンとセロトニンの分泌異常にあるらしい。 1989.03.8 別95 真核生物の遺伝子スイッチ M.プタシン 遺伝子の発現を調節する“スイッチ”にあたる仕組みは,真核生物でも,細菌など原核生物のものと同じであることが明らかになった。 1989.03.84 最短ネットワーク問題 M.W.ベルン/R.L.グラハム 与えられたすべての点が相互に連絡できるような最短の経路を求める問題は,スタイナー問題と呼ばれ,いまなお未解決のままである。 1989.03.92 科学哲学の先駆者アンペール L.P.ウイリアムズ 電流の単位のアンペアに名を残すアンペールは,電流の磁気作用を初めて定量的に研究するとともに,科学哲学に大きな足跡を残した。 1989.04.13 ソ連の宇宙開発 P.M.バンクス/S.K.ライド 宇宙における人類の滞在実験など,ソ連の宇宙活動状況が徐々に明らかになり,それにつれて,ソ連の実力や開発計画もわかってきた。 1989.04.24 色を判 別する色素遺伝子の発見 J.ネーサンス 網膜細胞の中の色を感知する色素の遺伝子が発見されたことによって,色覚の過程や色盲や色弱が起こるメカニズムがわかった。 1989.04.34 海の中の巨大な滝 J.A.ホワイトヘッド 海水の大規模な対流が原因となって海の中に発生する巨大な滝は,高さがほぼ3500m,流量は毎秒500万立方mで,陸上の滝の比ではない。 1989.04.56 別94 高温超伝導体の応用分野 A.M.ウォルスキー/R.F.ギース/E.J.ダニエルス 高温超伝導体が開発され新しい超伝導応用への期待が高まっているが,その実用化にはまだ解決しなれけばならない課題が数多くある。 1989.04.68 別95 RNAのアミノ酸認識仮説 清水幹夫 tRNAのアンチコドン3個と識別位塩基1個が複合立体構造を作り,その穴でアミノ酸分子を認識するというC4N仮説が提唱された。 1989.04.80 カナリアの歌と神経発生 F.ノティボーム カナリアの歌が毎年変わるのは,脳の中のHVCとRAという2つの部位の神経が,毎年新しく発生する神経と取り換わるためらしい。 1989.04.88 超音波がひらく新しい化学 K.S.サスリック 液体中に超音波を照射すると,気泡が発生して圧縮破壊され高温高圧状態が発生する。これは薬品合成や新素材開発などに利用できる。 1989.04.96 歯が語るアジア民族の移動 C.G.ターナー 遺伝的に安定した歯の形態を比較・研究することによって,先史時代にアジアから起こった民族の大移動の様子が明らかになってきた。 1989.05.16 別91 ガンの薬剤耐性 N.カートナー/V.リング ガンが複数の薬剤に対して同時に耐性をもつようになるのは,毒素を細胞外へ排出するP糖タンパク質の働きによるものと考えられる。 1989.05.26 ソーラーカーの可能性 H.G.ウイルソン/P.B.マックレディ/C.R.カイル 1987年にオーストラリアで開かれたソーラーカー・レースの成功で,環境汚染の心配がないソーラーカーが,また一歩実現に近づいた。 1989.05.46 昆虫の変態を引き起こす脳ホルモン 鈴木昭憲/石崎宏矩 脳ホルモンのアミノ酸配列が解明されるとともに,インスリンと非常によく似たアミノ酸配列をもつ脳ホルモンがあることもわかった。 1989.05.58 巨大分子の結晶 A.マクファーソン 巨大分子結晶の構造を探るX線解析法の発達に伴って,タンパク質や核酸の傷のない巨大分子の結晶の生成技術も大きく向上している。 1989.05.68 プラズマ粒子加速器 J.M.ドーソン プラズマ中にレーザーや電子ビームを入れると,強力な加速電場が発生するので,これを利用する新世代加速器技術の検討が始まった。 1989.05.7 見直しを迫られる米国の宇宙政策 J.M.ログスドン/R.A.ウイリアムソン 米国の宇宙計画は科学,軍事,商業の各面で予定が3年遅れている。このため,21世紀をめざす明確な宇宙政策の策定が急がれている。 1989.05.78 強迫神経症はなぜ起こるか J.L.ラポポート バカバカしいと思いながら儀式的行動を止めることができない強迫神経症は,脳の基底核付近の異常によって起こっている場合がある。 1989.05.88 別93 地球化学的な炭素循環モデル R.A.バーナー/A.C.ラサガ 数百万年規模で起こる「地球化学的」炭素循環の計算機モデルによると,数億年前の地質時代にも温室効果で地球が温暖化したらしい。 1989.06.18 別95 タンパク質の生産量を支配するmRNAの代謝回転 J.ロス タンパク質の生産量は,その鋳型となるmRNAの合成速度だけでなく,崩壊速度(代謝回転速度)にも影響されている。 1989.06.28 別94 量子干渉とアハラノフ・ボーム効果 Y.イムリー/R.A.ウェッブ アハラノフ・ボーム効果が検証されて,直観に反する量子力学の本質が明らかになるとともに,新しい電子デバイスの可能性が開けた。 1989.06.56 多様な働きをする脳の細胞“アストロサイト” H.K.キメルバーグ/M.D.ノーレンバーグ 神経細胞を支持する働きしかないと考えられてきたアストロサイトが,脳の機能や発達に中心的役割をもっていることがわかってきた。 1989.06.67 自由電子レーザー H.P.フロインド/R.K.パーカー 電子ビームと磁場の相互作用を利用したレーザーは,波長可変でエネルギー効率が高く高出力化が可能なので,広い応用が期待される。 1989.06.7 別93 実測データが示す地球温暖化 R.A.ホートン/G.M.ウッドウェル 二酸化炭素やメタンなど,温室効果ガスの増加で,地球温暖化が進んでいる。この温暖化傾向を打破する,世界的な対策が必要である。 1989.06.74 臭いで池への道を知るヒキガエル 石居進 冬眠からさめたヒキガエルは繁殖のために自分の生まれた池に帰るが,その道は,ルート上の何ヶ所かの臭いをもとにして知るらしい。 1989.06.86 カウアイ島の子供たちの成長記録 E.E.ワーナー 1955年にハワイのカウアイ島で生まれた子供たち698人を対象に行われた,30年間の観察研究から,人間の成長過程を明らかにする。 1989.06.94 ゴマフアザラシの感覚機能 D.リヌーフ 水陸両生の習性をもつゴマフアザラシは,独特な聴覚と視覚機能をもっている。だが,これ以外の感覚機能には,未解明の部分も多い。 1989.07.16 新しい元素の創造 P.アームブルスター/G.ミュンツェンベルク 比較的軽い元素の標的に,中程度の原子を衝突させて「冷たい核融合」を起こし,原子番号107,108,109番の新しい元素が合成された。 1989.07.24 トポバイオロジー G.M.エーデルマン 細胞同士や細胞と基質をつなぐCAMやCJMそれにSAMといった分子は,発生途中でその分布状態を変えて,動物の形を作っていく。 1989.07.46 オーロラはどうして起きるか 赤祖父俊一 太陽風と地球磁場との複雑な相互作用によって巨大な発電機が形成され,そこで起こされた電力がオーロラ発光の原動力となっている。 1989.07.56 背中に育児嚢をもつカエル E.M.デル・ピノ 背中の袋で子供を育てる“子育てガエル”には,生理的には哺乳類に,発生上は鳥類に似た部分があるが,他に見られない特徴もある。 1989.07.66 「ぎんが」が観測したガンマ線バースト 村上敏夫 宇宙空間からガンマ線が短時間だけ降り注ぐ現象,ガンマ線バーストの未知の部分が,科学衛星「ぎんが」によって,解明されたきた。 1989.07.7 別93 アマゾン多雨林の危機 P.A.コランボウ アマゾンの多雨林は,激しい気候の変動に対応して変化し,多種多様な生態系を維持してきた。しかし人間の破壊活動には無力である。 1989.07.78 医療での光ファイバー応用 A.カツィール 極細径のファイバー,各種の光センサー,赤外線ファイバーの実現により,診断と治療が同時にできる近未来のシステムが見えてきた。 1989.07.86 天体物理学を築いたラッセル D.H.ドゥボーキン 分光天文学と物理学の融合を目指したラッセルは,恒星スペクトルの組成解析などの偉業を残し,近代的な天体物理学の基礎を築いた。 1989.08.18 隠れた断層で起きる大地震 R.S.スタイン/R.S.イェーツ 大地震は,褶曲地形の下に隠れた断層で起こることもある。この地震の被害はかなり大きいことが多いが,それを予知するのは難しい。 1989.08.30 動物化石の宝庫サン・ジョルジオ T.ビルジン/O.リッペル/P.M.サンダー/K.シャンツ スイス南部のモンテ・サン・ジョルジオ山地から,三畳紀の脊椎動物の化石が多く発見され,古代動物を探る貴重な資料になっている。 1989.08.50 別95 遺伝子の発現を調節するDNAのメチル化 R.ホリデイ 細胞の分化は,遺伝子の発現が制御されて起こるが,高等生物では,DNA中のシトシンのメチル化がこれに深く関係しているらしい。 1989.08.60 睡眠物質の発見者・石森国臣 久保田競 睡眠物質の存在は,1971年にパッペンハイマーが証明したといわれているが,実は,その62年前に生理学者の石森国臣が発見していた。 1989.08.7 “MadeinAmerica”復活への提言 L.C.サロー/R.M.ソロー/M.L.ダートウゾス/S.バーガー/R.K.レスター 世界一を誇った米国の産業が日本やヨーロッパに後れをとっている。原因は何で対策はどうすればよいか,その具体策を明らかにする。 1989.08.70 電子と陽電子のチャネリング A.H.サーレンセン/E.ウガホイ チャネリング放射光は,結晶の格子軸や格子画に沿って運動する荷電粒子から発生し,新しいX線やガンマ線源として期待されている。 1989.08.78 フーリエ変換 R.N.ブレイスウェル 時間的に変化する複雑な波を,簡単な正弦波の足し合わせで表現するフーリエ変換は,信号処理や画像解析の強力な手段となっている。 1989.08.88 大理石彫刻の科学的鑑定法 S.V.マーゴリス 古代に制作された大理石彫刻の真贋を判定するため,地球化学的・地質学的な手法を利用した,科学的な鑑定法が徐々に広まってきた。 1989.09.18 別99 地殻の割れ目で起こる噴火 R.S.ホワイト/D.P.マッケンジー 地球表層部の地殻が割れると,その部分にマントル物質が上昇してくる。この物質が周囲より高温のため,火山噴火が引き起こされる。 1989.09.30 スピングラス D.L.ステイン スピングラスの原子間では,不規則な磁気的相互作用が起こっている。この現象を数学モラルで置き換えると,生物学などにも役立つ。 1989.09.52 記憶とニューラルシステム D.L.アルコン 記憶のメカニズムは分子や組織のレベルで明らかになりつつあり,その知識はコンピューターの記憶システム構築の際にも有用である。 1989.09.66 電磁力励起による長波長半導体レーザー 森本武 エネルギーギャップの狭い半導体を強磁場中で励起することにより,不可能とされていた赤外線領域のレーザー発振が室温で実現した。 1989.09.8 ABM条約と宇宙での兵器実験 A.B.カーター 1972年に締結されたABM(弾道弾迎撃ミサイル)条約は不備な点が多く,米ソ軍備管理交渉でも,その改正が中心課題となっている。 1989.09.80 妊娠・授乳期を支える消化管ホルモン K.ユブナス=モベルグ 妊婦や乳児は多量のエネルギーが必要であるが,消化管ホルモンの調和のとれた働きによって食物が特に効率的に消化吸収されている。 1989.09.88 宇宙飛行士が見た地球の色 V.V.バスーチン/A.A.ティシチェンコ 宇宙船から地球を見るとどんな色に見えるだろうか?ソ連宇宙飛行士たちの実験をもとに宇宙色彩学が築き上げられようとしている。 1989.09.96 合成ゼオライト G.T.カー シリコン,アルミニウム,酸素などで構成された多孔質のゼオライトは,改質ガソリンやパラキシレンの製造触媒に広く使われている。 1989.10.18 別98 超新星1987A S.ウーズリー/T.ウイーバー 1987年2月23日,大マゼラン雲で超新星爆発が起こり,天文学者は大質量星の死をさまざまな角度から詳細に観測する機会に恵まれた。 1989.10.30 細胞の機能を変えるウイルス M.B.A.オールドストーン ウイルスには,細胞が生きていくための機能には影響を及ぼさないが,“ホルモンの生産”といった特殊な機能だけを抑えるものがある。 1989.10.56 有機アルミニウムによる精密な反応設計 山本尚 有機アルミニウムを用いた体積の大きい反応剤を使うことによって,ほしいものだけを作り出す精密な反応が設計できるようになった。 1989.10.68 カンタンの生殖戦略 D.H.ファンク カンタンの鳴き声は,雄が雌を引き寄せる生殖戦略のひとつである。このほか,交尾についても,数多くの行動パターンが観察された。 1989.10.78 “変身”を遂げる情報処理 D.ゲラーンター ハード,ソフト両面の進歩によって,従来の単なるデータ処理から,事実を有用な知識に変換する「情報の精製」へと変わりつつある。 1989.10.88 外部からの音を制御する中耳の筋肉 E.ボルグ/S.A.カウンター 大きな音を聞くと中耳にある2つの筋が無意識に収縮し,その結果,耳小骨の振動が緩和されて,内耳に到達する聴覚刺激が減少する。 1989.10.9 動物実験に代わる毒性試験法 A.M.ゴールドバーグ/J.M.フラツィアー 化学物質の安全評価法である動物実験は高価なうえ,動物愛護の面でも問題がある。そこで培養細胞を使った新しい試験法が登場した。 1989.10.96 地球の年齢論争 L.バダッシュ 地球の年齢は,現在では45億年だとされている。しかし,この結論に達するまでには,地質学者と物理学者の間で激しい論争があった。 1989.11.102 別96 産業資源の再利用 R.A.フロッシュ/N.E.ガロパロス ある生産工程から出る廃棄物を,別のプロセスの原材料として使えば,資源の節約や,環境破壊の防止につながる。 1989.11.113 別96 持続可能な経済開発への道 J.マクネイル 経済開発の進展に伴い,かつてない規模と速さで環境破壊が進んでいるが,環境保全と経済開発の調和は可能である。 1989.11.124 別96 人類が生き残るために W.D.ラッケルズハウス 持続可能な世界への具体策を実行するには,情報収集や関係機関の調整を行なう権威ある国際組織が不可欠である。 1989.11.134 別96 地球環境問題と日本 柳下正治/岡崎誠/石野耕也 環境資源に支えられ高度な経済活動を営む日本は,その技術力,経済力を生かして地球環境問題に取り組むべきだ。 1989.11.18 別96 変貌する大気 T.E.グレーデル/P.J.クルッツェン 窒素や酸素などの主要成分の濃度は変わらないが,ppmやppb単位で測る微量気体が,この2000年間に急増している。 1989.11.28 別96 変化する気候 S.H.シュナイダー 二酸化炭素の放出を速やかに削減することが,温室効果ガスの蓄積を遅らせて地球規模の危険な実験を緩和させる。 1989.11.52 別96 危機に瀕する水資源 J.W.モーリッツ・ラ・リベエール 工業化が発展し,河川や海洋に投棄される産業廃棄物が増してきた。そして環境や生態系が,破壊され始めている。 1989.11.62 別96 急速に減少する生物種 E.O.ウイルソン 世界中には少なくとも400万種の生物がいると思われるが,毎年4000〜6000種が絶滅していると,推定されている。 1989.11.70 別96 増え続ける世界の人口 N.キーフィッツ 人口が過度に増加すると,飢饉や生活水準の低下を招く。そして最終的には環境破壊までも引き起こすようになる。 1989.11.8 別96 地球を守る W.C.クラーク 有限の資源と傷つきやすい環境をもった地球の管理こそ,21世紀に向けて人類が解決すべき最大の挑戦課題である。 1989.11.82 別96 食糧増産の戦略 P.R.クロッソン/N.J.ローゼンバーグ 世界の人口は1世紀後に100億人になって安定するだろう。100億人分の食糧を作る技術の開発自体は可能である。 1989.11.92 別96 エネルギー利用の戦略 J.H.ギボンス/P.D.ブレア/H.L.グウィン 地球の温暖化現象を悪化させない新エネルギー源を開発するまでは,既存エネルギー源の効率改善に努めるべきだ。 1989.12.100 猛威をふるうホテイアオイ S.C.H.バレット 水に浮くホテイアオイとオオサンショウモは栄養生殖で急速に増えるので,各地で被害が続出しているが,天敵が有効な防除法になる。 1989.12.16 紡錘糸はどのように染色体を分けるのか J.R.マッキントッシュ/K.L.マクドナルド 紡錘体を構成している微小管は,細胞分裂時に染色体を2つに分け,別々の場所に集めるが,その精巧な仕組みが明らかになってきた。 1989.12.27 スタンフォード線形コライダー J.R.リース 既存の加速器を改造することもあり,完成までに多くの困難があったが,リング型でない初の線形コライダーがついに運転を開始した。 1989.12.60 細胞の持続反応とカルシウムサイクル H.ラスムッセン インスリンの分泌など,刺激を受けるとしばらくの間持続する反応には,細胞膜でのカルシウムの流失・流入量の増減が関係している。 1989.12.7 米国産業を再生させる6カ条 R.B.ライク 世界市場で競争力の衰えが目立つ米国企業が以前の力を盛り返すためには,日本企業を参考に,6つのポイントを実行する必要がある。 1989.12.71 別96 南半球でも増え続ける一酸化炭素 R.E.ニューウェル/H.G.ライクル/W.ザイラー 一酸化炭素は,北半球の工業地帯から発生するだけではない。南半球の熱帯降雨林の燃焼で,かなりの一酸化炭素が生み出されている。 1989.12.80 生物が分解するプラスチック 土肥義治 微生物がつくるポリエステルは,大地や海洋にすむ微生物によって分解されるので,環境を守るプラスチックとして研究が進んでいる。 1989.12.90 別94 走査プローブ型顕微鏡 H.K.ビックラマシンゲ 走査トンネル電子顕微鏡の技術が発展し,絶縁体や磁性体はもちろん,生きた生物でさえナノメートルのレベルで観察が可能になった。 1990.01.18 別97 海王星 J.キノシタ 12年の飛行で4番目の目的地“海王星”に到達したボイジャー2号は,45億kmの彼方から,すばらしい画像を地球に送り届けてきた。 1990.01.28 二重ベータ崩壊 M.K.モー/S.P.ローゼン ニュートリノを放出しない二重ベータ崩壊が予言されており,その検出は,ニュートリノに質量があるかどうかの問題と関係している。 1990.01.48 血液脳脊髄液関門 R.スペクター/C.E.ジョハンソン 脈絡叢と呼ばれる組織は,血液から脳脊髄液に入るビタミンや核酸の量を調節することによって,脳内の化学的環境を安定にしている。 1990.01.58 においと味のメカニズム 栗原堅三 嗅細胞や味細胞は,外界からやってくる化学物質をどのようにして感知するのか。その仕組みが,分子レベルで明らかになりはじめた。 1990.01.7 T細胞はどのようにして抗原を認識するか H.M.グレイ/A.セッテ/S.ブース T細胞が抗原を認識するには,他の細胞が抗原を捕らえてアミノ酸に分解し,それをタンパク質にくるんで提供することが必要である。 1990.01.70 スペースシャトルはなぜ光るのか D.E.ハントン 地球低軌道を飛行するスペースシャトルは,大気中の原子状酸素のため機体表面が浸食されたり,オレンジ色の光を発したりしている。 1990.01.78 メタノール自動車 C.L.グレイ/J.A.アルソン 公害発生源とされている自動車の燃料を,ガソリンからメタノールに切り替えれば,環境破壊問題やエネルギー危機問題も解決できる。 1990.01.88 イエローストーンの森林火災 W.H.ローム/D.G.デスペイン 数カ月のうちに5600平方kmもの広い地域を焼きつくした大火災も,森林生態学からみれば決して脅威ではなく,生態系の一部にすぎない。 1990.02.16 脳の発達とシナプスの形成 R.E.カリル 胎児期から新生児期にかけてみられる,脳内でのシナプスの形成には,若い神経線維に発生する活動電位が大きな影響を及ぼしている。 1990.02.26 実測値でみた地球磁場の変遷 J.ブロクシャム/D.ガビンズ 地球深部の外核を渦を巻きながら流れている溶けた鉄の運動と,地球磁場が変化する現象の間には,密接な関係があることがわかった。 1990.02.50 カラー写真の誕生 G.B.ローマー/J.ドラモワール カラー化の試みは,150年前の実用写真の登場以前から始まっており,19世紀末には現在のカラー写真の原型といえるものが誕生した。 1990.02.60 魚の鰓障害が示す水質汚染 福田芳生 魚の鰓は,水中の環境汚染物質や有害生物によってさまざまな障害を受けるが,魚は鰓の呼吸上皮を厚くしてこれに対抗しようとする。 1990.02.7 戦略兵器削減の検証問題 S.N.グレイビール/P.B.マックフェイト 米ソ間での戦略兵器削減をめざすSTART交渉は,思うように進展していない。その理由の1つが,兵器削減事実の検証問題である。 1990.02.72 分子と固体をつなぐ“マイクロクラスター” M.A.ダンカン/D.H.ルーブレイ 原子が数百個程度まで集まった集合体は,固体でも分子でもない別の物質相であり,物質とは何かをさぐる上で優れた研究材料になる。 1990.02.80 ゴクラクチョウの繁殖戦略 B.M.ビーラー ゴクラクチョウの仲間には,一夫一婦制をとるものと一夫多妻制をとるものとがあるが,これは,何を主食としているかに関係がある。 1990.02.90 テレオペレーター W.R.ウッタル 過酷な環境の下で,人間の代わりに作業してくれる機械が,テレオペレーターである。しかしそれは,完全自動化のロボットではない。 1990.03.18 論争-機械はものを考えるか--NO:プログラムは記号でしかない J.R.サール コンピューターは,プログラムという,意味のない記号を操作しているにすぎず,両者は人間の脳と心のような関係にはないのである。 1990.03.27 論争-機械はものを考えるか--YES:統合化が心をつくる P.M.チャーチランド/P.S.チャーチランド 古典的なAI(人工知能)では,意識をもつ機械は作れない。しかし,人間の脳をまねたニューラル・システムなら可能かもしれない。 1990.03.48 別95 アンチセンスRNAとDNA H.M.ワイントラウブ RNAやDNAと結合するアンチセンス分子が,遺伝子の発現を止めることによって,ある種の病気を引き起こしている可能性がある。 1990.03.57 何が氷河期を引き起こすか W.S.ブロッカー/G.H.デントン 氷河の成長や後退と地球軌道の周期の変化は直接には関係がない。大気や海洋の状況が大きく変化した結果,氷河期が起こるのである。 1990.03.6 肝細胞増殖因子の発見と構造決定 中村敏一 肝臓の再生力はたいへん強力であるが,そのもとになる肝細胞の増殖を促す因子が発見され,その遺伝子の塩基配列も明らかになった。 1990.03.68 自然はなぜ左右非対称なのか R.A.ヘグストローム/D.K.コンデプディ 原子や分子からDNA,アミノ酸,タンパク質,細胞,動植物にいたるまで,自然には鏡対称構造のうちの左か右のどちらかしかない。 1990.03.80 微小プラズマの物理 J.J.ボリンシャー/D.J.ワインランド 電磁場容器の中に数個から数百万個のプラズマを閉じ込め,レーザー法で極低温まで冷やすと,中性子星と同じ物質状態を実現できる。 1990.03.90 宇宙背景放射探査機COBE S.グルキス/P.M.ルービン/S.S.マイヤー/R.F.シルバーバーグ 「ビッグバン」によって宇宙が誕生したという現在の宇宙形成理論を検証するため,米航空宇宙局は宇宙背景放射探査機を打ち上げた。 1990.04.100 経済活動を説明する“正のフィードバック” W.B.アーサー 古典的な経済学では,現在の社会で起こっている経済活動を厳密に説明することはできない。そこで,新しい経済理論が登場してきた。 1990.04.15 ガンの痛みを取り除く新しいモルヒネ投与法 R.メルザック モルヒネは麻薬常習の危険があるため,不十分な量しか使われなかった。しかし,投与法を変えればガンの痛みを鎮めることができる。 1990.04.24 太陽活動の地球への影響 P.V.フォーカル 太陽磁場の変動に伴って太陽が反射する紫外線,X線,荷電粒子の量が変動し,この変動が地球環境にさまざまな影響を及ぼしている。 1990.04.34 植物はどのようにして酸素をつくるか ゴビンジー/W.J.コールマン 緑色植物とシアノバクテリアは電子を得るために水を分解するが,この分解は,水の酸化クロックと呼ばれる巧妙な装置が担っている。 1990.04.56 身体の中のカオスとフラクタル A.L.ゴールドバーガー/D.R.リグニー/B.J.ウエスト 肺につながる気道全体はフラクタル構造を示し,心臓の拍動リズムはカオス的変化を示す。 1990.04.66 母性遺伝の分子細胞メカニズム 黒岩常祥 遺伝現象の中には,母親の形質だけが子に伝わる「母性遺伝」がある。これがどのような段階を経て起こるのかが明らかになってきた。 1990.04.80 ガリウムヒ素半導体の進展 M.H.ブロドスキー スイッチングが速く,光素子も作れるという特徴を生かし,ガリウムヒ素半導体は,コンピューターや通信の分野で応用を広げている。 1990.04.92 血液を分けあうチスイコウモリ G.S.ウイルキンソン ウマやウシの血を吸うチスイコウモリは,二晩,吸血に失敗すると死んでしまうが,そのような時は,親しい仲間が血を分けてくれる。 1990.05.16 インターロイキン2の発見と応用 K.A.スミス 侵入してきた異物を集中的に攻撃するために体内の免疫細胞群はインターロイキン2と名付けられた物質を通じて必要な能力を高める。 1990.05.26 新しい核分裂 W.グライナー/A.サンデュレスク ウランの発見から約40年が経過し,ようやく新しい放射線が発見された。この根拠となつたのが「二中心殻模型」という新理論である。 1990.05.49 世界通信網を超える情報通信技術 K.ライト マクルーハンが予言した“地球村”を超える新しい世代の情報通信技術が芽をふき出した。 1990.05.66 安定な大陸地殻で発生する地震 A.C.ジョンストン/L.R.カンター 文献や地史の研究から,プレート境界から遠く離れた大陸中央でも,数百年から数千年の間隔で大地震が起こっていることがわかった。 1990.05.7 月面天文台 J.O.バーンズ/N.デューリック/G.J.テイラー/S.W.ジョンソン 月面は太陽系のなかで天体観測に最も適した場所である。建設計画がすすむ月面天文台は天文学に新しい地平を開くことになるだろう。 1990.05.76 水中の餌をこしとって食べる動物たち S.L.サンダーソン/R.ワッサーサグ ヒゲクジラやカモ,サメ,オタマジャクシは水中に浮かぶ餌を食べる動物であり,そのため,彼らの頭部や口の構造は特殊化している。 1990.05.84 太陽風プラズマの物理学 寺沢敏夫 「さきがけ」や「すいせい」など慧星探査機による観測結果の分析から,太陽風プラズマの振る舞いや加速機構が明らかになってきた。 1990.05.94 無意識のうちに行なう判断 J.ワイス 精神療法を受けている患者を対象にした精密で定量的な研究から,人間は,無意識にある種の計画をたて,実行できることがわかった。 1990.06.16 遺伝子を自動的に複製するPCR法の発見 K.B.ミュリス 遺伝子のコピーを簡単に,しかも大量につくり出すPCR法は,筆者がカリフォルニアの山岳地帯をドライブしている最中に考えついた。 1990.06.26 銀河系の中心で何が起こっているか C.H.タウンズ/R.ゲンツェル 電波や赤外線領域で銀河系の中心を観測した結果,そこには何も発しない巨大質量天体・ブラックホールがあるらしいことがわかった。 1990.06.52 溶媒中の化学反応速度 立矢正典 反応分子と溶媒との相互作用を「平均自由行程」という量で表わし,再結合反応速度を統一的に記述する新しい理論モデルが誕生した。 1990.06.64 安全で経済的な新型軽水炉 M.W.ゴレー/N.E.トドリアス 原理的により優れた「受動的な」安全特性を備え,効率的な管理や経済性を考慮した新型軽水炉が,原子力発電を魅力あるものにする。 1990.06.74 地球上のクレーター R.A.F.グリーブ 地球上に残る隕石クレーターは,数こそ少ないが隕石衝突の衝撃の激しさを雄弁に物語っている。生物の進化にも影響を与えただろう。 1990.06.8 別96 政策が加速する熱帯林破壊 R.レペト 熱帯林を抱える発展途上国政府の多くは,過度の伐採や開墾を政策的に奨励している。これが熱帯林の急速な破壊に拍車をかけている。 1990.06.83 眼の感度を調節するカブトガニの脳 R.B.バーロー カブトガニの眼の感度は,夜には昼の100万倍になるが,これは脳内の体内時計が眼に信号を送り,網膜の機能を調節するからである。 1990.06.90 古陶磁器の色とつや P.B.バンディバー 古来の陶磁器の美しい色やつやをつくり出している釉薬の技術は,現代のハイテク・セラミックスにつながる精巧で高度なものである。 1990.07.104 科学が証言台に立つ時 P.N.ニューフェルド/N.コールマン 血液検査などの科学鑑定は裁判の行方を大きく左右するが,その検査自体が信頼できるか否かについての科学的な議論は不十分である。 1990.07.113 アフリカの人口爆発 J.C.コードウェル/P.コードウェル 世界のほとんどの地域での動向とは逆に,サハラ砂漠以南のアフリカでは宗教や社会的な圧力から人口増加に歯止めがかかっていない。 1990.07.18 低空高速用パラシュート C.W.ピーターソン 高度100mを時速1500kmで飛ぶジェット機から投下された物質を,時速70kmまで急激に減速させるパラシュートが開発されている。 1990.07.26 予想より少なかった太陽ニュートリノ J.N.バーコール 太陽中心部から放出されるニュートリノの量について詳しい観測が行なわれ,その値が従来の理論値と決定的に異なることが判明した。 1990.07.38 これからのクルマはどうなるか K.ライト 道路情報などをリアルタイムで表示する“インテリジェント・カー”の開発が進んでいる。 1990.07.8 培養リンパ球を使ったガン治療 S.A.ローゼンバーグ 患者の血液やガンの結節から取り出したリンパ球をインターロイキン2で増殖し,再び患者の体内に戻す免疫療法の研究が進んでいる。 1990.07.82 冷やすと消えるナメクジの記憶 関口達彦 食物で条件付けした後にナメクジを冷却すると,記憶が失われることがわかった。この現象を利用すると,記憶の構造が明らかになる。 1990.07.94 始祖鳥 P.ウェルンホーファー 始祖鳥が,現在の鳥の直接の祖先かどうかははっきりしていない。だが,その骨格は明らかに爬虫類と鳥類の中間の特徴をもっている。 1990.08.16 イザリウオ類の愉快な生態 T.W.ピエッチ/D.B.グロベッカー イザリウオの仲間は,周囲の環境にそっくりに体の色を変え,背びれが変化してできた“疑似餌”で獲物をおびきよせて一気に吸い込む。 1990.08.26 別97 冥王星と巨大衛星シャロン R.ビンゼル 凍りついたメタンの表面と稀薄な2層の大気をもつ冥王星は,直径が冥王星の1/2もある巨大衛星シャロンをつれて公転している。 1990.08.54 別99 中央海嶺の不連続構造 K.C.マクドナルド/P.J.フォックス 地球を野球ボールに例えれば,縫い目に当たるのが中央海嶺。全長7万5000km,地上最長のこの山脈は寸断されていることがわかった。 1990.08.66 妊娠中絶薬RU486 A.ウルマン/G.トウェッチ/D.フィリベール 化学構造がプロゲステロンに似ているこの薬は,プロスタグランジンと併用することによって,安全確実に流産を起こすことができる。 1990.08.74 音波情報を処理するコウモリの神経機構 菅乃武男 コウモリは,獲物に当たって返ってきた音波を自分が発したパルスと比較分析するためにきわめて高度な神経機構をつくりあげている。 1990.08.8 自然に帰る米国農業 J.P.レガノルド/R.I.パペンディック/J.F.パール 化学肥料と農薬に依存した結果,土壌流失などの耕地の荒廃を招いた米国農業は,自然を最大限に活用する持続的農業に転換し始めた。 1990.08.84 ヘリウム3超流動渦の発見 O.V.ルーナスマ/G.ピケット フェルミ粒子であるヘリウム3は,絶対温度0.001度という超低温で初めて超流動になって,ヘリウム4にはない奇妙な渦糸をつくる。 1990.08.94 マグマがつくる天然ガス 脇田宏 地下数千mの火山岩層に存在する天然ガスの起源は,マグマに由来する二酸化炭素や水素などが炭化水素に変化したものと考えられる。 1990.09.106 無秩序を否定するラムジー理論 R.L.グラハム/J.H.スペンサー 星ぼしが星座を作るように,大きな数が集まると,そこには必ずある規則に従ったグループができてしまうことを,この理論は教える。 1990.09.18 糖尿病を引き起こす自己免疫作用 M.A.アトキンソン/N.K.マクラーレン インスリン依存型の糖尿病は,自分の免疫系がすい臓のベータ細胞を冒す自己免疫疾患であり,そのメカニズムが明らかになってきた。 1990.09.28 新時代に入った宇宙開発競争 E.コーコラン/T.ベアズリー 米国が長く独占していた衛星打ち上げに,ソ連,欧州,日本,中国などの競争者が現れた。衛星ビジネスは戦国時代に突入している。 1990.09.54 電子顕微鏡像に現われた正五角対称 平賀賢二(お名前の賢は,右上が又でなく忠) 非周期構造でありながら規則正しい原子配列をもった準結晶を説明するため,ペンローズ格子と原子クラスターを組み合わせたモデルが提案された。 1990.09.66 成長する正二十面体 梶川泰司 正十二面体を分割して作った10種のモジュールを放射対称的に最構成していくと,正十二面体,正二十面体などさまざまな5回対称多面体が現れる。 1990.09.78 脊椎動物の形を作るホメオボックス遺伝子 E.M.デ・ロバーティス/G.オリバー/C.V.E.ライト 無脊椎動物の体を作るのに重要な役割を果たすホメオボックス遺伝子が脊椎動物にもある。 1990.09.88 世界最大の加速器LEPコライダー S.マイヤース/E.ピカソ 電子と陽電子を衝突させてZ0粒子を作り出す円形加速器が動き始めた。得られたデータから.Z0粒子の寿命や質量がわかる日も近い。 1990.09.9 地球温暖化論争 R.M.ホワイト 気温の上昇は人類社会に壊滅的な影響を与えるが,起こるという科学的な証明はできていない。私たちはこの問題にどう対処すべきか。 1990.09.98 打ち上げ花火の光彩 J.A.コンクリング 花火の赤や青の色は,配合されたストロンチウム,銅などに由来する。アルミニウムは強烈な白色光を発するが,鉄は鈍い金色になる。 1990.10.22 中東に広がる弾道ミサイル J.E.ノラン/A.D.ウィーロン 先進超大国の武器輸出競争は,第三世界のミサイル保有数を急激に伸ばしている。中東を中心に,世界はミサイル新時代に突入した。 1990.10.32 地球温暖化を断言する P.D.ジョーンズ/T.M.L.ウィグリー 地球の温暖化については,否定説も出ているが,観測データを徹底的に分析すると,やはり地球は温暖化していることがわかった。 1990.10.42 レーザー走査顕微鏡の開発 大出孝博 レーザービームで走査し,反射信号をメモリーに蓄えることで,広い範囲に焦点の合う新しい顕微鏡が誕生した。 1990.10.6 検証:臓器移植 編集部・豊川博圭/福田夏樹 心臓移植の再開には脳死を死と認める社会的合意が必要という不思議な理論が横行し,科学の芽を摘み取ってしまった。 1990.10.62 フラクタル言語 H.ユルゲンス/H-O.パイトゲン/D.ザウペ フラクタルは幾何学を記述する新しい言語である。その構成要素はそれぞれ独立した意味をもち,漢字のような表意文字に近い。 1990.10.74 高温超伝導体の結晶構造 R.J.キャバ 「1-2-3物質」に代表されるような銅酸化物高温超伝導体は,結晶構造の中に電子が自由に動き回れる銅-酸素面をもっている。 1990.10.90 損傷が深刻化するマヤの壁画 J.キノシタ 大気汚染や酸性雨の影響でマヤ遺跡の壁画が色あせてきた。早急に写真撮影や模写を行って記録に残さねばならない。 1990.10.98 融点と凝固点が異なる物質 R.S.ベリー 普通,物質の融点と凝固点は同じだが,分子や原子が数個から十数個集まったクラスターには,融点が凝固点より高いものがある。 1990.11.110 原子力エネルギー W.ヘーフェレ 安全性,廃棄物処理,核兵器の拡散問題を国際機関で管理すれば,原子力は地球温暖化を阻止する強力な援軍となるだろう。 1990.11.120 太陽エネルギー C.J.ワインバーグ/R.H.ウイリアムズ 太陽電池,バイオマスなど環境にやさしいエネルギーが実用段階を迎えた。普及のためには社会システムを変える必要がある。 1990.11.130 21世紀のエネルギー J.P.ホルドレン いま最も重要なのは,先進各国が協力体制をつくり,もてる資金と人材を代替エネルギー開発と効率改善の研究に投入することだ。 1990.11.20 地球にやさしいエネルギー G.R.デービス 増大するエネルギー需要に応じながら地球環境を維持するには,世界全体を「持続可能」な経済社会へと変えなければならない。 1990.11.30 電力利用の効率化 A.P.フィケット/C.W.ゲリングス/A.B.ロビンス 将来にわたって世界が必要とするエネルギーを供給していくには,最新技術の成果を活用して,大規模な電力の節約を行う必要がある。 1990.11.42 ビルと住宅の省エネルギー R.ベビントン/A.H.ローゼンフェルド 業務用ビルは省エネの潜在力がきわめて高い。私たちは,効率改善への設備投資が将来の大きな節約につながることを意識すべきだ。 1990.11.58 産業分野の省エネルギー M.H.ロス/D.スタインメイヤー 産業界は省エネ投資と生産効率の向上を進め,商品構造を軽薄短小に転換した結果,生産高は増え,エネルギー消費量が減った。 1990.11.6 日本の二酸化炭素削減のシナリオ 槌屋治紀 効率の改善や新エネルギーを積極的に導入する政策をとれば,経済成長を遂げながら二酸化炭素の排出削減を達成することができる。 1990.11.68 自動車輸送の省エネルギー D.L.ブレビス/P.ウォルツァー 自動車の燃費向上,クリーンな燃料への転換,交通システムの改良などによって,石油危機と環境汚染は回避できる。 1990.11.78 発展途上国のエネルギー対策 A.K.N.レディ/J.ゴールデンバーグ これらの国に必要なのは,巨大な原子力発電所ではなく,小さな発電所を各地に設け,つくったエネルギーを無駄なく使うことである。 1990.11.88 ソ連,東欧,中国のエネルギー対策 W.U.チャンドラー/A.A.マカロフ/周大地 計画経済の国々が経済発展をめざすなら,市場経済と西側の技術を積極的に導入していかなければならないが,前途は険しい。 1990.11.97 化石エネルギー W.フルカーソン/R.R.ジャドキンス/M.K.サングビー 石炭,石油,天然ガスなどの化石燃料は有限であり,環境破壊の原因になるため,賢く使う技術が求められている。 1990.12.20 コンピューターはチェス名人に勝てるか 許峯雄/T.アナンサラマン/M.キャンベル/A.ノバジク チェスの高段者を次々に破ったコンピューターも,名人カスパロフには,敗れた。史上最強の名人を上回る機械はつくれるのか。 1990.12.28 遺伝子のインプリンティング C.サピエンザ 遺伝子は,父親と母親のどちらに由来するかによってマーク付けされているため,同じ遺伝子が異なる働きをする場合がある。 1990.12.40 論争:恐竜はなぜ絶滅したか=小惑星衝突説 W.アルヴァレズ/F.アサロ 白亜紀末,直径10kmもの巨大な地球外物質が地球に衝突した結果,気候変動が起こり,地上の生命の半数が絶滅した。 1990.12.49 論争:恐竜はなぜ絶滅したか=火山大噴火説 V.E.クルティヨ インドのデカン高原を形成した大規模な噴火は,大量絶滅と同じ時期。大気汚染と生態系破壊の真犯人は火山噴火である。 1990.12.6 展望21世紀への科学技術 鳥井弘之 科学技術と依存し合う現代社会。環境や人口などの問題解決が急がれる今,科学技術の役割が変わってきた。 1990.12.66 ガンの選択的放射線療法BNCT R.F.バース/A.H.ソロウェイ/R.G.フェアチャイルド ガン細胞にホウ素を取り込ませておいたあと弱い中性子線を照射すると,正常細胞を傷つけることなく,ガン細胞だけを破壊できる。 1990.12.74 修正を迫られる宇宙論 J.ホーガン 銀河団の巨大構造や100億光年先のクエーサーが観測され,「冷たい暗黒物質モデル」が危機に瀕している。 1990.12.94 筋ジストロフィー遺伝子の発見 石浦章一 筋ジストロフィーの中で最も重いデュシャンヌ型の病因遺伝子が明らかになった。正確な診断が可能になり,治療にも展望が開けてきた。 1991.01.108 極域の雪氷コアから過去の環境を探る 渡辺興亜/藤井理行/西尾文彦 南北両極域の氷床をボーリングして得られた雪氷コアを分析すると,過去の気候変動や環境の推移がわかる。 1991.01.26 銀河の中心核に潜むブラックホール M.J.リース われわれの銀河はもちろん,大半の銀河では中心部にブラックホールがある。これに関する研究から宇宙形成に関する定説が揺らいできた。 1991.01.36 遺伝子治療 I.M.バーマ 去る9月から米国で遺伝子治療の臨床試験が始まった。この治療法の課題は,どれだけ長い間,導入した遺伝子を発現させられるかである。 1991.01.46 夢が記憶を処理する J.ウィンソン ネコやラットなどでは,目覚めている時に得た情報で種の生存のために必須のものは,睡眠中に処理され記憶として脳に残るらしい。 1991.01.6 構想:砂漠緑化都市「パシフィック」 パシフィック・プロジェクトチーム オーストラリア北西部の砂漠を舞台に,最新の植林プランや太陽熱エネルギー技術などを駆使して描いた未来都市の設計図。 1991.01.74 結び目理論と統計力学 V.F.R.ジョーンズ 大きく複雑な系を扱う統計力学と,畑違いの結び目についての理論が,実は重要な関連性をもっていた。 1991.01.82 昆虫の翅のメカニカル・デザイン R.J.ウォートン 弱々しい翅脈と薄い膜。昆虫はこのたよりない翅を自在に制御してアクロバット飛行を行う。その技術に人間はまだ及ばない。 1991.01.96 21世紀のデバイス「量子素子」 K.コーコラン 量子薄膜や量子細線のように,半導体を2次元以下に加工した超格子は,電子波デバイスの新時代を開きつつある。 1991.02.24 分子誕生の瞬間 A.H.ズウェイル 原子が反応して分子ができるのに必要な時間は1兆分の1秒以下だが,特殊なレーザーパルスを使うと,その状況を直接見ることができる。 1991.02.34 タンパク質合成系の修復メカニズム I.N.トドロフ リボソームのタンパク質合成機能が阻害されると,細胞は他のリボソームを分解し,それを材料に新しいリボソームを合成する。 1991.02.44 別99 マゼラン探査機がみた金星表面 R.S.サウンダース マゼラン探査機が送信してきた金星のレーダー画像には,他の天体には見られない非対称の衝突クレーターが写っていた。 1991.02.56 凍りながら生きる動物 K.B.ストーレイ/J.M.ストーレイ 北極圏など気温が零下数十度にも下がる地域で越冬する動物は,体の中にできる氷とうまく折り合っていく仕組みをもっている。 1991.02.64 動脈硬化を引き起こすマクロファージの受容体 児玉龍彦/松本明世/土井健史/江見充/内藤眞 動脈硬化の原因となる“マクロファージへのコレステロールの取り込み”を行う受容体が発見され,新しい治療法開発への展望が開けてきた。 1991.02.79 遺伝子が語る人類アフリカ起源説 C.B.ストリンガー 現代に生きるすべての人種は,アフリカに発した現生人類を共通の祖先にもっていることが,遺伝子分析などから有力になってきた。 1991.02.8 第五世代コンピューター 編集部/内田俊一/瀧和男/近山隆/新田克己 10年の歳月と500億円をかけて取り組んできた並列推論マシンが完成に近づいた。「第五世代」は本格的な知識処理の時代をひらく。 1991.02.88 解明が進む自己免疫疾患 J.レニー 自己免疫疾患の病因は免疫系が自らの体を攻撃するためだが,なぜ“敵味方識別機能”が狂うのか,その原因解明が進んでいる。 1991.03.105 カッコウと宿主の相互進化 N.B.デービス/M.ブルーク カッコウはいくつもの方法を組み合わせて托卵を成功させるが,それらの技術は托卵される側の鳥との長い攻防の結果,進化してきた。 1991.03.22 大地震や経済恐慌を説明する数学理論 P.バック/陳侃 一見関係のないようにみえる大地震,経済恐慌,土砂崩れ,そして恐竜の絶滅などの破局的現象は,1つの数学理論で説明できる。 1991.03.32 タンパク質の折りたたみ問題 F.M.リチャーズ タンパク質の立体構造はアミノ酸の配列順序で決まるというが,なぜ,既知のペプチドの立体構造がいまだに予測できないのだろうか。 1991.03.44 もう1つの太陽系を探す D.C.ブラック 理論的にも,また多くの観測データからも,宇宙のあちこちに私たちの太陽系のような惑星系が存在することが示されている。 1991.03.70 アスピリン物語 G.ワイスマン 長い歴史と多くの利用実績を誇るアスピリンは,柳の木から発見されたが,なぜ効くのかよくわからないまま現在に至っている。 1991.03.8 実用化始まる高温超伝導体 塩谷喜雄/高木靭生/山際和久 難しかった線材加工にメドがつく一方,人間を浮上させる超強力磁石が誕生するなど,高温超伝導体開発は着実に進んでいる。 1991.03.80 スーパーコンピューター E.コーコラン テラフロップを目指し熱い闘いを続ける日米のメーカー。大規模並列処理スーパーコンピューターは,科学のあり方を変えるだろうか。 1991.03.94 視覚野の縞模様を再現する熱力学モデル 田中繁 大脳の一次視覚野には,左右の眼からの神経が縞模様になってすみ分けている。こうなる理由を説明する物理学的な理論ができた。 1991.04.24 決定された素粒子の世代数 G.J.フェルドマン/J.スタインバーガー Z粒子を大量につくる加速器実験で,この宇宙には電子世代,ミューオン世代,タウ世代の3つしかないことが確定した。 1991.04.34 X線顕微鏡 M.R.ハウエルズ/J.キルツ/D.セイヤー 光学顕微鏡と電子顕微鏡の欠点を補い,高い分解能を達成したX線顕微鏡。X線ホログラフィの3次元結像が次の目標である。 1991.04.42 ここまで来た建築用CAD D.P.グリーンバーグ ハード,ソフト両面での技術の進歩によって,建築家の創造的な作業を支援できるような本格的なシステムが登場した。 1991.04.56 生命はどこから来たか J.ホーガン いつごろ,どのように生命が誕生したかについては,新説が次々に提唱されているが,かえって謎は深まっている。 1991.04.72 匂いを識別する脳のカオス W.J.フリーマン いろいろな匂いの中から自分の好物の匂いを素早く嗅ぎ分けられるのは,脳内の神経の働きがカオス的だからである。 1991.04.8 検証:日本の大学 編集部・豊川博圭 わが国の大学が研究費不足などを訴え始めているが,不足しているのはカネだけではない。大学は今,維新前夜にある。 1991.04.82 極微量の放射線は健康によいか 石田健二 自然放射線が高い所に住む人はガンにかかりにくいなど,放射線が健康にプラスに作用することがあるようだ。 1991.04.92 米国の性感染症 S.O.アラル/K.K.ホームズ 淋病や梅毒,軟性下疳といった性感染症が米国の都市部で激増している。これは売春や薬物乱用,貧困などに関係がある。 1991.05.23 大高原が地球を冷やした W.F.ラッディマン/J.E.クッツバッハ 地球の気候は過去4000万年の間に急速に冷えてきた。その原因は,「チベットやアメリカの大高原の隆起だ」とする説が登場した。 1991.05.32 細胞周期を調節するメカニズムの解明 A.W.ムレイ/M.W.カーシュナー 分裂と休止を繰り返す細胞の周期は,すべての生物に共通するただ1種類のタンパク質によってコントロールされている。 1991.05.42 世界最強の衝突型加速器テバトロン L.M.レーダーマン 超伝導磁石を採用した陽子・反陽子衝突型加速器テバトロンは,5年後に未発見のトップクォークを検出する可能性が高い。 1991.05.58 薬物依存治療薬の開発 M.ハロウェイ 薬物依存症が大きな社会問題となっている。依存性のメカニズムが解明されるにつれて,治療薬の開発や脳の理解が進んできた。 1991.05.74 バイオテレメトリーで追跡するアカウミガメの回遊 坂本亘/内藤靖彦/内田至 小型の記録機器を取りつけてアカウミガメを追跡した結果,その移動経路や環境に応じて体温を調節する様子が明らかになってきた。 1991.05.8 湾岸環境破壊 編集部 油田火災や流出原油など,湾岸戦争は深刻な環境破壊を引き起こした。完全な回復には膨大な時間と労力が必要になるだろう。 1991.05.86 集光鏡で太陽表面の光強度を超える R.ウィンストン レンズのように像を結ばせないと,はるかに強い光を集める光学系ができる。現在では太陽表面より強い光が実現している。 1991.05.93 難問山積の生物特許 J.H.バートン バイオ技術の進歩で生物の特許化が盛んになっているが,生物は単なるモノではないために,さまざまな問題が起きている。 1991.06.106 恐竜は走っていた R.M.アレキサンダー 造船工学や建築学の手法を使って移動速度を算出すると,ゾウやサイと同じくらいのスピードで走る恐竜がいたらしい。 1991.06.116 半導体薄膜の成長過程を見る 井上直久 結晶の成長と高分解能の観察が同時にできる装置が開発され,ガリウムヒ素半導体が刻一刻と成長する過程が明らかになった。 1991.06.24 準結晶の構造 P.W.スティーブンス/A.I.ゴールドマン 理論的に存在しえないとされた正12面体状“結晶”の原子配列を解明するため,3つの有力なモデルが提案されている。 1991.06.34 遺伝子発現を調節するロイシン・ジッパー S.L.マックナイト 多くの遺伝子の活性化は,DNAに結合するタンパク質によって調節されている。このタンパク質の3次構造が明らかになった。 1991.06.48 宇宙にとどろく衝撃波 R.Z.サグデーエフ/C.F.ケンネル 宇宙空間の稀薄なプラズマ中で発生する衝撃波が,太陽フレアや超新星のような激しい現象の中で,荷電粒子を加速する。 1991.06.8 光通信革命 堀伸樹/高橋達郎/編集部・松尾義之/豊川博圭 西暦2015年,高品位テレビの画像も送れる超高速光ファイバーが全家庭に入る。その時,過密東京の状況は一変する。 1991.06.88 遺伝子組み換えでつくるB型肝炎ワクチン P.チオレ/M.-A.ブェンディア B型肝炎ウイルスに対する効果的なワクチンが遺伝子組み換えでつくれるようになり,肝硬変などの克服へ大きく前進した。 1991.06.98 光を使うガラス細工 D.M.トロッター 透明なガラスは光と反応しないと考えられてきたが,今では光で精密な細工さえでき,技術や芸術の分野で広く使われている。 1991.07.16 ホーキング宇宙論への8つの疑問 編集部・松尾義之 ビックバン理論との関係,無からの宇宙創成,無境界条件仮説など,ホーキング宇宙論に8つの疑問を投げかける。 1991.07.36 子供を脱水症状から救う経口輸液療法 N.ハーシュホーン/W.B.グリーノウ 下痢がひき起こす脱水症状はしばしば幼い子供の命を脅かすが,この簡単な治療法によって,年間100万人もの子供が救われている。 1991.07.46 量子力学の新しい可能性をひらくエニオン F.ウイルツェク 量子力学の常識を打ち破るエニオン粒子系の概念を用いることで,高温超伝導の仕組みが解明できるかもしれない。 1991.07.60 人間の眼をもつシリコン網膜 M.A.マホワルド/C.ミード 網膜細胞の構造や働きをまねたシリコンチップが製作された。このチップを使うと,情景が人間の眼と同じように見える。 1991.07.70 環境思想家ルネ・デュボスの生涯 C.L.モバーグ/Z.A.コーン 生態学者の立場から病気の因子を追い求め,人間が地球を変えるとともに地球も人間に影響を与えるという環境思想に行き着いた。 1991.07.80 サラブレッドはもっと速くなる P.カニンガム サラブレッドの飼育や繁殖には,ウシやブタなどの家畜にくらべ,科学的手法の導入が遅れている。 1991.07.88 先進的だった中世近東の機械工学 D.R.ヒル 12〜13世紀頃の近東では,歯車やクランク,ピストンなど新しい工学的アイデアを盛り込んだ機械が多数生み出されていた。 1991.07.96 アモルファス氷 香内晃/黒田登志雄 結晶構造をもたないアモルファス氷は宇宙にも存在し,星や惑星の進化と密接なかかわりをもっていたらしい。 1991.08.102 一般相対論を実証したエディントン W.マクリー 一般相対性理論を初めて実証したり,星の内部構造を推論するなど,エディントンが天文学に与えた影響ははかりしれない。 1991.08.38 放射性物質をまき散らす原子力衛星 S.アフターグッド/D.W.ヘイフミースター/O.F.プリルツキー/J.R.プリマック/S.N.ロディオノフ 地球周回軌道での原子力の利用は,多くの危険性を伴う。原子力エネルギーの使用は,深宇宙での観測に限って許されるべきだ。 1991.08.46 遺伝子の複製ミスで生きのびる連鎖球菌 V.A.フィセッティ A群溶血連鎖球菌は,扁桃炎や咽頭炎を引き起こすが,この病原菌には人体の免疫機構をあざむくための3つの戦略がある。 1991.08.56 オゾンを破壊する極成層圏雲 O.B.トゥーン/R.P.ターコ フロンガスが成層圏オゾン層を破壊している事実はよく知られているが,その過程で特殊な雲が決定的な役割を果たしている。 1991.08.6 住宅3000万戸をミニ発電所へ 編集部・松尾義之/豊川博圭 太陽発電はこれまで,微量でコスト高という烙印を押され続けてきた。しかし,米国ではすでに経済的な採算に乗りつつある。 1991.08.68 地球内部構造をめぐる論争 C.S.ポーウェル 地震波や重力のデータを分析することで地球内部構造が解き明かされつつあるが,これはまた,新たなる論争の火種となっている。 1991.08.82 銀河1000個分の明るさをもつクエーサー3C273 T.J.-L.クールボイジア/E.I.ロブスン 宇宙の中でも特に明るい天体であるクエーサー3C273の観測によって,クエーサーの構造やエネルギー源が明らかになってきた。 1991.08.92 糖尿病を救うハイブリッド人工膵臓 岩田博夫 血糖値を調節するランゲルハンス島をアガロースで包んでやると,拒絶反応を引き起こさずに移植することができる。 1991.09.16 変わる動物園 編集部・菊池邦子 かつて自然の搾取者と呼ばれた動物園が,環境破壊と乱獲による野生動物絶滅の危機を迎えて,その役割を変えつつある。 1991.09.32 時代でゆれる米国の麻薬政策 D.F.マスト 米国は,麻薬に対する態度を2度大きく変化させた。麻薬についての正しい認識をもつためには,その背景を知る必要がある。 1991.09.42 星の誕生から主系列星まで S.W.スターター 星は星間ガスから生まれ,まず重力をエネルギー源として発光する。次に重水素の核融合を起こし,温度1000万度で水素の核融合を始める。 1991.09.52 脳卒中を治す J.A.ジバン/D.W.チョイ 脳卒中のメカニズムを調べてみると,発作で死ななくてもすむ脳神経細胞までが,まきぞえになっていることがわかった。 1991.09.66 ナノメートルの凹凸を測る技術 G.M.ロビンソン/D.M.ベリー/R.W.ピーターソン 精密測定ができる光干渉計とコンピューター処理技術を結合することによって、3次元の形状を短時間に出せる計測法が誕生した。 1991.09.74 雑草を防除する生物 G.A.ストローベル 農薬の害を告発したレイチェル・カーソンの『沈黙の春』から20年。除草剤の代替品として生物を使った雑草防除が注目されている。 1991.09.84 コックピットの主役は誰か G.スティックス 航空機の操縦の自動化が進み,いまや自動着陸までできるようになった。しかし,行きすぎた自動化への反省も聞かれる。 1991.09.96 赤ちゃんはいつ言葉を覚えはじめるか 正高信男/杉浦秀樹 人間は3カ月ごろにはすでに,母親との“会話”を意識し,言葉を覚える準備段階に入っていることが明らかになった。 1991.10.108 目で見る素粒子の衝突 H.ブロイカー/H.ドレバーマン/C.グラブ/A.A.レイデメーカーズ/H.ストーン 加速器で粒子が1回正面衝突すると,実に50万ビットの情報が生まれるが,強力な計算機が直ちに画像に変換する。 1991.10.116 染色体を安定に保つテロメア R.K.モイジス 染色体の末端にあるテロメアの反復配列は,複製によって染色体が短くなったり,分解してしまうのを防ぐために不可欠な構造である。 1991.10.12 日本の頭脳--ノーベル賞に限りなく近い人たち 編集部 最近,日本でも「ノーベル賞級」といわれる研究者が急速に増えている。そうした代表的な「日本の頭脳」の研究を紹介する。 1991.10.32 自動車環境白書 編集部・豊川博圭 全自動車メーカーを対象に行った環境アンケートから,規制に追われる分野以外での取り組みに,限界があることが明らかになった。 1991.10.58 ダーウィンを超える“カオス進化論” S.A.カウフマン 生物は自然淘汰によって進化してきたというのがダーウィン以来の定説だが,進化と分化は,起こるべくして起きたのかもしれない。 1991.10.68 人間より敏感な味覚センサー 林健司/都甲潔/山藤馨 人間の細胞膜に似た脂質膜を感知部分に用いることによって,非常に敏感な味覚センサーを開発するのに成功した。 1991.10.82 ハナスガリの知られざる生態 H.E.エバンス/K.M.オニール 別名ハチオオカミと呼ばれるこの昆虫は,雌は肉食のためにミツバチを狩り,雄は雌を獲得するためにすさまじい戦いを見せる。 1991.10.92 銀河はたびたび衝突する J.ハーネス/L.ハーンキスト/F.シュバイツァー 銀河は宇宙のあちらこちらで衝突している。楕円銀河やクエーサーのような特異な天体は,この衝突の結果形成されたものらしい。 1991.11.104 変わる労働環境 L.スプロウル/S.キースラー コンピューターネットワークは,労働の形態や場所を変えるだけでなく,会社組織の中の弱者を支援し,社内の権力構造を変えていくだろう。 1991.11.114 ネットワーク新時代の企業 T.W.マローン/J.F.ロッカート 情報技術の進展で市場が多様化・高能率化し,ヒエラルキー(階層構造)に基づいた今日の企業組織や経営方式が変革するだろう。 1991.11.124 創造教育を手助けするコンピューター A.C.ケイ コンピューターやネットワークは,教育をリードする先生に変わることはできないが,教育のための優れた道具として力を発揮する。 1991.11.135 ネットワーク社会に必要な政策と法大系 A.ゴア(政府の投資)/A.W.ブランスコム(知的財産権)/M.ケイパー(ハッカー) ネットワークは,知的財産権やプライバシー,そして知的自由についての法的概念に影響を与える。育成のためには政策支援も必要だ。 1991.11.22 成長するネットワークは社会に何をもたらすか M.L.デルトゥゾー<ダートゥーゾス> コンピューターとコミュニケーション技術が融合し,社会や経済を根底から変える情報インフラストラクチャーが構築されるだろう。 1991.11.34 新ネットワーク技術 V.G.サーフ コンピューターの応用が多様化し,それらの間の通信量もメガビット/秒のオーダーとなって,より柔軟で高速のネットワークが必要になった。 1991.11.48 進化するネットワーク端末 L.G.テスラー 2000年までに人々は電子秘書を手にすることになるだろう。電子秘書の実体は,ネットワークにつながった携帯型コンピューターである。 1991.11.60 21世紀のコンピューター M.ワイザー 有線と無線でつながれた数百台ものコンピューターは,私たちがその存在を意識しないような形で生活の中にとけ込んでいくだろう。 1991.11.80 ネットワーク新時代の製品とサービス N.P.ネグロポンテ ネットワークの発達によって生まれる新しいサービスや製品は,時間と空間の制約から人々を解放するものとなるだろう。 1991.12.102 逆効果になったアラスカ原油流出対策 M.ハロウェイ/J.ホーガン エクソン社バルディーズ号のアラスカ沖原油流出事故は,米国に環境問題の重要性を突きつけたが,その後処理は,さらなる環境破壊をもたらした。 1991.12.116 認識能力や労働力を低下させる鉄の欠乏 N.S.スクリムショウ 鉄の欠乏は世界中に見られる病気であり,とくに途上国の助成や子供の生命を脅かすだけでなく,男性の労働力の低下をも引き起こしている。 1991.12.134 遺伝子資源としての重金属耐性菌 中原英臣/森忠洋 重金属耐性菌は,環境からの重金属の除去や,遺伝子工学で重要なプラスミド安定性試験に使えるなど,多方面で有用な道具になる。 1991.12.14 薬害大国・日本の構造 編集部・豊川博圭/ 別府宏圀/浜六郎/村井直樹/岡本祐三 スモンやホパテン酸脳症など,日本の薬害発生は際立っている。その背景には,証券不祥事にも似た行政,企業,一部医学者のもたれあい構造がある。 1991.12.36 C60の科学 R.F.カール/R.E.スモーリー サッカーボール型分子のフラーレンは,大量生成法が発見され,ダイヤモンド,グラファイトにつぐ第3の炭素物質として確立した。 1991.12.50 免疫系はなぜ自己を攻撃しないのか H.フォン・ベーマー/P.キーシロウ リンパ球の1つT細胞は,胸腺で寛容を学ぶ。自己を攻撃する細胞や役に立たない細胞は除去され,有用な細胞だけが成長する。 1991.12.66 現代にも見られるダーウィンフィンチの自然選択 P.R.グラント 自然選択は長い時間を要すると理解されてきたが,ガラパゴス諸島のフィンチは,ただ1回の干ばつで個体群の体型を変化させる。 1991.12.92 探査機ガリレオがめざす小惑星の世界 R.P.ビンゼル/M.A.バルッチ/M.フルチグノニ 小惑星は,木星の強力な重力効果のために惑星になれなかった天体群である。ここには,太陽系の起源を語る貴重なデータが豊富に存在している。 1992.01.10 「黄金の国」ジパング 日本は今,史上かつてない金鉱床発見ラッシュにわいている。形成途上の金鉱床も恐山で見つかった。「黄金の国ジパング」は正夢となりつつある。 中島林彦(平成のゴールドラッシュ)/松久幸敬,J.W.ヘディンクィスト(熱水鉱床の形成モデル)/井澤英二(菱刈と九州の鉱床)/青木正博(生きている金鉱床「恐山」)。 1992.01.30 ホタルイカにとっての“三原色” 鬼頭勇次/清道正嗣/成田欣弥/道之前允直 イカやタコの仲間で初めて,色を感じる3種類の物質がホタルイカの網膜で見つかった。ホタルイカは色が見えるようだ。 1992.01.42 リトルバンをめざして H.グドブロト/H.シュテッカー ビッグバン直後や超新星内部など,私たちの周辺とは異なった核物質状態を実現するためには,重粒子の大型加速器が必要になる。 1992.01.56 アルツハイマー病とアミロイドタンパク質 D.J.セルコー アルツハイマー病の脳では,大脳皮質や海馬など,認知機能に重要な役割をもつ部分に,アミロイドβタンパク質が過剰に蓄積している。 1992.01.66 色素を使わないカラー画法 D.M.ラム/B.W.ロシター 絵画や写真のもとは顔料や染料だが,白黒の写真材料だけを使って,鮮やかなカラー画像を作り出す方法がある。 1992.01.74 高集積型マイクロレーザー J.L.ジュエル/J.P.ハービソン/A.シェラー 数百万個のレーザーを碁盤の目のように作れるようになり,光多重通信や光並列コンピューターへの夢が広がってきた。 1992.01.84 成果をあげる培養皮膚移植 H.グリーン ヒトから採取した皮膚細胞を大量に培養し,熱傷などの疾患をもつ患者にそれを移植して表皮を再建できるようになった。 1992.01.94 大きく賢くなる光学望遠鏡 C.S.パウエル 光学望遠鏡の巨大化は限界に達したと考えられていたが,反射鏡の制御技術などにより,従来の限界は打ち破られつつある。 1992.02.118 卵を温めないヤブツカツクリ R.S.セイモア この愉快なキジの仲間は自分で卵を温めない。枯れ葉や小枝を集めた中に卵を産み,自然の温度でふ化させるため,卵も雛も特徴的である。 1992.02.128 ホームレス・ファミリー E.L.バサック 未婚の母親となった女性層を筆頭に,米国ではホームレスが激増している。しかし,連邦政府の対策は必ずしも十分とはいえない。 1992.02.14 人,動物,森--共存への模索 編集部・菊池邦子(見直される森林の価値,「活力ある森づくり」への課題)/三浦慎悟・丸橋珠樹(野生生物との共存は可能か) 森林,野生動物,人間が共存するための新しいパラダイムとは何か。地球環境時代の自然との接し方を問う。 1992.02.58 量子宇宙論と宇宙の創成 J.J.ハリウェル 新しい量子宇宙論によれば,宇宙は“量子ゆらぎ”から誕生し,インフレーションという急激な膨張期を経て,現在まで進化してきたらしい。 1992.02.72 培養幹細胞がひらく新しい治療法 D.W.ゴルディ 免疫を担当する細胞はすべて造血幹細胞からつくられるので,これを体外で培養できれば,ガンやエイズなどに効く免疫療法が実現するだろう。 1992.02.80 太陽光でつくる化学燃料 I.ドストロフスキー 太陽光で化学燃料をつくれば,タンクに詰めて貯蔵したりパイプラインで大都市に輸送できるので,太陽電池がかかえる問題を解決できる。 1992.02.88 組織形成を誘導するビタミンC 畑隆一郎/妹尾春樹 ビタミンCを使うことによって,体外で遊離細胞から3次元の組織を形成できるようになり,細胞からの臓器再生の可能性も出てきた。 1992.02.98 米国の人工知能最前線 P.ウォーリック 1000万もの知識の蓄積をめざす統合化知的システムCycから,推論なしの触覚ロボットまで,意欲的な人工知能システムが開発中である。 1992.03.102 グルコースはどのようにして細胞に取り込まれるか G.E.リーンハルト/J.W.スロット/D.E.ジェームズ/M.M.ミュックラー グルコースの吸収には「グルコース輸送体」の助けが必要だが,ある種の輸送体は,細胞膜に穴をあけるという方法で,グルコースを取り込む。 1992.03.112 寄生関係が進化と性を生んだ J.レニー 寄生生物は,他の生物にとって迷惑な存在と考えられがちだが,生物の進化や性は,寄生生物なしには起こりえなかった。 1992.03.130 最初のRNA誕生の道すじ 柳川弘志 「最初の生命はRNAである」という説には異論もあるが,最新の知識をもとにすれば,RNAは生物の助けを借りずに生成できる。 1992.03.140 新大陸で部族間の戦いを助長したヨーロッパ人 R.B.ファーガソン コロンブスの新大陸発見は,現地の部族間にあった社会的バランスを打ち壊し,部族間同士の無差別戦争を引き起こすきっかけとなった。 1992.03.18 カオス--科学と技術の“新大陸” 斎藤信彦(科学に与えたインパクト)/合原一幸(ひろがる工学への応用)/西江弘(生命現象を説明するカオス)/D.スミス(ホームメイド・カオスのすすめ) カオス理論は,科学の決定論と確率論を統合するとともに,生命現象などの複雑な系の解明を通して,技術の壮大な“新大陸”を開拓しつつある。 1992.03.44 量子カオス M.C.グッツヴィラー 波のような滑らかな性質が支配する量子論の世界でも,不規則運動の象徴ともいうべきカオスが存在しているように見える。 1992.03.60 CO2の増加が植物に与える影響 F.A.バザーズ/E.D.ファジャー 光合成の原料となる大気中のCO2が増えたとしても,植物が単純に炭素固定量を増やすとは考えにくいことがわかった。 1992.03.92 連星系にできる降着円盤 J.K.カニゾー/R.H.カイチャック 降着円盤は宇宙のいたるところに見られるが,連星系の観測から「円盤の不安定モデル」が提唱され,その振る舞いが明らかになってきた。 1992.04.104 HDTV放送にこぎつけた欧州連合 E.コーコラン 高品位テレビで先行する日本に対抗し,欧州は一丸となって独自規格を開発,1992年のアルベールビル冬季オリンピックで試験放送にこぎつけた。 1992.04.15 主要研究所のCOE度 編集部・豊川博圭 「技術一流,研究環境二流」の日本にもセンター・オブ・エクセレンスをめざす研究所が登場してきた。厳しい評価と組織の活性化がCOEの条件だ。 1992.04.36 ギガビット・メモリーを可能にする現像液 松崎秀夫 マイクロリソグラフィーの精度を妨げている原因が現像液にあることが判明した。超クリーンな現像液は,線幅1/4μmを射程距離内に入れた。 1992.04.48 ガン転移のメカニズムと阻止物質 L.A.リオッタ ガンの転移にはメタロプロテイナーゼという酵素が深くかかわっている。この酵素の阻害剤は転移阻止薬として使えそうだ。 1992.04.62 レーザーによる中性粒子のトラップ S.チュー この新技術は,絶対零度付近までの気体の冷却,従来より1000倍も高精度の原子時計,DNAや分子をつかむ“光ピンセット”などに応用されだした。 1992.04.76 化石にみるヨーロッパ新生代の哺乳類 G.ストルク ドイツ・フランクフルトから20km離れたメッセルからは,ヨーロッパが亜熱帯の島だった5000万年前の見事な哺乳類化石が豊富に産出する。 1992.04.84 マリアナ海溝の“泥火山” P.フライヤー マリアナ海溝のすぐ西側に,泥でできた冷たい海底火山群が発見された。プレートから放出される流体が,この火山の生成に関与しているらしい。 1992.04.94 イデオロギーに翻弄された遺伝学者ティモフェーエフ D.B.ポール/C.B.クリンバス このロシア生まれの遺伝学者は,若くしてドイツに渡り,ナチス時代に大きな業績をあげたため,ソ連国家に対する反逆罪に問われてしまった。 1992.05.110 初段をめざすコンピューター将棋 飯田弘之/小谷善行 将棋プログラムが初段への道を歩み始めた。将棋はチェスより複雑なゲームであり,そのプログラムは,よりソフト的になる。 1992.05.118 ポーランドの市場経済建設 J.サックス 経済改革は一応うまく行っているが,今後の進展は,大企業の私企業化の成否と西側ヨーロッパ諸国の援助にかかっている。 1992.05.14 閉鎖環境系から地球の物質循環を探る 新田慶治(陸上閉鎖系バイオスフェアJ)/渡辺正孝(海に作った閉鎖生態実験系)/森田恒幸(疑似閉鎖系の環境経済学) 地球環境を正確に把握するために,閉鎖生態実験系を作る試みが始まった。同じ発想は,社会科学の分野でも登場している。 1992.05.34 イオンチャンネル1つを調べるパッチクランプ法 E.ネーヤー/B.サックマン 直径1μmのガラス電極でイオンチャンネルの機能を調べることができる。この研究により,著者たちは1991年ノーベル医学生理学賞を受賞した。 1992.05.44 宇宙の巨大構造の謎を解くテクスチャー理論 D.N.スパーゲル/N.G.トゥロック 銀河や銀河団は一様ではなく密集して分布しているが,これは,宇宙初期の相転移で生じた位相欠陥のところに物質が生まれたためらしい。 1992.05.60 クモの糸のかくれた能力 F.ボールラス 水に弱いはずのクモの糸を,ニワオニグモはわざわざ濡れやすくする。しかもその糸には,糸自動巻き上げ機まで内蔵されている。 1992.05.90 赤外線ビデオカメラ J.シルバーマン/J.M.ムーニー/F.D.シェパード この技術は対象物の出す熱をとらえて画像化するため,夜間の監視,高熱環境の可視化,医療診断などに広く使われている。 1992.05.98 重力波をつかまえろ R.ルーセン 連星ブラックホールなどからやってくる重力波をとらえる装置の建設予算案が米国議会を通過し,いよいよ重力波天文学がスタートした。 1992.06.104 幻肢 R.メルザック 手足を失った人は,いまなお手足が実在するように感じる。本物の手足のあるなしにかかわらず,脳はそうした感覚を作り出すらしい。 1992.06.128 熱バンク仮説による温暖化予測 綿抜邦彦/木曽文彦 海は巨大な熱容量をもっている。地球表面を熱バンクと考えると,マクロ気候モデルの解析処理から温暖化の時間遅れが予測できる。 1992.06.138 データベース化に悩むヒトゲノム計画 D.エリクソン ヒトのゲノムの情報量はあまりにも大きいため,その情報をどのように蓄積していくかが課題になっている。 1992.06.16 一般相対論と量子力学を統合する「超弦理論」 編集部・松尾義之 現代物理学の二本柱である量子力学と一般相対性理論が「超弦理論」によって統合されつつあり,21世紀の新しい物理学が姿を見せはじめた。 1992.06.38 アフリカ単一発生説--論争「現代人はどこからきたか」 A.C.ウイルソン/R.L.キャン ミトコンドリアDNAの解析から現生人類の起源をたどると,わずか20万年前のアフリカの1人の女性に到達する。 1992.06.48 多地域進化説--論争「現代人はどこからきたか」 A.G.ソーン/M.H.ウォルポフ 世界に散らばる人類集団は,それぞれが現在の居住地域で進化したと考えられる。多くの化石の証拠がそれを物語っている。 1992.06.56 国際熱核融合実験炉ITER R.W.コン/V.A.チュヤノフ/井上信幸/D.R.スウィートマン 日米欧とCISが共同で建設する史上最大のトカマク核融合実験炉ITERは,商業発電炉に向けて大きな一歩になる。 1992.06.94 スーパー抗原 H.M.ジョンソン/J.K.ラッセル/C.H.ポンツァー T細胞は通常は特定の抗原のみに反応するが,スーパー抗原はこの特異性を無視して多量のT細胞を刺激し,免疫系に壊滅的な打撃を与える。 1992.07.100 エイズ流行の数学モデル R.M.アンダーソン/R.M.メイ エイズが発症するメカニズムをきれいに説明する数学モデルは,エイズの流行についても有用な情報を提供してくれる。 1992.07.14 ロシアの科学界--その現実と声 編集部・福田夏樹 政治的,経済的混乱の中で,ロシアの科学界はどうなっているのだろうか。モスクワとノボシビルスクの合計16の研究所を訪ね,実態をさぐった。 1992.07.38 輝く晩年の星「惑星状星雲」 N.ソーカー 質量が太陽くらいの星は,進化の終わりころ,周囲に放出したガスを光り輝かせて惑星状星雲になる。この星は宇宙の距離を知る“ものさし”となる。 1992.07.48 生理活性物質としての一酸化窒素NO S.H.シュナイダー/D.S.ブレット 一酸化窒素といえば公害物質というイメージしかないが,実は,免疫,血管吸収,神経伝達など生体内で重要な役割を果たしていることがわかってきた。 1992.07.62 リズムを自然発生させる非平衡の化学 吉川研一 膜が自発的に振動したり,ばらばらに鼓動する心筋細胞をくっつけると振動がそろうなどの現象は,普遍的な科学現象であることが突き止められた。 1992.07.74 盲点 V.S.ラマチャンドラン 盲点を利用した数々の実験から,視覚系が行っている情報処理の順序や仕組み,さらには脳内の神経構造が浮かび上がってくる。 1992.07.82 第3世代のレンズ--バイナリーオプティクス W.B.フェルトカンプ/T.J.マッキュー 微細加工技術を使って1万個のレンズのアレイなどが作れる新しい光学技術が登場し,機械による視覚認識や知的センサーなどへの可能性がひらけた。 1992.07.90 アメリカで小鳥たちが減っている J.ターボー 北アメリカの小鳥,とくに米国を繁殖地にしている渡り鳥の減少は深刻で,ある都市の公園では,数が50年前の10分の1になってしまった。 1992.08.102 脳機能の解明に向かうPET 井上修/須原哲也/舘野之男 脳のさまざまな機能発現に,神経伝達物質が重要な役割を担っている。PETによって生きた脳の活動が次第に明らかになってきた。 1992.08.112 自然資源を経済評価する R.レペト 現在の経済指標では,砂漠化などの環境劣化が反映されない。その結果,とくに開発途上国で,生産基盤である自然資源が減少しつつある。 1992.08.120 研究部門の改革を始めた米国企業 E.コーコラン 日本企業が基礎研究にシフトする一方で,IBM,ベルコア,ゼロックスの米企業3社は,市場重視型の研究開発に力を入れ始めている。 1992.08.14 ハッブル望遠鏡が見た宇宙 E.J.チェイスン ハッブル宇宙望遠鏡は,反射面の欠陥を補正しながら,木星の詳しい写真を撮ったり,銀河の微細構造を明らかにするなどの成果をあげつつある。 1992.08.24 実用化迫る遺伝子組み換え作物 C.S.ギャッサー/R.T.フレイリー 作物の遺伝子組み換え技術が大きく進歩した。その結果,病原菌や害虫に強く,味も日持ちもよくなった「人工作物」が市場に出回ろうとしている。 1992.08.32 動脈硬化とリポタンパク質(a) R.M.ローン コレステロールの輸送にかかわる特異なタンパク質が,動脈硬化や心筋梗塞のリスクを高めていることがわかってきた。 1992.08.46 ちょっと気になる全国大学研究者 編集部・稲田成行/松尾義之/豊川博圭 全国の至るところで独創的な研究が展開されている。各地の大学で活躍する研究者に焦点を当て,そのユニークな成果や研究姿勢を紹介する。 1992.08.92 シングル・エレクトロニクス素子 K.K.リカレフ/T.クラーソン 電子を1個1個制御することが可能になり,電流を100万分の1の精度で測定できる装置や究極のエレクトロニクス素子も夢ではなくなった。 1992.09.110 病気がわかる呼気検査 M.フィリップス 肺で血液とガス交換をした呼気の中には,病気を診断するための貴重な情報が入っている。最近の呼気検査は,消化器疾患や肺ガンを検出できる。 1992.09.118 常識に挑戦する量子力学実験 J.ホーガン 物質は波でもあり粒子でもあるという量子の世界の“異常さ”を,巨視的な世界で現出させようという試みがなされている。 1992.09.12 日本のヒトゲノム解析計画 松原謙一(日本のゲノム計画の現状と展望)/井川洋二(自動化システムと遺伝子の機能解析)/中村祐輔(医学的観点に立ったヒトゲノム計画の重要性)/五條堀孝(ヒトゲノム計画とDNAデータベース)/D.エリクソン(進む遺伝子治療)/遅塚忠躬(ヒトゲノム解析計画と生命倫理)/鳥井弘之・原孝二(ヒト遺伝子特許申請の波紋)。 1992.09.37 分子性結晶を組み立てる P.J.ファガン/M.D.ウォード 既知の分子から希望通りの結晶構造を作り,目的の機能を発揮させる--この化学の夢の実現に向け,分子性結晶の分野で研究が進んできた。 1992.09.46 Gタンパク質 M.E.リンダー/A.G.ギルマン 血管などを通して細胞に達するファーストメッセンジャーと,細胞内の情報を伝達するセカンドメッセンジャーとを,Gタンパク質が媒介している。 1992.09.56 遺伝的アルゴリズム J.H.ホランド プログラムを遺伝子と見なし,役に立つ機能を表現する形質を生物のように自然選択的に進化させていく新手法が,複雑なシステムの設計に使われだした。 1992.09.78 カエルたちの多彩な繁殖戦略 W.E.デュエルマン カエルの中には,卵から直接カエルが生まれるもの,母親が子ガエルを産むもの,母親の胃の中でオタマジャクシ時代をすごすものなどがいる。 1992.10.108 米国のマグレブは浮上するか G.スティックス 磁気浮上車マグレブの営業運転に向けて,日独に水をあけられていた米国が研究開発に乗り出した。だが,その推進を巡って消極的な意見が噴出している。 1992.10.14 太陽系最後の謎「小惑星」 吉川真(小惑星の分布と運動)/輿石肇(地球直撃の可能性と影響) 地球軌道と交わらない軌道上にある小惑星が,木星重力の影響を受けて地球に接近してくることがある。地球に衝突した時の被害は,核戦争さえ上回る。 1992.10.28 太陽の輪が消えた 磯部秀三(秀の字は王辺) 太陽にも土星のような輪がある。しかし,前回の皆既日食時にはこれが消えていた。太陽の輪は,太陽磁場の影響で消長するようだ。 1992.10.38 キラウエア火山噴火のメカニズム J.J.ドゥボラック/C.ジョンソン/R.I.ティリング キラウエアは世界で最もよく研究されている火山であり,そこで得られた知識は,他の火山の噴火予知などに利用できる。 1992.10.56 免疫系を活性化する毒素エンドトキシン E.T.リーチェル/H.ブラーデ バクテリアがもつエンドトキシンは,深刻な病気をもたらす一方で,マクロファージに刺激を与えて免疫系を活性化するという有益な働きがある。 1992.10.78 定常宇宙論が破れた日 S.G.ブラッシュ 宇宙に始まりがあるとするビッグバン理論と,宇宙には始まりも終わりもないとする定常理論が激突,定常理論は背景放射の発見により破れた。 1992.10.88 アリのような社会をもつハダカデバネズミ P.W.シャーマン/J.U.M.ジャービス/S.H.ブラウディ 砂漠にすむこの動物は,アリやミツバチと同じように,“女王”と繁殖能力をもたない“労働階級”からなる唯一の哺乳動物である。 1992.10.98 よみがえる化石人 I.タッターソル アメリカ自然史博物館で,ネアンデルタール人やアウストラロピテクスの復元に取り組んだ科学者やアーティストの仕事を紹介する。 1992.11.114 心の病気と脳 E.S.ガーション/R.O.リーダー 精神分裂病や躁鬱病は,遺伝的因子に環境因子が作用することで発病するらしい。しかし,その原因となる遺伝子はまだ発見されていない。 1992.11.12 脳と心 G.D.フィッシュバック 人間の脳は宇宙で最も複雑なものだが,脳研究の進展によって,心の一部である意識や記憶などを生み出している生物的基盤が明らかになりつつある。 1992.11.136 脳の老化と心の老化 D.J.セルコー 老化によってニューロンは変性したり消滅したりするが,こうした脳の老化が,私たちが恐れる“心の老化”すなわち知性の低下に結びつくことはない。 1992.11.146 内部表現を獲得する人工ニューラルネット G.E.ヒントン 脳の神経回路網をまねた計算機上のニューラルネットは,外界情報の中から核となる特徴をネットワーク内部に自力で獲得し,これを使って外界を再現できる。 1992.11.158 意識とは何か F.クリック/C.コッホ 意識の問題はつかまえどころがなく,とても手がつけられなかったが,視覚の研究を通して,ようやく議論できる段階になった。 1992.11.26 脳の発生過程 C.J.シャッツ ヒトの脳には1000億ものニューロンがある。ニューロン同士が適切な相手と結合して脳が完成するためには,外界からの刺激とニューロンの自発的な興奮が必要である。 1992.11.38 脳と視覚 S.ゼキ 視覚野を構成する5つの領野は,個別に形や色などを専門処理するとともに,ネットワークを構成して各処理結果を統合し,知覚と理解を生み出している。 1992.11.50 ニューロンレベルでみた学習 E.R.カンデル/R.D.ホーキンス 学習によって脳のニューロン間の結合強度は変化する。この単純な組み合わせの集合体が私たちの記憶であり,1人1人の個性を作っているらしい。 1992.11.62 脳と言語 A.R.ダマジオ/H.ダマジオ 脳での言語処理には「単語・文章生成系」「概念系」と,2つをつなぐ「媒介系」の3つの機構がかかわっている。それぞれの働きや場所が細かくわかってきた。 1992.11.72 ワーキングメモリー P.S.ゴールドマン-ラキッチ ワーキングメモリーは“心の黒板”とも呼ばれる。これがあるからこそ,人は頭の中で物事を考えたり,脳に蓄えてある知識を引き出して利用することができる。 1992.11.82 脳の性差 D.キムラ 生後の早期に性ホルモンが働くことにより,男女の脳機構の形成に違いが生じることがわかってきた。物事に対する男女の認知の差はここからスタートしている。 1992.12.100 遺伝子の発現を調節するヒストン M.グランスタイン DNAを収納するための“糸巻き”と考えられてきたヒストンが,遺伝子発現の抑制や活性化にかかわる機能をもつことがわかってきた。 1992.12.112 歌うイモムシとアリの共生 P.J.デブリーズ ある種のチョウの幼虫は“歌”でアリを呼び寄せ,自分の用心棒にする。両者の関係を調べると,共生関係進化した道筋をたどることができる。 1992.12.122 ダイヤモンド半導体 M.W.ガイス/J.C.アンガス ダイヤモンドの薄膜が低圧下で手軽に合成できるようになった。この薄膜を使った半導体素子は,現在のシリコン半導体素子より優れた特性をもつ。 1992.12.13 ソリトンとは何か? 和達三樹 ソリトン理論の発展は,非線形問題への橋頭堡を築き,数学と理論物理学が混然一体となって,新しい自然観をもたらそうとしている。 1992.12.19 自然界のソリトン 児玉裕治 地震による津波,海底石油掘削用プラットフォームを脅かす内部密度波,木星の大赤斑など,自然界にはソリトンの例がいくつもある。 1992.12.28 光ソリトン通信 長谷川晃 1973年に理論的に提案された光ソリトン通信は,ファイバー光増幅器などの技術的発展に支えられ,次世代通信の最有力候補となった。 1992.12.40 地球上には何種類の生物がいるのか R.M.メイ その数は多くて3000万種と推定されるが,正確なところは不明である。多様性の保全や進化の研究のために,この数を明らかにすることが重要である。 1992.12.50 量子暗号 G.H.ベネット/G.ブラザード/A.K.エカート 微弱な偏光を伝送する装置と公衆回線を組み合わせれば,量子力学の不確定性原理によって盗聴を見破ることができるため,完璧に秘密交信ができる。 1992.12.92 高山病 C.S.ハウストン 登山家の敵,高山病。ちょっとした注意を守ることによって,この死に至る可能性を秘めた病気にかからないですむ。著者は高山病研究の第一人者。 1993.01.106 マイクロメカニクスの最前線 G.スティックス エレクトロニクス技術を応用することにより,マイクロモーターなどの微小部品をシリコン基板上に無数に形成したり,大量生産できるようになった。 1993.01.132 コロンブス時代の天文学 O.ギンガリッチ コロンブスのアメリカ大陸発見は,当時の地図を大きく書き換えただけでなく,天動説衰退の後押しもすることになった。 1993.01.16 高純度金属 安彦兼次(生まれ変わる鉄)/加藤正憲(先端技術分野で活躍する銅)/紀隆雄(アルミニウムでわかる金属の素顔) 見慣れた金属も高純度化すると,耐食性や硬さなどの性質が劇的に変わる。超高純度金属はそれ自身が新しい材料であるとともに,理想的な高性能金属材料を生み出すカギを握っている。 1993.01.38 宇宙の大きさの測り方 W.L.フリードマン ハッブル宇宙望遠鏡の観測によって,宇宙の膨張率をめぐる60年以上の長い論争にピリオドが打たれようとしている。 1993.01.50 巨大ソフトウエアに潜む危険性 B.リトルウッド/L.ストリジーニ 巨大ソフトウエアはバグ(不良)を完全に除去することが事実上不可能であり,安全性を確保するためには,万能視せずに使用を制限しなければならない。 1993.01.60 生体分子グラフィックス A.J.オルソン/D.S.グッドセル 分子構造の解明,酵素の活性部位の特定,機能を阻害する薬剤の設計など,コンピューターグラフィックスは生体分子の研究に不可欠の道具となっている。 1993.01.94 動物進化の“ビッグバン” J.S.レビントン 約6億年前のカンブリア紀に起こった動物の多様化の爆発的現象の際に,現生動物の基本的なボディプラン(生物の形態)のほとんどが現れた。 1993.02.12 エイジングの科学 R.L.ラスティング(老化を支配しているのは何か)/加治和彦(老化を刻む“時計”を探す)/古川雄祐・照井康仁・大田雅嗣・斎藤政樹(血液細胞系の老化)/石浦章一(脳の老化とアルツハイマー病) 老化とは何か--この生命科学にとっての究極の問いかけに対し,細胞,タンパク質,遺伝子のレベルで,さまざまな研究が行われている。その結果,老化を制御する遺伝子の発見や,細胞周期と老化の関係が解明されつつある。 1993.02.46 反陽子を保存する“魔法びん” G.ガブリエルス 1万個の反陽子を2カ月間完全に保存できるような超低温の真空容器が開発された。陽電子を束縛させれば「反水素原子」が創れるだろう。 1993.02.66 定向進化をまねた分子進化工学 G.F.ジョイス 自然界の進化の仕組みをまねて,さまざまな生体分子の集団の中から,目的にかなった分子を“進化”させようという試みが始まっている。 1993.02.76 サルの言葉とサルの心 R.M.セイファース/D.L.チニー ベルベットモンキーは,捕食者を見つけると“言葉”を使って,仲間に知らせる。しかし,仲間が自分とは違う考えや知識をもっていることが理解できない。 1993.02.86 声はどのようにして出るのか R.T.サタロフ 声が出る仕組みが詳しくわかったのは,この20年のことである。そのおかげで,声の治療技術が飛躍的に進歩した。 1993.02.96 米国はアジアの教育に学べ H.W.スティーブンソン 北京,台北,仙台,シカゴ,ミネアポリスで学校教育を調査した結果,時間割りや教え方など,多くの点でアジアの方が優れていることがわかった。 1993.03.104 広がる複雑適応系の研究 R.ラサン 生態系や経済システムなど,環境に適応できる要素の複雑な集まりである「複雑適応系」の挙動を解明する研究が,盛んになってきた。 1993.03.114 大陸はいつから動いていたか D.ヨーク 岩石に残された放射性同位体の壊変と古地磁気記録を解読した結果,35億年前にも大陸は現在と同じ速さで動いていたことが明らかになった。 1993.03.124 現代神経科学の先駆者ドナルド・ヘッブ P.M.ミルナー 「ヘッブ・シナプス」に名を残すこの偉大な心理学の理論家は,神経生理学の立場から意識の問題に切り込んだ最初の心理学者である。 1993.03.18 見直される天の川銀河の形成過程 S.バンデンバーグ/J.E.ヘッサー 天の川は複数のガス雲が合体して原始銀河となり,それが収縮してできたらしい。だが,円盤と外側のハロー部分の進化・形成については未解明である。 1993.03.28 マダガスカルのキツネザル I.タターサル マダガスカルのキツネザルたちは,5000万年前の霊長類の祖先によく似ていて,私たち霊長類のたどった進化について多くのことを教えてくれる。 1993.03.48 科学の挑戦 日経サイエンス編集部+SA編集部 いまや人類は,宇宙の果てや宇宙の創世時までも研究の対象にしている。しかし,こうした“究極”といえる研究がなされるようになっても,科学に限界が見られることはない。新たな知識は新たな謎を呼び,現在も,世界中で多数の魅力的な挑戦が繰り返されている。 1993.03.8 サンゴの白化は地球温暖化のあらわれか B.E.ブラウン/J.C.オグデン 海水温の上昇によって,世界中でさんご礁が白くなる現象が起きているが,これは,地球が温暖化している証拠なのだろうか。 1993.03.96 究極の半導体構造「量子点」 M.A.リード 点状の半導体微細構造「量子点」は,量子サイズ効果を利用した自然界にない“原子”であり,物理学や化学,電子デバイスに新しい研究領域を提供する。 1993.04.108 動く芸術「キネティックアート」 G.リッキー 複振り子の動きをするように,棒や板や立体をいくつも積み重ねた構造物は,かすかな風が吹いただけでも軽やかに踊る。 1993.04.116 血液脳関門を突破する細菌 E.トゥオマネン 脳内の血管には,脳を病原体や有害物質から守る血液脳関門があるが,ある種の細菌は血液脳関門をくぐり抜けて,髄膜炎を引き起こす。 1993.04.124 化学者は何をめざすべきか R.ホフマン 化学合成は自然界にない理想の化合物を求めるべきか,自然界にあるものを効率よく作り出す道を探るべきか。ノーベル賞受賞者が語る。 1993.04.136 150年目に完成したバベジの計算機 D.D.スウェイド チャールズ・バベジの生誕200年を記念して組み立てられた世界初の自動計算機は,当時の機械工学が優れたものであったことを証明した。 1993.04.16 第3の分子生物学「糖鎖」 編集部・松尾義之 分子生物学のセントラルドグマ「DNA→RNA→タンパク質」で解決できないさまざまな問題が登場してきた。タンパク質の先に,さらに「糖鎖」という重要な道筋が残されていることがわかり,遺伝子工学や医薬品開発など,まさに新しい世代の分子生物学が展開されようとしている。 1993.04.46 細胞間認識を担う糖鎖 N.シャロン/H.リス 細胞間認識を担うのはタンパク質だけではない。糖鎖もまた,細胞認識の主要なマーカーであることがわかってきた。ガンを含むさまざまな病気の予防や治療面で,糖鎖が重要なカギを握っている。 1993.04.86 高温超伝導体で電気抵抗が発生するメカニズム D.J.ビショップ/P.L.ギャンメル/D.A.ヒューズ 高温超伝導体をある条件のもとに置くと,電気抵抗が発生する。これは,内部に侵入した磁束線の動きに関係があることがわかった。 1993.04.96 ジンクフィンガーによる遺伝子の発現制御 D.ローデス/A.クルーグ ジンクフィンガーは,遺伝子のプロモーター部の塩基を“つかみ”,発現スイッチをオンにする。1982年ノーベル化学賞受賞のクルーグらが執筆。 1993.05.100 DNA学の新しい流れ J.レニー 染色体の上を自由に渡り歩く遺伝子,父親由来と母親由来のDNAに目印をつけるインプリンティング,さまざまな突然変異や遺伝病のメカニズムなど,DNAや遺伝子の最新研究は,次々と新しい事実を明らかにしている。 1993.05.14 ラッティンジャー流体論と共形場の理論--新局面の固体物理学 川上則雄/簗成吉 通常の3次元固体中の電子系とは性質の異なる1次元電子系を記述する「ラッティンジャー流体」の基礎が,共形場の理論の手法を使って確立された。 1993.05.21 高温超伝導とゲージ場の理論--新局面の固体物理学 久保木一浩 高温超伝導の発現機構を説明しようと理論構築が図られている。とくにゲージ場の手法を使った理論は,実験事実をよく説明するために有力視されている。 1993.05.28 量子ホール効果と場の量子論 石川健三 ホール伝導度が一定の値をとる巨視的な現象「量子ホール効果」が,微視的な場の量子論の手法を使って厳密に議論され,この物理量が,電子の電荷のような普遍的な量であることが示された。 1993.05.44 ガンの免疫療法 T.ブーン ガン細胞でも表面に特殊な分子がでて,免疫系の攻撃対象になる。このガンの表面抗原の研究は,ガンの治療につながるはずだ。 1993.05.58 ブラックホール付近では遠心力が逆転する M.A.アブラモビッツ 一般相対論によると,ブラックホールの近くを回る宇宙船の中では「内向きの遠心力」を感じるが,この奇妙な事実は「光学幾何」で直観的に理解できる。 1993.05.68 寄生バチはどのようにしてイモムシを探しだすか J.H.タムリンソン/W.J.ルイス/L.E.M.ベット 寄生バチはイモムシに卵を産む。イモムシを見つける際には,イモムシが食べている植物が出す“におい”を手掛かりにしている。 1993.05.78 米国の橋はなぜ落ちる K.F.ダンカー/B.G.ラバット 保守管理の欠落から,米国の高速道路橋のほぼ4割が欠陥をかかえている。問題の橋梁をすべて架け替えるとすると,10超円もの資金が必要になる。 1993.05.90 アマゾン浸水林の生態系 M.グールディング アマゾンの熱帯雨林には平均して1年のうち半年以上も浸水する林がある。ここでは,ユニークな適応力をもった動植物が生活している。 1993.06.100 分子レベルで見た固体表面の触媒反応 C.M.フレンド 水素と窒素ガスからのアンモニア合成など,触媒は広く使われているが,表面の解析技術が進み,その分子レベルのメカニズムがわかってきた。 1993.06.108 イトヨの多彩な繁殖戦術 G.J.フィッツジェラルド この魚の雌は,自分の繁殖を成功させるために別の雌が産んだ卵を食べる。また,雄は雌のような色になり,他の雄の巣の中の卵に授精する。 1993.06.116 病原性を進化させる人間の行動 P.W.エウォルド 人間の行動は,病原体が良性となるか悪性となるかを左右するため,感染症の対策には,病原体の進化論的考察が有効である。 1993.06.126 地球規模で進む高齢化 S.J.オルシャンスキー/B.A.カーニス/C.K.カッスル 人類は自然淘汰の制御によって寿命を伸ばしてきた。今後ますます人口の高齢化が進むため,これに備える新しい政策が必要になる。 1993.06.18 アポトーシス--プログラムされた細胞の死 山田武/刀祢重信(発生過程でのプログラム死)/大山ハルミ(放射線誘発アポトーシス)/小林信之・中西義信(エイズなどのウイルス感染と細胞死)/木崎治俊・大西芳秋・東祐太郎(アポトーシス機構の多様性)/田沼靖一(分子生物学的に見たアポトーシス) 生物の体を作り,命を守るために,自ら死んでいく細胞がある。病的に細胞が死ぬのとはまったく異なり,遺伝子が制御した生理的な死だ。アポトーシスと呼ばれるこの現象は,細胞のガン化とも密接にかかわっている。 1993.06.60 共振器の中の量子電磁力学 S.ハロシ/J.-M.レイモンド 鏡を向かい合わせにした構造の共振器の中を励起原子が通過すると,そこでの「場」は,原子と光子を交換したり力を生み出す。 1993.06.90 メンフクロウの両耳による聴覚情報処理 小西正一 左右の耳に達する「時間差」と「音圧差」から音の情報が抽出され,それぞれは,別の脳神経経路をたどって最終的に「聴空間」へと統合される。 1993.07.106 細胞はどのようにストレスに対応するか W.J.ウェルチ 細胞は熱や毒などのストレスに遭遇すると,それらストレスによって受ける損傷を修復するためにストレスタンパク質をつくりだす。 1993.07.118 地図は何を語っているか D.ウッド 現代の世界地図は客観的だと思われているが,中世のキリスト教的世界観を表した地図と同じように,作製者の主観に基づいた省略や強調がある。 1993.07.126 不安と恐怖の神経生物学 N.H.カリン サルを使った研究から「不安」に関係するのはオピエイト神経系で,「恐怖」に関係するのはベンゾジアゼピン神経系であることがわかった。 1993.07.136 物理の美学を追い求めたディラック R.C.ホーヴィス/H.クラフ 理論物理学の巨人の1人ディラックは,実験データと合う複雑な理論より,数学的美しさをもった理論の方が真実に近いと考えた。 1993.07.23 自然発生するリズムとパターン 吉川研一 心臓の拍動や砂丘の模様に似たリズムとパターンが人工的に準備した化学反応溶液で自発的に再現される。これは原子・分子が集合したシステムで見られる普遍現象である。 1993.07.32 細胞の知覚と行動を制御する 上田哲男 細胞内の化学成分はリズミカルに往復流動したり,さまざまなパターンを形成している。これらは細胞の知覚や行動と密接な関係がある。 1993.07.40 リズムの相互作用で出現する歩行運動 編集部 非線形非平衡系のリズム現象を利用したユニークな歩行ロボットが話題を呼んでいる。 1993.07.44 リズムとパターンの物理 甲斐昌一 リズムやパターンを含め自然界の複雑な非線形非平衡現象はミクロスケールの現象とマクロスケールの現象をつなぐ「縮約」という概念で統一的に理解できるようになってきた。 1993.07.58 人工筋肉をめざすインテリジェント・ゲル 長田義仁/S.B.ロス=マーフィー 温度,pH,電場といった外界の変化に応じて膨張や収縮をするゲルは,優れた機能性材料になりそうだ。医学分野での応用も始まろうとしている。 1993.07.66 核ーマントル境界領域 R.ジャンロー/T.レイ 外核の上部とマントル最下部が接するこの領域は,地球の自転や地球地場に直接影響を及ぼしている。 1993.08.106 ホルモンがプレーリーハタネズミを一夫一妻制にする C.S.カーター/L.L.ゲッツ このネズミは長期間にわたるペアを作り,一緒に仔育てをする。こうした行動にはオキシトシンやバソプレシンなどのホルモンが関係している。 1993.08.116 自閉症 U.フリス 自閉症の人は脳に損傷があり,想像力に欠けたり,言葉の意味を文字通りにとるなどの傾向がある。また,彼らは他人の心を読むことができない。 1993.08.126 米国で流行する“優生学” J.ホーガン 精神病にかかわる遺伝子,アル中遺伝子,天才遺伝子,同性愛遺伝子,などをめぐって,行動遺伝学の論争が盛んになっている。 1993.08.22 人に優しい超並列コンピューター 川合敏雄 自然現象はどれも同じ基本法則に基づいて起きており超並列コンピューターはこの基本法則をありのままに再現できる。これによりプログラミングが不要になり,誰にでも使えるようになる。 1993.08.27 研究スタイルが変わる 小柳義夫 量子科学や生命科学,地球環境問題などのあらゆる分野で「グランドチャレンジ問題」と呼ばれる計算量の莫大な研究対象がコンピューターの高性能化にともなって解く段階に入ってきた。 1993.08.33 新しい発想の並列プログラミング 村岡洋一 逐次プログラムを並列プログラムに自動変換する「並列化コンパイラ」と新しい発想の「データフロー型並列オブジェクト指向言語」が超並列コンピューターを利用するカギになる。 1993.08.45 超並列コンピューターとその応用 鈴木則久 超並列コンピューターは高速ネットワークなどの情報基盤や応用ソフトウエアなどの利用技術を進展させれば私たちに新しい生活スタイルをもたらしてくれるだろう。 1993.08.74 地中に残る大気温の記録 H.N.ポラック/D.S.チャップマン 私たちの足元の地中には,過去の気候変動が「温度の化石」として深さの順に残されている。高感度の温度計で掘削孔を測ればその歴史がわかる。 1993.08.84 最も遠い電波銀河 G.K.ミレー/K.C.チェンバース 宇宙誕生から12億年しか経っていない「若い銀河」が見つかった。中心部に巨大ブラックホールがあって,強力なエネルギーを放出している。 1993.08.96 中心体の構造と機能 D.M.グローバー/C.ゴンザレス/J.W.ラフ 細胞内小器官である中心体は,その周辺物質から微小管を伸ばすことによって,細胞分裂や形態変化を制御している。 1993.09.102 不整脈の外科治療 A.H.ハーケン 心筋梗塞で死んだ細胞や病的になった細胞が原因となって,心臓の拍動が異常に速くなる不整脈が起きることがある。著者らは,その外科治療法を確立した。 1993.09.112 膨張宇宙を証明したハッブル D.E.オスターブロック/J.A.Rグウィン/R.S.ブラッシア 古来から宇宙は不変だと考えられてきたが,今世紀の初め,彼は「ハッブルの法則」を導いてこの考えに終止符を打ち,今日の宇宙の膨張観を開いた。 1993.09.20 転移研究の新しい流れ 日経サイエンス編集部 サイエンス・ビュー 1993.09.25 転移の臓器特異性を解き明かす 熊谷勝男 多数のマウス転移モデルの成功によってガン細胞が発現するサイトカインと接着分子との関連がわかり,転移の臓器特異性を決める要素が解き明かされようとしている。 1993.09.30 転移抑制遺伝子nm23の発見 木村成道 高い転移性を示す乳ガンや肝細胞ガンではいずれもこの遺伝子の発現が抑えられていることからガンの悪性度を知る手がかりとして有望視されている。 1993.09.35 転移と闘う段階的治療 美甘晋介 現在のところ,転移の確実な予測や予防は困難であるが,いくつもの治療法を組み合わせることにより,転移を食い止めることが可能になりつつある。 1993.09.46 南極圏の恐竜 P.ヴィッカース=リッチ/T.H.リッチ 1億年前に南極圏に位置していたオーストラリア南東部から,様々な恐竜の化石が見つかっている。彼らは,寒さや冬季の暗さに適応していたらしい。 1993.09.56 究極の時間測定技術 W.M.イタノ/N.F.ラムゼー 現代の時計は100万年に1秒しかずれないが,人工衛星による位置測定システムや相対性理論を検証するためには,さらに正確な時計が必要である。 1993.09.66 ウイルスをとらえる新しい概念「準種」 M.アイゲン ウィルスを従来の「種」ではなく,動的な「準種」と考えると,エイズウィルスなどの奇妙な振る舞いや,新しいワクチン療法の可能性が見えてくる。 1993.09.92 ファジィ論理 B.コスコ/井坂暁 ファジィ論理は,明確な情報を処理する二値論理を包含する広い概念で,あいまい情報の処理を得意とし,家電製品などへの応用が進んでいる。 1993.10.122 米国の情報スーパーハイウエー事情 G.スティックス ゴア米副大統領が力を入れている次世代の通信ネットワーク「情報スーパーハイウエー」をにらみ,通信・放送・情報の各社が思い思いの戦略を展開している。 1993.10.134 核弾頭の解体と核拡散防止 F.フォン・ヒッペル/M.ミラー/H.フェイブソン/A.ディアコフ/F.バークハウト 米国と旧ソ連は現在,大量の核弾頭を解体しているが,取り出した核物質は非核国やテロリストに渡らないように厳重に処分・管理しなければならない。 1993.10.20 バーチャルリアリティー最前線 編集部 バーチャルリアリティーの現状と可能性をさぐる。 1993.10.22 何が臨場感をもたらすのか 廣瀬通孝 臨場感は,さまざまな感覚器入力が統合して生じる複雑な感覚である。臨場感を高めるためには,非常に大きな視野を与え,それが自由に見回せるなど,新しい情報表示技術の開発が不可欠である。 1993.10.29 力の感覚を通して仮想世界と対話する 岩田洋夫 力の感覚は人間の能動的な働きと密接不可分な関係にあり,相互作用性の高い感覚である。この力覚を利用して仮想世界と相互作用すれば,他次元の世界も容易に理解できるようになる。 1993.10.34 究極の自立性「人工生命」 下原勝憲 自発的に変化し他と相互作用しあうプログラムを作ったところ,それは,生物界にみられるいろんな繁殖戦略をとった。人工生命は,やがて人間的な秘書ロボットなどを作り出すだろう。 1993.10.39 気配のもとを聴覚から探る 伊福部達 盲人は音によって,障害物の有無・距離・方向だけでなくその素材をも“聞き分けて”いる。障害物による反射音,遮音,音色の変化などが手掛かりになっているのである。 1993.10.47 医療へのVRの応用 二瓶健次 バーチャルリアリティーの医療への応用は,効果が大きいと思われる。実際,長期療養している子供がバーチャルリアリティーで外部の世界と交流して活気づくなどの成果が上がっている。 1993.10.58 新しい免疫寛容機構「T細胞アナジー」 R.H.シュワルツ 免疫担当担当細胞はなぜ自己を攻撃しないのか。その仕組みを説明する,新しい機構が見つかった。この機構は,自己免疫疾患の治療などにも応用できそうだ。 1993.10.70 カオスの制御と応用 W.L.ディトウ/L.M.ペコラ カオス的に動くシステムを制御できるようになった。カオスを利用すると,レーザー,電気回路,さらには動物の心臓の鼓動さえ安定化できる。 1993.10.82 食べ物と霊長類の進化 K.ミルトン 霊長類は体の割に大きな脳をもっているのが特徴だ。すぐ手に入る葉だけではなく,質の高い果実を探し求めたことが,この大きな脳に関係しているらしい。 1993.10.94 光より速く伝わる現象 R.Y.チャオ/P.G.クウィアト/A.M.スタインバーグ 量子光学の実験から,2つの離れた場所で起こった物理現象が,その間を伝わるどんな信号よりも早く,互いに影響を及ぼし合うことがわかった。 1993.11.116 エイズと免疫系 W.C.グリーン ヒト免疫不全ウイルス(HIV)がT細胞の中で行う複製過程がわかりつつある。各段階を阻止するような薬の開発が進められている。 1993.11.128 自己免疫疾患 L.スタインマン 発病の仕組みがわかってくると同時に,病原体に対する免疫力を低下させることなく,悪さをしているT細胞だけを抑える治療法が開発されつつある。 1993.11.140 アレルギーと免疫系 L.M.リヒテンシュタイン アレルギーの発症メカニズムは症状の軽微なものから致死的なものまで共通しており,その詳細が明らかになってきている。 1993.11.152 免疫系の働きを利用する治療薬 H.ビグセル 自己免疫疾患や臓器移植時の拒絶反応を抑えたり,エイズやガンや糖尿病を治療するために,免疫系の働きをうまく制御して利用する薬の開発が進められている。 1993.11.16 生命の複雑さを明かす免疫学 G.V.J.ノッサル ポリオや天然痘が過去の病気となりつつあることからもわかるように,免疫学は輝かしい成功を収めてきた。その進歩は,生命の深い理解にも貢献している。 1993.11.164 免疫系の果てしない闘い A.ミチソン 免疫系は病気をもたらす病原体と闘い続けてきたが,今後は,寄生虫と宿主が共存するような方向に進化していくだろう。 1993.11.28 免疫系はどのようにして作られるか I.L.ワイスマン/M.D.クーパー 免疫系の多彩な細胞群は,すべて骨髄中の「幹細胞」から分化・成熟して作られる。この事実は,各種の免疫不全症やリンパ系の悪性腫瘍を治療する可能性をひらく。 1993.11.46 免疫系はどのようにして侵入者を認識するか C.A.ジェンウェイ 免疫系の細胞は,未知の外来タンパク質に対応するために,1億種類もの異なる抗体を生み出す能力をもつだけでなく,感染細胞をキャッチする特別なレセプターを備えている。 1993.11.58 免疫系はどのようにして自己を認識するか P.マラック/J.W.カプラー T細胞やB細胞が未熟なうちに自己抗原と反応すると死んでしまう。この機構を逃れて成熟した自己反応性T細胞を不活性化する仕組みもある。 1993.11.72 感染症と免疫系 W.E.ポール 細菌やウイルス,病原体など,生態に潜む不法侵入者を追い出すために,免疫系はさまざまな巧妙な手段を講じる。 1993.12.108 トレンド数学 証明は死んだ J.ホーガン 形式的証明を重んじる数学の伝統が揺らいでいる。コンピューターを利用して得た“実験結果”を優先する新しい数学が成果を上げ始めた。 1993.12.18 サイエンス・ビュー 世界の基礎科学へ国際貢献 ヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラム (HFSP) 編集部・松尾義之 1993.12.46 陸と海に広がる巨大火成岩石区 M.F.コッフィン/O.エルドホルム 火成岩石区は膨大な溶岩の噴出によって数百万年という短期間につくられた。この爆発的なイベントは,多くの地球環境異変の引き金になった。 1993.12.56 タンパク質の進化と移動性ドメイン R.F.ドゥーリトル/P.ボルク 多くのタンパク質は,ドメインと呼ばれるいくつかの共通の機能単位をもつ。ドメインは進化の過程でさまざまなタンパク質に取り込まれたらしい。 1993.12.78 電場をかけると固まる電気粘性流体 T.C.ハルセイ/J.E.マーチン この材料は,外部から電場をかけると液体から固体に連続的に相変化するので,自動車のクラッチや衝撃吸収装置などの性能向上に役立ちそうだ。 1993.12.88 水媒花の受粉戦略 P.A.コックス 水に花粉を運ばせる水媒花は,受粉野効率を高めるために花粉を独特の形にするなどの工夫をしている。 1993.12.98 失読症を人工ニューラルネットワークで再現 G.E.ヒントン/D.C.プラウト/T.シャリス 脳の損傷により,単語を読めなくなることがある。人工ニューラルネットワークでこの症状を再現すれば,脳の情報処理の仕方を解明することができる。 1994.01.102 論争:自由貿易は環境破壊をもたらすか−−自由貿易の立場からの環境議論 J.バグワティ 自由貿易と環境保護は性格の異なる問題である。両者の対立を解決するには互いの好意と想像力によって制度上の改革を図る必要がある。 1994.01.110 論争:自由貿易は環境破壊をもたらすか−−自由貿易の落とし穴 H.E.デイリー 自由貿易推進派は,環境や社会が負うことになる見えないコストを無視している。国内市場のための国内生産こそが経済の基本である。 1994.01.138 トレンド 女性科学者はなぜ少ないか M.ハロウェイ 科学界では女性はまだまだ少数派である。教育現場での無意識の性差別や職場での制度の遅れなど,原因はいくつもあって単純ではない。 1994.01.18 X線天文学が開く新しい宇宙像。 サイエンス・ビュー。 1994.01.19 X線天文学の展開 小田 稔 1960年代のX線星の発見を契機に,X線天文学は大きく発展した。そこから,物理学の基本に触れる多くの問題が提示されている。 1994.01.23 日本のX線天文学の成果 「ぎんが」から「あすか」へ 牧島一夫/井上一/田中靖郎 1994.01.32 「ようこう」がとらえた太陽の激しい活動 内田 豊/小川原嘉明 太陽や恒星の物理の教科書を書き換えるほどの成果が日本のX線天文衛星によってあがり,世界の注目を集めている。 1994.01.40 X線連星の多彩な生涯 E.P.J.ファンデンフーベル/J.ファンパラディス この連星では超高密度星が伴星を食べてしまい両星は数奇な運命をたどる。 1994.01.50 アセチルコリン受容体の構造と機能 J-P.シャンジュー アセチルコリンなど神経伝達物質の受容体の構造は互いに良く似ており,ごく一部の違いが機能の違いを生み出していることがわかってきた。 1994.01.62 電力系統を制御する半導体デバイス N.G.ヒンゴラニ/K.E.スタールコフ サイリスタに代表される大電力用の半導体デバイスは,停電事故や不安定性を回避して電力系統の信頼性を高めるとともに,既存施設の送電容量を増加させる。 1994.01.72 古代のDNA S.ペーボ 絶滅した動植物が残した組織や骨から,DNAを抽出できるようになった。現生種との比較から,進化の過程で生じた遺伝子の変異を直接観察できる。 1994.02.102 トレンド 米国の超伝導研究開発 P.ヤン 高温超伝導の“誇大広告の時代”はとうの昔にすぎ去った。米国の研究者は,その約束された未来に向けて着実な歩みを続け一部は商品にまで結びついた。 1994.02.18 日本が開発したウラン濃縮技術「化学法」 垣花秀武/武田邦彦 米国の原子力委員会が,3%の濃縮ウランの得るのに数世紀もかかり実用にならないと評価した「化学法」が,日本の技術で見事に実を結んだ。 1994.02.30 コンプトン・ガンマ線観測衛星が見た宇宙 N.ゲールス/C.E.フィクテル/G.J.フィッシュマン/J.D.カーフェイス/V.シェーンフェルダー 米国が1991年に打ち上げたこの衛星は,短時間のうちに輝くガンマ線バーストをはじめ活動銀河核や超新星,パルサーの観測で目をみはる成果をあげている。               。 1994.02.42 MHC遺伝子の多様性が語る人類の起源 J.クライン/高畑尚之/F.J.アヤラ 免疫反応にかかわるMHC遺伝子の多様性は,病原体から身を守るための祖先からの遺産であり,現代人が大集団として進化したことを示している。 1994.02.58 生物に見られるリズムの同調現象 S.H.ストロガッツ/I.スチュアート ホタルの大集団が足並みを揃えて一斉に明滅を繰り返すように,複数の振動子のリズムが同調する現象は生物で数多く見られ,その数学的説明が試みられている。 1994.02.70 米国に進入したキラービー T.E.リンダラー/B.P.オルドロイド/W.S.シェパード 執拗に人や家畜を襲うとして恐れられているアフリカミツバチは,穏やかなヨーロッパ系と攻撃性の強いアフリカ系の交雑によって生まれた。 1994.02.80 1994年 科学の挑戦。 非対称性の未来を探る「素粒子ファクトリー」/遺伝子治療のビジネスが芽を出し始めた/多孔質シリコンは多芸多才だが,本物か?/音の色−音波発光にスポットを当てる/臨床試験を持つ人工肝臓装置/脳は最高位の統合場所をもっているか/氷河と海底が明かす気候の激変/「太陽ニュートリノ問題」を追う。 1994.02.92 ここまでわかったニュートリノの質量 江尻宏泰 ニュートリノは質量が小さく,宇宙の暗黒物質の主成分でないことが明らかになってきた。その一方で新しい力の統一理論構築の夢が広がっている。 1994.03.106 動物の性の本質 D.クルーズ 脊椎動物の中には,環境によって性別が決まるものもある。雌雄決定のメカニズムを調べることによって,性の本質が見えてくる。 1994.03.116 トレンド ガン克服への戦い T.バーズレイ 米国では1971年に「国家ガン法」が成立して,本格的な“戦い”が始まった。しかし,基礎医学や治療法の進歩にもかかわらず,ガン死亡率は減少していない。 1994.03.18 サイエンス・ビュー 薬を生み出す発想 編集部ほか 分子レベルで生体のさまざまな機構が解明されるにつれて,薬づくりの発想と過程が変わってきた。21世紀が目指すドラッグデザインを探る。 1994.03.18 新世紀への薬の創造 野口照久 画期的創薬の源泉を生命プログラムに求めて。 1994.03.24 カルシウム拮抗薬の発見 長尾 拓 日本が誇る医薬「ジルチアゼム」の研究・開発を通して,創薬を支える発想の重要さを考える。 1994.03.26 光学活性と医薬品開発 加藤隆一 より安全性と有効性の高い薬づくりのために,エナンチオマーの研究が生かされている。 1994.03.32 受容体構造に基づいたドラッグデザイン C.E.バグ/W.M.カーソン/J.A.モンゴメリー 受容体の立体構造をもとにした薬物設計により,有望な新築が誕生しつつある。 1994.03.42 リード化合物を創製する 板井昭子/富岡伸夫/西端芳彦 コンピューターの有効利用によって,合理的かつ論理的なドラッグデザインが可能になりつつある。 1994.03.46 創薬の歴史と展望 山崎幹夫 セレンディピティからメカニズム・オリエンテッドへ,今世紀後半,薬づくりは大きな転進を遂げた。 1994.03.52 ストレンジクォーク物質を探す H.J.クローフォード/C.H.グライナー 核物質は,原子核と中性子星という2つの極端な形でしか見つかっていない。この空白を埋めるため,加速器によるストレンジクォーク物質の探索が始まった。 1994.03.60 ラン藻の毒 W.W.カーマイケル ラン藻類が作り出す神経毒や肝臓毒は,しばしば野生動物や家畜の死因となるが,この毒を医薬品に応用する研究も行われつつある。 1994.03.70 計算可能な問題を解く新手法 J.F.トラウブ/H.ウォズニアコフスキー 多変数を扱う積分問題などは計算時間がかかりすぎて解けないと考えられてきたが,「平均時基準」と呼ばれる手法を使えば短時間で解けるようになる。 1994.03.96 湿原−−ダイナミックな生体系 J.A.カスラー/W.J.ミッチ/J.S.ラースン 近年,湿原に対する評価が高まっているが,ダイナミックに水位を変え,姿を変える湿原の特性は,必ずしも正確に理解されていない。 1994.04.114 南米にいた大型肉食鳥類 L.G.マーシャル 恐竜の絶滅後,数千万年にわたって南米大陸の食物連鎖の最高位に君臨していたのは大型の鳥だった。この鳥の栄枯盛衰は大陸の移動と密接な関係がある。 1994.04.122 トレンド 素粒子研究はどこへ行く J.ホーガン SSC計画が中止に追い込まれた今,どのように統一理論を探求していくか,物理学者たちは頭をかかえながらも知恵をしぼっている。 1994.04.134 エイズの拡大を防ぐ注射針交換プログラム D.C.デス・ジャーレイス/S.R.フリードマン 薬物使用者のエイズ感染が世界50カ国以上で報告されているが,適切な予防プログラムの実行によって,エイズ拡大を阻止することが可能だ。 1994.04.20 サイエンス・ビュー 特集 遺伝子治療 編集部ほか 遺伝病の根本的な治療として登場した遺伝子治療は,ガンやエイズにも適用され始め,将来は成人病の治療にも役立つと考えられている。しかし,技術的な課題があってまだ治療できない疾患も多く,研究は急ピッチで進んでいる。 1994.04.21 遺伝子治療の現状 1.広がる対象疾患/2.カギを握るベクター/3.課題と展望 編集部 タンパク質の設計図である遺伝子を体内に入れて病気を治す遺伝子治療対象疾患は遺伝子病だけではなく,ガンやエイズに広がっている。その一方で,既存の技術では治せない疾患もあり,多くの課題が残っている。 1994.04.32 センダイウイルスを使った新しいベクター系 中西真人 高い遺伝子導入効率・非分裂細胞への導入・安定した発現−−著者の膜融合リポソームと酵母の人工染色体の技術を組み合わせればこの3つの条件を実現する理想的なベクターも夢ではない。 1994.04.39 リポソームを使った脳腫瘍の治療 八木國夫 遺伝子治療にふさわしいように安全性が高くて導入効率も高いリポソームを作製。悪性脳腫瘍グリオーマの動物での治療実験に成功した。 1994.04.46 硫酸塩エアロゾルと気候変動 R.J.チャールソン/T.M.L.ウィグレー 産業が排出する硫黄化合物は大気を冷やす効果があり,これを規制すれば温室効果ガスの働きで地球の温暖化が急速に進んでしまう可能性がある。 1994.04.56 ヒトとハエで共通する体づくり遺伝子 W.マックギニス/M.クジオラ ヒトのタンパク質をショウジョウバエのゲノムに入れる実験によって,発生過程で体の形を決める共通の分子機構があることが明らかになった。 1994.04.66 信じられなくなった写真 W.J.ミッチェル 現在の写真合成は,デジタル技術を使ってコンピューターの中で行われる。そのため,写真だけでは,それが本物か偽物か見分けられないものもある。 1994.04.74 液体パラボラ望遠鏡 E.F.ボラ 洗濯機のスイッチを入れると中の水が渦になってくぼむが,これと同様の方法で液体金属に凹面を作れば,安価で大口径のパラボラ望遠鏡が建設できる。 1994.05.102 大西洋中央海嶺の冷たいホットスポット E.ボナッティ ノチール号による海底岩石の調査から,マントルの温度が平均値より低く,水を多く含んだ“ウエットスポット”の存在が明らかになった。 1994.05.114 100億人を養う食糧生産は可能か J.ボンガーツ 2050年までに世界人口は100億人になると予測されている。耕地の拡大や面積あたりの増産は技術的には可能だが,コストを抑えられるだろうか。 1994.05.20 サイエンス・ビュー 複雑系の科学 編集部ほか 単純な物質から複雑な生命が生まれる現象はどんな物理法則に従っているのだろうか。自然の複雑多様性を引き起こす物理法則を探求する「複雑系」の研究は,生命とは何かという大きなテーマに新しい問題を提起している。 1994.05.22 生命の自己組織−−適応する生命力 沢田康次 細胞の無秩序な集団が密な情報交換を行うことによって個体としての生命のバトンは,個々の細胞から多細胞体制の細胞集団に移る。 1994.05.28 細胞の適応を探る 大沢文夫 細胞内部で生み出される自発情報は細胞に入る外来情報と組み合わされて変動する環境での探索型適応行動を促す。 1994.05.34 多様性を生み出すカオス 金子邦彦 細胞文化のように同じ性質のものから違う性質のものが分かれたり要素と要素の“仲のよさ”が変化したり多様性が維持されたりする現象がカオスを示す要素のネットワークモデルでつくられた。 1994.05.42 カオスで脳を見る 津田一郎 脳はカオスを基礎としてダイナミックに機能しており,そうした脳を理解するためにはカオスの超越的性質を記述する方法論の樹立が必要である。 1994.05.52 遺伝子ターゲティング M.R.カペッキ 特定の遺伝子を人為的に破壊した“ノックアウトマウス”は,遺伝子の機能を調べるうえで格好の材料となるだろう。 1994.05.64 タイムマシンの量子物理学 D.ドイッチ/M.ロックウッド 量子物理学の世界ではいくつもの世界が同時に成り立つ。現代物理学の基礎理論によれば,時間旅行は決して不可能ではない。 1994.05.84 砂漠のカエル L.L.マクラナハン/R.ルイバル/V.H.シューメーカー 彼らは,体をロウで防水加工して水分の蒸発を防いだり,地中深く潜って雨を待ったりして,水分欠乏状態を切り抜けている。 1994.05.94 シリコン・ゲルマニウム混晶で実現する高速素子 B.S.メイヤーソン シリコン素子では不可能と考えられていた高速動作を,シリコン・ゲルマニウム混晶を使って現在の製造技術の延長線上で達成した。 1994.06.102 前立腺ガン治療のジレンマ M.B.ガーニック 前立腺ガンの手術や放射線治療は深刻な副作用を招くことがあるため,患者にとっても医師にとっても治療法の選択が大きな問題となっている。 1994.06.114 パイオニア・ビーナスが明らかにした金星の素顔 J.G.ルーマン/J.B.ポラック/L.コリン “双子”と称される地球と金星は驚くほど隔たった進化過程をたどってきたことが,14年にわたる金星探査機の観測で明らかになってきた。 1994.06.124 トレンド 生態系の復元は可能か M.ハロウェイ 何をもって「復元できた」とすればよいのだろう。フロリダ州大湿地帯の復元計画を機に,政治家・研究者・市民の間でさまざまな意見が出ている。 1994.06.138 グルメのための分子・物理学 N.クルチ/H.ティ=バンクアール 科学の知識を活用すれば料理の世界はもっと広がる。液体窒素で素早くアイスクリームを作ったり,「アイスクリームの天ぷら」の逆の物を作ることもできる。 1994.06.16 サイエンス・ビュー 数学の現在 編集部ほか フェルマの最終定理が“紙と鉛筆”で解かれようとしている。この出来事が端的に物語るように,コンピューター全盛の今日でも,純粋数学はなお独自の世界を開きつつある。フラクタル,カオス,複雑系といった計算機を使う数理科学,あるいはソリトンや超弦理論といった理論物理学など,いわば“昔の兄弟”からの刺激を受け入れながら,純粋数学は新たな地平をめざしていく。 1994.06.18 進化する純粋数学の夢 山下純一 コンピューターや理論物理学からの「圧迫」の中で純粋数学の夢は新たなステージへとシフトしつつある。 1994.06.30 数から見た数学の展開 黒川信重 現代数学では数という概念をどんどんと拡張してきた。そのための重要な手法である「ゼータ関数」は,不思議な世界を垣間見せている。 1994.06.40 式から見た数学の深化 若山正人 新しい対称性に基づく「非可換幾何学」が注目されている。この幾何学は,ソリトンや超弦理論など,理論物理学のトピックスをも射程に入れている。 1994.06.58 “心”をみる画像技術 M.E.レイクル 脳を画像化するPETやMRIの技術と認知科学の結び付きによって,脳の広範囲な神経活動を可視化することが可能になった。 1994.06.92 不思議な物性を引き起こす電荷密度波とスピン密度波 S.ブラウン/G.グリューナー 好き勝手な方向に運動する電子の集団と違い,結晶状に配列して運動する電子の集団は,わずかな電圧に対して劇的に応答するといった不思議な性質を示す。 1994.07.102 論争:同性愛は生物学で説明できるか−−男性同性愛にみられる生物学的根拠 S.ルヴェー/D.H.ヘイマー 最近の研究によって,脳の特定部分の相違や遺伝子学的な特徴が,性傾向と深くかかわっていることがわかってきた。 1994.07.110 論争:同性愛は生物学で説明できるか−−明確ではない生物学的差異 W.バイン 現在のところ,遺伝子や脳についての証拠は不十分である。行動の解明には,生物学的要因と社会的要因の相互作用の研究が不可欠だ。 1994.07.18 もうひとつの量子力学 D.Z.アルバート 現在の量子力学では,自然法則の根底は「偶然」が支配することになっている。しかし,ボームが構築した理論は,これに真っ向から挑戦する。 1994.07.30 インターフェロンはどのように病気と戦うか H.M.ジョンソン/F.W.ベイザー/B.E.センテ/M.A.ジャープ インターフェロンはうつ病などの副作用が懸念される一方,感染症やある種のガンの治療に効果を発揮しており,その作用の仕組みも詳しくわかってきた。 1994.07.40 超高速専用計算機GRAPE 戎崎俊一 ワークステーションにつながれた小さなボードがスーパーコンピューター以上の能力を発揮し,銀河の進化やタンパク質の構造の研究に威力を見せはじめている。 1994.07.58 ナメクジの脳でみる記憶と再認 木村哲也 ナメクジの脳に記憶が蓄えられる時,また,その記憶と照らし合わせて今あるものを認識する時に,脳内で何が起きているかが明らかになりつつある。 1994.07.68 ボネステルが描いた宇宙への夢 R.ミラー 1940年代から60年代にかけて1人の芸術家が描いた作品が,天文学に豊かな創造性を吹き込むとともに,有人飛行計画を実現する推進力となった。 1994.07.92 イーストサイド物語−−人類の故郷を求めて Y.コパン アフリカのリフトバレーは,800万年前に人類と類人猿の共通祖先を東西に隔てた。この地殻変動とその後の環境変化によって,ヒトが誕生した。 1994.08.100 新薬開発の民族植物学的アプローチ P.A.コックス/H.J.バリック 伝統的な医療法をもつ民族社会に受け継がれてきた薬用植物は,現代の医薬品開発にとっても,大きな価値のある財産である。 1994.08.110 トレンド 遺伝子診断と米国社会 J.レニー わずかな血液から疾患遺伝子の有無を判定できるようになった今日,遺伝子診断の結果は個人や社会に大きな波紋を投げかけている。 1994.08.18 サイエンス・ビュー 生きている化石 編集部ほか 地質時代から形態を変えないまま生き残っている生物がいる。こうした生物は,化石だけではわかりにくい古生物の生き方を知る手がかりになる。また,なぜ進化しなかったのかという難問を突きつけている。 1994.08.22 古生物の謎を解くカギ 加瀬友喜 生きている化石の研究は,古生物学上の謎を解く,重要な情報を提供する。熱帯地域のサンゴ礁の海底洞窟には,生きている化石群集が存在している。 1994.08.32 メタセコイアの繁栄と衰退 百原 新 生きている化石植物として名高いメタセコイアは,第四紀の日本から突然に姿を消してしまった。 1994.08.39 1400万年変わらない高等霊長類ヨザル 瀬戸口烈司 高等霊長類は進化が速く「生きている化石」はいないとされていた。しかし,ヨザルは恵まれた環境の中で形態を変えずにいた。 1994.08.44 なぜ形態が変わらないか 千葉 聡 生きている化石は,例外的な生物なのだろうか。進化のパターンを見ると決してそうではないことがわかる。 1994.08.50 古典力学的極限の原子をつくる M.ノーエンバーグ/C.ストラウド゙/J.イーゼル レーザーパルスを原子に当てて巨大な原子をつくると,電子状態は量子力学的性質と古典力学的性質の両方をあわせもつことが示された。 1994.08.58 情動・記憶と脳 J.E.ルドー 現代の神経科学は,いよいよ,心の問題にも踏み込み始めた。今回,「恐怖」という情動に関して,その体験を記憶する神経回路網が明らかになった。 1994.08.82 望遠鏡の性能を向上させる補償光学 J.W.ハーディー 地上の望遠鏡で星を観測すると像がぼけるのは大気がゆらぐためだが,ゆらぎの効果を補正する光学系を望遠鏡に装備すれば,像は鮮明になる。 1994.08.90 ミツバチは音とダンスで情報を伝える W.H.キルヒナー/W.F.タウン 本物のミツバチと同じように踊りながら音を発するロボット蜂を使った実験によって,ミツバチの「ダンス用語」が解明された。 1994.09.100 海牛類マナティー T.J.オウシェア ゾウと共通の祖先をもつ大型水生草食動物のマナティーには,歯が一生涯生え変わり続ける,基礎代謝率がきわめて低いなど,興味深い性質がいくつもある。 1994.09.110 東アジアの優れた複作農業 F.ブレイ 途上国の食糧問題を克服する農業としては,機械化された欧米型の単作農業よりも,副産物を含めた総収穫量の多い東アジアの複作農業の方が優れている。 1994.09.120 トレンド 意識は科学で説明できるか J.ホーガン 意識は科学実験の範疇を越えるものだとの考えが根強いが,さまざまな分野の研究者が一堂に会し,意識を科学の対象にしようと真剣に議論を始めた。 1994.09.16 血管と老化。 年をとるにつれて確実に増えていく血管の病気。これは器官としての劣化による,避けられない結末なのだろうか。血管の加齢と老化のメカニズムを,血管を構成する細胞を手掛かりに解き明かす研究が進んできた。 1994.09.19 血管の発生と老化 中村裕昭 血管は,血液を循環させるために人体のすみずみまで張りめぐらされた管である。一見,単純な中空の管であるが,1つの器官であり,始まりと終わりがある。 1994.09.26 内皮細胞の増殖制御と老化 加治和彦 困難とされていたヒト内皮細胞の培養方法が確立され,血管内皮細胞の老化の研究が前進しつつある。 1994.09.32 動脈硬化と平滑筋細胞 永井良三/相川真範/黒尾 誠 3種類のミオシンアイソフォーム,SM1,SM2,SMembの発見によって老化に伴って変化する平滑筋細胞の姿が明らかになってきた。 1994.09.38 血管と細胞外マトリックス 矢追義人 細胞外マトリックスは細胞の運動,分化,形態形成にとって重要である。さらに細胞増殖因子と結合して,細胞内へのシグナル伝達にも関与している。 1994.09.44 アポロが残した科学の財産 G.J.テイラー 25年前にアポロが月に到着し,岩石試料を持ち帰ったことによって,月と地球の進化についての人類の知識が深まった。 1994.09.56 自己複製する分子の合成 J.レベック 自分と同じ分子を作り,“突然変異”を起こし,資源をめぐって“競争”する人工有機分子は,最初の生命体に関するヒントを与えてくれる。 1994.09.66 固形ガンにはなぜ薬が効かないのか R.K.ジャイン 生体内の多くの腫瘍は抗ガン剤の侵入に対して強固な障壁を作っている。この抵抗性を克服するさまざまな方法が考えられるようになってきた。 1994.10.100 立体像が得られる共焦点顕微鏡 J.W.リヒトマン “人工知能の父”ミンスキーが30年以上前に考案した共焦点顕微鏡は,標本の内部を鮮明に見ることができ,画像処理システムとつなげれば立体像も得られる。 1994.10.108 SQUIDによる微小磁場の計測 J.クラーク 極めて小さな磁場の変化を検出する超伝導量子干渉計SQUIDは,脳や心臓の病変部位を突き止めたり,相対性理論を検証したり,応用の幅が広い。 1994.10.120 細胞が抗原を提示するプロセス V.H.エンゲルハード 高等脊椎動物の免疫系が働くためには,抗原をT細胞が認識できるように提示しなければならない。この抗原提示のプロセスがわかってきた。 1994.10.132 トレンド 女性の健康は守られているか M.ハロウェイ 先進国,発展途上国を問わず,女性の健康が軽んじられる傾向が強い。状況を改善するには,望ましくない慣習や偏見,社会問題を直視する必要がある。 1994.10.16 サイエンス・ビュー 言葉の起源 編集部ほか 人間が言葉を話し始めたのは,発生器官が豊富な音を出せるようになり,大脳が抽象的な事柄を操れるようになるまで進化したころだろう。それは,数万年前から20万年前ごろの出来事だったようだ。 1994.10.18 サルは言葉をしゃべっているか 正高信男 言葉に似た声を出すサルはいるが,外界の事者を意のままに表現できるのはヒトだけである。 1994.10.24 イルカの“言葉” 竹村 暘 「イルカは知能が高く,音声で会話している」と,よく言われるが,この研究は現在どのようになっているのだろうか。 1994.10.26 何が音声言語を可能にしたのか 小嶋祥三 ヒト以外の霊長類は音声器官の構造から多様な音声が出せず,言語に関係の深い大脳左半球の優位性もみられない。 1994.10.32 人類は20万年前に言語を獲得した 竹岡俊樹 石器の制作は,音を文に組み上げる作業と同じであり,人類が石器を完成させた時代が,言語が成立した時代でもある。 1994.10.39 社会的事件としての言語の誕生 坂本百大 言語は,人間が社会や文化をもったときに出現した。その時,同時に,経済や法も出現したと思われる。 1994.10.44 実現した青色の高輝度発光ダイオード 中村修二 世界中の研究者が必死に取り組んできた熾烈な開発レースに決着がついた。成功へのカギは,既成のさまざまな“常識”を破っていくことであった。 1994.10.56 極端紫外線で見た宇宙 S.ボイヤー 米国が1992年に打ち上げた天文衛星は,観測しても見つからないと考えられていた天体の極端紫外線を次々にとらえ,新しい問題を提起している。 1994.11.118 解明された深発地震のパラドックス H.W.グリーン 400kmを越える深さで起きる地震がある。この深さのマントルは高い圧力下にあり,脆性破壊は起こらない。このような深部でなぜ地震が起こるのかが,ようやく解明された。 1994.11.128 ライム病の治療と予防 F.S.カンター ライム病はダニが媒介する微生物が原因となって起きる。米国ではワクチンの臨床実験が始まった。次の研究目標は,一部の患者で起きる慢性化を防ぐことである。 1994.11.136 ナポレオンのエジプト遠征の科学的重要性 C.C.ギリスピー エジプト侵攻に同行した科学者や技術者が持ち帰った輝かしいエジプト文明の遺産は,ヨーロッパの物理学,化学,動物学の進歩に貢献した。 1994.11.25 サイエンス・ビュー 分子触媒−変わる化学の世界 編集部ほか 化合物の多くは,右手と左手のように形の違う異性体を持っている。著者たちは斬新な分子触媒を設計し,どちらの不斉分子でも片方だけを大量に合成できる方法を編み出した。この一般性の高い手法により,望みの立体構造を作り出すことも容易になった。形を自由に操れる新しいサイエンスの膜開けである。 1994.11.26 完全化学反応の実現に向けて 碇屋隆雄/橋口昌平/宮竹達也 分子触媒は決まった相手だけを分子認識する,均一な化学反応場でその機能を発揮する特徴を併せもち,単一の化合物だけを高い効率でつくり出せる。 1994.11.34 キラリティーと不斉合成 香月つとむ  有機分子の多くは立体であるがために異性体が存在する。分子触媒は望みの異性体を合成することができる。 1994.11.42 不斉増殖を可能にした分子触媒 野依良治 遷移金属を含むキラルな分子触媒を使って,少量の不斉源から大量の光学活性物質が得られるようになった。この不斉増殖法は多くの有用物質の工業化と創製研究を可能にした。 1994.11.56 プレートの沈み込みが引き起こす大陸の成長 平 朝彦 日本列島や周辺海域の研究から,プレートの沈み込みによって生産されたマグマ物質の寄せ集めと,そのリサイクル運動によって大陸地殻が作られたことがわかった。 1994.11.72 未知の素粒子を低エネルギー装置で探す D.B.クライン 標準理論にない未知の素粒子は重く,高エネルギー装置でないと生成できない。しかし,存在を示す“証拠”は低エネルギー装置でも探すことができる。 1994.11.90 細胞がはいまわる仕組み T.P.ストッセル 細胞は,突起を出し,突起を収縮させて前進し,また突起を出す,という操作を繰り返してはいまわる。この運動が起きる仕組みが分子レベルでわかってきた。 1994.12.108 地球外生命の探索 C.セーガン 観測は有機物と水,および惑星系がありふれていることを示唆しており,宇宙のすべての場所が生命の発生に適さない環境であるとは考えられない。 1994.12.120 知性の出現 W.H.カルビン 物事を予期して計画を立てるという能力は,物を正確に投げる動作のような,すばやい動きの組み立てを必要とした結果,生まれたのではないだろうか。 1994.12.132 ロボットは地球を受け継ぐか M.ミンスキー 将来は肉体と脳を機械で代替することが可能になり,人間は長寿とこれまで持ち得なかった知力を手に入れるだろう。彼らは私たちの“心の子供たち”である。 1994.12.14 宇宙の中の生命 S.ワインバーグ およそ1500億年前のビッグバンからはじまった宇宙は,どのような法則によって混沌の中からまとまり,生命や人間の登場の場をつくったのだろうか。 1994.12.142 人類存続への道 R.W.ケイツ 温暖化や人口増などが懸念されるが,技術や制度の進化,地球環境への関心の高まりによって,環境的に持続可能な社会を建設できる。 1994.12.22 宇宙の進化 P.J.E.ピーブルス/D.N.シュラム/E.L.ターナー/R.G.クロン 宇宙は,物質とエネルギーが高温高密度の状態から誕生した。このビッグバン以降,宇宙は膨張・冷却し,銀河,星,惑星,そして生命が生まれた。 1994.12.30 元素の誕生 R.P.カーシュナー 水素とヘリウムはビッグバンの激しい熱の中で生まれた。炭素,酸素,カルシウム,鉄など生命を形作っている複雑な元素は,星の内部深くで合成された。 1994.12.40 地球と大気の進化 C.J.アレグレ/S.H.シュナイダー 生命は,地球の誕生と大気の形成によって生まれた。地球上にあふれる生命は,その後の地球大気の進化を方向づけただけでなく,地球の未来をも担っている。 1994.12.50 生命の起源 L.E.オーゲル 最初の生命は,触媒活性をもち,自己複製能力のあるRNAから誕生したと思われる。そのようなRNAはどのように出現したのだろうか。 1994.12.60 生物の進化 S.J.グールド 進化は偶然が大きく支配している。進化を進歩や複雑化の歩みと考えたり,大量絶滅を生き伸びた生物が滅んだ生物よりも優れていたと考えるのは誤りである。 1995.01.104 ゼノンのパラドックスを解く W.I.マクローリン 「英雄アキレスは先にスタートした亀に追いつけない」という論述は,紀元前から哲学者や数学者を悩ましてきたが,最近,この問題が解決された。 1995.01.112 流行性脳脊髄膜炎を克服する P.S.ムーア/C.V.ブルーム ありふれた細菌である髄膜炎は,しばしば途上国で流行性脳脊髄膜炎の大流行を引き起こす。この流行は予防する手だてが見つかってきた。 1995.01.122 トレンド “黄金狂時代”の分子生物学 T.ベアズリー バイオテクノロジー産業の隆盛によって,古きよき学問としての生物学は少数派になろうとしている。分子生物学の商業化に問題はないのだろうか。 1995.01.22 島大陸マダガスカルの奇妙な植物たち 湯浅浩史 アフリカ大陸の南東400kmに位置する島国マダガスカル。ここでは動植物の3/4が固有種である。マダガスカルの植物は,乾燥や強い日差しの下,幹に水を蓄えたり,枝が極端に短くなったり,樹皮の下で光合成を行うなど,さまざまに適応し,奇妙な姿を見せる。 1995.01.38 自己増殖するインフレーション宇宙 A.リンデ 宇宙は子宇宙,孫宇宙,曾孫宇宙……と自己増殖するフラクタルのように次々と新しい宇宙を生み出す。各々の宇宙では物理法則が異なっているかもしれない。 1995.01.50 花を形成する遺伝子 E.M.マイエローウイッツ 正しい位置に,花の器官が正しく分化するように働く遺伝子がわかってきた。この知見を使えば,花を“設計”することも可能になるだろう。 1995.01.88 エッシャーが語りかける世界 D.シャットシュナイダー エッシャー作品の本質は“だまし絵”ではない。科学や数学の中に隠された抽象概念であるシンメトリー(広い意味での対称性)を具体的に提示することだった。 1995.01.96 コンピューターネットワークの安全性 J.I.シラー インターネットのような情報環境では,「誰でもアクセスできながら特定の人のみが情報を提供・獲得するためのセキュリティ」を実現しなければならない。 1995.02.102 トレンド 電子ネットワークと学術論文 G.スティックス 科学者は値段が高くて印刷が遅い学術誌より,世界中から論文にアクセスできるインターネットを支持し始め,図書館や出版社も変革を迫られている。 1995.02.14 サイエンス・ビュー 100年目のX線 編集部・松尾義之 ちょうど100年前の1895年秋,レントゲンによって発見されたX線はまさに20世紀の科学を輝かせる光となった。とくにX線の波長が原子や分子のスケールと対応していたため,「構造」を教えてくれる手段を提供したのである。現在,SPring8に代表されるような第3世代の放射光施設が建設中であり,21世紀もまた,X線は確実に自然界の謎に光を当て続けていくだろう。 1995.02.30 ゴビ砂漠の恐竜化石 M.J.ノヴァツェク/M.ノレル/M.C.マッケナ/J.クラーク アンドリュース隊の探検から70年を経た今日も,次々と新しい化石を産出し続けるゴビ砂漠は,古生物学者にとってのパラダイスである。 1995.02.42 地球のリモートセンシング画像 D.L.エバンズ/E.R.ストファン/T.D.ジョーンズ/L.M.ゴッドウィン スペースシャトル「エンデバー」がとらえた地球のレーダー画像は,災害調査,環境保全,土地利用,遺跡発掘などにきわめて有効な情報を提供している。 1995.02.50 新しい遺伝子医薬 J.S.コーエン/M.E.ホーガン 短鎖のDNAやRNAを用いて,病気の原因となる遺伝子の転写および翻訳を阻害するアンチセンス医薬とトリプレックス医薬の開発が進んでいる。 1995.02.58 物質と光の二重性 B.G.エンクラート/M.O.スカリー/H.ヴァルター 電子や光子など微視的な粒子の粒子性と波動性を同時に観測できないのは,不確定性関係が要請するからではない。それ自身が根本的な原理である。 1995.02.74 最大の単細胞性植物イワヅタ W.P.ジャコブス 世界で70種以上が知られる海藻の仲間のイワヅタ類は,単細胞性でありながら,葉,茎,根と,形態分化をした器官を備えている。 1995.03.102 健康な100歳老人の謎 T.T.パールズ 95歳以上の老人は,80代や90代前半の人々よりはるかに健康的で活動的のように見える。彼らは多くの障害お克服できる“選ばれし人々”らしい。 1995.03.110 デジタル文書をどのように残すか J.ローゼンバーグ 電磁的に記録された文書は,記録媒体の劣化,読み取り装置の旧式化,ソフトとハードの面での激しい世代交代により,消失の危機に直面している。 1995.03.22 サイエンス・ビュー 細胞内の物質輸送 編集部ほか 細胞の中ではさまざまなタンパク質が並行して合成されている。その中にはホルモンのような分泌タンパク質もあれば,小胞体やゴルジ体などで働くタンパク質もある。どのようにして選別されて正しい場所に運ばれているのだろうか。 1995.03.24 小胞体からゴルジ体へ 中野明彦 分泌経路の入り口にあたるこの部分は輸送を担う側のタンパク質について多くの知見が得られている。 1995.03.33 ゴルジ体内での選別と輸送 多賀谷光男 ゴルジ体はタンパク質選別の中心的な場である。ここでの輸送も小胞が担っている。 1995.03.41 ゴルジ体以降の選別 田中嘉孝/姫野 勝 輸送されるタンパク質の側のシグナルとダイナミックな小胞のリサイクルを紹介する。 1995.03.62 はくちょう座新星V1974の誕生と死 S.スターフィールド/S.N.ショアー この天体は“誕生”と“死”が初めて観測された新星であり,予想より約10倍も多い物質を噴き出すなど,新星進化の研究に新たな問題を提起している。 1995.03.72 プリオンはどこまで解明されたか S.B.プルシナー 核酸をもたない“病原体”プリオンは,タンパク質の立体構造を変化させることによって,正常型から病気をもたらす変異型へと姿を変えるらしい。 1995.03.84 パンゲア以前の大陸移動 I.W.D.ディエル 巨大大陸の一部だった北米は,南極から分離して赤道域をさまよい,南米と二度の衝突と分裂を繰り返して,5億年後にパンゲア超大陸の一員となった。 1995.03.94 しなやかな生物分子機械 D.W.アリー 生体の結合組織のタンパク質をまねた弾力に富むバイオポリマーの誕生は,次世紀の医療や日常生活を大きく変えようとしている。 1995.04.102 躁うつ病と創造性 K.R.ジャミソン 著名な作家や芸術家を対象にした複数の研究から,彼らは一般の人々よりも明らかに気分障害にかかりやすいことがわかった。 1995.04.110 宇宙からのメーザー M.エリッツア 星の一生のうちの若い時期や老齢期は,ガスや星間塵にさえぎられて光では見えないが,宇宙メーザーを調べることで詳細な構造が明らかになる。 1995.04.120 合成テストステロンの歴史 J.M.ホバーマン/C.E.イエサリス 筋肉増強剤として使用が禁止されてきたテストステロンだが,“男性更年期障害”の治療薬としての用途が開かれようとしている。 1995.04.18 サイエンス・ビュー インターネットと科学 編集部ほか 科学者の便利な情報環境であるインターネットの世界に,他の分野の多くの人々が参加してきた。この新しい変化の中で,科学者はどのようにインターネットとかかわっていけばよいのだろうか。 1995.04.20 変わる研究環境 石田晴久 WWWやMosaicの登場により,多様性をもつインターネット環境が生まれた。 1995.04.26 物理学の世界での利用 釜江常好/白橋明弘 データベースの利用が増加するなかで,将来のネットワーク像を検討する段階に入った。 1995.04.33 WIDEプロジェクト 村井 純 より高機能のネットワーク実現のために,さまざまな基礎研究が推進されている。 1995.04.56 音響ルミネセンス S.J.パターマン 気泡の入った水に音波を当てると,エネルギーが1兆倍も凝集され,ピコ秒の光パルスが発生する。しかし,この機構はまだ解明されていない。 1995.04.64 遺伝子の転写を調節する分子装置 R.テイジャン 細胞の種類によって作られるタンパク質の種類は異なっている。その,遺伝子の発現を調節しているタンパク質複合体の構造と機能がわかってきた。 1995.04.80 地球に大異変をもたらした白亜紀のスーパープリューム R.L.ラーソン 白亜紀中期に,プリュームの活動がきわめて活発になった。海洋地殻の形成速度が速くなっただけではなく,海水準や気温の変動など,影響は全地球に及んだ。 1995.05.18 サイエンス・ビュー 文部省科学研究費のゆくえ 編集部・松尾義之 大学では10年来「校費」が据え置かれた結果,アクティブな研究室では,いまや「科研費」がその存亡を左右している。ところが,少なくとも「科研費」の一般分などでは,合理的な審査が行われているとは言い難く,申請側の科学者もフラストレーションがたまっている。 1995.05.32 遺伝子変異の蓄積がガンを引き起こす W.K.キャベニー/R.L.ホワイト 細胞内に遺伝子の変異が蓄積するにつれて,正常な細胞はガン細胞に,さらには悪性度の高いガンへと変わっていく。 1995.05.44 ボノボの性行動と社会 F.B.M.ドゥ・ヴァール 人類にきわめて近い類人猿のボノボは,雌同士の結びつきが深く,雌優位の社会を作っている。それは性行動をして争いを回避する平和な社会である。 1995.05.58 タンパク質分子でできた素子 R.R.バージ タンパク質分子でできた素子は,現在のメモリーの300倍もの記憶容量を実現する。並列処理やニューロコンピューターにも有望だ。 1995.05.70 重要医薬品評価の迅速化 D.A.ケスラー/K.L.ファイデン 米国では,医薬品の承認までの手続きをスピードアップして,治療法のない重い病気にかかった患者に開発中の有望な薬を供給することができる。 1995.05.80 古代ギリシャの環境破壊 C.N.ランネルズ 地質学と考古学を組み合わせた研究から,古代ギリシャ人は,乱開発しては土壌の侵食を招いて土地を放棄していたことがわかった。 1995.05.86 レーザーによる化学反応の制御 P.ブルマー/M.シャピロ 光と物質が干渉する量子効果を利用すると,望みの化合物だけを作れる可能性がある。この手法は特に製薬工業に利点が大きい。 1995.05.94 ロボット・マグロ M.S. トリアンタフィロ/G.S.トリアンタフィロ 魚は流れの中にある渦を巧みに操りながら素早く,また機敏に泳ぐ。この仕組みをまねた船舶のモデル研究が進んでいる。 1995.06.128 メソポタミアの古代都市に見る権力構造 E.C.ストーン/P.ジマンスキー 紀元前2000年頃に繁栄した都市では,金持ちと庶民が軒を並べて住んでいた。古代の都市は中央集権的だったという考えは改めなくてはならない。 1995.06.16 コンピューターが明かす名画の謎 L.シュワルツ 「モナリザ」はダ・ビンチの似顔絵であり,シェイクスピアの肖像画はエリザベス女王を真似ていた。コンピューターは美術史にも影響を与えつつある。 1995.06.24 両生類はなぜ減っているのか A.R.ブラウンシュタイン/D.B.ウエイク 世界の各地でカエルやサンショウウオの個体群が減っている。生息地の破壊など原因が明らかな種もあるが,多くは理由のわからないままである。 1995.06.32 太陽圏の果てを求めて J.R.ジョキピ/F.B.マクドナルド 太陽の直接的影響が及ぶ宇宙の範囲を太陽圏と呼ぶ。多くの謎を秘めたその辺境領域に,いよいよパイオニアとボイジャーの4つの探査機が迫る。 1995.06.40 ヒトの抗体を作るトランスジェニックマウス 西 義介 遺伝子ターゲティングと人工酵母染色体の技術が生んだヒト型抗体を作るマウスによって,免疫療法は新しい時代を迎えようとしている。 1995.06.52 ヒントから学ぶコンピューター Y.S.アブ=モスタファ 賢いコンピューターを作る手法はまだ見つかっていないが,知能的なヒントを与えると,その学習能力は格段に進歩することがわかった。 1995.06.60 動物の行動をつかさどる遺伝子 R.J.グリーンスパン ショウジョウバエの求愛行動には,多数の遺伝子がかかわっている。面白いことに,それらの遺伝子は,求愛行動以外の機能も担っている。 1995.06.94 無限とは何か A.W.ムーア 無限を正しくとらえるのは難しく,ギリシャの時代から数学者を悩ませてきた。有名なカントールの仕事によってもなお,未解決の問題が残されている。 1995.07.112 海洋のソルトフィンガー R.W.シュミット 水温と塩分濃度の異なる海水が接すると,低塩分の冷水が下から細かくわき上がることがある。この小規模な現象が海洋の広い範囲に奇妙な構造を作る。 1995.07.120 高エネルギー物理学を支える半導体検出器 A.M.リトケ/A.S.シュワルツ トップ・クォークの発見に象徴される現在の加速器実験では,集積回路技術で作られた「マイクロストリップ検出器」が高い測定精度を実現している。 1995.07.128 トレンド “過去”を保存する M.ハロウェイ 世界の遺跡が,開発,汚染,略奪,管理の怠慢などによって危機に瀕している。それを救おうとするプロセスが,考古学を新しい科学に変えつつある。 1995.07.18 サイエンス・ビュー 心の病気をさぐる 編集部・菊池邦子 精神分裂病や躁うつ病に代表される精神障害の解明と治療は,どこまで進んでいるのだろうか。分子遺伝学の研究,精神医学を大きく変えた抗精神病薬,社会復帰のための努力など,さまざまな方面から心の病気をめぐる現状を伝える。 1995.07.28 連星中性子星の大爆発 T.ピラン 2個の中性子星が連星となった連星中性子星は,最終的には合体して大爆発を起こす。これが,謎の多いガンマ線バーストの発生源かもしれない。 1995.07.38 フラクタル構造をもつ高分子デンドリマー D.A.トマリア 樹木が枝を伸ばす様子にヒントを得たこの人工ポリマーは,大きさや性質を設計通りに合成できるため,医学や化学工業の分野で応用が期待されている。 1995.07.87 検証:ニールス・ボーアをめぐる核の疑惑。 1995.07.88 ボーアは原爆の秘密を漏らしたか? H.A.ベーテ/K.ゴットフリード/R.Z.ザグデーエフ 第2次大戦終結直後,マンハッタン計画の極秘情報を入手するためにソ連のスパイがボーアに近づいたが,彼はあいまいな応対ではぐらかした。 1995.07.97 理論家ボーアの大いなる誤解 J.バーンスタイン 1943年,ボーアはハイゼンベルクからドイツ軍の原爆製造計画を打ち明けられたと思い込んだ。しかし,ハイゼンベルクが言及したのは原子炉だった。 1995.08.104 トレンド 岐路に立つサンタフェ研究所 J.ホーガン 人工生命を含む複雑適応系の研究はフィーバーの時代を終えつつある。サンタフェ研究所の目的である“複雑系の統一理論”にも懐疑的な声が出てきた。 1995.08.114 10億人を悩ます鉤虫感染 P.J.ホッツ/D.I.プリチャード 鉤虫は腸に寄生する1cm程度の線虫だが,深刻な貧血症や発育障害の原因になる。鉤虫が作るタンパク質の解明によってワクチン開発の可能性がひらけた。 1995.08.124 血縁を認識する動植物 D.W.フェニッグ/P.W.シャーマン ある種の動物や植物は,さまざまな手がかりをもとにして,自分の血縁者を識別する。血縁認識は生物にとって,どのようにして有利になるのだろう。 1995.08.18 サイエンス・ビュー 超伝導研究のデリバティブ 編集部ほか 高温超伝導体を使った電力貯蔵や無損失送電,磁気浮上式鉄道といった“本筋”の応用は進んでいない。しかし,研究が深まるにつれ,まったく新しいプロセス技術や物理現象など“派生的な成果”があがりつつある。 1995.08.20 レーザー分子線エピタキシー 鯉沼秀臣 レーザー分子線エピタキシーは,酸化物エレクトロニクスの世界を開く要素技術である。 1995.08.26 磁場で起こす結晶構造の変化  十倉好紀 磁場によって結晶構造を変化させることができる。磁気ヘッドやスイッチへの応用が期待されている。 1995.08.33 超伝導接合の特異な伝導現象 樽谷良信  超伝導接合では特異な伝導現象が見られる。絶縁体にも超伝導特性をもたせることができる。 1995.08.40 世界最強の電磁石 G.ボービンガー/A.パスナー/J.ベック ダイナマイトの威力に匹敵する73万ガウスの強磁場を,非破壊型の電磁石で達成した。原子核物理への貢献や大型輸送分野への応用が望める。 1995.08.50 “囚人のジレンマ”と生物の進化 M.A.ノワック/R.M.メイ/K.ジグムント 生物界には,助けあいが広く浸透している。どうして,協力しようとする相手をだまして,自分だけが得をしようとしないのだろうか。 1995.08.58 囚人のジレンマ・ゲームを作ろう A.L.ロイド アマチュアサイエンティスト  1995.08.62 ハローをもつ原子核 S.M.オースチン/G.F.バーチ 周囲を中性子もしくは陽子の雲が取り囲んでいる「ハロー原子核」は,原子核の結合の謎について,解決の糸口を与えてくれるかもしれない。 1995.09.14 サイエンス・ビュー CP非保存の謎に挑む 編集部ほか 30年前,K中間子が崩壊する際にCPが保存されていないことが発見された。物質世界と反物質の世界では物理法則が異なるというわけだが,保存されない理由はわからなかった。高エネルギー物理学研究所の建設中のBファクトリーは,この30年来の謎の解明に挑戦する。 1995.09.15 Bファクトリーとは何か  編集部・福田夏樹 計画中のBファクトリーとは,どのような目的をもっているのだろうか。また,この加速器にはどんな技術が使われるのだろうか。 1995.09.18 大量の粒子群を制御する加速器 KEKB 黒川真一 電子,陽電子それぞれ5000個というバンチの多さと蓄積電流の大きさが,設計を難しいものにしている。 1995.09.25 超精密な観測を可能にする検出器BELLE       高崎史彦 エネルギー的にはトリスタンより低いが,大量に発生する個々の粒子を正確に測定しなければいけない難しさがある。 1995.09.34 ラザフォードからBファクトリーへ 編集部・福田夏樹 ラザフォードから現在まで,加速器技術と素粒子物理学の歴史を概観する。 1995.09.40 アカオオカミの起源と保護 R.K.ウェイン/J.L.ギットルマン 絶滅危惧種のアメリカアカオオカミは,コヨーテとタイリクオオカミの雑種だった。しかし,だからといって保護しなくていいわけではない。 1995.09.48 あやしく光る海洋性物 B.H.ロビソン 海面下数百mから1kmの海洋中層域と呼ばれる場所には,かすかな光を放つ多様な生物が特殊な生体系をつくっている。 1995.09.60 偽造に立ち向かう新ドル札 R.E.シャフリック/S.E.チャーチ 1996年に新しい100ドル札が登場する。カラー複写機による偽造を防止するため,モアレ模様や特殊インクなどを採用する公算が大きい。 1995.09.69 日本の偽造対策 植村 峻 きめ細かな改良により,偽造者の出る幕はない。 1995.09.74 細胞移植による糖尿病の治療 P.E.レーシー 移植したランゲルハンス島を免疫系の攻撃から守るためのアイデアが次々と出ている。この治療法は近い将来,日常的に行われるようになるだろう。 1995.09.82 車も飛ばす投石機の威力 P.E.シェベデン/L.アイゲンブロート/V.フォーレイ/W.スウェデル 復元による実験やコンピューターを駆使したシミュレーションの結果,中世最強の武器である投石機の操作原理が明らかになった。 1995.09.90 物理学者オッペンハイマー J.S.リグデン 原爆製造計画で有名なオッペンハイマーは,分子物理学の基礎理論,中性子やブラックホールの理論など,現在の物理学につながる確かな足跡を残した。 1995.09.98 トレンド 導電性プラスチックの将来 P.ヤン 使い道によっては金属を上回る性質を示す材料が続々と開発されている。ただし,実用化の流れを決めるのは,やや保守的な市場の動向である。 1995.10.18 サイエンス・ビュー 分子時計の功罪 生物が進化しながら種分化してきた様子を,遺伝子やタンパク質からたどることができるようになった。しかし,従来の化石などの形態をもとにした系統進化のシナリオと合わないシナリオも出てきている。 1995.10.20 分子時計は信頼できるか?−−古生物学者から見た分子時計 瀬戸口烈司 人類の起源をめぐり,一躍脚光を浴びた分子時計だが,化石の証拠と合わない例も出ている。 1995.10.24 分子時計の有用性と課題 熊澤慶伯 非常に有用なツールであるが,さらに確かなものにするための研究の余地は残っている。 1995.10.29 化石で見たクジラ類の系統分類 岡崎美彦 歯鯨類とヒゲ鯨類は,歯の有無だけで区別できるわけではない。 1995.10.34 分子で見たクジラ類の系統分類 木村敏之 分子系統学で調べると,歯鯨類は単系統群ではなくなってしまう。 1995.10.40 分子を中心に見たゾウ類の系統進化 小澤智生/林 誠司 化石記録だけではまだ不明な点があるが,分子の情報がこの問題を解決できるかも知れない。 1995.10.45 形態からみたゾウ類の系統上の位置 犬塚則久 長鼻目は海牛目や絶滅した束柱目に近い。しかし,この3目内での詳しい関係はわかっていない。 1995.10.49 化石から見るゾウ類内の系統分類 三枝春生 複数の説が出ており,分子情報からのデータが出るのが待たれる。 1995.10.64 木星で最期を遂げた彗星 D.H.レビー/E.M.シューメーカー/C.S.シューメーカー 1995年7月木星表面に突入したシューメーカー・レビー第9彗星の発見と観測には多くの幸運が重なった。研究の成果が出るのはこれからだ。 1995.10.82 HIVはどのようにして免疫系を破壊するのか M.A.ノワック/A.J.マクマイケル エイズウイルスは人の体内で限りなく変異し続ける。さまざまな変異株に攪乱された免疫系はやがて戦力を低下させ,エイズが発病する。 1995.10.94 トルネードの驚異 R.デービス=ジョーンズ 竜巻(トルネード)を発生する雷雲のメカニズムの解明はかなり進んでいる。しかし,竜巻自体がどのように発生・発達するのかはよくわかっていない。 1995.10.106 潜水病の生理学 R.E.ムーン/R.D.バン/P.B.ベネット 高圧環境から戻るときに起こる「減圧症」は1世紀以上も前から知られていたが,そのメカニズムが最近になって解き明かされつつある。 1995.10.118 カエルのコミュニケーション P.M.ナリンズ 動物たちが鳴き競う熱帯雨林の中で,カエルたちは自分の声を同種の雌に確実に届けるために,さまざまな工夫をしてきた。 1995.10.126 役に立つノイズ F.モス/K.ビーゼンフェルト 普通は検出できないような弱い周期信号が,ノイズ(雑音)を加えると検出できるようになる。この例は,電子回路から生物の神経信号まで及んでいる。 1995.11.08 SCIENTIFIC AMERICANに見る150年の技術史 1995.11.21 技術革新の不確実性 J.レニー 偉大なアイデアや発明が順調に進まないこともあれば,地道な進歩が世界を変えることもある。 1995.11.25 情報通信技術 より速く,より洗練されたデータネットワークとコンピューターが,私たちが仕事をしたり遊んだりする“環境システム”を作っていく。人工知能や知的システムも,日常的な機械の中に入ってくるだろう。 1995.11.26 2020年のマイクロプロセッサ D.A.パターソン このまま進めば,25年以内に,1台のコンピューターが,現在シリコンバレーに存在している全コンピューターの性能と同じになるだろう。 1995.11.31 ワイヤレス・ネットワーク G.L.ザイスマン 10年以内に,動き回る人々に対してはパーソナル通信が,電話のない人々には基本的電話サービスが提供されるだろう。 1995.11.36 光ネットワーク V.W.S.チャン エレクトロニクスによる信号処理が,光のままでの信号処理に置き換わり,光ファイバー通信は,ますます高速大容量化していく。 1995.11.42 人工知能 D.B.レナート 常識という知識を集約したものが形を見せ始め,人工知能への突破口がひらかれつつある。 1995.11.46 知的ソフトウエア P.メイズ プログラムは自律的に動作可能となり,コンピューターに向かう人々の負担を軽減していくだろう。 1995.11.50 バーチャルリアリティー B.ローレル 仮想現実感は,コンピューターを私たちの身体の一部へと変えていく。 1995.11.52 途上国のための衛星通信 R.ダガット 通信衛星こそ地球規模の情報経済を実現するエースである。 1995.11.55 輸送交通システム 巨大な翼を持った飛行機や磁気浮上列車,そして無人自動車がお客を目的地まで運ぶだろう。その一方で,小型の宇宙船が太陽系を探検することだろう。 1995.11.56 超高速鉄道 T.K.イーストハム ヨーロッパや日本で重要な輸送・交通手段になっている高速鉄道は,航空機や車を十分補完しうる。 1995.11.62 知能自動車 D.ゼッツェ 知能情報機器を搭載した車は,ドライバーと複雑な交通システムの安全性向上に変革をもたらす。 1995.11.68 進化する航空機 E.E.コバート 材料,エンジンそして操縦室の表示装置類の進歩によって,空の旅はより安全で安価なものになるだろう。 1995.11.74 21世紀の宇宙船 F.J.ダイソン 失速しかかった“宇宙の時代”を復活させるのは,太陽系にある無数の小天体を探査する,安くて小型の宇宙船かもしれない。 1995.11.79 なぜそんなに車を使うのか R.セルベロ 何百万もの人々が自動車から解放されるようになる。 1995.11.83 医療 21世紀には遺伝子治療が日常的になり,多くの疾患が克服されるだろう。細胞からできた人工臓器も普及し,慢性疾患の苦しみから患者を救うだろう。 1995.11.84 遺伝子治療 W.F.アンダーソン すでに数百人もの患者に対して遺伝子治療の臨床試験が始まった。21世紀には通常の医療のひとつとして普及するだろう。 1995.11.90 人工臓器 R.ランガー/J.P.バカンティ 組織工学は次世代の医療をになう究極的な治療技術だ。人工臓器を設計するのは生体の細胞自身なのだから。 1995.11.95 未来の避妊法 N.J.アレクサンダー 安全で効果が高く,容易に避妊前の状態に戻れるのが理想的だ。避妊ワクチンや新しいタイプのインプラントが登場するだろう。 1995.11.102 医療は人間を幸福にするか A.カプラン 医療の進歩は生きること,死ぬこと,人間らしくあることの思想に挑戦する。 1995.11.104 医療の進歩を予測する 1995.11.133 機械,材料,生産 自分自身を修復するビル,ピンの頭ほどの小さな機械,整然と生産活動を行う分散工場が実現する可能性がある。 1995.11.134 自己組織化する材料 G.M.ホワイトサイズ 有機・無機の分子が人手を経ずに集合し,小型化・複雑化を極める未来の機械を自ら作り出す。 1995.11.139 マイクロマシン K.J.ガブリエル 大画面テレビや航空機の安定性向上に期待が大きい。半導体チップ上の電子図書館や化学工場も可能になる。 1995.11.144 インテリジェント材料 C.A.ロジャース 自然界にヒントを得て,自分自身を環境に適応させる。人工の神経,筋肉,脳の役割を担うことになるだろう。 1995.11.149 先端複合材料 SCIENTIFIC AMERICAN 編集部 補強材としての需要は限りない。 1995.11.150 米国の高温超伝導研究 P.C.W.チュー 電流が流れにくい弱点は克服しつつある。有望な応用はセンサーやエネルギー関連だ。 1995.11.154 未来工場 SCIENTIFIC AMERICAN 編集部 通信,画像技術の進歩が生産を変える。 1995.11.156 21世紀のロボット J.F.エンゲルバーガー 家事や介護の分野で不可欠だ。 1995.11.159 エネルギーと環境 21世紀と今世紀との決定的な違いとは何だろうか。それは,産業廃棄物,農業,エネルギー生産への新たなる挑戦によって生じる変化である。 1995.11.160 太陽エネルギー W.ホーグランド 太陽光線からクリーンで安価な燃料だけでなく,電力エネルギーを生み出そうという技術が進みつつある。 1995.11.168 核融合 H.P.ファース 核融合により得られるエネルギーは,21世紀中ごろまでに広く使われるようになるだろう。 1995.11.174 21世紀の産業生態学 R.A.フロッシュ クリーンで効果的な産業経済がめざす,物質のリサイクルと廃棄物の減量の手本は自然界にある。 1995.11.179 持続型農業の技術 D.L.ブルックネット/D.L.ウィンケルマン 次にやって来る緑の革命は,環境を守りながら収量を増やすという高度な科学技術に裏打ちされたものでなければならない。 1995.11.185 環境経済学のすすめ H.フォン・ラースナー 世界の国々が環境を保護しながら繁栄することは可能である。 1995.11.199 新しい技術とともに生きる 技術がすべての問題を解決できるわけではない。逆に問題を作り出すことさえある。しかし,そうした欠点にもかかわらず,常に私たちの生活を変えつづけていく。 1995.11.200 科学技術と標準化 A.ブラボカー 新しい標準規格が設けられてこそ産業も発展するだろう。 1995.11.201 工業デザインのあるべき姿 D.A.ノーマン 製品の設計者は,利用者の心理をあまりにも無視しすぎている。 1995.11.203 読み書き,そろばん,コンピューター R.A.ランハム マルチメディアは,言葉と映像と音に対して,共通の役割を要請している。 1995.11.205 ネットワーク社会の経済学 H.R.バリアン 2ビットがデジタル市場ではどれくらいの価値になるのだろうか。 1995.11.207 裸の王様にならないために S.ズボーフ 情報技術は行動よりも速く進化していく。 1995.11.208 技術だけではできないこと R.W.ラッキー 技術は私たちに健康も豊かさも大きなテレビも与えてはくれないだろう。 1995.12.18 サイエンス・ビュー 天気予報の科学と技術 あまりに身近なために忘れがちだが,天気予報は最新の科学的知識と最先端の技術の産物である。地球科学の発展や地球環境保護意識の高まりと連動し,さらに進歩することが期待されている。 1995.12.20 数値予報の進歩と将来 佐藤信夫 精度はコンピューターの能力に大きく依存する。 1995.12.28 長期予報への挑戦 時岡達志 場所と季節を特定すればより適切な情報を提供できる。 1995.12.34 超短時間予報の可能性 大野久雄 突風・雷などの危険度の評価が実用化のカギ 1995.12.40 予報を支える観測システム 平木 哲/伊藤朋之/佐伯理郎 全球を対象とする国際的な動きが活発だ。 1995.12.48 出血熱ウイルスはなぜ現れるのか B.ル・グエノ エボラ出血熱ウイルスに代表されるように,危険な病原体は毎年発見されており,人為的な環境の変化が,それらの伝播をしやすくしている。 1995.12.58 若い星の連星系 A.P.ボス 連星系自体はありふれたものだが,これまでの常識に反して,誕生したばかりの若い星の間でも,連星系が普通に見られることがわかった。 1995.12.66 量子コンピューター S.ロイド 原子のエネルギー状態を情報の記録に利用し,論理演算も実行する。ある種の並列計算に威力を発揮しそうだ。ただし,設計・製作はきわめて難しい。 1995.12.84 匂いの生物学 R.エクセル 人間は約1万種類の匂いをかぎ分けられる。鼻の奥の嗅上皮にある嗅覚細胞から,嗅球をへて脳の皮質へ至る経路のどこで識別しているのだろう。 1995.12.114 乳ガンと環境中のホルモン様物質 D.L.デービス/H.L.ブラッドロー 多くの乳ガンの発症には,有機塩素化合物など環境中に残留しているホルモン様物質が関与している疑いが濃くなってきた。 1995.12.122 トレンド 新たなる社会ダーウィニズム J.ホーガン 人間の好みや行動を決めているのは,文化か。それとも進化論に基づく本能か。心の役割がしめる大きさは?盛り上がる人間行動進化学を紹介する。 1996.01.18 木星に到達した「ガリレオ」 T.V.ジョンソン 相次ぐトラブルを技術的に克服し,「ガリレオ」は木星の周回軌道に到達した。イオやガニメデの意外な姿を見せてくれるだろう。 1996.01.28 利己的遺伝子と生物の体 R.ドーキンス 利己的遺伝子の目的は,DNAを次世代に伝えることにある。これ以外のこと,たとえば,生物が死ぬときにあじわう恐怖や苦痛などには無関心なのである。 1996.01.36 ダーウィンの最後のポートレート R.ミルナー この偉大な博物学者は写真嫌いで,あまり写真は残っていない。しかし,このほど,ダーウィンが亡くなる前年に撮影した写真が見つかった。 1996.01.38 脳の免疫系を担うミクログリア W.J.ストライト/C.A.キンケイド=コルトン 脳では,ミクログリアが白血球の役割を担ってニューロンを守っている。ところが,最近,ミクログリアが暴走して痴呆をもたらしている疑いが出てきた。 1996.01.46 よみがえるホログラム・メモリー D.サルティス/F.モック 小さな結晶に膨大なデータ量を詰め込んで,超高速で読み出すことができる。画像処理の分野では,その可能性を再び評価する動きが現れている。 1996.01.78 お手玉の科学 P.J.ビーク/A.リューベル たわいない子供の遊びに見えるお手玉だが,心理学,ロボット工学,数学などと深いかかわりがあり,欧米では真面目な研究の対象になっている。 1996.01.86 氷河期の急激な気候変動 W.S.ブレッカー 1万年以上の地球には,たった10年程度の間に平均気温が10度も上下した不安定な時期があった。近い将来,同様の事態が起こる懸念は捨てきれない。 1996.01.96 危機に瀕する漁業資源 C.サフィナ 世界の漁場で魚介類の減少が深刻化している。漁業資源の安定した供給のためには,資源管理と未成熟個体の混獲防止が不可欠である。 1996.01.106 トレンド フォトリソグラフィーのゆくえ 松尾義之(編集部) かつては1μmが限界とされたこの微細加工技術は,新たな光源や化学素子の開発,あるいはさまざまな工夫により,0.1μmの壁を越えつつある。 1996.02.18 大型望遠鏡「すばる」 海部宣男 ハワイ島のマウナ・ケア山頂に国立天文台が口径8.2mの大型光学望遠鏡の建設を進めている。この望遠鏡は人類究極の目標である宇宙の果てを観測する。 1996.02.32 米国・カナダ太平洋岸の巨大地震 R.D.ハインドマン カリフォルニア北部からカナダのブリティッシュコロンビアにかけての沿岸を巨大地震が襲う危険性は,今までの予想よりもはるかに高いことがわかった。 1996.02.42 新生児を守る母乳 J.ニューマン 赤ちゃんの免疫系が完成するのには時間がかかる。それまでの間,病原体から赤ちゃんを守るためのさまざまな成分が母乳に含まれている。 1996.02.48 ピサの斜塔 P.ハイニガー 12世紀から傾いているこの歴史的建造物を救うため,新しい土木・建築技術が投入されている。本格的な対策は21世紀に入ってからだ。 1996.02.54 意識をどのように研究するか D.J.チャルマース ニューロンを調べるだけで,意識の謎を解くことができるだろうか。著者の答は「ノー」で,新しい基本法則を導入して研究することを提唱する。 1996.02.62 意識は神経科学で説明できる F.クリック/C.コッホ 意識の謎を解くには,ニューロンの活動やつながりを調べるのが近道であると,チャルマースに反論する。 1996.02.68 インターネット上の機密保持 T.ベス 膨大な金銭や重要な情報が流れるネットワーク環境では,たとえ盗聴されても秘密が守られなければならない。そのための新しい方法が開発された。 1996.02.90 嚢胞性線維症 M.J.ウェルシュ/A.E.スミス 米国白人の5%が保因者であるこの遺伝性疾患は,塩素イオンチャンネルの機能障害が原因であることが明らかになった。 1996.02.100 トレンド 未来戦争のゆくえ G.スティックス 米国は来たるべきハイテク・情報戦争への備えを最も重視しているが,局地的な紛争に対応するためのは泥臭い戦術も要求されている。